FC2ブログ

“ノブレス・オブリージュ”マインラート夫人(白妙なつ)と、お歴々(大輝/漣/ひろ香/極美/星蘭)│霧深きエルベのほとり

今週火曜日からカールがカールしてますね(髪の毛)。

土曜日の観劇ではストレートでしたから、休演日(月曜)に美容室へいらしたのかな?
ストレートの濡れ髪も素敵でしたが、パーマヘアもワイルドさが増して「すてきぃ~」(マルギット似の女風)。
特にショーでは動きがあっていいですね。

『ANOTHER WORLD』のときはチョンマゲで隠れるのをいいことに(?)、めちゃくちゃ自由な髪色にされていた星男さんたち。
見た目からファンを楽しませようというお気持ちが嬉しいですね。

カールを阻む見えない壁―階級の差


前回の記事で「上流階級の人々の装いを通して、目に見えぬ「階級」という壁に阻まれたカールとマルギットの悲劇が浮かび上がる」と書きました。
ファッションからひもとく『エルベ』の世界(1)―おしゃれ番長・ロンバルト(輝咲玲央)│霧深きエルベのほとり

恋人たちを取り巻く有象無象が、彼らを無残に引き裂いた。
なかでも厳然としてあるのが「階級の差」。

今回は「有象」を形作る「上流階級の人々」に焦点を当てます。

実のところ、お歴々メンバーが大好きな私。
愛を込めて「お歴々ーズ(オレキレキーズ)」と呼んでいます。
(字面がオレキザキに似てる)

なにしろ皆さま、キャラクターが濃い!!!
お歴々の存在感が強ければ強いほど、シュラック家サロンでの寸劇の効果が高まるのです。

ノブレス・オブリージュの権化、マインラート夫人(白妙なつ)


なんと言っても、なつさんのおっかないオバサマっぷりが最高!
まずはカールに対する一撃。
「そちらの方は…面白そうなお方ですこと」
嫌味ですね~~

「おかしな人間がうろつき回る」
「何処の馬の骨」
いっそ清々しいほど高飛車な物言いです。

しかし、単なるスノビズムではありません。
「時代がどうあれ、私どもは私どもの良識に従いましょう」
「私どものような立場の者は、社会のお手本として振る舞わねばならないのです」

自分たちは下々の者に対し、社会の規範となるべき存在である。
マインラート夫人は『エルベ』における「ノブレス・オブリージュ」の象徴なのです。

これもまたひとつの人間の在り方です。
社会はひとつの価値観によってのみ成り立つものではない。

短い間に似たような台詞を繰り返すマインラート夫人。
菊田一夫先生が彼女に担わせたのは「絶滅寸前の封建社会の最後の砦」としての役割です。

確固たる意志、矜持あふれる姿。
彼女が強くあればあるほど、カールが崩せなかった壁の厚さを思い知るのです。

マルギットが属する社会はこういうところだ、と暗に語るマインラート夫人。
なつさんの芸の厚みをたっぷり味わえるお役ですね。

スノビズムの権化、エドガー(漣レイラ)


観劇を重ねるごとに、じわじわと好きが増してきました。

「今度はその水夫を放り出して、どんな男を連れてくるやら」
いるいる、こういう人!
ちょいと気の利いたことを言ったつもりで悦に入ってるんですね。

ま、正直と言えば正直な人物です。
スノビズムの権化なエドガーにとって水夫風情は物の数ではありません。
彼はマインラート夫人とは別な意味で、上流階級の一面を映す鏡なのです。

シニカルな目を持つ彼だからこそ、フラットに先を見通すのでしょう。
「君がマルギットを不幸にする」
誰もがおためごかしに口にしなかった言葉をズバリ言ってのけます。

一歩も引かず、己の主張を通す。
自信に満ちた皮肉屋、揺るぎない意志を持ったおとなの男性。

誤解されることが多そうな人柄ですが、なかなか魅力的なキャラクターです。
かなえさん(漣)のニヒルな持ち味がよく活きてますね。

お歴々の良心、フリードリヒ(ひろ香祐)


フリードリヒの存在は、伏魔殿の中のわずかな救いです。
彼だけが孤軍奮闘するフロリアン(礼真琴)に真心と友情を持って接するのです。

「フロリアン、できることがあれば言ってくれ。マルギットも君も僕らの友人だ」
地獄に仏。
どんなにかフロリアンの胸にしみたでしょう。

芝居を観る上で、中の人を関連付けるのは褒められたことではありませんが…
それでもやはり、琴ちゃんとヒーローさん(ひろ香)の同期の絆に思いが至り、じんわりします。

ヒーローさんはこういう温かみがあって誠実なお役をされると天下一品。
ご本人のお人柄が忍ばれます。

お歴々ーズあれこれ


エルメンライヒのマイケルさん(大輝真琴)。
カールに掴まれた腕を心底嫌そうにパッパッと払う仕草がツボ。

エルメンライヒの息子アドリアン(極美慎)。
エドガーの揶揄にホイホイ乗っかり「ジゴロとか?」なんて言っちゃうあたり、軽率なお調子者感が出ています。
極美君は何をやっても嫌味にならない、あっけらかんとした個性がいいですね。

アドリアンの婚約者ローゼマリー(星蘭ひとみ)はマインラート家の娘。
あの親にしてこの子あり。
「私のことはご心配なく」の一言で、完璧な教育が施されていることが分かります。
彼女は決してマルギットのようにはならないでしょう。

お歴々がシュラック家へ向かう道すがら、ベティとすれ違うときの反応が可笑しいですね。
珍獣を見るような目。

さらなる珍獣(カール)を見る目の冷たさと言ったら…
カールが姿を現した途端、ピタリと静まり返るサロン。

ある者は嫌悪、ある者は好奇。
それぞれの感情が針となってカールを突き刺す。
仮にシュラックとの養子縁組が成立したとしても、カールが生涯を針のむしろに座って暮らすだろうことは想像に難くありません。

