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似た者同士のふたり―月組の芝居巧者、祇園藤次(輝月ゆうま)とお甲(白雪さち花)│夢現無双

いつも魅力的なお芝居で作品を引き上げてくれる月組の芝居巧者、さち花さん(白雪さち花)と、まゆぽん(輝月ゆうま)。
今回も素晴らしい働きをみせてくれました。

機を見るに敏な男、祇園藤次(輝月ゆうま)


吉岡清十郎(暁千星)率いる吉岡道場の門弟、祇園藤次。
格別味わい深くて大好きな人物です。

日和見主義というか、変わり身が早いというか。
“機を見るに敏な男”というのが一番しっくりきます。

藤次らしさが最も表れた言葉がこれ。
「時代は江戸だ!もう京に用はねぇ」

沈みゆく舟に見切りをつけ、さっさと大船に乗り換える藤次。
朱実(叶羽時)には「薄情者」呼ばわりされますが、いつの時代にも通じる立派な処世術です。

脇目も振らず、ひたすらに剣の道を進む武蔵(珠城りょう)や小次郎(美弥るりか)とは180度異なる人生。
しかしながら、大事を成し遂げるヒーローばかりで世の中は成り立ちません。
市井に生きるリアリティあふれる人物がいてこそ、芝居は面白い。

とはいえ、彼もひとりの剣客。
決して剣の道をないがしろにしていたわけでは、もちろんありません。
彼の心が翻ったのは、吉岡一門74人斬りの現場だと思います。

「天下無双」の名のもとに次々倒れていく仲間たち。
剣とは何なのか?
命とは何なのか?

死屍累々を目の当たりにし、武蔵に先んじて剣の虚しさを感じ取ったのは藤次だったのかもしれない。
一瞬のためらいの後、きびすを返し、一目散に現場を離れる藤次の背中に、そんな思いを感じ取りました。

「生きるってのは大変なこった」とボヤきつつ、飄々としぶとく生き延びる藤次。
朱実に「おまえはどうする」とさりげなく問いかける優しさもある。

小物といえば小物ですが、世渡り上手で、カラッと明るく憎めない男。
まゆぽんの男役の愛嬌が存分に活かされた最高のお役、祇園藤次
「大根」どころではない、千両役者のまゆぽんです。

したたかに艷やかに生きる女、お甲(白雪さち花)


野武士の未亡人、お甲。
まゆぽん藤次に勝るとも劣らない、強い生命力が魅力です。

乱世をしたたかに生き延び、ヒモと養い子を食わせるバイタリティ。
宝塚の娘役の枠ギリギリの、熟れて崩れる寸前の果実のようなしどけなさの表現も見事。
原作を読んだときから「お甲はさち花さんで」と思ってましたが、実現して嬉しかったですね。

一見、男から男を渡り歩く毒婦にも思えますが、主導権を握っているのは常にお甲。
彼女にとって、男は都合よく利用し、生き延びるための手段。
または、独り寝の床を暖めるだけの愛玩動物でしかない。

戦士した兵から金目の物を奪い取り、金品に替える。
奪衣婆顔負けの所業ですが、自分と朱実、女二人で食いつなぐのに手段など選んではいられません。

「おまえもいつか分かるさ」
お甲の優しさ、寂しさ、諦め、やるせなさ。
もろもろの想いが込められた台詞をサラリと流して、深く印象づける手腕はさち花さんならでは。

そんな彼女にとって、藤次はどんな存在だったか。
機を読み、動く力に長けた男。
いわば似た者同士のふたり。
お甲が初めて出会った、頼りに足る、共に生き延びることができる同志だったのではないでしょうか。
彼女が行き着いたところが藤次だったのは必然と思います。

まゆぽん藤次+さち花お甲。
いいお芝居を観せていただきました。

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玲央がレオ!?役名だけで面白い!愛情たっぷり小柳流ネーミング術│食聖

もう~~~!何これ~~~!
チャウ・ヨンファとか、道場十三郎とか!

待ちに待った『GOD OF STARS-食聖-』の配役が発表されました!
公式サイト│星組 宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演『GOD OF STARS-食聖-』その他の配役決定

小柳菜穂子先生、渾身のネーミング


役名を眺めるだけで〽わっくわく~、うっきうき~
どこからピックアップすればよいのやら…

まずは、メインキャストに姓がつきました。
ホン・シンシン(紅ゆずる)、アイリーン・チョウ(綺咲愛里)、リー・ロンロン(礼真琴)。
シンシン/ロンロンはパンダみたいで可愛い!

天寿光希さんのミッキー・チョウと音波みのりさんのエレノア・チョウは夫婦で、あーちゃん(綺咲)演じるアイリーンの両親でしょうか?

