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七海ひろきに惚れた!能ある鷹、殤不患│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

カイちゃん(七海ひろき)めちゃくちゃカッコいいですね!

腹に一物どころか二物も三物も抱えた凜雪鴉(紅ゆずる)の一行。
胡散臭い英雄(コブ付き)、冷酷非情な殺し屋、はては人間ですらない妖魔。
その中で最もまとも人間味のあるキャラクターが、カイちゃん演じる殤不患(しょうふかん)です。

凛雪鴉曰く「狷介、孤高」の謎めいた剣豪、殤不患。

茫洋として掴みどころがない。
傘一本の義理で、凜雪鴉の旅路に同行するはめになる。
いわゆる巻き込まれ型のキャラクター。

うんと年下の捲殘雲(礼真琴)に、なじられ、小馬鹿にされても意に介さず。
「なまくら刀」とあだ名をつけられても、さらりといなす。

どのキャストもドンピシャハマった宝塚版『サンダーボルトファンタジー』ですが、特に心惹かれたのがカイちゃんの殤不患。
力まず、ゆったり自然体の佇まい。
すぅっと耳に吸い込まれる素直な台詞回し。
無限の強さを秘めた、さすらいの剣客の設定にぴったり。

注目すべきはその声。
さらりと心地よく響くカイちゃんの声が不患というキャラクターにしっくりハマると感じました。

原作ファンの方に「カイちゃんが諏訪部順一さん(不患役の声優)の台詞回しに寄せてきている」と伺い、確認したところ、確かによく似ています。

もちろん、カイちゃんはカイちゃんなりの不患像を作り上げてらっしゃいますが「原作の殤不患のエッセンス」も感じられます。
七海不患と原作不患のハイブリッドと言いますか。
作り込んだ男役声と男性声優の語り口がオーバーラップする不思議な感覚を覚えたのです。

聞くところによると、カイちゃん自身もかなりの『サンファン』ファンだそうで。
原作ファンをがっかりさせないために、よほど研究なさったことと思います。

ヴィジュアルも良いですね!
白髪交じりの長髪、浅黒い肌、太い眉、まばらなヒゲ。
もちろん原作準拠には違いないですが…カイちゃん本来の華や色気を封印しても尚、にじみ出るカッコよさ。
渋く乾いて、しかし、どこか温かい。
滋味とでもいうのでしょうか。
いい味出してます。

* * *

劫荒劍で妖荼黎を封印するクライマックス。
物語最大の見せ場は七海不患の独擅場。

「剣、剣、剣…」に始まる長台詞。
宙に浮かぶ魔剣目録から手品のように劫荒劍が不患の手の内に現れる。
音も光も映像も渾然一体。

猛り狂う妖荼黎。
地鳴りが轟き、人間たちはなすすべもなく逃げ惑う。
もう駄目かと思った間一髪、不患の手により再び封じ込められる魔神。
最高潮の盛り上がりからの、一気呵成の収束。

初めてこのシーンを観たときは大スペクタクルっぷりに全身の血が沸き立ったものです。

殤不患、カッコいいーーー!!!

能ある鷹は爪を隠す。
冴えない“なまくら刀”の鮮やかな変貌。
これは最高にカッコいい場面でした。

が、しかし、その殤不患に勝るとも劣らぬ力を秘めた男が凜雪鴉である、という事実がサンファンをより奥深く、面白くしているのですね。

ラストシーン、凜雪鴉と剣を交えた不患の驚き。
雪鴉の底知れなさが露呈する、ここもまた大きな見せ場。

傘の義理を返し、再びあてどない旅に出る不患。
飄々と蕩蕩と。
自分を誇示することもなければ、卑下することもない。
真に強い男。

そんな殤不患にすっかり惚れ込んだ私。
カイちゃんが今まで演じられた役の中で一番好きですね。

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サンファンは宝塚的異色作!トップコンビ(紅ゆずる×綺咲愛里)が恋愛しない│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』は宝塚作品としては「異色」の部類に入るでしょう。

理由は「主人公が恋愛しない」こと。

宝塚ファン的には新鮮です。

主人公凜雪鴉(紅ゆずる)とヒロイン丹翡(綺咲愛里)の間に、まったく恋愛感情が生まれないなんて!

最終的に結ばれないにしても、宝塚の芝居はほとんどトップコンビの恋愛を描くのがセオリー。
もちろん、主人公の人生を描くことに重点を置いたり、男同士の友情を物語の軸に据えた作品もあるにはありますが。
それは主流ではありません。

結果としてヒロインが他の男性と結ばれるストーリーは数多あります。
しかしそれはあくまでも主人公との恋愛ありきです。
主人公との間に何らかの障害(身分違い・生き別れ・死に別れなど)が生じ、破局した末、第二の男にスポットが当たるのです。

ところが『サンファン』では、凜雪鴉と丹翡の間に恋愛の「れ」の字も出てこない。
「原作がそうなんだから当たり前でしょ」と言ってしまえば、それまでですが。

しかしながら過去の宝塚作品で原作の設定を捻じ曲げ、むりくり恋愛要素を付け加えた挙げ句、微妙な出来になった例は枚挙にいとまがありません。

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』には一切そのような手心が加えられなかったことは評価に値します。

“あの”凜雪鴉が丹翡に恋したら、キャラ崩壊どころではありませんよね。

小柳奈穂子先生、よくぞやってくださいました!という気持ちです。
ひとえに先生の原作への愛とリスペクトの為せる技でしょう。
(霹靂社やニトロプラスとの契約の関係かもしれませんが)

