FC2ブログ

たおやかに、才長けて、うるわしく…仙名彩世の額田女王│博多座『あかねさす紫の花』

昨年の月組の『長崎しぐれ坂』で初めて訪れ、大好きな街となった博多。
今年も花組の『あかねさす紫の花/Santé!!』で再訪が叶いました。
観劇の合間を縫って観光も楽しめ、大満足の旅となりました。
その模様は追ってまとめますが、今回は舞台の感想を。

初回はライブビューイング(以下LV)の収録と重なり、すごい盛り上がりでした!
特にショー!
舞台上の生徒さんもさることながら、客席もノリノリ!
サンテグラスを突き上げ、絶妙なタイミングで掛け声をかけ。
素晴らしいコンビネーションで劇場全体がひとつになるのを感じられました。

こんなふうに舞台と客席が一体になれるショーはいいですね。
博多座の開放的な雰囲気と相まり、とても楽しめました。

ところで私、いまだにLVというものを観たことがないのですが、生徒さんのお顔が映画館の大スクリーンにドアップで映ったりするのでしょうか?
美しいお顔が目の前にドドーン!と現れたら、とても平常心ではいられない気がします。

* * *

○額田女王(仙名彩世)
たおやかに、才長けて、うるわしく。
ゆきちゃん(仙名)額田のためにあるような言葉です。
みりお(明日海りお)大海人との並びは潤いに満ち、ちなつ(鳳月杏)中大兄との並びは艷やか。

しっとり落ち着いた佇まいの中にも、時折少女時代の才気煥発ぶりが顔を覗かせるのもいいですね。
大海人と中大兄、二人の貴公子に愛されたのも納得の、うるわしい大人の女性でした。

第5場『白雉の賀』。
大和三山伝説になぞらえた三人の踊りは見応え充分。

領巾が効果的に使われ、無言の内にも、三者三様の激しい葛藤が垣間見えるこの場面。
二人の男性の間を行ったり来たりする額田。
大海人と愛し合いながらも、強く猛々しい中大兄にどうしようもなく惹かれていくさまが、ありありと伝わってきました。
額田の美しき煩悶とも言うべきこの場面、一本の舞踊劇を観たかのような満足感を覚えます。

なにより声が綺麗なのが素晴らしい。
1階席でも2階席でも劇場のどこで聴いても、台詞がはっきりくっきりクリアなのがいいですね。
美声が最大限に活きたのは「あかねさす…」の詠唱。
額田の口から滑るようにこぼれる美しい言の葉。
「あかねさす…」
「あかねさす」
言いさした額田の後を追って、大海人の声が響きます。

過去も現在も、すべてのしがらみが消え失せ、ただ二人の心が再び寄り添ったような場面。
ほのぼのと美しく、心にしみます。

二人の声がひとつになるのに合わせたように、見る見るうちに色づいていく山々の稜線。
まるで二人の心で染め上げられたかのような美しさ。
今は中大兄の妻ではあるけれども、子まで成した大海人との間にある情、絶ちがたい絆をしみじみ感じさせる一コマでした。

日程の都合でAパターンのみの観劇でしたが、Bパターンで相手役が変わったときの額田の変化も観てみたかったですね。

○『あかねさす紫の花』関連記事はこちら↓
珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-中大兄皇子(鳳月杏)編:「こんなに私は震えている」の説得力
珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-大海人皇子(明日海りお)編:「来てしまった」の破壊力
いつ演るの?今でしょ!―神がかり的キャスティングのAパターン│博多座『あかねさす紫の花』
美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座『Santé!!』
『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

スポンサーサイト

珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-中大兄皇子(鳳月杏)編:「こんなに私は震えている」の説得力

ひとりの女性を巡って争う兄弟。
大海人皇子と中大兄皇子、それぞれの台詞をピックアップするAパターン個別感想。
今回は、中大兄皇子(鳳月杏)について。

○大海人皇子(明日海りお)編はこちら↓
珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-大海人皇子(明日海りお)編「来てしまった」

* * *

当代随一の覇王役者、鳳月杏。
その彼女が中大兄を演じる。
この目で観ずにはいられない!というのが博多座観劇の動機の大半を占めた私。
期待に違わぬ素晴らしい出来栄えでした。

「こんなに私は震えている」
これはいけません。
反則です。

強く、猛々しく、非情とも思えるほど怜悧な男が、ふと見せる弱さ。
すべてを手に入れた男の内側に潜む少年のように瑞々しい恋心。
これは額田でなくてもほだされます。

「私はあなたが欲しい どうしてもあなたが欲しい」
なりふり構わず女を求める切実な響き。
たとえ相手が弟の妻であっても…

誰もが畏れ従う強い男が、愛に怯え、震えている。
体面もかなぐり捨て、ただひとりの男として愛する女に向き合う。
その真っ正直さ。
憎からず思っていた女の心をぐらつかせるに十分でしょう。

一歩間違えば不実な印象を与えかねない額田の心変わりですが、大海人(明日海りお)と中大兄の魅力が拮抗しているため、観客の共感を得られるのです。
「どちらの男性も素敵。迷う気持ちは分かる」

子まで成した夫と、その実の兄。
戸惑いつつ、抗いつつも、惹かれていく気持ちを抑えられない。
現代の感覚では少々受け入れがたいシチュエーションですが、額田に感情移入させられれば成功です。

『月雲の皇子』の穴穂皇子、『金色の砂漠』のジャハンギール王。
そして、今回の中大兄皇子。
いずれも他の男から女を奪う役ですが、ヒロインの心変わりを観客に納得させられるだけの力量がなければ務まりません。