木はやはり芽吹いた場所で育つのが良いようです。
無理に土を変えれば根が腐る。
お歴々を通して観れば、また違った感想が浮かぶ『エルベ』でした。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
ファッションからひもとく『エルベ』の世界(1)―おしゃれ番長・ロンバルト(輝咲玲央)│霧深きエルベのほとり
トビアス(七海ひろき)の指輪―男役の儀式│霧深きエルベのほとり
七海ひろき、ダンケシェーン!―「足るを知る者は富む」トビアスとベティの愛の形│霧深きエルベのほとり
6つの台詞でひもとく、ロンバルト(輝咲玲央)の心│霧深きエルベのほとり
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり
スポンサーサイト



ファッションからひもとく『エルベ』の世界(1)―おしゃれ番長・ロンバルト(輝咲玲央)│霧深きエルベのほとり

演劇において、登場人物のパーソナリティを表すのに欠かせない衣装や装飾品。
前回の記事ではトビアス(七海ひろき)の結婚指輪について触れました。
トビアス(七海ひろき)の指輪―男役の儀式│霧深きエルベのほとり

彼のファッションは独特で、テンガロンハットやガンホルダーを思わせるベルト、ボトムスの裾をインしたロングブーツ。
海の男というより、西部劇のガンマンのような出で立ち。
ある方に「主演作『the WILD Meets the WILD』のオマージュではないか」と伺いましたが、まさにそんな風情です。

今回は、労働者階級であるトビアスとは相対する資本家階級に属するロンバルト(輝咲玲央)のファッションについて頭に浮かんだことを。

おしゃれ番長・ロンバルトのファッションが語るもの


ロンバルトの右手薬指にも結婚指輪が輝いています。
さらにカール(紅ゆずる)とマルギット(綺咲愛里)の結婚披露パーティーでは左手人差し指に大きな石つきの指輪も。

彼の財力、そして、彼が属する階級の証ですね。
カールやトビアスが宝石で身を飾ることは生涯ないでしょう。

正装のお歴々の中でも、ひときわ豪華な装いのロンバルト。
マルギットの父ヨゼフ(一樹千尋)とロンバルトのみ、燕尾服に色の入ったウエストコートを合わせています。

燕尾の中はオールホワイトでまとめるのがお約束ですが、ふたりが選んだのは高級感あふれるゴールドのウエストコート。
タイとポケットチーフも共布です。
当然、おあつらえでしょう。
成金趣味でなく、あくまで上品。
大人の余裕を感じさせるコーディネートです。

ロンバルトに至ってはウエストコートの打ち合わせがダブル。
恰幅の良さ、大人の色気を演出するチョイスですね。
彼はなかなか洒落者のようです。

妻のドレスを選ぶ男


ロンバルトの妻、アンゼリカ(音波みのり)のイブニングドレスも非常に凝ったデザインです。
金襴を施した赤のドレスに、黒の縁取り。
一歩間違えばケバケバしくなりがちな配色ですが、絶妙な生地選びで品の良さが際立ちます。

華やかさの中に女盛りの色香が匂う装いは、「エスコートする夫と並んで完璧な一対になるように」との計算が感じられます。
妻のドレスもロンバルトが選んだのだろうと想像が膨らみます。

(ここまでくると想像を通り越して妄想ですが、脚本外の物語を想像させる『エルベ』の奥深さゆえということで)

仕立て屋を呼び、妻のドレスをあつらえさせるロンバルト。
生地選びから口を出す姿が想像できます。

アンゼリカが悩んだら、さりげなく一番似合うものをアドバイスする。
TPOにかない、なおかつ妻を最も美しく輝かせる一着を。

赤(+金)×黒。
この配色のキモは「黒」。

単に赤×金襴のドレスでは印象に残らないでしょう。
胸元から肩を通る黒いリボンが、背中でV字を描いて長く垂れ下がることにより、縦のラインを強調し、すらりとした印象を与えます。
黒にはデコルテのまばゆい白さを引き立てる効果もあります。

黒に対する白の効果といえば、ロンバルトの白手袋。
傷心の妻の背中をそっと抱き寄せる彼の白い手が、黒いリボンに映えて美しいのです。
この視覚効果は見逃せません。

懐中時計とシガレットケース


燕尾服の胸元に懐中時計の金鎖を覗かせているのもヨゼフとロンバルトのみ。

時計は実用品ではありますが、持つ人の好みが如実に表れる趣味性の高い品でもあります。
ロンバルトの時計がどのようなものか、気になりますね。
凝ったムーブメント、質実剛健に見せかけて、さりげなく宝石が散りばめられているかもしれません。

ロンバルトの懐中時計と対をなすのが、アンゼリカのシガレットケース。
これもロンバルトの財力を示す贅沢品です。

10年以上前、東京都庭園美術館で催された『世界を魅了したティファニー 1837-2007』を訪れました。

アメリカの宝飾界を代表するTiffany&Co.の歴史をたどる展覧会。
目眩を覚えるほどのきらびやかさに、時を忘れて見入ったものです。

「たしか喫煙具の紹介もあったはず」と図録をめくったところ、やはりありました。
18金にダイヤモンドやサファイアで葡萄の房を象嵌した品。
14金にエメラルドやルビーで幾何学模様をあしらったアール・デコ調の品などなど…

同じ美術館で行われた『アール・デコ・ジュエリー -宝飾デザインの鬼才シャルル・ジャコーと輝ける時代-』はデザイン素描中心の展示で、これまた興味深いものでした。
こちらで紹介されたシャルル・ジャコーやブシュロンのデザインの方が、アンゼリカの持ち物(=ロンバルトの趣味)としてはしっくりくるかな?

