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女神アリアンロッドの造形に違和感を覚えた『アーサー王伝説』

おおむね満足(むしろ大!大満足!)だった『アーサー王伝説』ですが、一点だけ首を傾げた箇所があります。
女神アリアンロッドの描かれ方です。
過剰にクローズアップされた少女性がアーサー王の荘厳な世界観にそぐわず、ちょっと引っかかりを感じました。

赤いミニスカートでの登場には驚きましたね。
魔法少女的と言いますか、呪文を唱えながら先端にハートがついたステッキを振ってそうなイメージ?

神が無垢な子どもの姿を借りて人々に語りかけるのは神話の定石ですので、少女のような造形なのは一向に構わないのです。
しかし、駄々っ子のような甲高い声で「~~だぞ!」とマーリンに詰め寄ってみたり、意味もなく階段から転げ落ちてみたり。
あざとい口調とドジっぷりに妙なロリコン嗜好が透けて見える、と言っては言いすぎでしょうか。
『ケルトの女神』と聞いて浮かぶイメージとはかけ離れたキャラクターには違和感を覚えます。

雰囲気としては『アリスの恋人』で愛風ゆめちゃんが演じた“赤の女王”を彷彿させます。
衣装も似ている、と言うか同じものでしょうか?
赤の女王はあれで良いのです。
アリスの世界の登場人物としては居丈高で残酷な少女性を発揮する、あの浮き方がふさわしかったのですから。

しかしながら、アーサー王の世界のアリアンロッドは悪目立ちに感じられました。
フランス版もこのような造形なのでしょうか?
それとも石田昌也先生の演出なのか?
ドラマシティ終幕後のお楽しみにと、紙媒体やウェブの情報にはまだ手をつけていないのですが、アリアンロッドに関する記述が気になります。
この演出はどのような意図によるものなのか?

重苦しい物語にくつろぎを与えるなら、アーサー王の兄ケイが十分その役割を果たしています。
上質で温かな笑いと確かな芸で客席と舞台の橋渡しをしっかりと務めました。

橋渡しと言えば、もうひとりはマーリン。
アリアンロッドの属する神の世界と、人間の世界の架け橋となります。
神の声を聞き、人々のために動く魔法使い。

人間にはアリアンロッドの姿は見えず、声も聞こえませんので、彼らの二人芝居となりますが、果たしてこれは必要なエピソードだろうかと首をひねるシーンもあり。
筋肉のくだりは、そこだけ妙に卑近な印象でチグハグに感じました。

個人的な好みとしては、アリアンロッドを実体で登場させるなら、もう少し超越者として人智の及ばぬ神々しさを出して欲しかったですね。
たとえば聖と俗または神と人、そして仲立ちをする魔法使いマーリン。
このトライアングルが明確に打ち出されていたら面白かったかな、と思います。

もしくは、いっそアリアンロッドは声だけで登場させた方が神秘性が高まったのではないでしょうか。
冒頭の眠りから目覚めた時と再び眠りにつく間際の変声機にかけたような声で。
天から降ってくる、まさに神の声。
マーリンが延々と一人芝居を続けることになりますが、からんちゃん(千海華蘭)なら問題なく見せてくれるでしょう。

キャストひとりひとりが持ち味を遺憾なく発揮し、尚且つ見事な結束で作り上げられた『アーサー王伝説』。
素晴らしい舞台だけに、アリアンロッドの造形だけが喉に刺さった骨のように気になるのが惜しまれるところです。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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