結果として、宝塚ファンはもちろん、原作ファンの方にも十分ご満足いただける作品に仕上がったのではないかと思います。

逆に考えれば、トップコンビが恋愛しない演目をあえて選んだことも英断と思います。
それでも尚、今の星組で『Thunderbolt Fantasy』を上演することを選んだ。

女性が男性をも演じる宝塚歌劇においてトップコンビの恋愛至上主義を否定することは、劇団の根っこを揺るがすことにつながるかもしれませんが…
しかし、サンファンに関してそのような思惑はないでしょう。

台湾で布袋劇原作の物語を演る。
サンファンのキャラクターに今の星組の個性がピタリとはまった。
たまたま主人公に恋愛要素がなかった。
それだけの話です。

ただひとつ言えるのは、原作アレンジにおいて「改良は大歓迎、改悪はまっぴらごめん」ということです。
大見得切って言うまでもないですが、当たり前が当たり前でないことが多々ありますので。

宝塚版サンファンに関しては「変えなかったことが良かった=観客の満足につながった」と言えます。

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『アメ☆キラ』輝咲玲央の見どころ全部!│Killer Rouge/星秀☆煌紅

最近「輝咲玲央」の検索ワードで当ブログをご訪問くださる方が増え、嬉しい限りです。
『サンダーボルトファンタジー』の「狩雲霄」役で玲央さんに注目された方も多いみたいですね。
カッコいいですよね、狩雲霄(と中の人)。

ところで原作(サンファン)ファンの皆さまは二幕のショー(アメイジングスター☆キラールージュ)で「狩雲霄の人」を見つけられるのでしょうか?

狩雲霄に限らず、他のメンバーもですよね。
一番分かりにくいのは蔑天骸のみっきーさん(天寿光希)かな?
原型留めてませんよね。
あんなに貴公子然とした金髪色白の美青年が、お芝居では全身真っ黒、絵に描いたような悪役だったなんて。
プログラムのお写真が別人状態なのも混乱の元。

ちなみに「狩雲霄の人」の見つけ方は、まず背が高く、骨っぽくてガタイのいい男役さんを探してください。
四角い輪郭、高い頬骨、大きめの口から覗く真っ白な歯が特徴。
髪は金メッシュのゆるウェーブを右目側で分けています。
日本版プログラムの青緑の髪の人を探しても見つかりませんのでご注意!
(とか言って、高雄公演までに髪色が変わってたらごめんなさい)

というわけで、今回は『アメイジングスター☆キラールージュ』の玲央さんについて。

プロローグからグランドフィナーレの緞帳が下りきるまで一挙一動がカッコよすぎて、脳内のスーパーオレキザキアングルをBlu-rayに永久保存したい!
蔑天骸さんみたいに記憶を取り出して映写できるようになりたいですね~~
とはいえ、まだ生首にはなりたくないので玲央さんのカッコいいところ全部、自分メモに残しておきます。

* * *

本公演から人数が半減した『Killer Rouge/星秀☆煌紅』。
下級生から上級生に至るまで全員ほぼフル出場!フル回転!

ご多分に漏れず玲央さんもほぼ出ずっぱり。
本公演では出てらっしゃらなかった「Cutie Rouge/紅頭巾CHANGとオオカミ」「Killer Rouge vs Mask of Rouge/煌紅vs怪盗紅」にも!嬉しい!

・Wonder II 「Killer Rouge/星秀☆煌紅」 :紅竜男

♪紅く~紅く~ 炎の如く 燃~え上~がる~~、灼熱のプロローグ。
めちゃくちゃテンション上がります!

真っ赤なアクタースーツみたいなお衣装が齋藤吉正先生っぽくて好き(『MY HERO』を思い出す)。
玲央さんの長い手足を活かしたダイナミックなダンスに目を奪われます。

長めの前髪がゆらゆら揺れてセクシー。
髪の隙間から上目遣いの鋭い視線がチラリと覗いて、胸がぎゅっとするほど色っぽいのです。

この場面は上手(かみて)~センター寄りにいらっしゃることが多いですね。
娘役さんとペアで踊るシーン。
お相手を包み込むようにリードしつつ、袖へはける姿がエレガント。

・Wonder IV 「Cutie Rouge/紅頭巾CHANGとオオカミ」 :City Boy

爽やか青年の玲央さん。
白い帽子。ラベンダー色のジャケット。白地にネイビーっぽいストライプシャツ。すみれ色に水色の水玉柄ネクタイ。レモン色のポケットチーフ。白パンツ。

ネクタイはご自分でアレンジされているのかな?
ちょっと崩した片蝶結びが上級生の余裕を感じさせます。

この場面はセンターから下手(しもて)へ。
ツイストでは同期のせっきーさん(瀬稀ゆりと)と向き合い、顔を見合わせ、腕を絡ませながら踊るのが可愛い!
いつもの色気は封印して、無邪気な笑顔で同期と戯れる玲央さん。
微笑ましくて、大好きなシーンです。

・Wonder V 「Killer Rouge vs Mask of Rouge/煌紅vs怪盗紅」 :クラブダンサー男

City Boyから打って変わってアダルトなクラブダンサー。
大好きなクラブダンサーのシーンで踊る玲央様を観られるなんて!
ありがたや~~なんまいだ~~

この場面は下手!!下手が最高です!!

伏し目がちで、お口半開きの玲央さん。
意識してか無意識か分かりませんが、もの凄く官能的な表情。
男役10年ならではの熟れた色気、さすがです。

悩ましげな表情で腰をグラインドする姿はセクシーを通り越して、もはや淫靡。
すみれコード完全アウトですね。

・Wonder VII 「Rouge Royal/紅薔薇宮殿」 :紅王子(歌手)

なんと言っても「The Rose」!