牛魔王(汝鳥伶)と鉄扇公主(万里柚美)は共に『西遊記』の登場人物ですが、どういう役割か気になりますね。
人間の役?それともファンタジーの世界の住人?
まさか、“行方不明になったホン”って異世界に迷い込んじゃったの?

日光菩薩(漣レイラ)、月光菩薩(ひろ香祐)も気になりますね~~
かなえさん(漣)は『ANOTHER WORLD』の「右大臣・光明」に続き、愉快な御神酒徳利を期待してしまいます。

愛情たっぷり!芸名由来ネーミング


メインキャスト同様、芸名由来の方々がいっぱい。
如月蓮さんの「レン」、輝咲玲央さんの「レオ」、麻央侑希さんの「マオ」、極美慎さんの「シン」。
アルファベット表記で、星蘭ひとみさんの「Seala」、天飛華音さんの「Canon」、水乃ゆりさんの「Yuri」。

愛称由来とおぼしき方々も。
天寿光希さんの「ミッキー」、天華えまさんの「P-heaven」、小桜ほのかさんの「AI」。

他にもお名前の一部を使った、天希ほまれさんの「HOPE」、桜庭舞さんの「Cherry」などなど…
ファンには嬉しいネーミングがいっぱい。
配役表を眺めるだけでニコニコしてしまいます。

(カタカナ表記の方とアルファベット表記の方の違いって何でしょうね?)

思わず二度見したのは、湊璃飛さんの「道場十三郎」
これいいの…??
朝水りょうさんの「ムッシュ・ロブシャン」はジョエル・ロブション的な?
夕渚りょうさんの「チャウ・ヨンファ」もスレスレな気が。

紫りらさんの「マダム・ヤン」もアレしか浮かびません…

熱く!楽しく!笑顔で!星組らしさ満点の卒業公演


キャスト表だけでこんなに楽しめる作品ってそうそうありませんね。
それにしても誰がどんなお役なのか皆目見当がつきません。

ひとつ分かるのは、思いっきり愉快な公演になるであろうこと!
湿っぽくなく、明るく、みんな笑顔で卒業生を送り出す
そんなお心が感じられて嬉しいですね~~
小柳先生、ありがとうございます!!!

『鎌足』と『アルジェの男』で確固たる星組の芝居力を堪能させていただき、『GOD OF STARS-食聖-』では思う存分に暴れまくる星組生を観られる。
心の底から楽しみです!

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ジャック(愛月ひかる)が作品世界を支配する│アルジェの男

『アルジェの男/ESTRELLAS ~星たち~』千穐楽おめでとうございます。
緻密なお芝居、エネルギッシュなショー。
申し分のない舞台でした。
全国の皆さまに「宝塚の星組」を強く印象づけたのではないでしょうか。

『アルジェの男』のキーマン、ジャック


シンプルながら、しみじみ面白い『アルジェの男』。
脚本が以前のバージョンに戻ったそうで、2011年月組版とはだいぶ違った印象を受けました。
礼真琴、ありがとう!―生まれ変わり、輝きを増した『アルジェの男』

一番大きな違いは、主人公ジュリアン・クレールの人生に大きな影を落とす男、ジャックの描かれ方でしょうか。

月組版ジャック(龍真咲)には「影の怒り」というソロがありました。
〽自分だけ成功するなど思うなよ
〽俺を連れて行かないなら必ず引きずり下ろしてやる

ボランジュ総督に見出され、成功への足がかりを得たジュリアンに対するジャックの複雑な想いがこもったナンバー。
妬み、怒り、疎外感、ねじれた執着…

今回このソロはありません。
不思議なことに、この歌がないとジャックの見え方がまったく違ってくるのですね。

「影の怒り」というタイトルが示すとおり、ジュリアンが光なら、ジャックは影。
光なくして影は存在しない。
ふたりはひとつ。
まさおさん(龍)の偏執狂的なお芝居がよくハマり、底知れない不気味さを醸し出していました。

完全にジャックの一方通行とはいえ、ジュリアンとジャックの結びつきの強さが印象的な月組版アルジェでした。

愛月ジャックが作品世界を支配する


一方、愛月ひかるジャック。
こちらは打って変わって、純粋なクズ。
下衆の極み、守銭奴、疫病神、冷酷非道、極悪非道…

ある種の可愛げがあった龍ジャックに比べ、同情の余地もない悪党っぷりを見せつけました。
これは単に「影の怒り」がない、というだけの理由ではありません。

龍ジャックが「ジュリアン>金」なら、愛月ジャックは「ジュリアン<金」。
龍ジャックの行動原理が「おまえだけ陽のあたる場所に行くのは許さない(執着)」とすれば、愛月ジャックはひたすら「金(我欲)」。
ジュリアンを「たっぷり絞れそうな財布」としか見ていない酷薄さを感じます。