ジュエラーの技術の粋を凝らした造形。
「手のひらに収まる美術品」を妻に与えられるのはロンバルトの甲斐性でしょう。

(1920年代のティファニーのカタログによると、金に貴石をあしらったシガレットケースは485ドルから販売されていたようです)

愛ゆえにこそ


ロンバルトは決して「自分の身を飾るアクセサリーのひとつ」として妻を磨き立てているのではありません。

愛する人がますます美しくなっていく姿を見たい。
愛する人に美しいものを贈って喜ぶ顔が見たい。
その一心でしょう。
彼の気持ちの底に流れるのは、常に「愛」であることは確かです。

マルギットも本来、こちら側の人間なのです。
その彼女が「年に2枚の着物がやっと」の暮らしに飛び込めばどうなるか。

ロンバルト夫妻を始めとする上流階級の人々の装いを見るにつけ、目に見えぬ「階級」という壁に阻まれたカールとマルギットの悲劇を思うのです。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
トビアス(七海ひろき)の指輪―男役の儀式│霧深きエルベのほとり
七海ひろき、ダンケシェーン!―「足るを知る者は富む」トビアスとベティの愛の形│霧深きエルベのほとり
6つの台詞でひもとく、ロンバルト(輝咲玲央)の心│霧深きエルベのほとり
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

トビアス(七海ひろき)の指輪―男役の儀式│霧深きエルベのほとり

颯爽と銀橋に現れ、旅立ちの歌を聞かせるトビアス(七海ひろき)。
胸がすく爽快なシーンです。

その指に輝くマリッジリング。
照明を反射してキラリと光る銀色に目が吸い寄せられます。

カイちゃん、男役人生最後のキスシーン


出会って一週間で、プロポーズして、指輪を誂えて、式を挙げるというスピード婚を果たしたトビアス。
前回の記事で「男役ラストステージにちゃんと相手役がいて、あまつさえ結婚式まで挙げられるのは男役冥利に尽きる」と書きました。
七海ひろき、ダンケシェーン!―「足るを知る者は富む」トビアスとベティの愛の形│霧深きエルベのほとり

晴れ晴れとした銀橋ソロも、組子たちの祝福の声に送られ、舞台を後にする演出も。
すべてが男役カイちゃん(七海)への素晴らしく愛のこもった餞です。

銀橋を渡り終えた花道に、花嫁ベティ(水乃ゆり)が待っています。
素朴な、しかし、精一杯のお洒落をしたベティ。
酒場の女たちの心尽くしのヴェールをまとうベティの美しいこと。

幸せいっぱいの花嫁に、優しく口づける花婿。
カイちゃんの男役人生最後のキスシーンです。

「男」としてキスができるのは現役時代限定。
ご存知のように宝塚のキスは「ふりをする」だけ。

それをいかに、愛を込めて「本当らしく」みせるかが男役芸。
生徒さんは皆、さまざまに工夫を凝らした美しいキスシーンを作り上げています。

積み上げた経験、練り上げたテクニック。
カイちゃん集大成のキスを披露する場面を設けてくださった上田久美子先生には感謝です。

男役の儀式―相手役へ指輪を贈る


ささやかな花束に添えられたベティの右手。
レースの手袋の下には、やはり銀の指輪が光っています。
トビアスと揃いの誓いのリングです。

恋人や妻のいる役を与えられた男役が、相手の娘役に指輪を贈る。
いつ頃から定着したか知りませんが面白い風習です。

慣習として格別な疑問もなく行っているのか。
互いの気分を盛り上げる儀式の一貫として行っているのか。

なにはともあれ、固定の相手役ができた男役さんはいつもよりちょっと嬉しそうに見えます。
(お茶会などで相手役に話題が及ぶと、明らかにデレつく方もいらっしゃいますよね)

キスと同じく、相手役に指輪を贈る習慣も男役ならでは。
宝塚人生の締めくくりに、大好きな「男役」を特有の儀式も含め、満喫できるお役で良かったですね。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
七海ひろき、ダンケシェーン!―「足るを知る者は富む」トビアスとベティの愛の形│霧深きエルベのほとり
6つの台詞でひもとく、ロンバルト(輝咲玲央)の心│霧深きエルベのほとり
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

五つ星獲得なるか!?話題作『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』に月組が挑む!

今日は暖かったですね。
街路樹の足元で土筆が顔を覗かせていました。
待ちに待った春到来!
新しい季節の訪れを喜ぶ私のもとに、夏をすっ飛ばして秋のニュースが届きました。

月組に一本物大作ミュージカルがやってきた!


10月からの月組公演の新作は『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』。
『ベルサイユのばら』と並び、宝塚の代名詞となった『エリザベート』と同じウィーン発のミュージカルです。

小川理事長が仰った「一本物大作ミュージカル」はこれだったのかな?
2019年 公演ラインアップ【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】<10月~12月・月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』>

テーマは「故郷」や「家族」。
「コメディー要素を散りばめた心温まる作品」とのこと。
ハッピーエンドを期待してよいのでしょうか?

舞台はウィーンの老舗ホテル。
主人公は跡継ぎのジョージ。
これは珠様(珠城りょう)のお役ですね。

同じくホテルを舞台にした『グランドホテル』でトップお披露目を果たされた珠様。
ようやく幸せな結末を迎えられそうでなによりです。
何気に大劇場初日が珠様のお誕生日なのがニクいですよね~~

ヒロインはオーストリア出身の人気ハリウッド女優エマ。
エマがお忍びでホテルを訪れるところから騒動が巻き起こるようです。

さくらちゃん(美園さくら)は『雨に唄えば』『ON THE TOWN』に続き、またまた女優役!
華やかで押し出しの良い彼女にぴったりですね。

「オーストリアの美しい街並みや自然の中で、自分の居場所を見つけていく」が、ストーリーの鍵ですね。

齋藤吉正先生、連続登板!


潤色・演出は『夢現無双』から続投で齋藤吉正先生。
こんなことってあるんですね!

宙組の『TOP HAT』で潤色のお手並みは実証済み。
宝塚で上演された海外ミュージカルでは『TOP HAT』が一番お気に入りな私。

生徒ひとりひとりの個性を余すところなく引き出すことに長けた齋藤先生ならば、きっと素晴らしい作品に仕上げてくださることでしょう。

「従業員の一人がエマの来訪をツイートした為、マスコミが押し寄せ、ホテルは大混乱」が、いかにも現代的です。

「華やかなレビュー満載」とありますので楽しみ!