中大兄は平たく言えば「人でなし」。
弟の妻を奪い、交換条件に娘をあてがう。
政治的思惑があったにしろ、到底共感を得られる人物ではありません。

男性二人の愛に値する額田像を作り上げたゆきちゃん(仙名彩世)もさることながら、夫ある身の女性の心を瞬時に奪う魅力を持った男性を演じきったちなつさん(鳳月)も素晴らしいですね。

ちなつ中大兄の良さを一口に言えば「この人になら惹かれるだろう/惹かれても仕方がない」と思わせる「説得力」にあると思います。

『MESSIAH −異聞・天草四郎−』ではどのようなお役を演じられるのか?
再び為政者の役でしょうか?
公演解説にもある「キリシタン弾圧を行った肥前島原藩主」で、みりおさんの四郎と対立する役回りなど面白そうですが…
果たして、どうなるか?
楽しみに待ちたいと思います。

○『あかねさす紫の花』関連記事はこちら↓
珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-大海人皇子(明日海りお)編:「来てしまった」の破壊力
いつ演るの?今でしょ!―神がかり的キャスティングのAパターン│博多座『あかねさす紫の花』
美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座『Santé!!』
『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-大海人皇子(明日海りお)編:「来てしまった」の破壊力

大海人皇子(明日海りお)の「来てしまった」。
中大兄皇子(鳳月杏)の「こんなに私は震えている」。

美しい言葉が並ぶ『あかねさす紫の花』でも双璧。
短い台詞に込められた想いの深さ。
演技巧者の二人が放つ言葉は、千の口説よりも雄弁。
恋する男の繊細さが深く心に染み入り、忘れられない余韻を残します。

ふたつの台詞を通して、Aパターンの個別感想をまとめました。
まずは、大海人皇子(明日海りお)から。

* * *

「あの虎に翼がついたときが恐ろしい」
みりおさん(明日海)演じる大海人皇子の人となりは、中臣鎌足(瀬戸かずや)の台詞に集約されています。
歴史が証明する通り、やがて兄をも凌ぐ力を持つことになる大海人(天武天皇)。
優しげなマスクの下に計り知れない大きな爪を秘めた虎。
「天翔ける猛虎」、これこそ明日海大海人の本質なのです。

優しく温かく、良き夫、良き父であった大海人。
彼を取り巻く状況が一変するのは、最愛の妻を兄に奪われたとき。
尊敬し、慕っていた兄からの酷い仕打ち。
絶望し、苦しみ、のたうち回る姿はみりおさんの真骨頂。

「来てしまった」の切なくも柔らかな響き。
万感の想いがこもった台詞に胸を締め付けられます。
“あの頃から私の心は何ひとつ変わっていない”
そんな言葉が聞こえてくるようでした。

ふと、大海人の肩に乗った紫草の花びらをつまんだ額田女王(仙名彩世)。
出会った日と同じ仕草を見せるかつての妻。
思わずその手を取り、頬を寄せる大海人。

何気ない動作が二人を隔てるわだかまりを押し流したのでしょう。
二人で慈しみ育んだ愛、誰にも汚されていなかった頃の愛が、時空を飛び越えて二人のもとへ戻って来た。
そんな印象を受ける場面でした。
二人の心が手に取るように伝わってきて、息をするのも忘れるほど見入ってしまいます。

束の間、通じたかに思える二人の心。
しかし、もはや額田が大海人と共に生きることはありません。
二人はあまりに遠く離れてしまった。

ぎりぎり張り詰めていた大海人の心の糸が切れたのは、十市を抱き締めた瞬間だったと思います。
額田と歌ったわらべ唄。
決して取り戻すことの叶わないぬくもり。
尊敬し愛していた兄に、愛する妻と娘を奪われる理不尽。
己の幸せを守れなかった不甲斐なさ、自責の念。

大海人の心は、水がいっぱいに満ちた水盤のよう。
最後の一滴が滴り落ちた瞬間、かろうじて保っていた理性がとめどなく溢れ出てしまう。

額田を求めてさまよう大海人が歌う『紫に匂える花』は絶品。
歌というより、魂の発露とも言うべき咆哮。
感情が乗ったときのみりおさんの劇中歌は素晴らしいですね。
虚空に吸い込まれるような「…額田!」の叫び。
ひたひたと蝕まれていく心が、身の内側から溢れ出すような。
ここから一気呵成に攻め上げる終盤までの流れは息つく暇もありません。

「狂ったか、大海人!」を受けての虚ろな笑い。
嘆き、崩折れる額田女王。
呆然と立ちすくむ中大兄皇子。

狂気に囚われたかに見せかけて、毛一筋ほども乱れていない大海人の心。
乱れ髪の隙間から覗く、冷徹なまでに澄んだ瞳。
虎が翼を得たのは、この瞬間だったかと思わせる幕切れでした。

* * *

美貌・実力・キャリアいずれも申し分なく、今や押しも押されもせぬトップ・オブ・トップのみりおさん。
満を持して取り組まれた大海人皇子役で「男役の美」を極められたように思います。
華・色気・佇まい・舞台での居方…
お芝居・ショー共に圧倒的な存在感と輝くような美しさで舞台を牽引するみりおさん。

新鮮なヴィジュアルに期待が高まる次回作『MESSIAH −異聞・天草四郎−』。
さらに年末には舞浜でのコンサートが発表されました。
花組のみならず宝塚全体を引っ張っていく御立場のみりおさん。
次もまた、どのような驚きと喜びを与えてくださるのか…楽しみは尽きません。

○『あかねさす紫の花』関連記事はこちら↓
いつ演るの?今でしょ!―神がかり的キャスティングのAパターン│博多座『あかねさす紫の花』
美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座『Santé!!』
『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

いつ演るの?今でしょ!―神がかり的キャスティングのAパターン│博多座 あかねさす紫の花

「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」

“古代において、異性に向かって手(袖)を振るのは、恋しい人の魂を自分の方へ引き寄せようとする愛の仕草であった。”
授業で習ったとき、たちまち色鮮やかな情景が目に浮かび、胸をときめかせたものです。

一面の紫草の花畑。
人目もはばからず、いとしい相手に向かって袖を振るひとりの男性。
喜びを覚えつつ、誰かに見られたらと心穏やかでない女性。
このふたりは一体どんな関係なのか?

