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『蘭陵王』まとめ―素晴らしき装置と照明/賜死と切腹/瀬戸かずやの芝居/京三紗の衝撃/104期生

12月に入り、平日は花組『蘭陵王』、週末は宙組『白鷺の城』と観劇続き。
残しておきたい感想は山程あるのに、いかんせん手が追いつかず。
新年が明けたら、平日は月組『ON THE TOWN』、週末は星組『霧深きエルベのほとり』のターンに入りますので、なんとか年内に収めたいところです。

というわけで、『蘭陵王』備忘録。
img-20181214_1.jpg
○なにしろ、装置が素晴らしい!
千穐楽にして初めてのKAAT2階席。
新しい発見がありました。
1階からは分かりにくかった床の模様の全貌がはっきり見えたのです。

舞台正面を飾る、都市の俯瞰図と同じものだったのですね。
図柄の繰り返しが奥に行くほど狭まるように展開されています。
左右の曼荼羅のような垂れ幕と相まり、「永遠性」「持続性」を感じました。

「今あなたが立っているのは、無限に続く時の流れの中のほんの一瞬に過ぎない」
広寧王の妻の台詞「諸行無常、盛者必衰」にも通じる無常観がここにも表れます。

目を凝らせば、上手に龍、下手に虎がいます。
引き伸ばされた奥の垂れ幕だけでは分かりませんでした。

東に青龍、西に白虎ならば、これは四神?と朱雀と玄武を探すも見当たらず。
赤いオウムらしき鳥(朱雀?)と、亀っぽい生き物(玄武?)はいましたが…
白い孔雀もいたので深い意味はないのかもしれません。
映像化されたらじっくり探します。

装置と照明のマッチングも素晴らしいですね。
同じ景色が、夕暮れになり、星空になり、広大な砂漠となり。
イマジネーションを掻き立てられる美しい演出でした。

火焔太鼓を模した吊り灯籠もエキゾチックで素敵。

左右3枚ずつ、計3枚の垂れ幕。
曼荼羅のところどころに浮かぶ2羽の蝶。
これは蘭陵王と洛妃でしょうか?

フィナーレの連れ舞い(デュエットダンスではなく、あえてこう呼びたい)で、ひらひら舞い踊る二人。
つがいの蝶のように睦まじい蘭陵王と洛妃の姿に胸を打たれました。

○賜死と切腹
毒酒を賜るって、切腹と同じ構造ですよね。
衆人環視の中で自ら選び取る「死」。
それは決して名誉でも何でもなく、一族郎党を人質に取られた脅し以外の何物でもありません。

逃げることは許されない。
自分が腹を切らなければ、愛する者に累が及ぶ。
絶体絶命の状況に追い込まれ、ありがたく死を賜る“ふりをする”。
おためごかしの茶番であり、狂気です。

「やめた」と杯を放り投げる蘭陵王には溜飲が下がりました。

○あきらさんの芝居、ここも凄かった!
あきらさん(瀬戸かずや)のお芝居についてはさんざっぱら書きましたが、なんとなく印象に残っているのは逍遥君(帆純まひろ)に初めて声をかけるシーン。
「あなたおしゃれね…いいわよ」
逍遥君の指向を一瞬で見抜き、水を向ける。
濃密な台詞回し、密やかに淫靡な視線。
巧い!

○影の主役、語り部(京三紗)
京さんで始まり、京さんで終わる。
京さんの語りなくしては、『蘭陵王』の舞台は成立しなかったと言っても過言ではありません。
ひたひたと何の抵抗もなく脳みそに染み込む声。
ゆったり、くっきり、しっくり、古代中国の世界へいざなう語り口。
不思議な暗示効果すら感じるような、影の主人公とも言うべき語り部でした。

最後の爆弾には驚かされましたが…
光るヌンチャクの比ではない衝撃発言でしたね。
一瞬、客席に声にならないざわめきが走ったのを感じました。

○先が楽しみな104期生
人数の少ない公演ですので、今年入団したばかりの研一さんにも役がつきます。

周雲役の珀斗星来さんは、どっしりした舞台姿、しっかりした台詞で存在感をアピールしました。
ワンフレーズですが、歌もなかなか。
月組の白雪さち花さんの妹さんですが、既に「弟」と呼びたくなる貫禄があります。

桂妃役の美里玲菜さんは、現星組トップ娘役の綺咲愛里さんの妹さん。
整った容姿、すらりとしたスタイルで目を引きました。

ふたりともお姉さま方にそっくりで驚きましたね。

個人的に注目している青騎司さんはひときわ目立つ男らしい風貌。
カーテンコールでは初々しさも垣間見えて微笑ましかったです。

何と言っても、華の花組配属の研一さんたち。
これから大きく羽ばたいていかれることを期待します。

これにて、『蘭陵王』感想は完結(多分)。
長々とお付き合いありがとうございました。

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Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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