キャスティングも気になりますね~~
群像劇っぽいので、多くの生徒さんに見せ場があるといいなぁ。

まゆぽん(輝月ゆうま)がまた支配人だったりして…
(支配人役があるかは知りませんが)

五つ星を目指すジョージのように、記念すべき日本初演を☆☆☆☆☆で飾れますように!

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

七海ひろき、ダンケシェーン!―「足るを知る者は富む」トビアスとベティの愛の形│霧深きエルベのほとり

『霧深きエルベのほとり』は、これ以上ないほど単純な物語です。
複雑な人間関係もなければ、大事件が起こるわけでもない。
ビア祭りの一週間に男と女が出会い、恋に落ち、ある者は成就し、ある者は別れる。

マルギットを挟んだカールとフロリアンの三角関係。
アンゼリカを挟んだカールとロンバルトの三角関係。
そこにもう一組のカップル、トビアスとベティが加わります。

トビアス(七海ひろき)はカール(紅ゆずる)の恋愛模様に直接関わることはありません。
しかし、『エルベ』の物語において非常に重要な役割を果たします。

トビアスとベティ(水乃ゆり)は、カールとマルギット(綺咲愛里)の合わせ鏡なのです。

足るを知る者は富む


珠玉の言葉が観客を魅了する『エルベ』。
とりわけ好きな台詞は、カールの妹ベティの「あたしは貧乏でも、兄さんや友達が元気で笑っとって、気兼ねのいらん人のお嫁さんになって、今と同じぐらいで暮らせたら幸福だ」。

「結婚は生活レベルが同じ相手と」と語るベティ。
マルギットとの対比が鮮やかです。

ベティの素朴な言葉の内には、ひとつの真実が潜んでいます。
価値観、社会常識、金銭感覚…
生まれ育った環境が同じならば、さほど乖離はないでしょう。

自分たちを取り巻く社会への共通感覚、共通認識。
他人と共同生活を送る上で、これらの一致は重要です。
「愛さえあれば」と言いますが、「愛だけ」では長続きしません。

ベティは地に足の着いた、賢い女の子です。

足るを知る者は富む。
(満足を知る者は、金銭的に貧しくても精神的には豊かである)

身の丈に合った幸せをごく自然に求められるベティとならば、温かく心安らぐ家庭を持てるでしょう。
トビアスが早々にモーションをかけるのも納得です。
「そんな相手がいるのかい」
「いないさ!」

カールとマルギットが出会い別れたのと同じ一週間で、出会い結ばれたトビアスとベティ。
愛の明暗をくっきり描き出す脚本が見事です。

トビアスとベティはきっと幸せに暮らすでしょう。

七海ひろき、ダンケシェーン!


女のために生き方を変えたトビアス。
その軽やかさ。
カイちゃん(七海)の飄々とした持ち味にぴったりです。

男役ラストステージにちゃんと相手役がいて、あまつさえ結婚式まで挙げられる。
男役冥利に尽きますね。

そして、晴れ晴れとした銀橋ソロ。
「ダンケシェーン!」
なにひとつ思い残すことなくやりきった。
男役を全うした。
そんなカイちゃんのタカラジェンヌ人生に重なる愛の歌です。

「それでは、諸君の安全な航海を祈る!じゃあみんな、あばよ!」
なんて温かな餞の言葉でしょう。

「トビアス、おめでとう!」
組子たちの祝福の声に送られ、舞台を後にする。
座付き作者ならではの粋な演出。
ファンの方も嬉しいでしょう。

男役への愛、宝塚への愛、ファンへの愛。
今まさに完全燃焼しようとするカイちゃんは、どこまでも爽やかな男役さんです。

まだ「卒業おめでとう」は言いません。
カイちゃん、千穐楽までめいっぱい男役を楽しんでくださいね!

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
6つの台詞でひもとく、ロンバルト(輝咲玲央)の心│霧深きエルベのほとり
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

【タカラジェンヌと血液型】トップコンビは○型×○型が最多!そして、好きな生徒は「○○き+○型」の法則

血液型と性格って関係あると思いますか?
「A型は几帳面、O型はおおらか」みたいなアレです。

『ザ・タカラヅカ ○組特集』(いわゆる「組本」)にはタカラジェンヌの血液型が載ってますね。
血液型信仰(性格診断や占い)が根強い日本ならではの項目です。

現トップコンビに多いのは○型×○型


五・七・五で語る宝塚~タカラヅカ川柳~』の管理人みーさんがタイムリーな記事を上げてらっしゃいました。

以前から、生徒さん、特に男役にB型が多いと感じてらしたみーさん。
タカラジェンヌの血液型分布は?
トップスター適性と血液型の関連は?
気になってあれこれ調べたところ、面白い結果が出たそう。

現トップコンビの血液型の組み合わせはこちら。
img-20190222_2.jpg
見事にB型とA型しかいません(byみーさん)。
5組中3組(60%)が「男役B/娘役A」、2組(40%)が「男役娘役共にA」の組み合わせ。

B×Aは、花組の明日海りおさん×仙名彩世さん、月組の珠城りょうさん×美園さくらさん、宙組の真風涼帆さん×星風まどかさん。
A×Aは、雪組の望海風斗さん×真彩希帆さん、星組の紅ゆずるさん×綺咲愛里さん。
ちなみに、月組は前任の愛希れいかさんもA型でした。
どんだけ~~

日本赤十字社の「日本人の血液型の発現率」によると、A型40%、O型30%、B型20%、AB型10%(みーさん調べ)。
この数字を鑑みると、宝塚トップコンビの血液型分布はかなり偏りがあると言えます。

みーさん曰く「男役さんは我関せずなB型、娘役さんは細かい気配りのA型が最強の組み合わせ」だそう。
トップさんは真ん中でドーンとして、娘役さんが内助の功で守り立てるイメージでしょうか?