「紫の 匂える妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも」

女性は額田女王、男性は彼女のかつての夫である大海人皇子。
万葉集に収められた歌のなかで最もよく知られた二首です。

一見、相聞歌のようですが、そうではありません。
蒲生野の薬狩行事の後の宴席で詠まれたものなのですね。
もちろん、宴の主役である額田の現在の夫、中大兄皇子(天智天皇)もその席にいます。

額田は「君」を特定の誰、と想定していなかったのかもしれません。
場を盛り上げる座興として、当代一流の歌人が詠んだ、何ということない歌のひとつ。
対する返歌も、ちょっと際どい大人の味。
そんなに深い意味はありませんよ、宴の席のほんの戯れなのですよ、と。

しかし、果たしてふたりの間にどんな想いがあったのか、今となっては知り得ぬことです。

若き日の愛の嵐も、時を経て優しい凪となったのか。
それとも、わずかなきっかけで再び燃え上がる熾火を、まだ互いの胸に秘めているのか。

* * *

残された三十一文字(みそひともじ)に込められた想いを形にしたのが、柴田侑宏先生の『あかねさす紫の花』。
配役発表されたときの喜びと言ったら!

みりおさん(明日海りお)の大海人皇子。
ゆきちゃん(仙名彩世)の額田女王。
ちなつさん(鳳月杏)の中大兄皇子。
れいちゃん(柚香光)の天比古。

「いつ演るの?今(の花組)でしょ!」というハマりっぷり!
この布陣での上演を待ち望んでいたかのような、神がかったキャスティングです。

妻と兄の板挟みになる大海人が素晴らしくて…
耐え難きを耐え、悶え苦しむ様すら美しいみりおさん。
ぴったりの言葉が見つからず、もどかしいのですが、あえて表すなら「最高!」でした。

そして、ちなつさんの中大兄。
これまた「最高」!
私の周りのヅカ友さんたちは口を揃えて「ちなつさんの色気が凄かった」と仰るのですが、本当に色気が凄い!
ほとばしるような「陽」の色気ではなく、しっとり滲み出るような「陰」の色気。
自信に満ちた大人の男の色香を醸し出せる、貴重な男役さんです。

大海人と中大兄の違いは、それぞれの歌にある「君を恋い 君を慕い(大海人)」と「私はあなたが欲しい どうしてもあなたが欲しい(中大兄)」に端的に表れていると思います。

やや消極的とも思える大海人に対して、非常に能動的な中大兄。
額田を優しく包み込み、彼女の心変わりを悟っても、表面上は黙って受け容れる大海人。
実の弟の妻であってもお構いなし、強引に奪い取る中大兄。
現代の感覚では馴染みにくいですが、古代の高貴な人々の間ではタブーではなかったのですね。

替わりに、大海人には中大兄の娘が与えられます。
のちに持統天皇となる鵜野皇女(華優希)を始め、彼はじつに4人も兄の娘を娶っているのですね。
「額田と交換ですか?」と詰め寄る弟に、「そうではない」と答える中大兄。
さらに、中大兄の息子である大友皇子(愛乃一真)は、大海人と額田の一人娘、十市皇女(音くり寿)と結婚。

血縁の結びつきをより強固にしようとする中大兄。
政略結婚とはそのようなものと分かっていても、個人の心が無視され、物のように扱われるこの場面は観るのが辛いですね。

兄に妻を譲る替わりに、兄の娘をあてがわれる。
政治的意味合いが強いにしても、非道な話です。
「はい、そうですか」と簡単に切り替えられるものではありません。

行き場を失った大海人の愛はどこをさまようのか?
時が経てば、愛は形を変え、心は凪いでいくのか?
否、そうではありません。

いかに遠く離れても、時が過ぎても、絶えることはない炎。
子まで成した妻を理不尽に奪われた苦しみ。
かつての妻への愛は、いや増すばかり。
「人妻ゆゑに われ恋ひめやも」
そこにドラマが生まれます。

大海人・額田・中大兄・天比古の四角関係。
主要キャスト以外もそれぞれがハマりにハマった配役で、存分に万葉ロマンの世界に浸ることができました。
生徒さん個別の感想はまた後日。

○『あかねさす紫の花/Santé!!』関連記事はこちら↓
美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座『Santé!!』
『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座 Santé!!

博多座『Santé!!』で最も楽しみにしていた場面。
それは、第21場『リシュブール(ヨード)』。
通称“エイト・シャルマン”。
花組トップ娘役、仙名彩世が率いる娘役のみのシーンです。

本公演で観たときから、華やかでカッコよくて大好きでした。
まさか、また観られるなんて…
嬉しくて嬉しくて、博多座へ向かう前からわくわくしていたのです。

“アダルトなブールベルエトワールを中心とした、華やかなステージ。豊潤な果実味と強烈な酸味が魅惑的…。[公演プログラムより抜粋]”
ブールベルエトワールに、仙名彩世。
ブールベルフィーユに、真鳳つぐみ、乙羽映見、更紗那知、春妃うらら、雛リリカ、茉玲さや那、音くり寿、華優希。

客席に背を向けて立つ魅惑の美女たち。
ジャン!ジャン!と、キメの音と共にひとりづつ振り返る演出はテンションが上がりますね。
客席の期待が最高潮に達したところで「真打ち登場!」とばかり、姿を現すのは紫のダルマ姿のゆきちゃん(仙名)。

カッコいいーーー!!!

