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宝塚で『日出処の天子』を上演するなら?山岸凉子展「光-てらす-」に行って来ました!

山岸凉子という漫画家をご存じでしょうか?
代表作は『アラベスク』や『日出処の天子』『テレプシコーラ-舞姫-』など。
繊細で緻密な描線、えぐるような心理描写が特徴。
バレエ・歴史・神話・ホラーなど幅広いテーマで作品を発表されています。

今日は、山岸先生の展覧会『「光 -てらす-」-メタモルフォーゼの世界-』を観て来ました。
1969年のデビューから最新作までの原画約200点や掲載誌やグッズなど、ファンには見逃せない充実した内容。

と、偉そうに書いてますが、実は私が読んだことがあるのは『日出処の天子(ひいずるところのてんし)』と続編の『馬屋古女王(うまやこのひめみこ)』のみ。
もともと古代史好きで、梅原猛の『隠された十字架 法隆寺論』を読み、聖徳太子に興味を持った私。
聖徳太子(厩戸皇子)を描いた名作漫画があると聞き、『日出処の天子』を手に取ったのが始まりでした。
img-20161015.jpg
最初は独特の絵柄に馴染めなかったのですが、読み出したら止まりません。
あの聖徳太子が超能力者で、その特殊な能力と美貌を駆使して政治の実権を握っていくというトンデモ設定なのですが、これがめっぽう面白いのです。
史実が細かく正確に織り込まれているのも高ポイント。
虚実取り混ぜて語られる物語。
そして、生々しいというか、ここまで描いてしまうのか!と思うほどむき出しな登場人物たちの心。
読み終わった後、虚脱状態に陥りました。
とりあえず、冠位十二階や十七条憲法を定め、仏教の興隆に努め、遣隋使を派遣し、といった教科書に載ってる聖徳太子のイメージは完全に覆ります。

展覧会に話を戻して。
原画はひたすら美しいです。
印刷では消え失せてしまう微妙な色合い、描線のふくよかさ。
また、アルフォンス・ミュシャやオーブリー・ビアズリーらの影響も強く見受けられました。
ミケランジェロの『アダムの創造』を模した構図や、青木繁の『わだつみのいろこの宮』のオマージュも目につき、山岸先生の創作のソースに興味を惹かれます。

現代のようにネットなど無い時代、古代の装束などよく勉強されてらしたなぁと感心しました。
当時、画料(原稿料)の殆どを資料に費やされたこと(暇さえあれば神保町へ通われたそう)。
まだ若い女性だけで海外へ行くのが珍しかった時代に、仲間の漫画家たちとヨーロッパへ40日間も取材旅行に行かれたこと。
この時同行した萩尾望都さんが背景を手伝ったという『アラベスク』の原画も展示されています。

ちなみに、今日は学芸員による展示解説(ギャラリートーク)が催されました。
まったく知らずに行ったのでラッキー!
ばっちり最前列でお話を伺えました。
普段なかなか聞けない創作の秘密や先生のお人柄に触れられる貴重なエピソード満載。
ギャラリートークは会期中あと2回ほどありますので、ご興味のある方は是非お運びくださいね。

それにしても、『日出処の天子』を描かれたのが33歳の時とは!
その若さであのような傑作をものするとは…天才!!
連載中に講談社漫画賞を受賞し、過度に注目を集めてしまったため、あのラストは激しい賛否両論を呼んだとか。
(個人的には、ああするしかない、あれがベスト、と思いますが)

ところで、『日出処の天子』を宝塚で上演するとしたらどうでしょう?
すみれコードに抵触しそうなので実現は難しいでしょうが。
まあ、妄想キャスティングということで。

厩戸皇子の半身、蘇我毛人は珠様(珠城りょう)のイメージぴったりなのですが、いかがでしょう?
宝塚の枠を超えるような複雑な女の業を背負った毛人の妹、刀自古郎女はみりおんちゃん(実咲凜音)。
たおやかで強い、毛人の想い人、布都姫はくらげちゃん(海乃美月)。