いずれにせよ、どのトップコンビも息ぴったり。
組の雰囲気も作品の仕上がりも良く、それぞれがベストなコンビだと思います。

石を投げればB型に当たる月&星男


さらに各組を調べたところ、男役さんはB型、娘役さんはA型が多いことが判明したそう。
突出しているのが、月男・星男のB型率の高さ!

なかでも、星男のB型率は65%と驚異的。

5人に3人がB型。
石を投げればB型に当たる勢いです。
私が好きな輝咲玲央さんもB型だそう。

他人の褌で相撲を取りっぱなしでごめんなさい。
ここからが本題です。

珠城りょうさんもB型。
ひょっとして私の好きな生徒さんってB型が多い?
みーさんに確かめました。

「和希そらは?」
「B」
「綺城ひか理は?」
「B」
気持ちいいほどB型オンリー。

私が好きな生徒「○○き+○型」の法則


しかも全員、お名前が「○○き」。
きざき、たまき、かずき、あやき…
なぜか好きな生徒さんの芸名が「○○き ○○○」「○○き ○○」で統一されがちな私。
新人インストラクターはタカラジェンヌと同姓同名!

好みのタイプ「○○き」に、さらに「+B型」が加わってしまった…
皆さまも好きな生徒さんの傾向ってありますか?

「血液型と性格に因果関係はあるか?」と問われれば「人による」と答える私ですが、ここまで当てはまると笑っちゃいます。
これで花組の青騎司君がB型だったら100%的中かも。
あ、でも輝月ゆうまさんはA型なので80%くらい?

もっとも、血液型や星座はあくまで二次的なもの。
特定の生徒さんを好きになる理由は、ルックスや芝居、歌唱、ダンスなど舞台人としての資質が主であることは言うまでもありません。
付随する要素はプラスアルファに過ぎないのです。

ちなみに私自身はB型。
タカラジェンヌ適性があるのかな?
(にゃい!! byリナ・ラモント)

他にも雪組トップ娘役のA型率の高さなど、みーさんの記事は興味深いデータがいっぱい。
是非ご訪問くださいませ~~
血液型で占うタカラヅカ
血液型で占うタカラヅカ(2)~男B娘はAが強かった~

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

6つの台詞でひもとく、ロンバルト(輝咲玲央)の心│霧深きエルベのほとり

『霧深きエルベのほとり』面白いですねー。
なにしろ台詞がいい。
噛めば噛むほど味わいが深まる言葉たちに夢中です。
日頃紙媒体を買わない私が、思わず『Le CINQ』を手に取ったほど。

6つの台詞でひもとく、ロンバルトの心


なかでもお気に入りは、輝咲玲央さん演じる上流階級の男、ロンバルト。
主人公カール(紅ゆずる)のかつての恋人アンゼリカ(音波みのり)の夫です。

わずかな登場シーン、わずかな台詞から役の人生を浮かび上がらせる玲央さんの手腕に惚れ込み、ロンバルトの台詞から彼の心をひもといてみようと試みました。
今回はシリーズ第2弾となります。
どうぞお付き合いください。

○ロンバルト編 第1弾はこちら↓
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり

○フロリアン編はこちら↓
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり

ロンバルトの台詞は全部で6つ。
湖のレストランで交わされた3つ(妻をご存知ですか/アンゼリカ、今日はここでの食事は取りやめにしよう/船乗りと同席するわけにはいかん)は第1弾で取り上げましたので、残りの3つを。

【リューネブルクの白樺の道】
4.アンゼリカ、パーティーは遠慮しても構わんのだよ

【シュラック家のサロン(結婚披露パーティー)】
・なし

【リューネブルクの白樺の道】
5.忘れ物は見つかったのかね
6.よかった。さあ、いつものレストランで食事をしようね

「パーティーは遠慮しても構わんのだよ」に見る、ロンバルトの怯え


湖のレストランでカールと出会い、茫然自失したアンゼリカ。
そんな妻の様子を見て、ロンバルトが心穏やかでいられるはずはないでしょう。
妻の過去の男の結婚披露パーティーに招かれた夫の心中やいかに?

カールと対面したときの妻の動揺。
妻の心はまだ、あの男にあるのではないか?
疑心暗鬼と、妻を信じたい気持ちの板挟みになるロンバルト。

しかし、あくまでも妻へのいたわりの態度を崩さない。
「パーティーは遠慮しても構わんのだよ」
本心を押し隠して、傷つき狼狽する妻を優しく包み込むのです。

“気が進まないなら無理しなくていいんだよ”
“昔の恋人と顔を合わせたくないなら欠席していいんだよ”

妻をいたわる言葉のようでいて、実はロンバルト自身の思いでもあるかもしれません。
自分の眼の前で、これ以上アンゼリカが傷つくのを見たくはない。
なにより、涙をためた瞳で、自分以外の男を見つめる妻を見たくはない。

パーティーの欠席をうながす言葉の裏には、ロンバルトの怯え、不安、そしてカールへのほのかな嫉妬が潜んでいるのです。

「無言」に見る、ロンバルトのためらい


ロンバルト夫妻、最大の見せ場はシュラック家での無言劇です。
沈黙こそ雄弁なり。
ひとつも台詞がないのに、観客は多くの情報をロンバルト夫妻から受け取ります。

似合わない正装で露悪的に振る舞うカール。
アンゼリカにとって、一度は愛した人のそんな姿を目にするのは辛いものです。

カールを見つめ、ときに背を向け、涙を流すアンゼリカ。
そんな妻の姿を見るロンバルトも苦しいでしょう。

夫婦の視線が交わることはありません。
アンゼリカの視線の行く先はカール。
一度も現在の夫へ向けられることはないのです。

しかし、ロンバルトの視線はただひたすら妻に向いている。
これは愛です。

妻の動揺、悲しみ、苦しみ。
すべてを分かち合おうとするように、じっと向けられる視線。

“なにか言葉をかけるべきか?”
“いや、今はそっとしておこう…”