もうひとつ、愛月ジャックに特徴的なのはサディズム。

「おまえはまだ、この俺に楯突こうってのか」
この台詞ひとつに、サビーヌをどのように扱い、奪ってきたかが表れます。
追い詰めたねずみをいたぶる猫のような絶対的優位。
決して抵抗できない相手を、舌なめずりしながら責めさいなむことに喜びを見出す男。

ジャックの加虐性は、そのままジュリアンにも向かいます。
「よお」
この一言がもたらす不穏な空気。

無防備な背中を狙って斬りつけるような言葉。
ザラリと神経を逆撫でする声。
ジュリアンは地獄の淵を覗いたような気がしたことでしょう。

ボランジュの後ろ盾で順風満帆に歩んできたジュリアン。
地位も名誉も愛もすべて、まもなくこの手でつかめるだろう。
行く先に待っているのは黄金に輝く道だ。

ここまで来れば、もう大丈夫。
過去は追ってこない…
安心した矢先の、悪魔。

墨を垂らしたように黒々とした絶望がジュリアンに覆いかぶさるのが見えるようでした。

たった一言で空気を変える。
愛月ひかるが『アルジェの男』に登場した価値は、まさにこの一言にあるのです。
主人公に破滅をもたらす、たったのひとつの言葉。

「この男が生きていては、俺の人生が駄目になる」
「この男が生きていたら、ジュリアンの人生を駄目にする」
ジュリアンとサビーヌを追い詰めるジャックの存在。

逃げても逃げても追ってくる。
一度狙った獲物は骨の髄までしゃぶり尽くすまで決して離れない、悪霊のような男。
愛月ジャックは絶品でした。

ジャックがシンプルに「悪」に徹することにより、物語がより引き締まったように思います。
最近の宝塚作品にはなかなか見られないドライな仕上がりは私好みです。

ジュリアンもサビーヌも、ジャックにとっては単なる金づるでしかない。
ジャックの描かれ方が違えば、物語の構造が違ってきます。
骨子がしっかりしているからこそ、アレンジ次第でまったく異なる物語に仕上がる。
『アルジェの男』という作品の面白さを再認識した全国ツアー公演でした。

名作を自分たちの色に染め上げ、新しい時代の『アルジェの男』として甦らせた琴ちゃん率いる星組選抜メンバーの皆さま。
そして、濃密な悪の色気と圧倒的な存在感で作品をグイグイ引っ張ってくれた愛ちゃんに、心よりの拍手を送ります。
素晴らしかったです!

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礼真琴、ありがとう!―生まれ変わり、輝きを増した『アルジェの男』

すっかりブログをお留守にしていました。
宝塚に飽きたのではありません。
むしろ、その逆。

5月に入ってから贔屓組の公演が目白押しで、いつも以上にヅカライフを満喫しておりました。
『夢現無双』『鎌足』『アルジェの男』…
どの公演も素晴らしく、少しでも感想を残したいと思いつつ、手も頭も追いつかず…
ひとつひとつの作品にじっくり向き合い、消化する時間が欲しい!と贅沢な悩みを抱えています。
のんびり気長にまとめていきます。

霧矢大夢から礼真琴へ―ふたりのジュリアン


『アルジェの男』には格別な思い入れがある私。
長らく宝塚離れしていた気持ちを呼び戻してくれたのが2011年月組版だったのです。

当時のトップスターは霧矢大夢さん。
今回主演の礼真琴さん同様、三拍子揃った実力者。

夢半ばに散った野心家の青年ジュリアンと、彼を取り巻く女性たち。
束の間の愛の輝きを打ち砕く、無情な結末。
切れ味鋭い柴田侑宏ドラマに魅せられ、一息に懐かしい世界に舞い戻ってこれたのです。

『アルジェの男』が再演される。
しかも、いま向かうところ敵なしの礼真琴で。
これを観ずにいられましょうか。

こんなに面白い話だったとは!


