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珠城りょうの「役者の目」―お茶会備忘録

過日行われた珠様(珠城りょう)のお茶会について。
最も印象深かったのは、彼女の「目」。

知的で穏やか。
懐が広く、親しみやすいお人柄。
発する言葉は平易で、よく整理され、過不足がない。
ユーモア交じりのサバサバした語り口が楽しい綺麗なお姉さん(たまにワンコ)な珠様。

一転、役について話すときの「目」の変化。
話の流れでセリフを口にした拍子に、ふっと役が降りてくる。
その目つきが、凄い。

「目の色が変わる」とは、このことでしょう。
まとう空気が一瞬に変わるのです。

それまでの気さくで可愛い女性は姿を消し、青い炎が全身を覆う。
衣装や舞台メイクがなくとも、その場に居ない「誰か」が、見えない扉を開けて姿を現すのです。

誰かが珠城りょうの肉体を乗っ取る。
奥に引っ込んでいた「役」の魂が「珠城りょう」の魂と入れ替わる。

自分ではない誰かの人生を生きる役者稼業。
しかし、役に完全に乗っ取られてはいけません。

いざステージに立てば、怜悧に醒めた感覚で、役の皮の内側から自己を見つめる目が生まれます。
粛々と、舞台が滞りなく進行するよう管理しつつ演技する、役者の視線。

とはいえ、芝居の中で「役」なのか「珠城りょう」なのか分からなくなるときがあります。
「役」と「役者」のせめぎ合い。
「支配」と「従属」が刻々と入れ替わる。

まれに「役者」が「役」を制御しきれなくなる瞬間が訪れます。
そのとき、観客は舞台の空気に飲み込まれるのです。

ステージと客席がひとつに溶け合う幸福な時間。
「観る側」だった観客が「自己と外界の境目」を失い、透明人間となり、作品世界の内側に入り込む。
そのとき、単なる「傍観者」から「当事者」に立場が変わるのです。

役者の演技を通して、自分以外の誰かの人生を追体験できること。
舞台での出来事が「他人ごと」から「自分ごと」になることで、観客は違った人生を生きられるのです。
それこそが芝居見物の醍醐味でしょう。

珠城りょうは間違いなく、観客を舞台に引きずり込むことのできる「熱」を持った役者です。
それを改めて感じた「珠城りょうの目」でした。

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コメント

Re: No title

w様

どういたしまして、そう言っていただければ何よりです。
先人の言葉は生きる指針になりますね。

「目は心の窓」と言いますが、珠城さんの目から役の心の内が覗けるような気持ちがいたしますね。

素敵なお返しをありがとうございます!
なんて素晴らしいネーミング。
美しさが衣を通して見えるほどだったという彼女を思わせるバラですね。

梨もバラ科ですよね…と無理やりこじつけてみたりして 笑
『月雲』つながりでしたら、ササユリも良いかもしれませんが、バラとパンジーには合わないでしょうか?
着々と歌劇の花園が出来上がってるようで楽しいですね。

『月雲』は本当に宝石のような作品でした。
舞台から発せられる透き通った空気の感触はいまだに体が覚えています。
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プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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