他のシーンではどっしり構えているロンバルトですが、ここではそわそわと落ち着きがありません。
視線はカールとアンゼリカの間を行ったり来たり。

かぼそい背中を震わせ、吹き荒れる嵐をじっと耐えるアンゼリカ。
その痛々しい姿を、そっと見守るロンバルト。
しかし、このときロンバルトの心もまた激しい嵐に翻弄されているのです。

ふたりが見せる無言のドラマは、『エルベ』のハイライトのひとつです。

「忘れ物は見つかったのかね」「よかった」に見る、ロンバルトの安堵


「忘れ物をした」と嘘をつき、カールのもとへ行ったアンゼリカ。
もちろん、ロンバルトにはお見通しだったでしょう。

忘れ物はシガレットケースではありません。
宙ぶらりんになったカールへの愛なのですね。

「よかった」に込められた想い。
文字にすればたったの4文字。
しかし、万の気持ちがこもった4文字。

アンゼリカの苦しみは、カールに誤解を与えたまま別れてしまったことでしょう。
わだかまりが解ければ、アンゼリカの心の中のカールの占める場所が、ロンバルトに取って代わられるのは時間の問題です。

「旦那に可愛がってもらって、幸福に暮らせよ」
カールの言葉通り、アンゼリカはしっかり前を向いてロンバルトと幸福に暮らすでしょう。

「よかった」
吐息混じりにささやかれる安堵。
妻の内で過去が清算されたのを知った男の、心からの声なのです。

「さあ、いつものレストランで食事をしようね」に見る、ロンバルトの優しさ


すべてを見通した上で、妻にかける言葉「いつものレストラン」。
嵐が去り、柔らかな木洩れ日が差すように穏やかな愛の台詞です。

“いつだって自分がそばにいるよ”
“安心して「日常」へ戻っておいで”
「いつものレストラン」には、そんなメッセージが秘められているのです。

ロンバルトの言葉はアンゼリカにとってどれほど心安らぐものだったことでしょう。
「しようね」の「ね」に込められた限りない優しさ。
この瞬間、ふたりはようやく「夫婦」になったように思います。

『霧深きエルベのほとり』に登場する男たちは一様に優しいですね。
カールの無骨な優しさ、フロリアンの献身的な優しさ。
そして、ロンバルトのおおらかな優しさ。

男たちのさまざまな優しさがあふれる台詞の数々。
どうぞ耳を傾けて聴いてみてくださいませ。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

100の台詞よりも雄弁―ロンバルト(輝咲玲央)の芝居力│霧深きエルベのほとり

私、すごい発見をしてしまいました!
カールとマルギットの結婚披露パーティーで、ロンバルト夫妻は一言も発していないんです。
たったの一言も!

大劇場公演から結構な回数を観ているはずなのに、昨夜初めて気づいた私。
皆さまご存じでしたか?
私はまったく気づきませんでした。

なぜって、台詞がないことに思いが至らないほど濃密なお芝居に魅せられていたから。

100の台詞よりも雄弁な芝居


かつての恋人カール(紅ゆずる)の無残な姿を目の当たりにし、平静を失うアンゼリカ(音波みのり)。
そんな妻の様子を見ながら、声をかけることすらできない夫ロンバルト(輝咲玲央)。

アンゼリカからカールへ伸びる、ピンと張り詰めた糸。
カールを囲むお歴々との騒動とは別なところで繰り広げられる心の攻防。
妻の心に気づいているのは夫だけ。
糸に触れたら切れてしまうと言わんばかりに、近づくこともできないロンバルト。

台詞がないとはこれっぽっちも気づかず、ロンバルト夫妻の一挙一動に注目していました。

なぜロンバルトとアンゼリカは無言のうちに、あんなにも深いドラマを描き出すことができるのか?

彼らのパフォーマンスが言葉より多くを物語っているからなのですね。
視線、仕草、息遣い、身のこなし…
台詞以外の情報の多いこと。

100の台詞よりも雄弁な演技が見事に人物の心情を映し出すのです。

ロンバルトの心の声、アンゼリカの心の声。
それぞれの想いが手に取るように伝わってくる。
これこそ「芝居の力」です。

6つの台詞でひもとく、ロンバルトの心


観客の心に強いインパクトを残すロンバルト夫妻。
実のところ、登場するのはたったの4場面。
台詞もさほど多くはありません。

ロンバルトの台詞は6つ。

【湖のレストラン】
1.妻をご存知ですか
2.アンゼリカ、今日はここでの食事は取りやめにしよう
3.船乗りと同席するわけにはいかん

【リューネブルクの白樺の道】
4.アンゼリカ、パーティーは遠慮しても構わんのだよ

【シュラック家のサロン(結婚披露パーティー)】
・なし

【リューネブルクの白樺の道】
5.忘れ物は見つかったのかね
6.よかった。さあ、いつものレストランで食事をしようね

皆さまはこれら6つの言葉から、どんな人物を思い浮かべますか?
いたわり、慈しみ、優しさ、ぬくもり、包容力…
年若い妻への限りない愛を感じ取れます。

カールの台詞から、アンゼリカは貧しい実家のために上流階級のロンバルトのもとへ嫁いだことが分かります。
しかし、決して金のためだけの愛のない結婚ではないことも証明されるのです。
他ならぬロンバルト自身の言動によって。

ロンバルトはアンゼリカを愛している。
たった6つの台詞に、ロンバルトという男の人となりと人生が凝縮されているのです。

「妻をご存知ですか」に見る、ロンバルトの階級意識


初対面のカールへの問いかけ。
「妻をご存知ですか」

ロンバルトの人柄を窺い知ることのできる言葉の筆頭がこれ。
明らかに場にふさわしくないカールにも、きちんと丁寧に問いかける。
彼の身分ならば「妻を知っているのか」でも構わないはず。
ロンバルトは他人の身なりや言葉遣いによって態度を変える人物ではないことが分かります。

