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『宝塚版サンファン』を成功に導いた3つの決め手とは?│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

青年館公演が千穐楽を迎え、時間に余裕ができましたので、公演中に最終話までたどり着けなかったサンファン原作を楽しんでいます。

原作と舞台両方を観て、改めて感じた『サンダーボルトファンタジー』の面白さ。
大盛況のうちに日本での公演を終えた『宝塚版サンファン』の成功の理由を探ってみました。

大きな決め手は、この3つ。
(1)原作エピソードの取捨選択の巧みさ
(2)スターシステムにこだわらず、キャラクターと役者の相性を最重視したこと
(3)オリジナルエピソードを上手く取り入れ、スターシステム的にもパーフェクトに仕上げたこと


* * *

(1)原作エピソードの取捨選択の巧みさ

舞台化にあたり、感心したのは取捨選択の見事さ。
ストーリーのキモとなる部分にクローズアップし、大筋に関係ない箇所はバッサリ。
舞台で表現するのに難しいところは無理のない程度にアレンジを加える。

メリハリのきいた作劇で全13話の長大な物語をまとめ、原作の知識の有無にかかわらず、観客に満足を与える舞台に仕上げました。
原作を熟知していなければ出来なかったことでしょう。
小柳奈穂子先生の原作愛を強く感じました。

原作ファンの方のイメージを崩さぬよう、大事な台詞は一字一句ほとんど変えず。
舞台を観てからだと、さらに面白さが増しますね。
「この台詞、カイちゃん(七海ひろき=殤不患)が言ってた!」
「刑亥さん、本当に『臓腑を火で炙られるようだ』って言ってるー」
捲殘雲の「凛々しい!」に至っては、こんな細かいところまで…と謎の感動を呼びました。

(2)スターシステムにこだわらず、キャラクターと役者の相性を最重視したこと

小柳先生がプログラムに寄せられた「画面の中の凜雪鴉が紅ゆずるにしか見えず、丹翡が綺咲愛里、捲殘雲が礼真琴にしか見えなかった」とのお言葉。
これは舞台を観終わった私たちファンの思いそのものでもあります。

これほどドンピシャな配役ってあるでしょうか?
どのキャストも「この人でなければ!」というハマりっぷり。

容姿端麗のタカラジェンヌ集団ですから、ヴィジュアルはばっちり!
しかし、見た目だけを寄せているのではありません。
台詞や身のこなしのひとつひとつまで、人形劇のキャラクターが乗り移ったよう。
そこへさらに役者自身の持ち味が加わり、宝塚版ならではの、もうひとつの『サンダーボルトファンタジー』に仕上げてきたのです。

一例としては、輝咲玲央演じる弓矢使いの豪傑、狩雲霄。
「画面の中の狩雲霄が輝咲玲央にしか見えず」と、小柳先生が思われたかは知る由もありませんが「狩雲霄=輝咲玲央」は的確な判断。

骨太なルックス。
鋼弓をぶん回し、次々相手をなぎ倒す激しいアクション。
か弱さがわずかでも覗くと一気に現実に引き戻されますが、微塵も感じさせないのはさすが。

凜雪鴉と並ぶダブル主人公・殤不患に七海ひろきを当てたのと同様、従来のスターシステムにこだわらない配役により、宝塚版サンファンの完成度を高めたと言えるでしょう。

(3)オリジナルエピソードを上手く取り入れ、スターシステム的にもパーフェクトに仕上げたこと

「従来のスターシステムにこだわらない配役」とはいえ、絶妙なアレンジでスターシステムに則った「宝塚的」な物語としても上手く収めました。

二番手の礼真琴演じる捲殘雲が、青雲の志を抱いて故郷を後にするシーンをオープニングに据えたことにより、彼の立身出世物語としての側面を強く印象づけたのは、その最たる例でしょう。

ヒロイン丹翡との恋。
師の狩雲霄との関わりでは原作にないエピソードも織り交ぜ、内面の成長もしっかり描きます。

スターの格をないがしろにせず、捲殘雲の成長譚を物語のもう一本の軸に据えることで、二番手の礼にも花を持たせたのは宝塚の座付作者としてお見事。

結論としてはやはり「キャラクターの再現度の高さと、脚本の面白さのバランスが絶妙」なのが、宝塚版サンファン成功の決め手ですね。

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宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。
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