胸の奥まで染みとおる深く甘い歌声に心が洗われます。
玲央さんの声って、どうしてこんなにまっすぐ心に届くのでしょう?
白妙なつさんの歌声に重なると豊かさが増しますね。

「The Rose」について、詳しくはこちら↓
“星組のブラックホール”輝咲玲央に吸い込まれる│Killer Rouge

梅芸で齋藤先生が私の真後ろでご覧になってたんですけど、振り返って「素晴らしい曲を玲央さんに当ててくださり、ありがとうございます!」と御礼申し上げたかったくらい。
劇場いっぱいに響き渡る玲央さんの歌を堪能できて本当に幸せでした。

客席降りでは玲央さんの襟足からしたたり落ちる汗を間近に見て驚きました。
ひとときも休まず歌い踊り、いつもキラッキラの笑顔でファンサービスしてくださる生徒さん。
本当に有り難いです。

男役群舞のときのフェロモン全開な指差しウィンクや投げキッスも好きですが、やはり私は玲央さんの温かくて柔らかな微笑みが一番好きだなーと…
あ、でもやっぱり悩殺されるのも好き。
どんな表情も魅力的ということですね。

・Wonder X 「Pégase Rouge/紅いペガサス」 :流星男

爽やかな風が吹き抜けるようなシーン。
登場時は下手列前方。
明るい黄色の衣装がとてもお似合い。

数人づつ下手から上手へ駆け抜けるシーンは第一グループの先頭。
若々しくエネルギッシュ、無心に踊る姿も美しいですね。
総踊りは上手側。
次の『Pop Up Rouge/紅瞬間』で歌う3人へ視線を残したまま、はけていかれます。
袖に隠れる最後の一瞬まで、ステージの3人に顔を向けてらっしゃるところに舞台人としての誠実さを感じます。

・Last Wonder 「Fire Rouge A/紅炎A」 :ルージュヒーロー

大好きな、大好きな男役群舞!
曲は西城秀樹さんの「情熱の嵐」から、ペレス・プラードの「マンボNo.8(Mambo No.8)」に変更。
これがめちゃくちゃにカッコいい!!

美しく甘く、宝塚の夢の結晶のようなベニーさん(紅ゆずる)の「望春風」のエンディングに重なって、粛々と大階段を下る正装の男役さんたち。

薄闇に浮かぶ男たちのシルエットがぞくぞくするほど美しくて涙が出ます。
宝塚って本当に綺麗。

玲央さんの高い頬骨から削げた頬に落ちる影。
その陰影の美しさ。
どんな暗がりでも玲央さんのお顔を判別できるのは、このフェイスラインのおかげ。

最上手列、前から3人目、後ろから2人目。
静かにフォーメーションを崩し、段上でポーズを決める星男たち。
玲央さんは脚を開いて軽く後ろに体重を預け、右手を左後頭部に回してます。
ちょっと花組ポーズみたい?

静けさから一転。
Uno!Dos!Tres!Cuatro!…Ocho!Ahhhhhh…!!
思い思いに叫び、踊り狂う星男たち。
地響きのような大きなうねりに飲み込まれ、客席の熱も最高潮に達します。

静寂からの喧騒。
静と動のコントラスト。
「望春風」から男役群舞の流れは神がかってますね。

激しく唸り、鞭打つ音楽。
昂ぶる感情をそのまま客席に叩きつける群舞。
ギラギラ!オラオラ!星男の真骨頂を味わえるダンスナンバーです。

玲央さんの大人の男役の色気を堪能するなら、このシーンがお勧め。
余裕たっぷりの笑顔から繰り出される、突き刺すような指差しウインクと投げキッスの波状攻撃。

ちなみに一番好きなのは両手で髪を撫でつける仕草。
男役芸のひとつの型ですが、さりげない動きに熟練の技を感じます。

・Last Wonder 「GRAND ROUGE/紅明星」

パレードの階段降りは下手側。
最後の「キラ!キララ!」の手振りは眩しすぎて、クラッ!クララ!ってなります。

玲央さんは「キララ」のところで指が高速でピロピロするんですよね。
こう書くといまいちカッコよくないですが…キレが良くて素敵なんですよ。

この手振りは人によってだいぶ変わりますね。
琴ちゃん(礼真琴)も細かい装飾が多くてカッコいい!

* * *

『アメ☆キラ』の玲央さんについて、一通りまとめられてすっきりしました。
まだまだ言いたいことは山盛りありますが…ここには書けないことばかりなので、この辺で〆ます。

『Killer Rouge』から『Killer Rouge/星秀☆煌紅(アメイジングスター☆キラールージュ)』に進化を遂げた『アメ☆キラ』。
本公演に始まり、梅芸、青年館と飽きることなく、むしろ回数を重ねるごとにもっともっと好きになれたのも、星組の皆さまの全力のステージのおかげ。
台湾公演も残すところ、高雄のみ。
素晴らしい初日を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます。

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『エリザベート』最大の謎!トートとシシィはどこへ向かうのか?

宝塚版『エリザベート』に関する3つの疑問。
(1)「黄泉の国」とはどこか?
(2)「トート」とはなにものか?
(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?

最終章は、(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?について。

* * *

(3)トートとエリザベートはどこへ向かうのか?