お久しぶりの『アルジェの男』。
「こんなに面白い話だったっけ?」というのが率直な感想です。
8年の間に、私の受け取り方も変わったのです。
以前はいまいち咀嚼しきれなかった部分がクリアになり、より深く作品世界を味わうことができました

聞いた話では、脚本が月組版以前のバージョンに戻ったとか。
大きなところでは、明日海りおさんが演じられたアンリ・クローデルが極美慎さんのアンドレに変更。
台詞や歌のカットもありました。

これが功を奏しました。
説明過剰な部分がすっきりし、より洗練された物語に生まれ変わった(戻った?)のです。
演者の個性にもよりますが、芝居としては雑味のない今回のパターンが好みです。

サビーヌの真心を知ったジュリアン。
月組版では「愛ってやつが俺の胸を叩いてるんだ!ガンガンとな!」の台詞がありましたが、カットされていました。
思えば、この台詞は要りませんね。

ジュリアンの心が初めて触れた「愛」というものの正体。
言葉は無くとも、十分に伝わる想いです。

アナ・ベルの死も直接的な場面はありませんね。
これもあえて見せる必要はありません。
観客の心が物語のレールに乗っていれば、おのずと分かることを、一から十まで形にすることはないのです。

その最たるところはラストシーン。
あまりにあっけない幕切れ。

しかし、これでジュリアンという青年が観客の胸に焼きつけられたのです。
輝くような黄金の道半ばで無情にも断ち切られた命。

彼はどこへ向かおうとしていたのか。
命尽きる瞬間、彼の胸を満たした想いは何か。
想像をめぐらし、彼の心を追うことで、物語のその先が広がります

進化した『アルジェの男』


宝塚の古典ともいえる『アルジェの男』。
礼真琴にジュリアン・クレール。
演目発表当初は意外に思いましたが、蓋を開けてみれば、琴ちゃんへの当て書きのようにぴったりハマりました。

大切な思い入れが詰まった『アルジェの男』。
琴ちゃんと、星組さんと、大野拓史先生のおかげで更に輝きが増しました。
2019年星組版『アルジェの男』を観ることができて幸せです!

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春爛漫、3,000株のつつじを楽しみました│根津神社「文京つつじまつり」レポート

半月ほど前、今年で50回目を迎えた根津神社の「文京つつじまつり」へ行ってきました。
ずっと訪れたいと思いつつ、なかなかチャンスがありませんでしたが、記念すべき50回の節目+平成最後の年に叶って良かったです。

3,000株が見頃、根津神社の文京つつじまつり


境内西側にあるつつじ苑。
約2,000坪の敷地に100種3,000株ほどのつつじが見頃を迎えています。
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奥に見える建物は「弥生正緑館」。
明治30年頃に輸入生地商を営む初代当主澁谷政吉氏によって建てられた和洋折衷館で、今をときめく「新一万円札の顔」渋沢栄一氏も頻繁に訪れたそう。
現在は国の有形文化財に指定されています(内部非公開)。
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お花のイベントは早すぎたり遅すぎたり、いつもタイミングがいまいちな私ですが、今回は満開で嬉しかったです。
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千本鳥居とつつじ。
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白・ピンク・赤・紫…色とりどりでわくわくします。
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目に染みるような純白。
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ほのかなピンクとクリームのぼかし。
清楚な美しさ。
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コケティッシュな青みピンク。
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チャーミングなサーモンピンク。
色も形も様々で見飽きません。
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花の絨毯のよう。
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大好きなホットピンク。
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源平咲きも素敵。
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珍しいオレンジ色。
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宝塚のレビューを見るような鮮やかさ。
藤井大介先生風に『グランド・レビュー Azalea!!―花の競艶―』という感じ?
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北からの眺め。
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南からの眺め。
お天気もよく、春満喫の素晴らしい一日でした。
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文京つつじまつり イベント情報


会場/根津神社境内(東京都文京区根津1-28-9)
期間/2019年4月6日(土)~5月6日(月)
時間/9:00~17:30
寄進料/200円

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「スイートハートの思い出」という薔薇がある!

いつも宝塚とゆかりの深いお花について教えてくださるw様から、またまた素敵な情報をいただきました。

なんと…
「スイートハートメモリー」という薔薇があるそうです。

スイートハートの思い出


スイートハートと言えば、昨年の春、宝塚ファンを熱狂させたショー『BADDY』の立役者。
みやさん(美弥るりか)の中性的な美貌と熟練の男役芸が最大限に活きた当たり役。

以前にもw様に教えていただき、「スイートハート」というお花をご紹介しました。
「スイートハート」という花がある!

