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「華がある」ってなんだろう?―タカラジェンヌの魅力を探る

芸能の世界に生きる人を評する「華がある」という言葉。
宝塚歌劇団の生徒さんに対してもよく使われますね。
同様の表現に「スター性がある」「キラキラしてる」「目を引く」などがあります。

ところで「華」や「スター性」とはなんでしょう?
何気なく使いがちな言葉ですが、そもそもどういう意味なのか?
その正体を探りたいと思います。

「華」とは何か?


ヒントは室町時代の能役者・世阿弥が著した『風姿花伝』にあります。
慣用句にまで発展した「秘すれば花」が有名ですね。
「時分の花」や「まことの花」もたびたび耳にする言葉です。

世阿弥は能の美的感動を、花が咲くのを見たときの新鮮な心の動きにたとえています。
「花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり(花伝第七 別紙口伝より)」

「面白し」は、趣がある・風流だ・素晴らしい。
「珍し」は、素晴らしい・滅多にない・目新しい。

優れた芸能(この場合、申楽)を観たときに感じる「面白き」と「めづらしき」と「花」は同じものである。

また、『風姿花伝第四 奥義』には「そもそも、芸能とは、諸人の心を和らげて、上下の感をなさん事、寿福増長のもとゐ、遐齢(かれい)延年の方なるべし。極め極めては、諸道ことごとく寿福延長ならんとなり。」とあります。

芸能とはあらゆる人々の心を豊かにし、感動によって寿命を延ばし、幸福を与えるものである」ということですね。

そうそう!と膝を打ちたくなるフレーズです。
宝塚を観て元気をもらう」って、よく言いませんか?

素晴らしい芸に触れ、幸福を得たり、寿命が延びたように感じるのは、今も昔も変わらぬ想いのようです。

「時分の花」の魅力


世阿弥の言う「花」の根拠になるのは「芸」。
日々の研鑽に裏打ちされた高い技術、魅力的な「芸」が観客の心を打つ。

世阿弥は「時分の花」と「まことの花」という概念に言及しています。
「時分の花」は「その場限りの魅力」、「まことの花」は「決して散ることのない花のように、色あせない役者の魅力」ですね。

「時分の花」は年齢の若さや肉体的な魅力に負うところが大きい。
つまり、「やがて散る花」「期間限定の魅力」なのですね。

この点を踏まえ、タカラジェンヌの魅力について考えてみましょう。

同じ生徒を指して、ある観客は「○○は華がある」と言い、ある観客は「華がない」と言う。
不思議なことに「タカラジェンヌの魅力」と「芸の質の高さ」は比例しない場合が多々あるのが面白いところですね。

三拍子揃った実力者が、必ずしも人気が出るとは限らない。

技術は今ひとつでも、なぜだか心惹かれる魅力を放つスターがいる。
「華がある」「スター性がある」「キラキラしてる」…
そんなふうにファンに愛される生徒さんは古今東西枚挙にいとまがありません。

「芸<本人の魅力」の「時分の花タイプ」の生徒さんに感じるのは、未完成の美
成長の余地がある、伸びしろがある。
未熟さを愛するのも宝塚の楽しみ方のひとつ
進化を追う喜びがありますね。

「まことの花」の魅力


宝塚には「男役10年・娘役10年」という言葉があります。
男役も娘役も形が決まるまでにそれだけの時間を要する、ということですね。

いわゆる「男役芸」「娘役芸」が心身に馴染み、ごく自然に舞台に立てるようになる。
たゆまぬ努力で芸を磨き、花も実もある大樹に成長した生徒さんたちです

「まことの花」を咲かせつつあるタカラジェンヌ。
各組の研10以上には、それぞれ独自の味わいで組を彩る生徒さんが花を競っています。

「芸≒本人の魅力」の「まことの花」タイプの生徒さんに感じるのは、円熟の美
ますます濃く、深く、豊かに、芳醇な味わいを増していく彼女らを応援する楽しみ。
深化を楽しむ喜びがありますね。

宝塚歌劇における「華(花)」と、その魅力


以上を踏まえ、改めて宝塚歌劇における「華(花)」とは何かを考えました。
それはファンひとりひとりが生徒さんに感じる「プラスアルファの輝き」なのかもしれません。

「好き」「可愛い」「カッコいい」「尊い」「ヤバい」「無理」などなど…
その生徒さんに心を動かされたとき、「華(花)」を感じているのです。

目も耳も心も、五感のすべてが否応なく吸い寄せられる輝き。
理屈ではない、数字でもない。
唯一無二の、極めて個人的な感動こそが「華がある」という状態である。

早咲きの花があれば、遅咲きの花もある。
優劣などない。
そして、「時分の花」と「まことの花」が競い合い、乱れ咲く花園こそ、私が愛する宝塚歌劇であるとの結論に達しました。

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※引用はすべて『風姿花伝・三道 現代語訳付き』世阿弥:著/竹本幹夫:訳注(角川文庫)より
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音くり寿は宝塚の宝です/やっぱり気になる青騎司くん│『花より男子』個別感想後編(高翔/冴月/鞠花/華雅/美里)

『花より男子』キャスト個別感想後編です。
前編(道明寺/牧野/F4[美作/花沢/西門])はこちら↓
柚香光の魅力大爆発!道明寺司│『花より男子』個別感想前編(城妃美伶+F4/優波・聖乃・希波)

音くり寿は宝塚の宝です!