『エリザベート』のラストシーン。
スモークの流れる純白の世界。
現世のしがらみから解き放たれ、身ひとつで佇むシシィ(エリザベート)。

黄泉路の入り口でシシィを待ち受けるトート。
真っ直ぐにトートの胸へ飛び込むシシィ。
固く抱き合ったまま、光の階段を上昇するふたり。

ん?
なんだか違和感。
「死」が天へ昇っているように見える?

シシィが天に迎えられるのならば分かるのです。
人間ですから。

では、トート(死)はどこへ向かおうとしているのか?
トートとシシィが昇る光の階段はどこにつながっている?

このラストシーンはどう受け止めればよいのでしょうか?

* * *

エリザベートマニアの連れ合いに、最後の場面をどう捉えるか訊いてみました。
返ってきた答えは「そこは突っ込まない!」。
…でも気になる。

手持ちの材料のみでラストシーンを紐解くとすれば、これは「シシィの心象風景」でしょう。

擬人化された「死」、トート。
前回、ギリシャの神々とトートの関係について書きましたが、こちらに寄せて考えれば「シシィとの恋愛の成就」。
かたや、トート(死)はあくまでもシシィの心が生み出した幻影であるとすれば「シシィの魂の救済」。

生涯、自由と安息を求め続けたシシィにとって、「死」の腕に抱かれるとはどういうことか?
「涙 笑い 悲しみ 苦しみ 長い旅路の果てに」
生きて、生きて、生き抜いた末に見た「死」の姿。
シシィの目には永遠の安らぎと映ったでしょうか?

* * *

「死」とは何か?
私には分かりません。
未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らん。

死後の世界を知る者が、この世に誰ひとりいない限り、その描き方は自由。
そして、どう受け止めるかも自由。

ラストシーンは、「トートとシシィの恋愛成就」と「シシィの魂の救済」の折衷でしょう。
これを演劇的に宝塚的に美しくまとめた結果が、光の階段を上昇していくふたりの姿となった。
結果、あろうことか「トート」が天へ昇っているように見えてしまうのですが。

一般に「光の階段」といえば天に続くものです。
しかし、「黄泉」が光あふれる世界であってはならない理由はありません。
先入観として、「黄泉」「冥界」は薄暗く陰気なイメージですが…

トートは「今こそ お前を 黄泉の世界へ迎えよう」と歌い、シシィは「連れて行って 闇の彼方 遠く 自由な魂 安らげる場所へ」と返す。
それならば、シシィにとって安息の地が、闇の彼方のまばゆい世界として描かれても何ら不思議はありません。

演出の記号として、「白い服をまとった登場人物」「ホリゾントいっぱいに流れるスモーク」「光の階段」とくれば、「天に昇った人」「天上界」を指します。

しかし、たとえ「黄泉の国」へ行くとはいえ、トップコンビが「真っ黒い服」で「暗闇」にせり下がっていくのでは、スカッとしません。
ここはどうしたって、荘厳なコーラスを浴び、白い服で光の階段を昇るふたりを見なければ、観客はカタルシスを得られませんね。

よって、トートとシシィの行く先は、シシィにとっての安らぎの世界、光り輝く「黄泉の国」であると結論します。

* * *

これで、宝塚版『エリザベート』に関する3つの疑問(1.「黄泉の国」はどこか? 2.「トート」の正体 3.トートとエリザベートの行く先)の答えはすべて出揃いました。
長らくお付き合いくださり、ありがとうございました。

『エリザベート』の世界をより深く知るため、次はこちらを読んでみたいと思います。
エリザベート 愛と死の輪舞/M・クンツェ、小池修一郎著/角川文庫/ISBN:9784043445011

○月組エリザベート関連記事はこちら↓
「トート(死)」とはなにものか?-珠城トートとギリシャの神々│エリザベート
「黄泉の国」はどこにある?ANOTHER WORLDの「あの世」、MESSIAHの「ハライソ」との関係は?│エリザベート
覚えておいでですか?(この味を)│月組『エリザベート』公演ドリンクレビュー
誕生日プレゼントは『エリザベート』観劇旅行
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エリザベート!カンパニー!BADDY!宝塚のアミューズメントパーク「歌劇の殿堂」に行って来た!
珠城りょう×愛希れいか、魂を分け合ったトートとシシィ│エリザベート
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久々の聖地巡礼!宝塚大劇場月組『エリザベート』公演メニューレビュー
「父なるトート、母なるトート」圧倒的な力強さと包容力を併せ持つ珠城トート│エリザベート
どこのミュージアムですか!?―「死と乙女」珠ちゃぴエリザベート画像解禁
翔ぶがいい、カモメよ―愛希れいかの卒業

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「スイートハート」という花がある!

みやさん(美弥るりか)ファンの皆さま!

「スイートハート」というお花をご存知ですか?

そう、宝塚ファンの度肝を抜いた痛快ショー『BADDY』で、みやさんが演じ、好評を博した「スイートハート」役と同じ名前!