芝居の最後の場面、フロリアン(礼真琴)からデュッケ(瀬稀ゆりと)とヴェロニカ(英真なおき)への問いかけ、「ああ君、カールという人を知らないか」とは雲泥の差です。
自分よりはるかに年長の人々、しかし、安酒場の労働者に対する言葉。

上からの物言いが当然のような振る舞いに、フロリアンの“育ちの良さ”が透けて見えるのです。
フロリアンもまた“金持ちの上流階級が染みついている”ひとりなのでしょう。

「船乗りと同席するわけにはいかん」に見る、ロンバルトの愛


最も気になったロンバルトの台詞がこちら。
「船乗りと同席するわけにはいかん」

私の記憶が確かならば、「船乗り」という言葉を使うのはロンバルトとヨーニー(天飛華音)だけです。
ヨゼフ(一樹千尋)や上流階級の人々は皆、彼らを「水夫」と呼びます。

このことから、「水夫(雑役を行う船乗り)」の呼称にはなんとなく蔑みの色合いが見てとれます。
(カールら船員たちが「水夫」を自称するのは、卑下と裏腹の「裸一貫で稼ぐ海の男としての自信の表れ」と解釈しています)

上流階級の人々が集まるレストランで、妻の過去を暴き立てることを潔しとしない。
そんなロンバルトの心が「船乗りと同席するわけにはいかん」に表れているのです。

「労働者と同席はできない」ことを口実に、食事を取りやめ、妻を安全地帯に連れ出す。
これはロンバルトの方便です。

しかし、彼はこんな状況でも「“水夫”と同席するわけにはいかん」とは口にしません。

カールが妻のかつての恋人と知ったから?
いえ、そうではないでしょう。
ロンバルトの辞書にはもともと他人への蔑称の言葉は載っていないのです。

フロリアンがヨゼフに言う「人間の愛情というものは、身分の高さや、職業の低さには関係のないものです」に通じるものがありますね。
いっときでも妻が愛した男をないがしろにすることは、妻を軽んじることでもある。

「妻をご存知ですか」
「船乗りと同席するわけにはいかん」
これはロンバルトの高潔な人柄と、妻への愛を示す言葉なのです。

言葉=その人そのもの。
わずか6つの台詞にロンバルトという男のすべてが込められている。
脚本の意図を十二分に汲み、求められるロンバルト像を的確に描き出すことにより、物語に深い味わいを添えた輝咲玲央。
いい役者です。

長くなりましたので、つづきは改めて。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

エルベがお江戸にやって来た!大劇場から変更点・ざっくり感想など│霧深きエルベのほとり

昨日の記事にまとめるつもりが、紅ゆずるさんと輝咲玲央さんで一本埋まってしまったので分けました。
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり

お芝居とショー、お気に入りのシーンや大劇場と変わったところを場面ごとにまとめます。

『霧深きエルベのほとり』のココが好き!+大劇場からの変更点


○第2場 ハンブルグの酒場プロースト
エルベの楽しみのひとつは、白妙なつさんと遥斗勇帆君のデュエット。
思わず耳が吸い寄せられる素晴らしい歌声。
いつも心からの拍手を送っています。

星組さんは上級生から下級生に至るまで歌上手さんが多くて嬉しいですね。
特に大注目なのが遥斗君のドラマティックで重厚な歌声。
いつか遥斗君の陰ソロでトップコンビのデュエットダンスを観てみたいです。

○第9場 湖のほとりのレストラン
フロリアン(礼真琴)のスーツが黒からベージュに変わりましたね。
ラストシーンのコートの下に着ているのと同じかな?

○第10場 リューネブルクの白樺の道
シュラック邸のそばの水辺で釣りをする水夫たち。
オリバー(麻央侑希)がお菓子を撒き餌にするのって前からでしたっけ?
このシーンはいつもトビアス(七海ひろき)とベティ(水乃ゆり)に注目しているので気づきませんでした。
他にもまだまだ見逃してるところがいっぱいありそうです…

マルチン(瀬央ゆりあ)の大声に驚いて盛大にひっくり返るリコ(天華えま)は可愛くって、いつも観ちゃいます!
水辺に見立てたオケピットの中で、オリバーの竿に魚をセットしてくださるオケの方を想像するのも楽しいですね。
悲しい物語の中で唯一ほっとできる大好きな場面です。

『ESTRELLAS ~星たち~』のココが好き!+大劇場からの変更点


要所で効果的に使われるレーザー光線。
大劇場は緑単色でしたが、東宝では虹色にグレードアップ。
ゴージャス感が増していいですね!

○第4章 Back!
さらにパワーアップしたカッコよさ!
美形揃いで、どこを観たら良いのか迷いますね~~

歌も踊りも桁違いの巧さを見せる琴ちゃん(礼)。
視線も表情の作り方もパーフェクト!
したたるような色気、緩急自在のパフォーマンスで場面を引っ張ります。

艶っぽい紫藤りゅうさん、ノーブルな天希ほまれさん、キラキラな極美慎さん、ギラギラな天飛華音さん…
あっちに目を奪われ、こっちにハートを掴まれ忙しいですが、なかでもひときわ目を引くのが朝水りょうさんの陰性の色香。
うかつにハマると危なげなタイプ。
貴重な個性ですね。

○第7章 フィナーレ
フィナーレの歌手を務めるせおっち(瀬央ゆりあ)。
一皮むけましたね!
バウホール2作連続主演の経験は伊達ではありません。

パッと目を引く華やかさ。
下手花道からせり上がってらしたとき、「スターが現れた!」という感じがいたしました。
歌唱も安定されましたね。
以前はちょっとお声が細いかな?と思いましたが、太く伸びやかになられ、心地よく響きます。

紫のスーツに合わせた紫のシャドウもお似合い。
このお衣装は「Sunny」の琴ちゃんと色違いでしょうか?
同期とお揃い。
偶然かもしれませんが嬉しいですね。

○朝水君ファン必見!「マイスターの教え #45 星組『ドクトル・ジバゴ』」
お揃いといえば、朝水君と玲央さん。
タカラヅカ・スカイ・ステージで3月25日に初回放送される「マイスターの教え #45 星組『ドクトル・ジバゴ』」。
リヴェーリィ役を演じた朝水君が出演されます。

