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飄々と、軽やかに―『雨に唄えば』のブースター、美弥るりかについて

赤坂で月組の『雨に唄えば』、日比谷で星組の『ANOTHER WORLD/Killer Rouge』。
どちらも笑えて泣けて、終演後はじんわり温かな余韻が残る素晴らしい舞台。
同じコメディとはいえ、ここまでテイストの違う2作品を同時に上演できる宝塚。
あらためて劇団の懐の深さを感じますね。
両方共、本当に大好きな作品です。

細かいことですが、『雨に唄えば』と『Killer Rouge』で同じ衣装が使われているのを見つけたときは嬉しかったです。
偶然でしょうか?
娘役さんのイエローとオレンジのグラデーションのミニワンピース。
動くたびにフリンジが揺れ動くのが可愛くて大好きな衣装です。
なんとなく見えないつながりが感じられ、宝塚はひとつ…という思いがして楽しいですね。

* * *

珠城りょう演じるドン・ロックウッドの幼馴染みにして無二の親友、コズモ・ブラウン(美弥るりか)について。

珠様トップお披露目の『アーサー王伝説』から二人の関係は、訳ありの姉弟、束の間の友人、頼もしき朋輩やビジネスパートナー、最新作ではなんと恋人同士。
他組のトップと二番手よりバラエティに富んだつながりを演じることが多い彼女ら。

今回は、公私共に厚い信頼と友情で結ばれた相棒役です。
ドラはドン&リナを「ベーコン&エッグ」と評しましたが、彼らもまた同じように切っても切れない間柄と言えるでしょう。

二人の関係が端的に表れたのがこちらの台詞。
「コズモ、俺はいい役者かい?」
「親友だろ?言ってくれ」
「時々そう言ってくれないか」
ドンにとってコズモは鏡のような存在なのでしょうか?
コズモを通して自分の現在地を確認する。
親友への無条件の信頼が垣間見えて好きな場面です。

苦楽を共にしてきた二人ですが、銀幕のスターとしてより多くの社会的成功を収めているのはドンの方。
しかしながら、わだかまりなく関係が続いていることに絆の深さを感じます。

「僕には何がある?」と言いつつ、飄々とした様子のコズモ。
実のところ、彼は人として大切な、目に見えない多くのものを持っているのですが。
こんな風にさらりと口に出せてしまうところに、彼の正しい自己肯定感、しなやかで強靭な精神を感じさせます。

アイディアマンの彼は、幾度もドンやキャシー、モニュメンタル映画会社の危機を救います。
その過程で彼が少しづつステップアップしていくのも嬉しいですね。
音楽部門の責任者に任命されたり、昇給したり、しまいには脚本家の口も?

陽気で軽妙な味。
くりくり動く猫のような瞳、豊かな表情。
真骨頂は「MAKE 'EM LAUGH」。
歌って、踊って、舞台狭しと駆け回る大ナンバー。
ジャンプするたびに鳴る「ぴよょ~~ん」というSEがこんなに嫌味なく似合う方がいらっしゃるでしょうか?
凄まじい運動量ですが、みやさん(美弥)は身軽さを活かして、思わず笑顔がこぼれる楽しい場面に仕上げました。

同じシーンに出ている他の生徒さんも大変ですね。
次から次へと飛び出す仕掛け、どこかがつっかえたらすべてガタガタになります。
バケツに足を突っ込み、白粉を飛び散らせ、はしごに引っかかり、天井から落ちてきた人形と戯れ、爆弾をキャッチし…
とても書ききれないほどの細かい動きが続きます。
コズモの行く手を先回りして、個々の芝居もしつつ、さりげなく彼をサポートする。
目まぐるしく変化する場を滞りなく進めるチームワークが素晴らしいですね。
このシーンは団体賞ものです。

発声法教室でもドンや先生(朝陽つばさ)と絶妙な掛け合いを見せます。
アドリブが微妙にスベりかけても必ず拾うコズモ。
何があっても立て直してくれる彼の機転には救われました。
(自分で拾えないとすがるような目でコズモを見るドンもツボでしたが)

思いがけない代役で大変だったでしょうが、立派に大役を果たした朝陽君もお見事でした!
冒頭のちょっとミーハーなお巡りさんも良かったですね。
舞台度胸と芝居心が光りました。

もちろん、ドンとは作品の目玉であるタップの相性も抜群。
猛練習を重ねたという軽快な脚さばき。
体格の異なるドンに引けを取らない大きな動きでしっかり見せます。
キャシーも加わるナンバーのウキウキするような楽しさ。

前向きな心と、抜群のひらめきで、物語を大きく動かすきっかけを作り出すコズモ。
さりげなく誰かに手を差し伸べることができる優しさをもったコズモ。
みやさんの自然体で力みのない芸が、この作品にまたとない軽やかさを添えてくれました。
なんのかんの言いつつ、リナちゃんにちょっかいを出すところも好きですね。

次はいよいよ『エリザベート』。
実のところ、登場人物で一番好きなのがフランツ・ヨーゼフなのです。
どのようなアプローチでみせてくださるか期待大です!

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宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
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宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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