♪À votre santé!À votre santé!Ah ha ha…
艷やかでパンチの効いた、ゆきちゃんの歌声。
ギリギリのラインを攻めてくる「遊びましょ」「夜通し呑むの」のセクシーさ。
ゆきちゃんに勧められたら、いくらでもグラスを重ねられそうです。
挑発的な歌いっぷりでも決して品を失わず。
健康的なお色気と、宝塚の娘役らしさのバランスが絶妙。

不思議なことに、このシーンを観ると「男役が居て、娘役が居る良さ」をしみじみ感じられるのです。
美しく華やかで確かな技術を持った娘役と、理想の男性像を体現する男役で成り立つ宝塚歌劇。

娘役の存在なしに、男役は成立せず。
男役の存在なしには、娘役もまた成立しない。
互いに助け合い、支え合って、夢の舞台を完成させる。

『リシュブール』で美しさとカッコよさを炸裂させる娘役さんたち。
次の『レ・ペルーシュ(赤いバラ)』では、男役の真髄とも云うべき黒燕尾姿の男役さんたちが踊る。
そして、紳士と淑女のデュエットダンスへ。
美しい流れです。

* * *

“エイト・シャルマン”に話を戻して…
博多座は銀橋渡りがないのが残念ですが、それらしき振り付けのところで一斉に拍手が起こるのが嬉しいですね!
さすが宝塚ファンの皆さま。
もちろん、私も心からの賛辞を送りました。

いつもは楚々と可憐な娘役さんたちも、ここぞとばかり声を上げて客席を煽るのも楽しい。
特に、ゆきちゃんのなまめかしい「アァーイ!」や、ドスの利いた「ハッ!」にはドギマギしちゃいました。
普段めったに聞けない娘役さんの低音、たまらない魅力がありますね。
場の空気をキュッと締める、とどめの「シャルラ!」も素晴らしい切れ味。

そのシーンに求められるもの、表すべき女性像に合わせて、声色も視線も身のこなしもピタリと的に当ててくる。
“豊潤な果実味と強烈な酸味”
解説にある通り、酸いも甘いも噛み分けた、胸のすく好い女っぷりです。

美しき花形スターと、彼女を囲む8人の魅惑の美女。
艶っぽいのにいやらしくない、大人っぽくてカッコいい宝塚の娘役の魅力を存分に引き出したシーン。
藤井大介先生、素敵な場面を作ってくださり、ありがとうございます!
いつか「このシーンに憧れて娘役を目指した」なんて生徒さんが現れたら素敵ですね。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

誰にも邪魔されない世界へ旅立った二人│壮一帆・愛加あゆの『心中・恋の大和路』観劇記録

昨日の記事で『心中・恋の大和路』に触れたので、発掘観劇記第5弾は、2014年の雪組バージョンの感想を。

* * *

なんだか凄いものを観た…!というのが一番の感想。

近松門左衛門の『冥途の飛脚』を下敷きにしたミュージカル『心中・恋の大和路』。
飛脚問屋の養子亀屋忠兵衛(壮一帆)は遊女梅川(愛加あゆ)と深い仲になるが、身請けの金を工面出来ず公金に手をつけ、破滅する。
原作では、逃げ切れず囚われの身となって終わるが、宝塚版では2人の死によって幕が降ろされる。

追手を逃れ、忠兵衛の故郷大和国新口村(現在の奈良県橿原市新口町)に辿り着いた2人が、雪深い山奥をさまよい歩く第2幕では、息をするのも忘れるくらい物語に引き込まれた。

決して許されない手段によって愛を貫こうとした2人。
家族・友人・世間に背いた彼らの行く末は、ただ破滅のみ。
大坂から新口村へ辿り着いたところで救いが待っているわけではない。
お互い口にせずとも分かっている。
分かっていて尚、そこを目指す。
刹那の幸福と圧倒的な不幸が表裏一体の逃避行は、やがて来る破滅へとひた走るばかりの死の道行きであった。

2人は幸せだったのだろうか?
おそらく幸せだったのだろう。
愛する女のため、死罪に値する封印切(飛脚屋が預かり金の封印を破る事)を決行した忠兵衛。
自分のために堕ちていく男と、運命を共にする梅川。
誰にも邪魔されない世界への旅立ち=心中へと終結するのが、2人のハッピーエンドだったのか。

劇中には2人の末路を暗示するモチーフが多く散りばめられている。
公金に手をつけた事実を伏せ、養子縁組の持参金を返して貰ったと偽って梅川を身請けした忠兵衛が、屏風の陰から顔を覗かせて遊郭の女将を驚かす場面は、獄門晒し首を匂わせる。
また、2人が色街を出て行くときは大門ではなく西門をくぐって行く。
これは「西方浄土へ向かう道筋である」と、忠兵衛の台詞にもある。

しかし、決して暗いだけの物語ではなくホッと一息つけるシーンも用意されている。
亀屋の女中おまん(天舞音さら)や丁稚の三太(真地佑果)、庄介(永久輝せあ)の無邪気な掛け合いは重たい話の一服の清涼剤である。
それにより一層、梅川忠兵衛の悲劇が浮き彫りにされるのだが…

心中は現代の感覚からすると理解し難い部分もあるが、金が無いばかりに愛する女を失う男の苦しみは共感出来る。
見せ場の『封印切』では、懐に公金を抱いた忠兵衛が「これは石ころだ!いや愛する女を救う金だ!」との葛藤の末に、とうとう一線を超える。
友人である八右衛門(未涼亜希)の言葉に男のプライドを傷つけられ、三百両の封を切る。

