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さらば、少年の日々―捲殘雲(礼真琴)と狩雲霄(輝咲玲央)│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

捲殘雲(礼真琴)と狩雲霄(輝咲玲央)の師弟コンビ、いいですね!

琴ちゃんが可愛くて!可愛くて!
玲央さんがカッコよくて!カッコよくて!

大好きな玲央さんと大好きな琴ちゃんが師弟関係なんて、なにそれ!?最高!!
と、配役発表時から私の期待値はダダ上がり!

幕が上がったら、想像を遥かに上回る舞台が目前に!
ありがたや~~なんまいだ~~

* * *

中の人(玲央さん)の「ケンちゃん」呼びが可愛いですね。
琴ちゃんの捲殘雲はいかにも「ケンちゃん」という感じがします。
「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい(丸大ハム)」そんな言葉を思い出す、やんちゃ坊主感。

「坊主」と書きましたが、観劇後に原作を観て一番驚いたのが捲殘雲なんです。
あれ?結構な大人?みたいな。
原作の殘雲は20代前半くらいの設定でしょうか?
心身ともに立派な大人の男性です。

対して、琴ちゃんの殘雲は10代後半くらい?
原作よりやや若い印象です。
脚本も演技も意識的に、幼さを前面に出しているように感じられました。
その方がラストの殘雲の成長っぷりが際立ちますからね。

「桂花園」で狩雲霄のお尻を追ってちょこまかする捲殘雲は完全にワンコ。

あれだけ「兄貴、兄貴」と懐き、英雄として尊敬の眼差しで見てくれる少年。
狩雲霄もそんな相手と四六時中一緒にいれば情も湧いてくるでしょう。
しかし、自分は決して殘雲の憧れにかなうような英雄好漢ではない。

忸怩たる思いの爆発が、例の「傍目に英雄らしく振る舞う手管なら…」につながったのでしょう。
あえて悪ぶって見せることで、言外に殘雲へ伝えるのです。
「もう俺の背中を追うな」と。

英雄好漢となるのは生易しいことではない。
真っ直ぐに、光差す道だけを歩んで行けるものでもない。
狩雲霄が右目を失い、道を踏み外した過去について想像させるシーンです。

ひとつ疑問なのは、捲殘雲は槍遣いなのに、なぜ弓遣いの狩雲霄に弟子入りしたのか?
どうせなら同じ槍遣いに学んだ方が英雄への近道な気がしますが。
狩雲霄の(見せかけの)人間性に惹かれてのことでしたら、やりきれないですね。

いずれにせよ、ここは物語の中で唯一、人間同士のむき出しの感情がぶつかり合うシーン。
冷静沈着だった狩雲霄が声を荒げ、冷たく弟子を突き放す。
思いもよらぬ師の変わり身に、傷つき、うなだれる捲殘雲。
じりじりした緊迫感が舞台を覆う、見応え充分な場面でした。

* * *

師弟の亀裂が決定的となり、ひとり取り残される捲殘雲。
押し殺した「…くそっ」という呟きは少々意外でした。
それまでの彼であれば「くっそーーー!!!」と声の限りに叫びを上げ、怒気のままに荒れ狂っていたでしょう。

彼は師の正体を悟ったとき、一足飛びに大人になったのです。
暴発しそうな感情を抑え、自分の内側に落とし込む。
心のままに叫び、振る舞うことのできる「少年の時」は終わりを告げたのです。

裏切られた悲しみ、苦しみ、怒り、やるせなさ。
すべてを胸の底に押し込め、この先自分はどう生きるべきか問いかける。
自己との対話。
それこそが少年の成長に最も必要なものでしょう。

代償はあまりに大きかったですが、宝塚版の狩雲霄はむしろ、捲殘雲がこうなることを望んでいたように思えます。

原作はここまでの愁嘆場ではありませんでしたが、このエピソードがあったからこそ宝塚版の狩雲霄の最期へとスムーズにつながったのです。

土壇場で、彼本来の義侠心を甦らせた狩雲霄。
命と引き換えに一度は失った誇りを取り戻し、「英雄」として死んでいく。
捲殘雲もまた、師の心を知り、その志を継いで生きる。

よりドラマティックな味わいが深まる的確な改変であり、ストーリーテラーとしての小柳奈穂子先生の手腕を存分に見せつける、実りあるラストでした。

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宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
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