物語のキーマンとなる謎の転校生、三条桜子(音くり寿)。
音くりちゃん凄すぎ!!
まさかまさかの展開にぶっ飛びましたね。

天使から悪魔への豹変。
「綺麗と言って…」の台詞で総毛立ちました。
あぁ!そういうことだったのね!と。

桜子の独白で浮かび上がる道明寺との過去の因縁。
クリアな発声、情景が浮かぶ真に迫った語り。
彼女の苦しみが観客の胸をストレートにえぐります。
上質なサスペンスを観ている気分でした。

体育倉庫のシーンだけでチケット代の価値があります
怒り、憎しみ、悲しみ、歪んだ愛と執着…
桜子の複雑な感情を余すことなく客席に届ける表現力はさすがでした。

(殴る蹴るの動作もべらぼうに上手い)
(突然キレるのが精神不安定を感じさせて秀逸)

桜子に音くりちゃんを起用したのは野口先生の慧眼ですね。
このサイドストーリーで物語にガツン!と奥行きが出ました。

くるくる縦ロールのお人形さんのようなヴィジュアルも最高!
ゆーなみくんにほっぺツンされて、ぷーっと膨れるのが可愛い~~

デュエットダンスの影ソロは耳をとろかす天使の歌声。
単に「四拍子揃った芸達者」と言い切れない、そんな言葉では収まりきらない。
音くりちゃんは宝塚の宝です!

やっぱり気になる、青騎司くん


104期で入団した身内筋の娘さん目当てで手にした音楽学校のチラシ。
真っ先に目を引かれたのが青騎くんでした。
キリッと引き締まった目元、いかにも男役さんらしい精悍なお顔立ち。
以来、気にかけていましたが…今回は初めての大役!
つくしの弟・進が想像以上に可愛かった!

体に合わないブカっとした学ラン、寝っ転がって水色の靴下を履いた足をぶらぶらさせながらゲームで遊ぶ姿が完全に中学生男子!
「ねえちゃ~~ん!」の声が可愛すぎる~~
こんな息子が欲しい~~

牧野一家が歌いながら前へ出てくるシーンではゲームのコントローラーを操作するような手付きをしてるんです。
芸が細かい!
ちょっと気弱そうな内股具合も可愛い!
カーテンコールで一所懸命に両手をフリフリしてるのも、役そのままの感じで良かったです!

恵まれたルックス、細かい観察眼、素直なお芝居。
いいものを持っている青騎くん、このまま真っ直ぐに伸びて欲しいですね。

上から下まで大活躍!(高翔みず希/冴月瑠那/鞠花ゆめ/華雅りりか/美里玲菜)


一人何役もこなす少人数公演。
最上級生のさおたさん(高翔)や、るなさん(冴月)がバッチリ締めてくださって頼もしいですね。
クラブシーンでは熟練の色気を見せていただきました。

つくしの父・晴夫をなさった、さおたさん。
ひょうひょうと憎めないお父さんっぷり。
母・千恵子(美花梨乃)や弟・進(青騎司)も含め、この家族だからこそ、あの地に足の着いたつくしが育まれたのだなぁと感じさせます。

鞠花ゆめさん、怖かった~~(褒め言葉)
W浅野を彷彿させるバブリーな前髪、派手なメイク。
思いきりコミカルに振り切った演技で舞台を盛り上げてくださいました。

才色兼備の美女、藤堂静(華雅)。
花沢類の憧れにぴったりのりりかちゃん。
匂い立つ華やかさ、知性も兼ね備えた女性役に説得力がありました。

つくしとティーン・オブ・ジャパンの座を競う久保和子(美里玲菜)。
お姉さま(星組トップ娘役・綺咲愛里さん)そっくりの美貌が目を引きます。
黒髪ショートのスタイルは、『ESTRELLAS ~星たち~』のあーちゃん(綺咲)を思い出しました。
これからどんな娘役さんになられるか楽しみ!

他キャストの皆さまもそれぞれに魅力的で目が足りない『花より男子』。
最高に楽しかった!!
いいもの観たなぁ~~という気持ちでいっぱいです

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○『花より男子』関連記事はこちら↓
柚香光の魅力大爆発!道明寺司│『花より男子』個別感想前編(城妃美伶+F4/優波・聖乃・希波)
とにかく観て欲しい!感じて欲しい!最高にロマンティックな花組を!│花より男子

プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
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