「スイートハート」は宝塚歌劇を象徴するスミレ。
鮮やかなピンクと白のグラデーションが美しい花です。

一方、「スイートハートメモリー」は淡いピンクの可憐なミニバラ(画像はイメージです)。
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「Sweet Heart Memory」
スイートハートの思い出、記憶。
美しい名前です。

薔薇が結ぶ宝塚ファンのご縁


「みやさんファンが喜ばれるのではないか」と、お教えくださったw様。
「薔薇の記事が楽しみ」と言ってくださる読者の方々。

私はいただいた情報を右から左にアップするだけですが、このブログを中継点にファン同士の交流の手助けができて、こんなに幸せなことはありません。
皆さま、いつも本当にありがとうございます。

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筋肉は裏切らなかった!宝塚ファンの筋トレ記録、1年目の成果

筋トレ開始から丸一年。
「ただ鍛えるだけじゃつまらない」
「せっかくなら大好きな宝塚歌劇と絡めたら面白いかも」
そう考え、半年間のトレーニングの成果と観劇回数の関連をまとめたのが、こちらの記事。
筋肉は裏切らない!宝塚ファンの筋トレ記録&観劇回数の相関関係

飽きっぽい私ですが、「一年後の結果を見たい」との思いがモチベーションになり、ジムに通い続けられました。

一年間の筋トレ記録&観劇回数の相関関係


2018年4月から2019年4月、丸一年間の記録がこちら。
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結果は…
体重 +1kg
体脂肪率 -0.5%
筋肉量 +0.9kg

ほぼ変わらず!

体重の増加分は筋肉が増えたということで、当初の目的は果たせたのかな?
数字に大きな動きはありませんが、見た目が変わったのが嬉しいです。

日に日に割れていく腹筋を眺めてはニヤニヤ。
やればやっただけ目に見える形で成果が表れるのは楽しいものですね。

劇場通いとジム通いは反比例


観劇回数とジム通いが見事に反比例。
贔屓組(月・星)の公演が始まると途端にジムをサボりだす私。
グラフにすると露骨ですね~~

舞台の上の生徒さんは良いお手本。
鍛え抜かれた娘役さんの体を見るとやる気が出ます。

衝撃だったのは宙組『異人たちのルネサンス』のベリーダンサー、えびちゃん(綾瀬あきな)の腹筋!
バッキバキのシックスパックに釘付け!
カッコいいーー!!

「綾瀬あきな」で検索したらサジェストに「腹筋」と出ました。
宝塚ファンが検索してる?

一年間の筋肉量と筋肉率の推移


体組成計の値をもとに、筋肉率を出してみました。

2018年4月の筋肉量は17.95kg、筋肉率は36.9%
2019年4月の筋肉量は18.65kg、筋肉率は37.75%
一番熱心にジムへ通った2018年5月が最高で筋肉量が18.7kg、筋肉率が38.1%でした。

筋肉量と筋肉率の計算方法は以下の通り。
・体重(kg)×体脂肪率(%)÷100=体脂肪量(kg)
・体重(kg)-体脂肪量(kg)=除脂肪体重(骨・筋肉・内蔵などの重さ)(kg)
・除脂肪体重(kg)÷2=筋肉量(kg)
・筋肉量(kg)÷体重(kg)×100=筋肉率(%)

参考までに女性の年代別平均筋肉率はこちら。
20代 39%、30代 37%、40代 33%、50代 30%、60代 26%、70代 23%

ちなみに、体内年齢は実年齢-16歳、内臓脂肪レベルは3ですので、筋肉率と辻褄が合っています。

というわけで、筋トレ2年目は「体重は現状維持、体脂肪を減らし、筋肉量を増やす」を目標に頑張ります!

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鎌足遠足(2)―「明日香村」中臣鎌足(紅ゆずる)は、ここで生きて、愛して、星になった

鎌足遠足レポート第二弾は、明日香村。
第一弾はこちら↓
鎌足遠足(1)―中臣鎌足(紅ゆずる)と中大兄皇子(瀬央ゆりあ)が作戦会議をした談山神社へ

石舞台古墳


鎌足と中大兄皇子が蘇我入鹿(華形ひかる)討伐の密談を交わした談山神社から、車で10分ほどで物語のメインステージとなる明日香村に入ります。

日本で唯一、全域が古都保存法対象地域となっている明日香村。
現在、村全体の世界遺産登録に向けた計画が推進されているそうです。
世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会 公式サイト

明日香村の地下に眠る遺構をCGで復元し、往時の風景と現実の風景を重ね合わせることで、古代の飛鳥をよりリアルに体感できるアプリ(解説つき)もあるそうです。
散策のお供にいかがでしょうか?
バーチャル飛鳥京アプリ

まずは、蘇我入鹿(華形ひかる)の祖父・馬子の墓とされる「石舞台古墳」へ。
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『鎌足』劇中で、自らの権勢を示そうとした入鹿が自分の陵墓を作ろうとする場面がありますが(第1幕・S10「飢饉と苦役」)、もしかして石舞台だったのではないかと想像しました。
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『日本書紀』には、「皇極元年(642年)に蘇我蝦夷(輝咲玲央)が双墓(瓢型古墳)を造り、大陵を自分の墓、小陵を入鹿の墓として用意した」との記述があります。
また、「推古34年(626年)5月20日に馬子が亡くなり、桃原墓に葬った」とありますが、桃原墓が石舞台を指すかは諸説あります。

