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VISA誌掲載の『ステージヒストリー』で珠城りょうの足跡をたどる

書棚を整理していたら、目を通していない『VISA』(三井住友VISAカードの情報誌)が何冊か出てきました。

『オール・ザット・タカラヅカ(All that Takarazuka)』のテーマは“新たな時代の幕を開ける若きトップスター”。
珠様(珠城りょう)の特集でした。
お披露目公演の内容に触れる記事だったので、観終わってから読もうと取っておいたのでした。

お召し物は『グランドホテル』インタビュー時によく見かけた濃紺のスーツ。
白シャツの胸元には菫色のタイ。
落ち着いた中にも男役の色香が滲み出る素敵な装いですね。

ルックスそのままに、誠実で真摯な受け答え。
悩み苦しむ時期もあったと語る珠様ですが、いまは余計な気負いが取れたとのことで、舞台を楽しんでいる様子が紙面の端々から伝わってきます。

こんな役も見てみたいと常に思っていただける存在でいたい。


そう語る珠様の『ステージヒストリー』が見開きで掲載されています。
2010年『THE SCARLET PIMPERNEL』新人公演を皮切りに、2012年『ロミオとジュリエット』、そして直近(掲載当時)の『アーサー王伝説』。
初々しい舞台姿から徐々に精悍さを増していく様子が窺えます。

個人的に「一皮むけたな」と感じたのは『1789 -バスティーユの恋人たち-』のロベスピエール。
以前から堂々たる舞台姿でしたが、さらにどっしり腹が座ったような力強さが加わったのが、この公演だったように思います。

そして『激情』で完全におとなの男役へ脱皮しました。
ドン・ホセで得た匂い立つような色気を一層深めたロルテス(NOBUNAGA)。
若々しい中に男の愛嬌が滲む、珠城りょう独自の男役像を確立させたフェリックス・フォン・ガイゲルン(グランドホテル)。

現在までに上演が約束されているのは来年の『カンパニー/BADDY』ですが、それまでに『All for One』『鳳凰伝』が控えています。
ダルタニアンとカラフでも、また新たな珠城りょうの男役像で魅了してくれるでしょう。

さて、白状しますと私が珠様の魅力に目覚めるには幾分時間がかかりました。
しばらくのヅカ離れ後、復活したのが2011年『アルジェの男』。
この頃は珠様の「た」の字もなかったのです。
(お顔とお名前が一致するのが、きりやん[霧矢大夢]だけだったという体たらく)

翌年の『エドワード8世』で「メンジースがカッコいい」と言っていた記憶はあります。
同年『ロミオとジュリエット』の“死”は、ダイナミックな動きが印象に残っています。
同じく『春の雪』の本多君の男っぷりにも心惹かれるものがありましたが、まだそれほどでも…

転機は2013年の『月雲の皇子』。
実はこの時もまだ、珠様に対して“月組の下級生の一員”くらいの認識しかなかったのです。
がしかし、『古事記』の『衣通姫伝説』がテーマと知り、即チケットを確保した私(ちなみにバウホールデビューでもありました)。

当時の自分を褒めてあげたい。
この作品で急転直下、珠城りょうの魅力に引きずり込まれたのですから。
いえ、そんな生易しいものではありません。
私の中の珠城りょう値が一気に0から100になったのです。

芝居がはねた途端「珠様素敵」と言い出した私に、一緒に観ていた連れ合い(同じく古事記ファン)もびっくり。
自分でもびっくり。
今にして思えば、珠様好きの下地が出来上がっていたところに『月雲の皇子』がとどめを刺したのでしょう。

愛してはならない人を愛し、愛ゆえにすべての罪を引き受けた男。
いつか知らず袂を分かった弟と死闘を繰り広げ、命尽きる間際、子どもに返ったように心通わす優しい男。
木梨軽皇子という架空の人物と、珠城りょうという役者が完全同化したかに思える嵌り役でした。

素晴らしかったのは珠様だけではありません。
衣通姫を演じたゆうみちゃん(咲妃みゆ)、穴穂皇子のちなつさん(鳳月杏)。

ティコ(佳城葵)の芝居、パロ(晴音アキ)のダンス、博徳(輝月ゆうま)の存在感。
舞台を引き締めた月組芝居巧者三人娘、蜻蛉(夏月都)、大中津姫(琴音和葉)、麻忍(白雪さち花)。

すべてのキャストが取り憑かれたように自身の役を生きている。
舞台を覆う張り詰めた空気が、皮膚をヒリヒリ突き刺す感覚。
劇場全体が息を詰めて見守るなか、粛々と進行する舞台。
透き通った哀しみに満ちた物語を肌身で味わえた、忘れられない経験となりました。

役者と観客が一体になる、そんな稀有な作品で演出家デビューを飾った上田久美子先生。
来年のショーデビュー作『BADDY』では、どんな新しい月組と珠様の姿を掘り起こしてくれるのか?
珠様のステージヒストリーに、また新たな1ページが加わることは間違いないでしょう。

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コメント

珠様の色気

そうですね。私もロベスピエールやったあたりから珠様の色気がぐっと出てきたなと感じました。
私の中で「たまきち」が「珠様」に変わった瞬間です。
だんだん舞台度胸がついて余裕が出てきたからかなと感じました。

Re: 珠様の色気

みーさん様、こんばんは!

やはり、ロベスピエールからだと思われますか?
わかります、わかります!
たまきち→珠様になる瞬間、ありますよねー。
(ちなみに、上級生が『たまきち』と呼んでらっしゃるのを聞くのが好きです)

余裕、そうですね。
心の余裕が男役としての器の大きさ、色気、精悍さにつながっているのかもしれません。
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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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