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宝塚「男役」の魅力ってなんだろう?【case1.珠城りょう】

宝塚歌劇の最大の特徴、それは女性が男性を演じる「男役」。

その魅力については、既に語り尽くされた感がありますが、なぜ私たちが「男役」という存在に惹かれるのか。
考えてみました。

宝塚の男役、歌舞伎の女方


宝塚とは逆に、男性が女性役も務めるのは同じく日本の伝統芸能「歌舞伎」。
比較されることの多い両者に共通する魅力のひとつといえば、歌舞伎なら「女方」、宝塚なら「男役」。
それぞれ本来の性と異なる性を演じるところに面白さがあります。

芸の力で男以上の男、女以上の女を作り上げる。
男のいいところ、女のいいところのエッセンスを抽出した理想の人物像が生まれる。

俗に「男役10年」と言われますが、男役の型がようやく出来上がるのが10年目。
年齢的にも女性が成熟し、最も輝きを増していく時期とそのまま重なります。

彼女らの中に潜む女性性と、表面に表れる男性性との妖しいせめぎ合いこそが、男役の一番の魅力と考えます。

宝塚「男役」の魅力ってなんだろう? case1.珠城りょう


男役には様々なタイプがあります(例:フェアリータイプなど)。
いかにも男らしい方、中性的で、ときには女役もこなす方。
個々に魅力あるスターが揃っているからこそ、舞台に幅が出て面白くなりますね。

例えば、月組トップスター珠城りょうの場合。

・真面目、優等生、一途、明朗、健康的、力強い。
・分別がある、頼りがいがある、温かみがある、情緒が安定している。
・頭脳明晰、質実剛健、文武両道。
・女性には紳士的に接し、男性にとっては頼れる兄貴分。
・堅い一方ではなく、上品なユーモアがあり、時折見せるやんちゃな顔も魅力。


反面、
・初心(うぶ)で翻弄されがち。
・愛には奥手だが、一度受け入れられると猪突猛進。
・ためらいなくインモラルに足を踏み入れる。
・ややウェット。


いかがでしょう?
いままで珠様が演じてこられたキャラクター(ご本人由来も少々)から受ける、主なイメージをまとめてみました。

「愛」と「死」の男役、珠城りょう


健康的な逞しさと裏腹に、彼女が演じる男性は「死」と相性が良いのが不思議なところ。
それがもっともよく表れているのが『激情』のドン・ホセ。
浅黒い肌、ウェーブのかかった黒髪。
ルックスからして非常にセクシュアルでしたが、それ以上に内側から匂い立つような性的魅力に溢れていました。

エロス(性愛、生きる力もしくは欲望)の対極はタナトス(死、または死の衝動)となりますが、カルメン(愛希れいか)の愛を欲するあまり、軍隊を出奔し、犯罪に手を染め、次々と人を殺めたドン・ホセは、愛(生)を渇望しながらも破滅への道をまっしぐらにひた走ったのです。

ホセにとってカルメンは「生きる喜び」。
生への渇望が死に転じる。
抜け出したくても抜け出せない矛盾の泥沼を這いずり回るドン・ホセ。
沼の底でホセの足を掴み、更なる深みに引きずり込もうとしたタナトスの化身はカルメン。

この図式は『グランドホテル』の「Death/Bolero」そのものですね。
エリザヴェッタ(愛希)との輝く未来を夢見ながら、儚くこの世に別れを告げたフェリックス(珠城)。
彼を迎えに来たのは、エリザヴェッタの姿を借りた「死の化身」。
しかし、エリザヴェッタが失いかけた「生きる喜び(Joie de vivre)」を、再び彼女に与えたのは他ならぬフェリックスだったのです。

互いに愛を与え合い、そして生を奪い合う。
相反する愛(生)と死のせめぎ合い。
彼(ホセまたはフェリックス)は「死」に負けたのか?

その答えは『激情』『グランドホテル』それぞれのラストシーンにあります。

「死」に打ち克ち、「愛(生)」を得たように思えませんか?
肉体の消滅と引き換えに、永遠を手に入れた男。
そんな物語が似合う男役。
私が珠城りょうの男役像に心惹かれるのは、そんな理由かもしれません。

とは言え、たまには生きているうちに愛と生を手中に収めて欲しいものですね。
『鳳凰伝』では、ちゃぴトゥーランドットが与える死をはねのけ、愛を手に入れる珠カラフの姿が見られるようで楽しみです。

上に挙げたイメージはあくまでも私個人の印象ですので、かなり(と言うか、ものすごく)偏ってますね。
珠城ファンの皆さまは、珠様の男役像にどのようなイメージを持たれてますでしょうか?
教えていただけたら嬉しいです。
(好きな作品によってだいぶイメージが変わりますよね)

○関連記事はこちら↓
若き獅子、駆けろ!-珠城りょうの魅力を探る-

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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