狂ったように黄金の小判を撒き散らす忠兵衛。
見せ掛けの愛を売る遊郭に、小判の舞う音がうつろに響く。
照明の光を集めてキラキラ輝く金と、忠兵衛の狂気。
その対比の歪んだ美しさ。

亀屋忠兵衛を演じる壮一帆さん。
どうしようもないバカ男だが、弱さも含めて、なんとも言えない可愛げがあって憎めない。
梅川はそんなところに惹かれたのだろうか?
実直に生きてきたはずの男がはずみで道を踏み外し、行き着くところまで行くさまを、若旦那らしい品を失うことなく演じた。

忠兵衛が全てを捨てて愛した遊女、梅川の愛加あゆさん。
廓から連れ出された束の間の逃避行中、忠兵衛から「お梅」と呼ばれ、女房になれたことを喜ぶ笑顔の眩しさ。
薄々死の影を感じながらも、京都にいる母に一目会いたいと望む姿に、ひりひりするような切なさを滲ませる。
偶然出会った忠兵衛の父(孫右衛門:汝鳥伶)とのやり取りに、梅川の情深く素朴な内面がよく表れる。

そんな父と女房の姿を物陰から見詰める忠兵衛。
「頼めば、先祖伝来の田畑を売って金を作ってやったのに…」と嘆く父の言葉に崩折れる。
恋に狂った男が我に返り、親不孝を嘆く姿が愚かしく哀しい。
この時こそ、忠兵衛が己のしでかしたことの大きさを骨身に沁みて感じた瞬間ではないだろうか。
若さゆえの暴走が周囲に与える影響、誰にも幸せをもたらさない結末。

忠兵衛の無二の親友、丹波屋八右衛門の未涼亜希さん。
遊女に溺れて道を踏み外そうとする友を諌め、借金を申し込もうとする忠兵衛に「頼み事の内容によっては友達ではいられない」と言う八右衛門。
結果的に友を思うゆえの彼の行動が、忠兵衛を封印切へと導くのだが…

責任を感じた八右衛門は、梅川忠兵衛の行方を追う一団に加わる。
猛吹雪の雪山へ踏み込む2人を庇い、他の追手連中に対し「これ以上の深追いはしないでくれ、自然の裁きに任せよう」と立ちはだかる。
世間に戻ったところで、添い遂げることは叶わない。
ならば、愛を全うせよというメッセージである。
しかし決して二人を見殺しにしたわけではない。
別れ際、忠兵衛に「どんな片隅でもいいから『生きている』と便りをくれ」と語りかける姿に八右衛門の煩悶が垣間見える。

物語終盤、梅川が倒れ…愛する女を腕に抱き取りながら忠兵衛も息絶える。
そのシーンに重なるのが、八右衛門の歌う主題歌『この世にただひとつ』である。

この世にただひとつ それはお前
お前の温もりが生きる証
暗い海辺に二つの命 ひっそりと寄り添う
果てない旅路に寄る辺はないけど
(中略)
生きる喜び 泣けよ泣け
歩み続けて 歩み続けて…


単純に歌が上手い、テクニックが、声量が…というのではない。
死にゆく二人と周囲の人々の無念を全て背負ったかの絶唱に、冥土の淵を覗き見たような恐怖を覚える。
劇場が雪の山中に飲み込まれたかと錯覚するような歌…否、壮絶な叫び。
間違いなく、このラストだけでチケット代の価値はあると言える。

宝塚歌劇は老若男女全ての役を女性が演じる。
忠兵衛役も八右衛門役も当然女性である。
冷静に考えると、妙齢の女性が青天(ちょんまげ)を被り、低音で歌い上げる…不自然である。
不自然ではあるが、女が男を演じる不自然さ、それを超越したところにしか生まれ得ない魅力が確かに存在する。
そもそも芝居は虚構、二重三重の嘘が折り重なった奇跡の瞬間、何にも勝る愛の真実が浮かび上がる。
真実、観る者の心を揺さぶる芸に男も女も無いのだ。

* * *

他、目についた方々。

亀屋の番頭伊兵衛を演じる帆風成海さん。
べらぼうに上手い!
上手いというより、江戸の飛脚問屋の番頭さんをそのまま連れて来たような、ごく自然な佇まい。
入団数年目の若い方なのだが、末恐ろしい力量である。
主の愚行を止めることが出来ず苦しむ姿を見るにつけ「忠兵衛の馬鹿たれ!」と言いたくなる。

梅川の先輩格かもん太夫は、大湖せしるさん。
裕福な客の手により、梅川より一足先に身請けされ色街を去って行く。
目先の愛ではなく自分の人生の先を見据えた選択だと語る彼女には、梅川とは異なる遊女の哀しみが感じられた。
しかし、かりそめの自由を得て堂々と大門を潜る姿は凛として美しい。

飛脚問屋の前を横切るだけの物売り男(真條まから)。
「あさりー、しじみー」と情緒たっぷりに声を上げる。
暗闇に溶けこむような声色、それだけで江戸の空気を感じさせた。

[2014年4月16日(水)15:00公演/4月19日(土)15:00公演@日本青年館]

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記

先週末、花組博多座公演『あかねさす紫の花/Santé!!』を観てまいりました。
みりおさん(明日海りお)の大海人皇子、ゆきちゃん(仙名彩世)の額田女王、ちなつさん(鳳月杏)の中大兄皇子、れいちゃん(柚香光)の天比古。
ハマりにハマったキャスティングで大満足!
大好きな万葉ロマンの世界を、宝塚の舞台を通して味わえる喜び!

