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忙しかった星組祭りも、終わりと思うと名残惜しい―キャスト別感想(瀬稀/瀬央/天飛/朝水)│霧深きエルベのほとり

霧深きエルベのほとり』関連記事が30本を超えました。
過去最高は2017年月組『グランドホテル』の43本。
エルベはこの記事で34本目。
まだ書きたいこと、この先の観劇予定もありますのでタイ記録になるかも?

瀬稀ゆりと、名バイプレーヤーに乾杯!


本公演をもってご卒業のせっきーさん(瀬稀)。
彼女に注目したのは『眠らない男・ナポレオン』のローマ法王が初めてだったかな?
堅実なお芝居が印象的でした。

『ANOTHER WORLD』の朴念は最高でしたね!
大仰に笑いを取りにいくのでなく、絶妙な間で観客の心をくすぐる。
すっとぼけたお坊さん、めちゃくちゃ巧くて大好きでした!

男役人生の集大成はハンブルグの酒場プローストの店主デュッケ。
気前が良くて、ちょっとお人好し、人生の酸いも甘いも噛み分けた人物を好演されています。

どこにでもいそうな市井の人。
こういうキャラクターがいてこそ、物語に奥行きが出ます。
せっきーさんは抜群です。

見どころは、祭りの終わりのシーン。
トビアス(七海ひろき)とベティ(水乃ゆり)のささやかな結婚式がお開きとなり、見送りの人々も消え…
デュッケ、ヴェロニカ(英真なおき)、カール(紅ゆずる)だけが残ったプロースト。

エルベ最大の見せ場となるカールの愁嘆場。
客席に背を向け、淡々と後片付けにいそしむデュッケ。
決して出すぎず、かと言って引っ込みすぎず。

カールの悲痛な叫びを聞き、わずかに頭を上げる。
「見て見ぬふり」が酒場の亭主の処世術だが、しかし…という仕草。

メインの芝居を邪魔せず、しっかり存在感を出す。
温かく、懐深く、頼りがいのある後ろ姿。
「男役は背中で語る」を体現した素晴らしい演技です。

嬉しいのはこの後。
「忙しかった祭りも、終わりと思うと名残惜しい」
「別れに、乾杯」
「うー、うまい」
せっきーさんのタカラジェンヌ人生に重なるような言葉。
長く星組長を務められたジュンコさん(英真)との、さりげない惜別の一コマ。
やりきった充足感があふれる最高のシーンです。

こんなにも素晴らしい餞を用意してくださり、上田久美子先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

ブラボー、せっきーさん!
千穐楽まで美味しいお酒を飲ませてくださいね!

愛すべき酔っぱらい、マルチン


口が悪くて、手が早い、飲んだくれのマルチン(瀬央ゆりあ)。
「憎めない男」を演らせたら天下一品のせおっち(瀬央)のハマり役です。

警官にカールの居所を問い詰められ、うっかり喋りそうになったオリバー(麻央侑希)を殴るときの効果音に、それは表れています。
「ペコン(ポコン?)」というコミカルな音。
エルベの世界には似つかわしくないSEですが、彼の悪気のなさを物語っているのですね。

一見、粗野で乱暴者のマルチンですが、面倒見のよい一面も垣間見せます。
「オリバー、忘れ物すんなよ」
のんびりやのオリバーをさりげなくフォローすることを忘れません。

せおっち本来の「男の可愛げ」が存分に活かされたマルチン。
ヨーニー(天飛華音)とは、いいコンビになりそうです。

恐るべき研3、天飛華音


病気の妹の治療費を稼ぐため、船乗りに志願するヨーニー。
天飛君は利かん気で、はしっこい少年がどんぴしゃハマりますね。
姿にも仕草にも自然な子役らしさがあって素晴らしいです。

とにかく目がいい!
ギラギラと抜け目のない目つき。

上目遣いでギロギロと辺りを見回す視線に心を奪われます。
大人たちの顔色を読みながら生き延びてきたことを容易に想像させますね。

シュラック家のそばの水辺でトビアスが水切りの腕を披露するときのヨーニーの目。
ぜひ注目してみてください。
「より多く、より遠くへ石を跳ねさせるにはどうしたら良いか?」を学び、観察する目です。

「仕事は見て盗め」
船に乗ったら、子どもだからといって誰かが手取り足取り教えてくれるなんてことはないでしょう。
自ら動いて学習する、それが自分の命を守ることにもつながる。

「こいつはモノになる」
ヨーニーの向上心を見抜いたからこそ、トビアスは自分の船員帽を譲ったのでしょう。

フランクフルト号の出帆が早まり、すばやくカールに荷物を渡す気働きの良さ。
こんな子が来てくれたら即採用しますよね。

歌は巧いし、ダンスも達者、芝居心もある天飛君はショーでも大活躍。
(宙組の和希そらさんと印象がかぶります)
若手男役中心の『Back!』では最下級生でピックアップされ、『星サギの夜』でもオープニングの大役を任されています。

『Back!』では下からすくい上げるような挑戦的な目つきと、攻めた色気で魅了します。
お兄さま方に引けを取らないギラギラ感。
いっぱしの星男っぷりが頼もしいですね。

余談ですが、昨年の『Killer Rouge』で天飛君にがっちりロックオンされ、強烈な指差しウィンクをいただいた私。
ニヤリと笑い、十分に視線を合わせて、注意を惹きつけてからの手慣れた釣り。
学年を知って開いた口が塞がりませんでした。
当時研2の102期生…末恐ろしい!
こんな釣り、どこで覚えたの~~~???

このまますくすく立派な星男として育って欲しいですね。

すけこまし、朝水りょう


「すけこまし」って死語でしょうか?
朝水君の水夫は、どうしてもこの単語が浮かびます。

ちょっとチンピラ風の役がハマる朝水君。
酒場での一挙一動から目が離せません。
マルギットの髪に触ったり、スカートをめくったり…やりたい放題。

彼のおかげでカールとマルギットが出会うのですから、朝水君の役割は重要ですね。

相棒のタクティー君(拓斗れい)と一緒に、いつでもどこでも女の子にちょっかいを出している。
カールの妹ベティに絡み、お祭りのダンサーの女の子をくどき…
ダンスパートナーの男の子に思いっきり通せんぼされて追い払われていたのには笑いました。

ショーの客席降りで目の前に来てくださったときは、あまりにカッコよすぎて固まりました。
一見コワモテですが、優しい目元と穏やかな微笑みが印象的。
意外にもギラギラ感より、品の良い端正な男役ぶりが際立つ朝水君。
この二面性が魅力ですね。

小ネタあれこれ


・マルチンの背中のサスペンダーは何の役に立ってるの?飾り?

・偽マルギット可愛すぎ!!!
日替わりの「すてき」が楽しみすぎる!
野太い「あ、すてき~~」も、舌っ足らずな「しゅてき~~」も可愛い~~
ぱっつん前髪とおてもやんメイクがたまらん…舞台写真が欲しい!

・ビア祭りの屋台でプレッツェルを売るふたりに見覚えが…
マインラートさん(如月蓮)、エルメンライヒさん(大輝真琴)、こんなとこで何してらっしゃるんですか??

・結婚披露パーティーで、カールに対するローゼマリー嬢(星蘭ひとみ)の表情が凄い。
ウジ虫でも見るような…
上流階級に紛れ込んだカールがどのような存在か如実に示します。

あっちもこっちも見どころ満載のエルベ。
今回ピックアップできなかった方については、また改めて。

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野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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