個人的には、「父に反発した入鹿が自分のためだけの墓を造ろうとした」と考えるほうが芝居としては面白いかと思いますね。

開口部から中へ入れます。
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石室内部。
石の隙間から差し込む太陽がまぶしいですが、中はひんやりしています。
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総重量2,300トンともいわれる巨大な石の構造物。
人の手とわずかな道具しかなかった時代に、これほどのものを造ることができた蘇我一族の力の大きさを実感します。

伝飛鳥板蓋宮跡へ


皇極天皇(有沙瞳)の宮廷があったと伝えられる「飛鳥板蓋宮跡」へ。
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ここを鎌足や入鹿たちが歩いたと思うとわくわくしませんか?
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宮周辺の田んぼに咲くれんげ。
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真神原(まかみのはら/まかみがはら)の景色。
舞台を観ると、この光景が頭に浮かびます。
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飛鳥寺


日本最古の仏教寺院「飛鳥寺(法興寺)」。
鎌足と入鹿が僧旻(一樹千尋)に学び、鎌足と中大兄皇子が蹴鞠会(けまりえ)で意気投合した場所。
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本尊は、馬子が止利仏師に命じて作らせた日本最古といわれる飛鳥大仏。
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創建当時の金堂の礎石。
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飛鳥寺の西側から望む甘樫の丘。
蝦夷・入鹿親子の邸があった場所です。
山頂の開けているところが展望台。
手前右の石塔が入鹿の首塚です。
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首塚側から見た飛鳥寺全景。
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西門の広場で蹴鞠会が開かれました。
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鐘楼。
劇中で鳴り響いたのは、この鐘の音だったのでしょうか?
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この後、甘樫の丘と鎌足生誕地(産湯の井戸)へ行く予定でしたが…
天、にわかにかき曇り、夕立のような土砂降りに見舞われ、断念しました。
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以前訪れたときに写した、甘樫の丘からの景色。
明日香村を一望できます。
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甘樫の丘の北からは大和三山が望めます。
左が耳成山、手前が天香久山。
『百人一首』でおなじみの「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天香具山」は、中大兄皇子(天智天皇)の娘、持統天皇が詠んだ歌ですね。
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畝傍山。
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鎌足がパンチを入れた猿石は、吉備姫王(皇極天皇と軽皇子[天路そら]の母)墓にあります。

これにて鎌足遠足レポート完結。
大化と令和、舞台と現実を結ぶ旅。
いかがでしたでしょうか?
皆様もぜひ明日香へ足をお運びくださいませ。

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鎌足遠足(1)―中臣鎌足(紅ゆずる)と中大兄皇子(瀬央ゆりあ)が作戦会議をした談山神社へ

公演の予習を兼ねて「鎌足遠足」に行ってきました。
作品の舞台となる明日香村や談山神社を巡る小旅行です。

明日香村は、中臣鎌足(紅ゆずる)生誕地、鎌足と中大兄皇子(瀬央ゆりあ)が出会った飛鳥寺、ふたりが蘇我入鹿(華形ひかる)を討った飛鳥板蓋宮、鎌足と与志古娘(綺咲愛里)の思い出の猿石、蘇我親子の邸があった甘樫丘、入鹿の首塚などなど…
見どころいっぱい!

談山神社は、鎌足と中大兄皇子が入鹿討伐の密談を交わした場所です。

藤原鎌足公を祀る談山神社へ


まずは奈良県桜井市多武峰(とうのみね)にある談山神社へ。
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祭神は藤原鎌足公。
春の桜と秋の紅葉が有名ですが、初夏の新緑も見事。
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鳥居をくぐり、本殿へ。
130段の階段が待ち受けます。
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拝殿が見えてきました。
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渡り廊下の吊り灯籠。
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見事な楼門。
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藤原鎌足公を祀る本殿。
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爽やかな風が吹き抜ける拝殿。
ここで『多武峰縁起絵巻』などの宝物を見られます。
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灯籠の模様も「鎌」。
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『多武峰縁起絵巻』のレプリカが展示されています。
綺麗な画像はこちらで見られます。
絹本 多武峯縁起絵巻 上巻之二(リンク付)