いつも素敵なお花情報を教えてくださるw様に伺いました。
お許しをいただきましたので皆さまにもおすそ分けいたしますね。

どんなお花だと思います?
なんと、すみれなのです!
すみれといえば宝塚歌劇を象徴するお花。

しかも、虹色スミレというシリーズだそう。
虹のようにカラフルなバリエーションを楽しめるということでしょうか?
夢のある素敵なネーミングですね。
サカタのタネ 園芸通信│パンジー 虹色スミレ スイートハート

「スイートハート」は鮮やかなピンクと白のグラデーション。
みやスイートハートのベルベットスーツを思わせる艶やかな色合いですね。

アンドロギュヌスな美貌と熟練の男役芸を兼ね備えた、みやさんならではの魅力が200%発揮された役、スイートハート。
素晴らしい当たり役でした。

他にも、「ムーンライト」「ラブリームーン」など月組ファンには嬉しいラインナップ。
サカタのタネ│虹色スミレの特性 各色のご紹介

↓こちらは虹色スミレではありませんが、『TAKARAZUKA 花詩集100!!』のロケットを思わせる花。
あのお衣装可愛くて大好きでした。
img-20181025_1.jpg
「るりたまあざみ」や「グランドホテル」「天津乙女」…
宝塚に関係するお花を見つけては喜んでいる私。
w様はこのような楽しみ方を「お花で宝塚遊び」と仰っていました。
優美な言葉ですね。
私も真似して使わせていただこうと思います。

宝塚とゆかりの深い花、すみれ。
歌劇とすみれにまつわるあれこれについては改めてまとめたいと思います。

○関連記事はこちら↓
「るりたま」という名前の花がある!
「たまき」という薔薇がある!
望海風斗×真彩希帆コンビにぴったり!「希望」という薔薇がある!│神代植物公園 秋のバラフェスタ2018

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「トート(死)」とはなにものか?-珠城トートとギリシャの神々│エリザベート

宝塚版『エリザベート』に関する3つの疑問。
(1)「黄泉の国」とはどこか?
(2)「トート」とはなにものか?
(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?

今回は(2)の「トート」とはなにものか?について書きます。

* * *

(2)「トート」とはなにものか?

今まで10人のトップスターが演じた宝塚版トート。
通常の作品と違い、概念である「死」の役には実体と生活を伴う「人間」には当然備わっているべき情報が一切ありません。
(トートの役作りについて、詳しくはこちら→「父なるトート、母なるトート」圧倒的な力強さと包容力を併せ持つ珠城トート│エリザベート
つまり、いかようにも作り込むことができる。
演じ手の解釈により十死十色のトートが生まれます。

観客も「私は○○さんのトートが好き」。
好みの差こそあれ、優劣・正誤はありません。
ちなみに私は(映像で観たのみの)一路トートの在り方が一番好みです。

「どのトートが好きか」は、その方にとっての「“トート”とはなにものか」の答えでもあります。

今回の月組『エリザベート』のトート(珠城りょう)から受けた印象は「シシィの魂の伴侶」でした。
(詳しくはこちら→珠城りょう×愛希れいか、魂を分け合ったトートとシシィ│エリザベート

それはさておき、観劇しながら絶えず頭の中に浮かんでは消える思いがありました。
すなわち、「“トート”とはなにものか?」

宝塚の舞台で「死」の概念そのものを主役に据えることはできません。
(少なくとも大劇場公演では。バウホールなら可能かも)
したがって、便宜的に「トート」にヒトの形を与えた。

では、トートはどこまで「人間」に近づけてよいものなのか?

超自然的な「死」が、たったひとりの人間に心乱される図が不思議で…
「死」が生き生きと(?)「愛(生)」を謳い上げるのが、いまいちピンとこず。

「死」は静かに迫りくるもの、または激しく奪うものというイメージから抜け出せなかったのですね。
「死」は人間と親しいものではなく、超越するものである。

結局、私がトートという役に対し抱えていた長年のわだかまりは、ここに尽きるように思います。
違和感の一番の原因はトートの「人間らしい感情、ぬくもり」だったのです。

もちろん、トートを演じる生徒さんの熱演は素晴らしい、楽曲も最高、無駄のない筋運びは面白い。
しかし、トートをどう捉えればよいのか自分の中で迷いがあったのです。
作品そのものは楽しみつつも、なんとなく釈然としないまま『エリザベート』の舞台を観ていた私。

* * *

前回の記事で「“黄泉の国”はどこか」と考える内に、もうひとつの考えがひらめきました。

キーワードは、ギリシャ神話。
『新約聖書』の中の「ハデス」という言葉が「黄泉」と訳される場合がある。
「ハデス」はギリシャ神話の冥界神ハデスに由来するものである。
このことから新たな連想が働いたのです。

ご存じの通り、神話の神々はとても人間臭いですね。
(一部の神に限った話ですが)わがまま、嫉妬深い、好色、怒りっぽい、理不尽…
人間の女に横恋慕して騒動を巻き起こしたりして。
子どもの頃は「これが神様??」と思いつつ、児童向けの本を読み進めたものです。

神話の神々は何かに似ています。
そう、トートです。

『エリザベート』における「死(トート)」の在り方に対する疑問が氷解したのは、このとき。
ハデス神がトートに近しいものであった場合、宝塚版『エリザベート』のトートの人間臭さは納得がいく、と。
(ハデスは冥界を統べる神であって、「死」そのものではありませんが)

人間の女(エリザベート)に魅入られたトートが、彼女を手に入れるため積極的に人間界に関与する。
であれば、トートは若々しい美青年の姿をし、感情を露わに人間に迫ってもよいのです。

ギリシャ神話でいえば「レダと白鳥」「エウロペと牡牛」のように、超自然的な存在が姿を変えて人間と恋をする。
そうか、こういう観方をすればよいのか、と腑に落ちました。

さらに進んで、こんな考えもできます。
全能の神は人間の女に近づくため鳥や動物に姿を変えた。
しかし、『エリザベート』の場合、主体は彼女にある。
トート(死/安息/自由/解放)は、エリザベートが欲したから出現した。
その望む姿で。
であればこそ、トートは恐怖を呼び起こすような死神ルックや獣などの姿ではなく美青年の姿として現れた。