というわけで今日の記事は、『あかねさす紫の花』ゆかりの地、奈良県明日香村について。
宝塚作品との関わりを織り交ぜながら進めます。
(画像は5年前、2013年の秋に訪れたときのもの。まさか今になって日の目を見るとは)

蘇我氏の邸宅があったという「甘樫(あまかし)の丘」から明日香村を一望。
img-20180516_1.jpg
花野じゅりあさんが演じた皇極(斉明)天皇の住まい『飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)』跡も見えるはず。
中大兄皇子らが蘇我入鹿を討った『乙巳の変』の舞台ともなった場所です。

允恭天皇の時代にはここで盟神探湯(くがたち)が行われたそう。
盟神探湯と言えば、花組ファンにはおなじみですね。
『邪馬台国の風』で、みりおさん演じるタケヒコが見事、身の潔白を証明しました。
どうしてタケヒコは火傷もせず、平気でいられたのでしょうか??
妙に耳に残る「♪くがたーちー、くがたーちー」のメロディと共に忘れられない場面です。

ちなみに允恭天皇は、『月雲の皇子』の木梨軽皇子(珠城りょう)と穴穂皇子(鳳月)の父でもあります。

飛鳥板蓋宮近くの田んぼの中に素朴な石積みの塔がポツンと立っています。
入鹿の首塚です。
1,400年近くも昔の名残りと現代が何気なく隣り合っているのが、なんとも不思議な気分です。

北に目を向けると、大和三山を一目で見渡せます。
北西の方向に畝傍山。
img-20180516_5.jpg
北に耳成山、その手前が香久山。
img-20180516_4.jpg
「香久山は 畝傍を愛しと 耳成と あい争いき 神代より かくなるらし いにしえも しかなれこそ 現身も 妻を争うらしき」
畝傍山の女神に恋した香久山と耳成山の神に、自分たちの関係をなぞらえた中大兄皇子。
「畝傍(額田女王)も困ったろうな」という中大兄の台詞、突き刺さるようでしたね。

『百人一首』でおなじみの「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天香具山」は、持統天皇(鵜野皇女:華優希)が詠んだ歌ですね。

甘樫の丘の東に入鹿の首塚。
さらに東に入鹿の祖父、蘇我馬子が開いた飛鳥寺(法興寺)があります。
こちらの御本尊「飛鳥大仏」は、天比古が憧れた止利仏師(鞍作鳥)が手がけたと伝えられています。

馬子の墓と言われる「石舞台古墳」。
img-20180516_2.jpg
中に入ることもできます。
石に覆われた内部はひんやりとして、古代とのつなぎ目に立ったような厳粛な気持ちになります。

奈良県桜井市の談山神社にある『多武峰縁起絵巻』には、入鹿暗殺の場面が生々しく描かれています。
クーデターは皇極天皇の目の前で行われました。
血しぶきを上げる胴体から離れた首は、天皇との間を隔てる御簾に噛み付いているようにも見えます。
入鹿は彼女の寵愛を受けていたとする説を思うと、やるせない気持ちになりますね。
栄華を誇った蘇我四代の幕切れは酷く儚いものでした。

乙巳の変後、皇極天皇は退位し、弟の孝徳天皇が即位しますが、孝徳天皇が崩御すると、皇極天皇が再度天皇の位に立ち(重祚)、斉明天皇となります。
やがて時代は中大兄(天智天皇)と大海人(天武天皇)のものに。

かつて激動の舞台となった場所に自分が立っていること。
蘇我馬子や入鹿が見たであろう、同じ景色を眺める不思議。
歴史を肌で感じられる大好きな場所です。
img-20180516_3.jpg
最後になりましたが、奈良市内から明日香村へ向かう近鉄橿原線にある「新ノ口駅」。
近松門左衛門が書いた人形浄瑠璃『冥途の飛脚』の主人公、亀屋忠兵衛の故郷「新口村」の入り口です。
宝塚では『心中・恋の大和路』として再演を重ねています。
新ノ口駅の線路沿いに「梅川忠兵衛」のモニュメントがありますので、是非チェックしてみてくださいね。

奈良国立博物館で開催される『正倉院展』に合わせて旅するのもおすすめ。
会期中の金土日祝日は20時まで開館していますので、昼間は明日香村を訪れ、夕方から正倉院展というコースもありです。

余談ですが、この時代を取り上げた読み物としてお気に入りなのが、哲学者の梅原猛先生が書かれた『隠された十字架―法隆寺論』。
エキサイティングな内容で、古代史に興味を持つきっかけになりました。

長くなりましたので、『あかねさす紫の花』の感想はまた後日。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

春の花詩集2018!!そして、ドクトル・ジバゴの“ベツレヘムの星”

いい季節になりました。
日に日に温もりを増していく陽射しの中で、ふんわり花の香りを感じると、言いようのない幸せに包まれますね。
まさに、風薫る季節。

新春を彩る爽やかな水仙、上品な蝋梅に始まり、ほんのり甘い雪柳、スパイシーな沈丁花。
冬から春へ、眠っていた体が目覚めるような鮮やかな香り。
そして、初夏の始まりは芳しき薔薇。

ちょっと季節外れになってしまいましたが、春先に見事な江戸彼岸があると聞き、足を運びました。
img-20170330_1.jpg
お彼岸の頃に咲くので『江戸彼岸』と呼ばれる桜の一種。
ちなみに、桜の代表格『染井吉野』はこの『江戸彼岸』と『大島桜』が自然交配したものだそう。
大島の花は白っぽいので、染井の淡いピンクは江戸彼岸譲りなのかな?
ほんのり色づくさまが美しい、可憐な桜ですね。
花言葉は“心の平安”。
img-20170330_2.jpg
満開のマーガレット。
img-20170404_7.jpg
『TAKARAZUKA 花詩集100!!』の、ちゃぴちゃん(愛希れいか)を思い出しますね。
清楚で可愛らしいお花です。
花言葉は“真実の愛”。