談山(かたらいやま)の山中で、蘇我入鹿討伐の密談を交わす中大兄皇子(右)と中臣鎌足(左)。
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左奥が皇極天皇(有沙瞳)。
右手前に控えるのが入鹿。
上表文を読んでいるのが石川麻呂(美稀千種)。
その側で、弓矢を手にしているのが鎌足、長槍を持っているのが中大兄皇子。
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蘇我蝦夷(輝咲玲央)のもとに運ばれる入鹿の屍。
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鎌足と中大兄皇子が知り合うきっかけとなった蹴鞠。
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舞台で使われた小道具の鞠が、これにそっくりで感動しました。
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鎌足の長男・定慧(じょうえ)と次男・不比等(咲城けい)が父の供養のために立てた十三重の塔。
木造十三重塔としては世界唯一のものだそう。
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十三重塔の奥の権殿の祭神マダラ神は芸能の守り神。
星組公演の成功をお祈りしてきました。

いよいよ、談山(かたらいやま)へ


鎌足と中大兄皇子が入鹿討伐の密談を交わした談山まで290m、約10分。
鎌足の墓所がある御破裂山(ごはれつやま)までは510m、約20分。
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なかなかの山道。
途中で蛇が出ました。
これから行かれる方はくれぐれもお気をつけくださいね。
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ここで鎌足と中大兄皇子が入鹿討伐の密談を交わしたそうです。
いくら内緒話とはいえ、こんな遠くまで来なくてもね~~
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「御相談所」というとニュアンスが違って聞こえますね。
なんだか保険の相談会でも開かれそうな雰囲気。
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談山神社のお土産「ひげ茶」。
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茶の茎の皮がクルクルと巻いたところがヒゲのように見えることからつけられた名前だそうです。
市場にはほとんど出回らないレアな品だそう。
苦みや渋みが薄く、爽やかな美味しいお茶でした。

星組のおヒゲといえば、あのお方。
オレキザキファンの皆さま、要チェックですよ~~

次回は「明日香村編」。

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飢えが欲しい、渇きが欲しい│夢現無双

どうして、こうなってしまったのか?
モヤモヤと消化不良な後味が残る『夢現無双』。
複数回観ても、初めに感じた引っかかりが拭えません。

もちろん、生徒さんは素晴らしい働きをみせています。

剛勇無双を演じさせたら右に出るものはいない、無骨で不器用で、ひとすじな男っぷりを遺憾なく発揮した珠城りょう(宮本武蔵)。
原作のイメージそのまま、芯の強い一途な娘を好演した美園さくら(お通)。
武蔵の終生のライバルであり、心の拠りどころとして抜群の存在感を示した美弥るりか(佐々木小次郎)。
籠の鳥の悲哀と、一級の女の凄絶なまでの美を両立させた海乃美月(吉野太夫)。

他のキャストも申し分なく、どこをとっても安心して観ていられる舞台です。

飢えが欲しい、渇きが欲しい。


違和感の正体は、武蔵の描かれ方。
具体的には「千年杉」のエピソード。

お通が武蔵への愛を自覚し、武蔵が「けだもの」から「人間」に生まれ変わる大事な場面のはず。
なぜ、どうして、ああなってしまったのか?

千年杉に吊り下げられ、二日二晩。
ジリジリ焦げるような陽に焼かれ、吹き荒れる風に晒され、滝のような雨に打たれる。
命が尽きたら、木にぶら下がったまま鴉に目玉をえぐられる。

原作に描かれるのは、私刑にも似た沢庵(光月るう)の処罰。
「今日までの振舞は、無智から来ている生命知らずの蛮勇だ、人間の勇気ではない(略)怖いものの怖さをよく知っているのが人間の勇気であり、生命は惜しみいたわって珠とも抱き、そして、真の死所を得ることが、真の人間というものじゃ」

「くそ坊主!」「貴様を蹴殺してやる」
二丈(約6m)もの梢にぶら下げられてもなお、わめき、暴れ、牙をむく武蔵。
しかし、沢庵の真実の言葉が彼の心を揺さぶります。

「…沢庵坊、後生だ、助けてくれ」
沢庵への呼びかけが「くそ坊主」から「沢庵坊」へ変化していることにご注目ください。
武蔵の心にわずかながら他者を敬い慕う気持ちが芽生えているのです。

「俺は、今から生まれ直したい。……人間と生れたのは大きな使命をもって出て来たのだということがわかった。……そ、その生甲斐がわかったと思ったら、(略)……アア!取り返しのつかないことをした」