シシィの心に共鳴するトート。
するとやはり、珠城トートと愛希シシィは「分身」「鏡像」であるとの結論に落ち着きますね。

黄泉がどーの、ギリシャ神話がどーの、あちこち回り道をしましたが…
どの道筋を通っても、結局同じゴールにたどり着いたことに我ながら驚いています。

もちろん、結論ありきではなく、思い浮かんだことを芋づる式に引き出したら、最終的に同じところに着地したのですが。
山梨側から登っても、静岡側から登っても、富士の頂上はひとつ、という感じでしょうか。

ともあれ、トートに対する疑問「“トート”とはなにものか?」に決着がついて、すっきりしました。

※(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?に続く。

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「黄泉の国」はどこにある?ANOTHER WORLDの「あの世」、MESSIAHの「ハライソ」との関係は?│エリザベート

今更ですが「黄泉の帝王」って何でしょう?
またの名を「死」。
擬人化された「死」が、人間の女性を愛する『エリザベート』の物語。

実は私、観れば観るほど「トート」がよく分からないのです。
ある日に掴めたと思っても、別の日には違う顔を見せる。
捕らえたと思ったら、するりと逃げていく。
トートのお衣装のモチーフにある玉虫色のように、観る角度によってまったく違った姿で現れる。

「舞台はなまもの」という言葉が、いつも以上に強く感じられる今回の月組『エリザベート』です。

あえて、「トートとはこういうものである」と決めつけなくても舞台は面白く観られますが、せっかくなのであれこれ思い巡らせたことを残しておきます。

『エリザベート』という作品を紐解くには様々な方面からのアプローチが可能ですが、まずはこの3点。
(1)「黄泉の国」とはどこか?
(2)「トート」とはなにものか?
(3)トートとエリザベートはどこへ行くのか?
長くなりますので前中後編に分けて書きます。

* * *

(1)「黄泉の国」とはどこか?

そもそも、『エリザベート』という作品世界の「黄泉の国」はどこを指すのか?
最近宝塚で上演された作品と比較しながら、トート閣下の居場所である「黄泉の国」の場所を探っていきます。

まずは、星組。
恋煩いで死んだ康次郎(紅ゆずる)が「あの世」で巻き起こす、温かくも愉快な騒動を描いた『ANOTHER WORLD』。

そして、花組。
島原の乱の指導者として伝説な存在である天草四郎時貞(明日海りお)を、新たな視点で描いた『MESSIAH』。

いずれも「あの世」「ハライソ(天国)」が重要なモチーフとなります。

『エリザベート』の「黄泉の国」と『ANOTHER WORLD』の「あの世」、そして『MESSIAH』の「ハライソ」とは何なのか?
いずれも「死後の世界」ではありますが、(元になる教えの違いはさておき)これはすべて同じところを指すのか?

* * *

「あの世」は、善なる者も悪なる者も区別なく行き着くところですね。

「ハライソ」はその一歩先の「パラダイス(楽園)」。
神の祝福を受けた者だけに開かれた場所です。
『ANOTHER WORLD』で言うところの「極楽浄土」。
白妙なつさん演じる天女に導かれる先。

「天国(ハライソ)」の反対は「地獄(インヘルノ)」。
『ANOTHER WORLD』では、閻魔大王(汝鳥伶)のお裁きにより、お仙さん(紫月音寧)や右大臣(漣レイラ)・左大臣(紫藤りゅう)が地獄に堕とされました。
『MESSIAH』の松倉勝家(鳳月杏)は間違いなくインヘルノ行きでしょうね。

「あの世」は死者たちの「待合所」のようなものでしょうか。
閻魔大王の沙汰を待ち、地獄か極楽か、行き先が決まるまでのかりそめの居場所。

※『ANOTHER WORLD』の作中では、「あの世」=待合所も地獄も極楽もひっくるめた「死後の世界」を指すように思いますが、主に康次郎たちが活躍した場所ということで、この文中では「待合所」のみと定義します。

「ハライソ」は「煉獄」で罪を清めた者たちが辿り着く楽園。

* * *

すると、「黄泉の国」とはなんでしょう?
「天国」「地獄」「煉獄」ならば分かりますが、「黄泉」とは?
大雑把に「死後の世界」を指すのでしょうか?
中部ヨーロッパを舞台にした『エリザベート』の作品世界においての「黄泉」の定義がいまいち不明瞭なのです。

「黄泉」と聞けば、真っ先に日本神話の死者の世界「黄泉の国」が思い出されます。
ルキーニは「煉獄」で裁判にかけられているのですよね?
裁判長に追い詰められ、トート閣下に口添えを求める。
ルキーニの求めに応じて姿を現すトート。

トートはどこからやって来るのか?
黄泉の国?
トートがいる「黄泉」と、ルキーニがいる「煉獄」の関係は?