大好きなヴィオラ。
img-20170404_5.jpg
紫×白×黄色の配色がたまらなく好き!
花言葉は『誠実』。

これは『花詩集100!!』の珠様(珠城りょう)が浮かびます。
紫ベルベットの全身タイツの珠様。
暗闇の中で花開き、朝になるとしぼんでしまう儚く妖しい“月下美人”。
…のイメージからは程遠いダイナマイトボディとグイグイ迫る力強い女っぷり。
素敵でした。

余談ですが、私のお気に入りの万年筆インクはHERBIN(エルバン)の“VIOLETTE PENSÉE(ヴィオレ・パンセ)”。
まさにこのヴィオラの紫色。
文字にした瞬間の発色の良さは絶品。
空気に触れると、たちまち青みのかったスミレ色に変化するさまが、たまらなく美しいのです。
菫と言えば宝塚。
ご贔屓へのお手紙にいかがですか?
品の良い華やかな色味でお勧めですよ。

可憐な星型の花を咲かせるハナニラ(花韮)。
img-20170404_6.jpg
別名『ベツレヘムの星』。
どこかで聞き覚えはありませんか?
そう、星組公演『ドクトル・ジバゴ』で、パーシャ(瀬央ゆりあ)がラーラ(有沙瞳)を想い歌った花の名です。
花言葉は『耐える愛』。

お花は清らかに美しいですが、なかなかパンチのきいた香り。
「ニラ!」という感じです。
食べられるのか調べましたが、どうやら有毒のようです。
食用のハナニラとは別物なんですって。
紛らわしいですねー。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

目で見て楽しく、舌で味わって美味しい。京王プラザホテル『美女と野獣』スイーツブッフェ

京王プラザホテル新宿のイベント『バラに恋した美女と野獣』へ行って来ました。
img-20180501_1.jpg
『スイーツブッフェ』『ランチ&ディナーブッフェ』『アフタヌーンティー』など複数の企画がありますが、私たちはスイーツブッフェの『スイーツに囲まれたプリンセス』へ。
会場のオールデイダイニング『樹林(じゅりん)』入口。
おなじみのモチーフに埋め尽くされたディスプレイにわくわくします。
img-20180501_4.jpg
1900年にフランスのボルドーで出版された『美女と野獣』の舞台脚本。
「ご自由にお手にとってご覧ください」とありましたが、恐ろしくて触れませんでした。
万が一、破損したらと思ったら…
img-20180501_3.jpg
童話に登場する「プリンセス・ベル」をテーマにした約30種類のスイーツ。
サンドイッチやパスタやサラダなど軽食も揃います。
img-20180501_6.jpg
「よろしかったらお写真を」と勧められ、ありがたく撮らせていただきました。
奥の厨房から、出来たてのお菓子がどんどん運ばれてきます。
img-20180501_7.jpg
メニューはこんな感じ(一部)。
ストロベリーのパリブレスト、ベリーベリータルト、ガトーオペラ、バニラ風味のシブスト、紅茶プリン、ローズヒップティーゼリー、チリパウダーストロベリー、オレンジチーズケーキ、ローズコンフィー入りクグロフ、ブラックチェリーパフェ、ベリーのコンポートローズ風味、アーモンドプードルたっぷりパンドジェンヌ、ダークチェリーショコラ、りんごとシナモンのトランシュ、ノルマンディーチーズケーキ、チョコレートとストロベリーの焼菓子、桜と苺のパルフェ、チョコレートファウンテン、ドラジェ、アイスクリーム各種…などなど。
img-20180501_8.jpg
私のお気に入りは、ローズスープとアールグレイのアイスクリーム。
特に、アイスクリームは紅茶の香りが素晴らしく、これを目当てに再度訪れたいと思うほど。
img-20180501_9.jpg
バラ好きにはたまりません。
img-20180501_10.jpg
館内のいたるところに撮影スポットが。
img-20180501_2.jpg
美味しいお菓子と楽しいおしゃべり。
窓から見える新緑も美しく、素敵なひとときを過ごしました。
6月30日まで開催ですので、ご興味のある方、是非どうぞ。
週末は特に混み合いますので、ご予約をお勧めします。
img-20180501_5.jpg
○美女と野獣「スイーツに囲まれたプリンセス」~Le Gâteaux~
会場/京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿2-2-1) オールデイダイニング<樹林>
会期/2018年4月1日(日)~6月30日(土)
時間/15:00~17:30(L.O. 17:00)
※詳細はこちらから

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94

上田久美子先生、“珠城りょう”をぶっ壊してくれてありがとうございます!│BADDY

毎公演、新しいカッコよさを提示してくださる珠様(珠城りょう)。
そのたびにキャーキャー言ってる私ですが、今回のバッディのカッコよさは格別!

やんちゃでワイルドでセクシーで…
パッカーーーン!!と音を立てて殻が破れたみたい。
「こんな一面もあったのか!」と新鮮な驚きを感じています。

* * *

良くも悪くも「優等生」のイメージが強い珠様。
オフステージの言動からは比較的さばけた、やんちゃなお人柄が窺えますが、芸風は真面目・誠実・温厚…そんな言葉が浮かびます。
もちろん、それが悪いのではありません。

しかし、トップ就任から丸一年が過ぎ、良きパートナーであるちゃぴちゃん(愛希れいか)の卒業が発表された今、もう一枚その身を覆う鎧を脱げるのではないかと感じていたのです。

今こそ、変わるとき。
その絶妙なタイミングで当てられたのが『BADDY』。
偶然か必然か。
作者が珠様とご縁が深い上田先生であることを考えると、意図的であったのだと思います。

宝塚は生徒との距離が近いだけに、生徒個人の色と、舞台上の役を重ねて観てしまいがちです。
真面目・優等生・誠実・温厚・健康的…
そんな“珠城りょう”のパブリックイメージを覆した役、バッディ。

「あの珠城りょうが!」という客席の驚き。
これこそ“究極の当て書き”でしょう。

ただし、これは宝塚ファンが珠城りょうという生徒に抱く共通認識あってこその反応です。
「宝塚は初めて」という方が『BADDY』を観たら?