反省、そして命乞い。
それまで、他人の生命も己の生命も塵芥のごとく扱ってきた男の心に差す光。
それは、人間らしい「理性」であり、「愛」です。

「死にたくない。もう一ぺん生きてみたい。生きて、出直してみたいんだ」

もう武蔵はけだものではない。
「死」を恐れ、「意味ある生」を求める心が生まれた
人としての自我が芽生えたのです。

目覚めた武蔵の心は赤子のよう。
「WATER」という言葉を知ったヘレン・ケラーのように、武蔵の精神にパァッと輝く世界が広がったのではないかと思います。

人間らしく生きることへの渇望。
希望、夢、憧れ、幸福…
このシーンでは、そんな当たり前の欲を求める強い気持ち、ヒリヒリするような焦燥が欲しい。

もっと飢えが欲しい、もっと渇きが欲しいのです

お通の愛


しかし、劇中では沢庵に先んじてお通がやってきて、武蔵を木から下ろします。
「又八とお甲のことを聞かせて」とせがむお通に、「は?」と返す武蔵。

「は?」は、こっち(観客)の台詞です。

又八とお甲の関係を知りたいから武蔵を助ける。
これは断じて違います。

武蔵を愛したから救うのです。
なぜ、お通の台詞をこんなふうに改悪したのか。
このシーンで笑いが起きるたび、残念な気持ちになります。

みなしごのお通は決して愛に恵まれていたとはいえません。
又八の母・お杉に拾われ、食うには困らなくても、心は満たされていない。

誰かを欲する気持ちは寂しさと相性がいい。
村中から憎まれ、誰一人助ける者とてなく、千年杉にぶら下げられた武蔵。
武蔵の孤独に、お通の孤独が共鳴し、愛が生まれるのが「千年杉」のシーンなのです。

「武蔵の苦しみとともに自分も苦しみたい」
原作に描かれるお通の気持ちと、あまりにかけ離れた『夢現無双』。

「舞台と原作は別物」と言えば、そのとおりですが、いくらなんでもこれは酷い。
ヒロインがこんなふうに描かれて、観客の共感を呼べるでしょうか?
それでも、懸命に武蔵を慕うお通を形作ったさくらちゃんはよく演っていると思います。

※台詞はすべて新潮社・吉川英治著『宮本武蔵』より抜粋

珠城りょうの男役


木から下りた武蔵のもとに沢庵が現れます。
武蔵を諭し、首を落とすかと思いきや…
電光石火、もとどりを切り落とす。
ざんばら髪になった武蔵。

木の上下で問答を交わすより、演出としてのインパクトは大きいでしょう。

しかし、これではあまりに受け身に過ぎます。
「諭される」のと「自ら悟る」のでは雲泥の差。

殺される前に殺す。
無造作に無慈悲に生命を奪ってきた武蔵。
乱世では当たり前のこととは言え、あまりに容赦がない武蔵の剣。
追われながら、飛ぶ鳥を石つぶてで打ち落とし、引き裂いて、血のしたたるまま貪り食らう悪鬼のような男。

そんなけだものの心が、他者の言葉ひとつで動くでしょうか?
生まれ変わりたいという欲が湧いたのに、体は千年杉に縛りつけられたまま。
身じろぎもできず、飢えて渇いて、死を待つばかり。
「死にたくない」
「生きて、出直したい」
喉から手が出るほど生きたいと願い、今までの自分を反省したからこそ、原作では沢庵の言葉が効いたのです。

極限状態で腹の底まで落とし込まれた言葉。
だからこそ、武蔵の心は底からひっくり返ったのです。

体が自由な(命の心配がない)状態で「俺は強い!」と土を掻いたところで、木に縛りつけられていたときとは切羽詰まりようが違います。

深い谷底から、遥かな頂きへ。
武芸者・宮本武蔵の成長こそ、吉川英治が書いた『宮本武蔵』のテーマでしょう。

その落差が大きければ大きいほど、読者(観客)はカタルシスを得られる。
しかし、『夢現無双』は平坦な印象なのが残念です。

珠様(珠城)の形作る男役の味は、粘り気を伴った熱く暗く重く湿った情念にある、と考える私。
そこに独自の男役の色気が生まれる。
汗と垢と泥にまみれ、飢えた瞳をギラつかせる青年武蔵はまさに適役。

決して「宝塚的」なヒーロー像ではありませんが、武蔵の成長をより深く印象づけるのであれば、原作に沿った構成でも良かったのではないでしょうか?

天命を帯びて生まれ変わり、その道を邁進する愚直なまでの明るさ、真っ直ぐさもまた珠様の男役の魅力。
どん底から高みへと登る武蔵の姿は、きっと宝塚ファンの心を捉えたと思います。

中途半端に口当たり良く仕立てる必要はありません。
もっと生徒と観客を信じてください。

原作物が増え、宝塚の枠からはみ出すかと思われる作品が多く上演されるようになった昨今。
元の作品をいかにタカラヅカナイズし、観客を納得させうる舞台に仕上げていくか。
今後の課題です。
その難しさを感じた『夢現無双』でした。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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