主人公の厩戸皇子は難しいですね。
ちぎさん(早霧せいな)のお芝居で観てみたいかなー。

* * *

今回の展示で、他の作品も読んでみたくなりました。
ホラーは苦手なのでパスですが、バレエ物と歴史物から攻略してみようかな。
傑作と名高い『天人唐草』も気になります。

◇山岸凉子展 「光 -てらす-」 -メタモルフォーゼの世界-◇
公式サイトはこちら(リンク先削除済)
会場:弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)
会期:2016年9月30日(金)~12月25日(日)
時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで) ※月曜休館
☆併設の高畠華宵展・竹久夢二美術館も観られます。

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コメント

厩戸

今日は。私も弥生美術館に行ってきたところです。印刷では出ない繊細さでしたね。
山岸涼子氏は、いまだ舞台化手つかずの漫画原作者の大物ですね。妄想配役は楽しいです。
私的イメージでは、トラウマ抱えた厩戸皇子は、明日海りお一択。

毛人は、男役なら誰でも自分の毛人を作れないとね。真面目人間のイメージだと真風涼帆。

布都姫の玲瓏な雰囲気を出せるのは、アントワネットを見事に演じたベテランちゃぴかな。雨乞いとかあるので、カリスマ性がほしいです。

刀自古は、宝塚だから生々しい女にならないように、美少女キャラの綺咲愛里さん。

しかし、長編だけど美形の主要人物は4人だけですね。おっさん率高し。

山岸涼子氏の作品で、宝塚化どう?と思うのは「妖精王」です。アーサー王伝説が下敷きになっています。
中篇で、武士の兄弟の数奇な運命を描いた「神隠し」という秀作もあります。
若手バウ向きです。若手はいい作品で勉強してもらいたいものです。

「ツタンカーメン」は考古学者ハワード・カーターの夢とその実現なので、大劇場向きに上手く料理したら新しいエジプトものができるんじゃないかな。

とにかく、漫画の舞台化だからといって、キャラに似せるのではなく、心を揺さぶる作品を作ってほしいですよね。


Re: 厩戸

>moulin様
初めまして。
コメントありがとうございました。

moulin様も山岸凉子展にいらしたのですね。
本当にデリケートな色使いで、生を観られて良かったです。

山岸先生と宝塚、両方お好きな方のご意見を伺うことができ、とても嬉しいです。
実は、私も厩戸皇子はギリギリまで早霧さんと明日海さんで迷っておりました。
どちらも「観たい!」という気にさせてくれるジェンヌさんですね。

毛人・布都姫・刀自古は、moulin様のキャスティングそれぞれに頷きました。
自分とはまた異なる視線で配役されておられ、とても新鮮で楽しいです。
布都姫の巫女としてのカリスマ性…確かに!必要ですね!
私は毛人と暮らすようになってからの彼女をイメージして宛てていました。
見る角度によって様々な捉え方ができる多面性こそが、山岸作品のキャラクターの魅力なのだなと改めて思います。

確かに、おっさん率高しですねー。
泊瀬部大王とか、どなたに演っていただきましょう!?という感じです。
個人的には、淡水・調子麻呂・羽嶋あたりはイケメン枠です。

『日出処の天子』以外のお勧めも教えてくださり、ありがとうございます!
今日まさに『アーサー王伝説』を観ましたので『妖精王』が気になります。
『神隠し』も面白そうですね、こちらも読みたいです。
子供の頃、カーターの伝記を読んでエジプトに夢を馳せた身としては『ツタンカーメン』も観たいですね。

“漫画の舞台化だからといって、キャラに似せるのではなく、心を揺さぶる作品を作ってほしい”
まったく同感です!
ジェンヌさんの肉体を通した山岸ワールド、きっと素晴らしいものになると確信しています。
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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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