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歌える!踊れる!芝居ができる!輝月ゆうまの超絶技巧が光る『雨に唄えば』

輝月ゆうまが巧い!巧すぎる!!

「歌えて、踊れて、芝居もできる」まゆぽん(輝月)が、「歌えない、踊れない、芝居ができない」女優リナを演じる可笑しみ。
もちろんファンは彼女が舞台のオールラウンダーであることを知っています。
「本人とは正反対の役をどんな風に演じるのか?」
興味は尽きません。

「まゆぽんなら大丈夫」
「とびきり魅力的なリナちゃんを見せてくれる」
ファンが彼女に寄せる絶対的な信頼と言ったら!

リナは『雨に唄えば』で一番の儲け役です。
しかし一歩間違えば、舞台を壊しかねない難役でもあります。
やりすぎてはいけない。
引きすぎてもいけない。
極めて高度で繊細な技術を要求される役。

これは他の役にも言えます。
いたるところに温かく上質な笑いが散りばめられた『雨に唄えば』。
客席の受けが良ければ、ついエスカレートしてしまう危険をはらんでいます。
うっかりすると、役ではなく芸名の自分が顔を出してしまったりして。
ですが、舞台は一人のものではありません。
全体の調和を乱し、内輪受けに走っては興ざめです。

『雨唄』メンバーはこの辺りが巧みですね。
皆が役として笑いを取っている。
笑わせるために動くのではなく、真摯に動くことで笑いを得る。
ドンやコズモを筆頭に、シンプソン、デクスター、発声法の先生…
皆の優れた連携が、快い笑いを呼び起こすのです。
素晴らしいカンパニーの在り方です。

特に、まゆぽんの匙加減は絶妙です。
押し付けがましくなく、強烈でチャーミングな女優を怪演。
自身の芸を客観視できている証です。
『雨唄』の舞台で、輝月ゆうまに求められるもの、果たすべき役割を、きちんと認識した上でのリナ・ラモントなのです。

ちょっと浅はかなところもありますが、キュートで、憎めなくて、愛おしい。
つい応援したくなっちゃう女の子。
舞台をご覧になった方全員がリナのファンになったのではないでしょうか。

素っ頓狂で、ワガママで、猪突猛進。
そんなリナが皆の心を捉えて離さないのは、その自己肯定感の高さゆえではないでしょうか?
リナはとっても真っ直ぐ。
「ママにも電話するわ」の台詞にもあるとおり、愛されてすくすく育ったことがうかがえます。

だから、自信たっぷりで底抜けに明るい。
ドン(珠城りょう)に邪険にされても気にも留めません。
めげずに何度でも立ち向かっていきます。
そのパワフルさ。

しかし、リナは強いばかりの女の子ではありません。
ソロナンバー『WHAT'S WRONG WITH ME?』。
「なぜダメ?なぜ嫌うの?」
こんなに愛してるのに、どうしてダメなの?
いじらしい胸の内を覗かせるリナの姿に、なぜだか泣けて仕方ありません。

「あたしのミスター・ラモント」に込められた愛と希望。
ドンは「勝手に明るい未来を想像するな」と突き放しましたが、このときばかりはドンが憎たらしくなりましたね。
リナちゃんに冷たくしないで!と言いたくなっちゃいます。

「脳天気に見せてるけど、あたしだって冷たくされたら辛いのよ?」
彼女の胸の奥の哀しみに思いを馳せると切ない気持ちになりますね。
もっとも最終的には「ダメじゃない!」と自分を肯定するのが、さすがのリナちゃん。
立ち直りが早い!

* * *

内面の愛らしさもさることながら、女っぷりも凄い!
もともと目鼻立ちのくっきりした美人さんですが、珠ドンへの愛に彩られたまゆぽんの美しさ、可愛らしさと言ったら!
全身から愛嬌がこぼれ落ちるよう。
ドンを好きで好きでたまらない気持ちが、表情からも仕草からも溢れて輝いています。

くるくる変わる表情も魅力。
ぷっと頬を膨らませた顔すら、とびきりの可愛さ!

スタイルも抜群!
売れっ子女優らしい華やかさで数々の衣装を着こなします。
「感じて このスタイル」で、妖艶な笑みを浮かべながら脚を組みかえるのを真正面で観たときは目のやり場に困りましたー。

* * *

そして、輝月ゆうまのスーパーテクニックを思う存分味わえるのが、歌!

「下手」 が 「上手い」!

リナちゃん甘いわ!
本物の音痴はそんなもんじゃない(ソースは私)!と思っちゃいました。
ひとつひとつの音の外し方が緻密で、まさに職人芸。
考えてみれば、本当の音痴ではこの役はできないのですよね。
「記号」としての下手。
下手の「型」にハマっていれば良いのです。

トーキーの撮影現場で、マイクが拾う声が近づいたり遠ざかったりするのも、まゆぽんの手加減によるもの。
まゆぽんの驚異の超絶技巧で描く「下手」は間違いなく『雨唄』の見どころのひとつです。

ところで私、困ったことに何度か観ている間にリナが悪声とは思えなくなってきたのです。
耳が慣れた??
最初こそ驚きましたが、いまではちょっと個性的だけどいい声じゃない?とまで。
そうなると、ますますリナの可愛さがクローズアップされて、彼女への肩入れが増してしまうんですよね。
贅沢な悩みですねー。困った、困った。

リナちゃんの好きな台詞は「ドニ~~~!」かな?
ドンの親友に対する「コズ」呼びも同様ですが、“自分だけの特別な呼び方”をもっていると親密度が高まりますね。
だから、キャシー(美園さくら)がドンの名を呼んだとき「あんたが生まれるずっと前から「ドン」って呼んでたのよ!」という言葉につながるのですね。
「私だけが、愛する男の名を口にできる唯一の女でありたい」といったところでしょうか?

他にも「バッカみたーい」「トイレにジャーッ」と、リナ語録は枚挙にいとまがありません。

密かにキーポイントだと思うのは「ともだち~~~!」かな?
キャシーを巡って利害が一致したリナとゼルダ(叶羽時)ですが、ちゃんとした「女友達がいる」のはリナという人物を紐解く上でとても大切な要素です。
ドンにはコズモ。
リナにはゼルダ。
心許せる友人は、人生の豊かさの象徴です。
ドンには振られてしまったけれど、リナには慰めてくれる友達がいる。
リナはそんな幸せに恵まれていることが嬉しいですね。

* * *

フィナーレではありがたいことに本来の男役姿も観られます。
中村一徳先生の粋な計らいですね。
ひときわ目立つ長身でセンターに立つまゆぽん。
金髪リーゼントに黒燕尾、しかし、お顔は女化粧のまま。
ちょっとローリー寺西を彷彿させるような、なんとも妖しい色気を醸し出しています。

その姿で存分に男役の美声を響かせるのですが…
一瞬リナの顔が覗くとき、客席がどよめくのが面白いですね。
初観劇の方はあの美しくもカッコいい紳士と、リナちゃんが同一人物とは気づかないのではないでしょうか?
こんないたずらっぽい仕掛けも楽しいものです。

さて、吹き替えが知られてしまったリナはその後どうなったのでしょう?
転んでもただでは起きなさそうな彼女のことですから、案外、ユニークな声のコメディエンヌとして大活躍するかもしれません。
いずれにせよ、リナちゃんの声も含めて丸ごと愛してくれる素敵な人と出会って幸せになって欲しいものです。

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