ショーのお約束も知らず、生徒の見分けすらつかない。
そんな方がこのショーをご覧になったら、一体どのような感想を持たれるのか?
珠様の姿はどんなふうに映るのか?
とても興味深いですね。

* * *

コメディタッチな前半から一転。
バッディ覚醒後の『ビッグシアターバンク式典舞踏会』からフィナーレに至る流れは神がかってます。

オールバックに黒燕尾、胸に紅薔薇を差したバッディの美しさ。

匂い立つばかりの男役の色気を振りまきながら、軽やかなステップで銀橋を渡る珠様。
一挙一動が切ないほどに素敵で、毎回息を詰めて見守りました。
手が届きそうな距離なのに現実味が感じられなくて…

華麗な舞踏会の裏側、甘く謎めいた宇宙人の歌声に導かれて進む悪事。
ふわふわした不安と、掴みどころのない美と、異様なかぎろいに覆われた舞台。
悩ましげに眉をひそめて踊るバッディの額にきらめく汗。
妖しく美しい白昼夢の中にいるようでした。

『Bandito』のタキシードと、『BADDY』の黒燕尾。
どちらも珠様の男ぶりが際立つ、大好きなスタイルです。
粗野な男が一転してドレッシーに装う。
そのギャップに心惹かれるのですね。

身にまとうものが変われば、仕草や佇まいも変わる。
しかしエレガントな皮一枚の下から覗く、隠しきれない雄の香りに魅了されるのです。

* * *

“珠城りょう”の“バッディ”か。
“バッディ”の“珠城りょう”か。
境界が曖昧となり、まさに混沌(カオス)。

“珠城りょう”に嵌められた枷を打ち壊したのが“バッディ”ならば、そのような役に巡り合えたことは役者冥利に尽きます。

創っては壊し、壊してはまた創る。
役者稼業はその繰り返しですが、バッディの破壊っぷりは過激。
ひとつひとつ積み重ねていくはずのところを一気に何段もぶっ飛ばしてしまったかのような。
ドカンと開いた大穴から覗く青空、清々しい風が吹き抜けていくような思いがします。

当たり役を経て、さらに大きく美しく成熟されていく珠様。
次に待つのは『雨に唄えば』のドン、そして『エリザベート』のトート。
重たい鎧を脱ぎ捨てて、どのような軽やかさで羽ばたいてゆかれるか、楽しみにしています。

↓ブログランキングに参加しています↓
よろしければ応援クリックお願いします

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↓Twitterやってます↓
更新情報メイン(たまにつぶやき)

‎@noctiluca94



○BADDY関連記事はこちら↓
【BADDY公演デザートレビュー】頬張ってぃみたよ!GOODなお味でした!+珠ちゃぴリフトの話
善か悪か?白か黒か?の世界に潜む「グレー」―千海華蘭のシェフ│BADDY
世界よ、宇月颯色に染まれ―炎のデュエットダンス│BADDY
自分にとっての“ワルいこと”を探せ!―BADDYからのメッセージ
一発芸か?至高の傑作か?―『BADDY』について真面目に考えてみた
完璧なピースが揃った“月組ジグソーパズル”│BADDY
宝塚屈指の美女、ザリガニになる―バルタン星人な月城かなと│BADDY小ネタ集(2)
紫門ゆりやの役名は『エレガント』だったかもしれない説│BADDY小ネタ集(1)
「あなた」でも「おまえ」でもなく、恋人を「きみ」呼びするスイートハートに心ときめく│BADDY
YATTYのいないBADDYなんて気の抜けたビールでしょ!輝月ゆうまの宇宙人力│BADDY
『退屈』を打ち破れ!「眠られないんだ」が意味するもの―覚醒する暁千星│BADDY
おやつが月からやって来た!│カンパニー/BADDY公演メニュー
なんてタイムリー!STAR JEWELRY Girlの“BADDYすぎる”アクセサリー☆彡
パンセクシュアルなバッディ(珠城りょう)×性別越境者なスイートハート(美弥るりか)が登場する意義とは│BADDY
月組の新しい扉が開いた。もう『BADDY』を知らなかった頃には戻れない
ハッハッハ!なんだ、こりゃ!?めちゃくちゃ面白いじゃないか!│BADDY
今しか書けない!?BADDY妄想―月よりの使者“バッディ(珠城りょう)”は地球の救世主となるのか?
BADDYさーん!!3週間ぶりの珠様が想像を超えるカッコよさ!
サラリーマンだって、宇宙人だって、珠城りょうならば成立するのです!
「いまの月組だからこそできる」珠様率いる月組の無限の可能性にわくわくする!2018年演目発表

プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
Twitter‎@noctiluca94

ブログ内検索とタグクラウド

最新記事

カレンダー

04 | 2018/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カウンター

宝塚歌劇団人気ブログランキング

にほんブログ村ランキング

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
8位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
演劇
2位
アクセスランキングを見る>>

ブロとも申請フォーム

noctilucaにメッセージを送る

お名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文:

QRコード

QR

**