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宝塚で『さらば、わが愛/覇王別姫』を演るなら?明日海・珠城・愛希・鳳月【妄想キャスティング】

以前「みりおさん(明日海りお)で『さらば、わが愛/覇王別姫』を観たい」と書いた私。
過去記事>“項羽と虞美人”を思わせる“鳳月杏と仙名彩世”│金色の砂漠

月組の『鳳凰伝』を観て、ますますその意(宝塚で京劇ものを観たい)を強くしました。

近代中国を舞台に、文化大革命や日中戦争など、時代の荒波に翻弄されるふたりの京劇俳優の愛憎を描く、チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』。
「お薦めの映画は?」と訊かれたら、迷わず挙げる大好きな一本です。

レスリー・チャン(張國榮)、チャン・フォンイー(張豊毅)、コン・リー(鞏俐)ら、そうそうたる役者が繰り出す、叩きつけるような愛、憎悪、保身、背信…
登場人物が受けた痛みが、スクリーンを通して観客の身をも引き裂くような、凄まじいエネルギーに満ちた作品です。

初めて観たのは十代の終わり。
多感な年頃には強すぎる刺激でしたが、えぐり出すように描かれる人間の業に魅せられ、取り憑かれたように幾度も映画館に足を運んだものです。

* * *

紅と金に彩られた華やかな舞台。
甲高く、もの悲しい鳴り物の響き。
虚ろな役者稼業の、身に沁み通るような侘しさ、やり切れなさ。
きな臭い革命と戦争の足音の中で、愛し合い、憎み合い、傷つけ合う男と女。
弱く小さく哀しい人間たちの姿に、限りない愛おしさを覚える作品です。

現役の生徒さんでキャスティングしてみました。

女郎の母から捨てられるように俳優養成所へ預けられ、のちに女形として大成する京劇役者の程蝶衣(チョン・ティエイー)に、明日海りお。
蝶衣が想いを寄せる相手役(立役)の段小樓(トァン・シャオロウ)に、珠城りょう。
小樓の妻となる女郎の菊仙(チューシェン)に、愛希れいか。
蝶衣のパトロンの袁四爺(ユアンスーイエ)に、鳳月杏。

* * *

薄々お気づきでしょうが、ストーリーはぶっちゃけドロッドロです。
文化大革命で京劇が弾圧され、『自己批判』を強制される蝶衣と小樓。
物語のクライマックスはここ。

異常な状況下で追い詰められ、互いの心をずたずたに引き裂き合うふたり。
長年に渡る愛憎の果ての結末は…

蝶衣は救いのないキャラクターではありますが、だからこそみりおさんに演じていただきたいのです。
艶やかに、たおやかに美しい外面とは裏腹な骨太さ。
繊細さの奥に秘めた激情。
過酷な生い立ちと職業的環境により形成された複雑な内面。
みりおさんならば素晴らしい蝶衣をみせてくれることと思います。

また、本来女性である彼女が男役として舞台に立ち、男性が女性を演じる女形に扮する。
微妙な性のあわいを行きつ戻りつ、おぼろな霞のように存在することができる。
男性性や女性性をも超越したところに、みりおさんの魅力が活きるのではないでしょうか。

蝶衣と共に育ち、『覇王別姫』で名コンビとなる小樓には珠様(珠城)。
堂々たる体躯、明るく頼もしい兄貴肌。
蝶衣の気持ちは知っているが応えられない。
珠様の男役としての真っ直ぐさ、健康さ、朴念仁的な単純さが上手く作用すると思います。

日中戦争の激化と共に、小樓にも変化が訪れます。
芝居を忘れ、賭博に熱中し、身を持ち崩す。
『自己批判』の場面では、愛を裏切り、醜い保身で何もかも失う。
後半部は“堕ちていく男、珠城りょう”の真骨頂を期待できそうです。
(むしろ、とてつもなく観たい)

女郎稼業から抜け出し、小樓の妻となる菊仙にはちゃぴちゃん(愛希)。
母親と同じ元女郎、そして小樓の愛を受ける女性として、蝶衣の憎悪を一身に浴び、ライバル視される彼女。
生臭さと清らかさ、ちゃぴちゃんならギリギリのバランスで演じてくれるでしょう。

金と知性と権力と包容力、そしてわずかな怪しさをまとった大人の男を演じさせたら絶品のちなつさん(鳳月)。
蝶衣を庇護する袁四爺にぴったり。

* * *

物語のキモは、泥中の蓮のごとく煌めく愛のひとしずく。
このポイントが押さえられていれば、決して宝塚歌劇に不向きな素材とは言い切れないと思うのですが。

ちなみに、過去に外部で舞台化されています。
キャストは東山紀之(蝶衣)、遠藤憲一(小樓)、木村佳乃(菊仙)。

私の薦めで映画版を観た連れ合いは好みに合わなかったらしく「よく7回も観られたね」と半ば呆れてましたが…
なぜか舞台へは足を運んだのです。
(こちらは楽しめたようです)

私も誘われましたが、食指が動かず…
いま、猛烈に後悔しています!
観ておけば良かった!当時の自分を叱りたい!
舞台はナマモノ、迷ったら観ておけ!ですね。

* * *

映画とはまた違った、ほろ苦い味わいの原作もお薦め。
李碧華(リー・ピクワー)が著した『覇王別姫』をAndrea Lingenfelterが英訳(“Farewell to My Concubine”)、それに基づき田中昌太郎が訳したものが早川書房から出ています。

私の手元にあるのはハヤカワ文庫版ですが、これは絶版のようです。
『さらば、わが愛/覇王別姫』の中古と“Farewell to My Concubine”はAmazonにあるようです。
ご興味がありましたら、どうぞ。

余談ですが、友人に「『覇王別姫』が面白い」と申しましたら「Hello Becky??」と返されたのが忘れられません。
あの胸を掻きむしられるように美しい作品が一転、あっけらかんと陽気なハリウッド映画みたいになってしまった…

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野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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