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『エリザベート』最大の謎!トートとシシィはどこへ向かうのか?

宝塚版『エリザベート』に関する3つの疑問。
(1)「黄泉の国」とはどこか?
(2)「トート」とはなにものか?
(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?

最終章は、(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?について。

* * *

(3)トートとエリザベートはどこへ向かうのか?

『エリザベート』のラストシーン。
スモークの流れる純白の世界。
現世のしがらみから解き放たれ、身ひとつで佇むシシィ(エリザベート)。

黄泉路の入り口でシシィを待ち受けるトート。
真っ直ぐにトートの胸へ飛び込むシシィ。
固く抱き合ったまま、光の階段を上昇するふたり。

ん?
なんだか違和感。
「死」が天へ昇っているように見える?

シシィが天に迎えられるのならば分かるのです。
人間ですから。

では、トート(死)はどこへ向かおうとしているのか?
トートとシシィが昇る光の階段はどこにつながっている?

このラストシーンはどう受け止めればよいのでしょうか?

* * *

エリザベートマニアの連れ合いに、最後の場面をどう捉えるか訊いてみました。
返ってきた答えは「そこは突っ込まない!」。
…でも気になる。

手持ちの材料のみでラストシーンを紐解くとすれば、これは「シシィの心象風景」でしょう。

擬人化された「死」、トート。
前回、ギリシャの神々とトートの関係について書きましたが、こちらに寄せて考えれば「シシィとの恋愛の成就」。
かたや、トート(死)はあくまでもシシィの心が生み出した幻影であるとすれば「シシィの魂の救済」。

生涯、自由と安息を求め続けたシシィにとって、「死」の腕に抱かれるとはどういうことか?
「涙 笑い 悲しみ 苦しみ 長い旅路の果てに」
生きて、生きて、生き抜いた末に見た「死」の姿。
シシィの目には永遠の安らぎと映ったでしょうか?

* * *

「死」とは何か?
私には分かりません。
未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らん。

死後の世界を知る者が、この世に誰ひとりいない限り、その描き方は自由。
そして、どう受け止めるかも自由。

ラストシーンは、「トートとシシィの恋愛成就」と「シシィの魂の救済」の折衷でしょう。
これを演劇的に宝塚的に美しくまとめた結果が、光の階段を上昇していくふたりの姿となった。
結果、あろうことか「トート」が天へ昇っているように見えてしまうのですが。

一般に「光の階段」といえば天に続くものです。
しかし、「黄泉」が光あふれる世界であってはならない理由はありません。
先入観として、「黄泉」「冥界」は薄暗く陰気なイメージですが…

トートは「今こそ お前を 黄泉の世界へ迎えよう」と歌い、シシィは「連れて行って 闇の彼方 遠く 自由な魂 安らげる場所へ」と返す。
それならば、シシィにとって安息の地が、闇の彼方のまばゆい世界として描かれても何ら不思議はありません。

演出の記号として、「白い服をまとった登場人物」「ホリゾントいっぱいに流れるスモーク」「光の階段」とくれば、「天に昇った人」「天上界」を指します。

しかし、たとえ「黄泉の国」へ行くとはいえ、トップコンビが「真っ黒い服」で「暗闇」にせり下がっていくのでは、スカッとしません。
ここはどうしたって、荘厳なコーラスを浴び、白い服で光の階段を昇るふたりを見なければ、観客はカタルシスを得られませんね。

よって、トートとシシィの行く先は、シシィにとっての安らぎの世界、光り輝く「黄泉の国」であると結論します。

* * *

これで、宝塚版『エリザベート』に関する3つの疑問(1.「黄泉の国」はどこか? 2.「トート」の正体 3.トートとエリザベートの行く先)の答えはすべて出揃いました。
長らくお付き合いくださり、ありがとうございました。

『エリザベート』の世界をより深く知るため、次はこちらを読んでみたいと思います。
エリザベート 愛と死の輪舞/M・クンツェ、小池修一郎著/角川文庫/ISBN:9784043445011

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宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
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