「TCA PRESS Vol.164」の番組紹介で朝水君がお召しのベージュのチェック柄ジャケットは、『パネルアタック』で玲央さんで着てらしたのと同じものですよね?
星男さんの間でチェック柄が流行ってるんでしょうか。

ちなみにですね、「Hot Stuff」の玲央さんが表情豊かで素敵なんです。
基本セクシーでアダルトなのに、不意打ちで覗かせる無邪気な笑顔がたまりません。
カッコいいのに可愛いって反則!
今回も脳内Blu-rayオレキザキアングルにばっちり収めました~~

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

紅カールがさらに優しく、輝咲ロンバルトがさらに悩ましく│霧深きエルベのほとり

待ちに待った星組東京公演開幕!
寒さも吹き飛ぶ星組さんの熱い舞台に再会できて嬉しいですね。
取り急ぎの感想をまとめました。

紅カール、さらに優しくなる


大劇場公演始めの頃に比べ、カール(紅ゆずる)がどんどん優しくなっている気がします。
周りには粗暴なカールが、愛するマルギット(綺咲愛里)にだけは繊細な優しさを見せるところが本当に好き。

カールが優しければ優しいほど、マルギットのためを思って別れる愛想尽かしの残酷さが際立ってなんとも悲しいですね。
酷い言葉で罵りながら、手切れ金の束で愛する女を打擲する。
カールの心はどれほど傷つき、血と涙を流しているか…
何度観ても胸をえぐられるシーンです。

「ホテル・フロイデ」で一夜を過ごしたふたり。
最初の頃はベンチに座るとき、カールが「おらよっ」という感じでマルギットの手を強く引いて座らせていたように思うのですが、大劇場中盤以降、そっと引き寄せ、ふんわり優しく座らせるようになりましたよね?
まるで壊れ物を扱うように…
そこがとても印象に残っています。

先日、同時退団を発表されたトップコンビ。
カールがマルギットに告げる「二人の気持ちはおんなじだった」の台詞が、紅あーに重なります。

ショーの中詰、組子たちの笑顔に囲まれ、心底楽しそうに笑う紅さん。
そして、デュエットダンスで心底愛おしそうにあーちゃん(綺咲)を包み込む紅さん。
どのお顔も満ち足りた幸せに輝いて見えます。

いつも舞台から客席へ沢山の愛を届けてくださる紅さん。
一日一日を全力でステージに立たれる紅さんの姿を、大切に目に焼き付けたいと思います。

輝咲ロンバルト、さらに悩みが深くなる


カールがかつての恋人アンゼリカ(音波みのり)と再会する、湖のほとりのレストランのシーン。
「船乗りと同席するわけにはいかん」の後、ロンバルト(輝咲玲央)のお芝居がちょっと変わってましたね。
アンゼリカをかばうように立ち去りながら、何か合点がいったような表情を浮かべるのです。

薄々気づいていた妻の昔の男の影。
「あの男が、そうか!」
声なき声がもれるように開かれた唇、見開いた目。
左手でぐっと胸の下辺りを押さえる仕草に、疑惑が現実であったと得心がいく様子が見て取れました。

星エルベはどこまで進化する?


大劇場後半は観客も慣れて反応が薄くなっていた箇所も、観客が入れ替わる東京では新鮮な反応が生まれます。
カールの「酒場で出会った男にひどい目にあう」や、ホルガー(美稀千種)の「結婚したなんてめでたい話は聞いたことがない」で、再び大きな笑いが起こりました。

演劇はなまもの。
舞台と客席のコール&レスポンスで日々違う世界を生み出すのだと、改めて感じました。

観客の反応が変われば、役者の芝居も変わる。
回数を重ねるごとに、より繊細に深まっていくお芝居を観られるのが嬉しいですね。
東京千穐楽まで、どれだけ進化した星エルベを観られるか楽しみです!

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitter(ブログ更新情報)↓
‎@noctiluca94

○『霧深きエルベのほとり』関連記事はこちら↓
星の実り 共にさあ祝いて 飲もう 食べよう│星組『霧深きエルベのほとり』公演メニューレビュー
台詞からひもとく、フロリアン(礼真琴)の揺れ動く心│霧深きエルベのほとり
「世界は輝く、この一瞬のため」ありえない奇跡と星組に感謝!│ESTRELLAS
オリバー(麻央侑希)から得た気づき―社会の寛容と、因果応報と、聖なる光│霧深きエルベのほとり
無私の愛、そして献身―フロリアン(礼真琴)の愛の形│霧深きエルベのほとり
紅ゆずるのぬくもりと、星組の輝きに包まれる『ESTRELLAS~星たち~』
「役者冥利に尽きる役」礼真琴のフロリアン│霧深きエルベのほとり
「夢の女」マルギット(綺咲愛里)の愛の形│霧深きエルベのほとり
カール・シュナイダーは、紅ゆずるの登場を待っていた│霧深きエルベのほとり
面白い芝居が観たい!―『霧深きエルベのほとり』を観て
奥深きエルベのほとり―さまざまな愛の形
一文字違いで意味深に…輝咲ロンバルトと音波アンゼリカを結ぶ「赤い糸」│霧深きエルベのほとり
「輝咲ロンバルト×音波アンゼリカ」で妄想が暴走☆彡│霧深きエルベのほとり
伝統のバトンは紅ゆずるに託された―名作の復活│霧深きエルベのほとり

プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
Twitter‎@noctiluca94

ブログ内検索とタグクラウド

最新コメント

最新記事

カレンダー

01 | 2019/02 | 03
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 - -

カウンター

宝塚歌劇団人気ブログランキング

にほんブログ村ランキング

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
5位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
演劇
2位
アクセスランキングを見る>>

ブロとも申請フォーム

noctilucaにメッセージを送る

お名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文:

QRコード

QR

**