よく分からないので、「黄泉」について調べてみました。
すると…
『新約聖書』の中の「ハデス」という言葉が「黄泉」と訳される、とありました。
「ハデス」の定義は様々あるようですが、そのひとつ「死から最後の審判、復活までの期間だけ死者を受け入れる中立的な場所」との記述が目に止まりました。

「ハデス」といえば、子どもの頃に親しんだギリシャ神話に登場する冥界神ハデスと同じ名前ではありませんか。
なんとなく頭の中のモヤモヤが晴れてきました。

ところで、なぜトートは「黄泉の帝王」なのでしょう?
私としては、またの名の「死」の方がしっくりくるのですが。

エリザベートマニアの連れ合いに訊いたら「宝塚的に“死”はNGだったんじゃない?」と。
今でこそドル箱作品の『エリザベート』ですが、初演当時は賛否両論だったそうで…さもありなん。
(「初演は何回も観れたよ」と信じられないことを申します)

苦肉の策としての「黄泉の帝王」呼びだったのかもしれません。
「あの世の王様」ではカッコがつきませんものね。

それはさておき、ギリシャ神話の冥界神ハデスの名前が出たことで私の長年の鬱屈を解きほぐす手がかりが得られました。

※(2)「トート」とはなにものか?に続く。

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東儀秀樹(雅楽)×木村信司(宝塚)!大好きコラボにわくわく!│蘭陵王

東儀秀樹(雅楽)×木村信司(宝塚)!

大好きな方たちが、まさかのコラボ!
東儀さんが関わる舞台を宝塚で観られるなんて!
演目発表時から「これは絶対観たい!」と心に決めた『蘭陵王』。
開幕はまだ先ですが、今から期待に胸を膨らませております。

本編は東儀さんが演奏された楽曲の録音が使われるそうですが、気になるのはこちら。
「雅楽師の東儀秀樹氏がフィナーレの楽曲を提供」

宝塚版『蘭陵王』のために東儀さんが書き下ろされるのでしょうか?
それとも既存の曲を差し出されるのか?
新曲ならば、それも大きな話題となりますね。

音楽もさることながら、壮麗なお衣装や舞台装置も楽しみ!

* * *

東儀さんを知ったのは、かれこれ20年以上も昔。
もともと雅楽好きだった私。
渋谷のCLUB QUATTRO(クラブクアトロ)で雅楽の演奏会があると知り、駆けつけたのです。

当時まだ宮内庁の楽部にいらした東儀さん。
同じく楽師のお姉様方と開かれたライヴでした。

目の前で初めて聴く雅楽の生演奏。
幽玄な笙、自由自在な龍笛、力強い篳篥。
ふわふわと魂が憧れ出すような幻想的な調べにすっかり魅せられ、以来、雅楽の演奏会があると聞けば足を運んでいます。

最も印象深かったのは、東京都下の昭和記念公園で催された夏の夜の野外雅楽。
薪能よろしく、池の端に篝火を焚いて奏でるのです。
ゆらゆら揺れる水面の火影。
宵闇に吸い込まれる古代の音色。
この世のものとも思えぬ情景でした。

3年前の初冬、かつしかシンフォニーヒルズで行われた東京楽所の『源氏物語』も印象深いものでした。
目もあやな舞、耳にうるわしい楽。
視覚・聴覚を満たしたら、次は味覚。
終演後、友人たちと上海蟹を食べに繰り出したのも楽しい思い出。
今時分になると懐かしく思い出します。

優れた演奏を聴くこと、演劇を観ること。
それだけでも素晴らしい思い出ですが、誰と観たか、前後に何をしたか。
付随する出来事とともに記憶に残るのが嬉しいところ。

『蘭陵王』もまた、忘れ得ぬ思い出になると確信しております。
(まだ始まってもいませんが)

* * *

ところで、蘭陵王には欠かせないモチーフ「面」。
「あまりの美しさに、兵たちが見とれて戦えなくなるから、戦場では面をつけた」って、なかなかインパクトのある由来ですよね。
この場合の「美」とは、辺りを払うような気品や威厳を含んだ美しさですので、かちゃさん(凪七瑠海)にぴったり。

公演ポスターにあるキャッチコピー「美しかったが、悪いか」や、サブタイトルの「美しすぎる武将」は蛇足ですね。
言葉でくくり、イメージに限界を設けてはもったいない。
もっと受け手(観客)を信用していただきたいと思います。
『ロマンス 蘭陵王』で、必要にして十分でしょう。

ヒロインは音くり寿ちゃん。
音楽・歌に重点が置かれるであろう演目に音くりちゃん。
申し分のない配役ですね。
存分に酔わせていただきたいものです。

愛らしいルックスが魅力の彼女ですが、今回はぐっと大人っぽく臈たけたヴィジュアル。
かちゃさんとの並びもさぞお似合いでしょう。

そして、密かに気になっていた青騎司さん。
身内とお付き合いのある方のお嬢さんが今年入団されたのですが、その関係で青騎さんのことも音校生の頃から注目していたのです。
キリッと引き締まった目元。
きっと素敵な男役さんになるだろうな…と。

先日、偶然ある劇場の客席でお見かけしましたが、一年目とは思えないほどしっかりしたお顔つきで感心しました。
舞台で拝見するのが楽しみです。

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香りの薔薇だけ集めました!神代植物公園 秋のバラフェスタ2018

毎年春と秋に開催される神代植物公園の『バラフェスタ』。
ここを訪れないと季節が巡った気がしません。
img-20181013_21.jpg
世界バラ会議で殿堂入りを果たした白バラ「アイスバーグ Iceberg」。

園内数ヶ所に「バラ品種・植栽位置リスト」があります。
お気に入りをピックアップして観るも良し、端から順に観るも良し。

* * *

今回は「香りの薔薇」をテーマに。

一番好きなのは、京成バラ園芸の「夢香」。
初めて嗅いだときの衝撃は忘れられません。
マスカットを思わせる瑞々しく華やかな香り。
エレガントでドレッシーな、いわゆる“ローズの香り”のイメージを覆されました。

この日は残念ながら時期外れ(なので写真無し)。
開ききった花のわずかな残り香を楽しみました。

ちなみに、「夢香」のフレグランスもあるようです。
京成バラ園芸ネット通販│夢香
どこまであの鮮烈な香りが再現されるのか…気になります。

今回一番のお気に入りは、京成バラ園芸の「美香」。
鋭く刺すレモングラス、紅茶やマスカットが後からやってくる。
鼻腔から入って脳を直接刺激する強い香り。
爽快でした。
img-20181013_24.jpg
ドイツの「ブルー・パーフューム Blue Perfum」。
華やかで甘いライチの香り。
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アメリカの「フレグラント・アプリコット Fragrant Apricot」。
ほのかに甘くまろやかな芳しさ。
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アメリカの「ムーン・シャドウ Moon Syadow」。
爽やかな鈴蘭を思わせる香り。
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アメリカの「ガーデン・パーティー Garden Party」。
透き通った清らかさ。
すぅっと胸に染み入ります。
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アメリカの「イントゥリーグ Intrigue」。
どぎついまでの紫色と、むせ返るような強いダマスク香に圧倒されます。
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左から、日本の「芳純 Hojun」。右上、ドイツの「フリージア Friesia」。右下、ドイツの「ブルー・リバー Blue River」。
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左上、Meilland(フランス)の「ルージュ・ロワイヤル Rouge Royale」。左下、日本の「天津乙女 Amatu-Otome」。右、「フレグラント・アプリコット」。
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ところで、数多ある薔薇の香水。
どれが最も自然の芳香に近いと思いますか?
私はジョーマローンの「レッドローズ」が一番好きです。
よくぞこれだけ薔薇そのものの香りを取り出せたなーと感心します。

ジム用のソープもこれ。
一日の疲れがすっきり洗い流されて気分爽快。
お風呂の時間が楽しみで筋トレを続けられると言っても過言ではありません。
「ルージュ・ロワイヤル」の香りが近いかな?

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望海風斗×真彩希帆コンビにぴったり!「希望」という薔薇がある!│神代植物公園 秋のバラフェスタ2018
「たまき」という薔薇がある!
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望海風斗×真彩希帆コンビにぴったり!「希望」という薔薇がある!│神代植物公園 秋のバラフェスタ2018

「○○という薔薇がある!」シリーズ第三弾は…

希望!
img-20181013_10.jpg
雪組トップの望海風斗さんと真彩希帆さん。
「希望コンビ」にぴったりの薔薇を見つけました。
若々しく燃え上がる、夢や憧れの炎のような花姿。
エネルギッシュな二人の舞台姿に重なります。

前回、月組トップスター珠城りょうさんと同名の薔薇「たまき」について書きましたが、なんと「のぞみ」「くれない」という薔薇もあるそうです。
情報をお寄せいただいた皆さま、ありがとうございました。

雪組の望海風斗さん、星組の紅ゆずるさん。
各組トップさんと同じ名前の薔薇。
どんなお花でしょう?
早速調べてみました。

「のぞみ」は、白から淡いピンクのグラデーションが美しい一重咲きのつるばら。
楚々と可憐な姿です。

「紅(くれない)」は、その名の通り真っ赤な薔薇。
華やかで情熱的。
「薔薇」と聞いて真っ先に浮かぶ、薔薇らしい薔薇のイメージです。

残念ながら「あすみ」「まかぜ」は見つからず。
宝塚ファンの育種家さんがいらしたら今後開発されるかも?

トップ娘役さんのお名前では星風まどかさん。
「madka(まどか)」がありました。
淡いピンクのシフォンを重ねたような花びらは娘役さんのドレスを思わせます。

他、生徒さんと同じ名前の薔薇はこちら。

・暁(あかつき) → 月組・暁千星さん
・うらら → 花組・春妃うららさん
・花音(かのん) → 宙組・花音舞さん
・みのり → 星組・音波みのりさん
全生徒で4人しか当てはまらないのに、トップさんは10人中4人なんて驚きですね。

OGでは「大地真央」。
大地さんの芸能生活30周年を記念して名付けられたそう。
素敵なエピソードですね。

こちらは故天津乙女先生のお名前を冠した「天津乙女」。
img-20181013_12.jpg
「バラフェスタ」では毎回開花時期を逃しており、先日ようやく見ることが叶いました。
月光を思わせる優しいクリーム色。
奥ゆかしいほのかな香りが印象的。

演目にちなんだ薔薇は『グランドホテル』。
img-20181013_1.jpg
春に見たときより、だいぶ花数が少なく寂しい感じがしました。
満開を楽しむなら春のバラフェスタがお勧め。

ちなみに、花組トップスター明日海りおさんと同名の薔薇はありませんが、「あすみ」というみかんがあると教えていただきました。
名前の由来は“明日の柑橘産業を担うように”。
非常に糖度の高い美味しい柑橘だそうですが、新品種のため収穫量が少なく、市場にあまり出回っていないとのこと。
どんなお味か気になりますね。

「のぞみ」について教えてくださったm様。
「のぞみ」「くれない」そして「あすみ」について教えてくださったk様。
ご親切にありがとうございました。
ご厚意に重ねて御礼いたします。

※薔薇の名前はこちらのサイトを参照いたしました。
薔薇がいっぱい

○関連記事はこちら↓
「たまき」という薔薇がある!
ピンクの薔薇だけ集めました!神代植物公園 2017春のバラフェスタ(3)
殿堂入りの薔薇を見に出かけよう!神代植物公園 2017春のバラフェスタ(2)
“グランドホテル”という薔薇がある!宝塚ファン視点の神代植物公園 2017春のバラフェスタ(1)

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プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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