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踊る喜び―柚香光の命の輝きに魅了される│DANCE OLYMPIA

いやー、まさかここまでやるとは思いませんでした。
いくら「ダンスコンサート」と銘打っても、こんなに踊る??

踊る!踊る!踊る!
踊って、踊って、ひたすら踊りまくる115分!

弾ける笑顔、飛び散る汗、いっときも休まず刻まれるリズム。
手加減など知らない若い肉体同士が火花を立ててぶつかり合うパフォーマンス。

新生花組の力の奔流が客席を熱くたぎらせる『DANCE OLYMPIA -Welcome to 2020-』。
圧巻でした!

「踊るトップスター」柚香光、誕生!


私が宝塚を知った頃、こんなキャッチフレーズがありました。
ダンスの花組、芝居の月組、和物の雪組、コスチュームの星組。
「トップの得意分野=組の特色」だったのですね。

当時の花組トップスターは大浦みずきさん。
言わずと知れたダンスの名手です。
その後も安寿ミラさんや蘭寿とむさんら、時代を代表するダンサートップがその命脈を保ってきました。

そして今、新時代の花組を担うトップスターとして柚香光さんが就任。
昭和、平成から令和へ。
「ダンスの花組」を継ぐ新たなトップスターの誕生です。

今回は華優希さんとの新トップコンビお披露目、雪組から異動された永久輝せあさんの花組デビュー作でもあります。
いくつもの喜びに彩られた『DANCE OLYMPIA』。
新生花組の未来は明るい!と確信する素晴らしいステージでした。

「踊るトップスター」柚香光誕生!おめでとうございます!

キーワードは「踊る喜び」


一幕は「ギリシア神話の英雄が現代にタイムスリップして巻き起こす悲喜こもごもを描いたストーリー仕立てのショー」。
「テルマエ・ロマエみたい」と思いましたが…
想像以上にテルマエ・ロマエでした 笑

現代に放り込まれたアキレウス(柚香)のルシウス感と言ったら!!
「彫刻ばりの完璧な美貌×生まれたての子犬のような無防備」が生み出す絶妙な可笑しみ!
ぽわ~っとした表情と、とぼけた心の声の間が最高!

さすが座付きの稲葉太地先生。
れいちゃん(柚香)独特の味をフルに活かしきってくださいました。

「…くねくね」と「…たのしい」の“ひらがな感”が特にお気に入り。

パット(水美舞斗)らに導かれ、ダンスの楽しさに目覚めるアキレウス。
朝日を浴び、古代に戻った彼がひとりごちる台詞「あれは夢か…いや、夢ではない」「踊る喜びを感じた」。

踊る喜び。
これこそ『DANCE OLYMPIA』が伝えたかった“柚香光の芯”でしょう。

柚香光の命の輝きに魅了される


柚香光の一番の魅力。
それは腹の底から舞台を楽しむ姿。
心と体を全部さらけ出して、今この瞬間、舞台に立つ。
その喜び、その楽しさ。

全身からあふれ出す歓喜。
命が燃えて、その輝きが劇場を照らす。
観客は彼女の命の輝きに魅了されるのです。

これは天性の華です。

れいちゃんは真ん中に立つべき人であり、なるべくしてトップになった。
そう思わせるに十分な説得力のある舞台。

もっとも強く感じたのは「フラメンコ」。
静まり返った劇場に轟くハレオ。
観客の鼓動と一体化するサパテアード。
人間の声と肉体が生み出す熱に酔う喜び。

和太鼓やフラメンコなど初めての試みとなる生徒さんも多かったと思います。
タイトスケジュールを縫い、どれだけお稽古を重ねたのか。

ひたむきに真摯に作品と向き合い、ファンに最上のパフォーマンスを届けようと努める心。
身を削り、命を燃やす柚香光と花組生の全身全霊の舞台に、我知らず涙がにじみます。

“感動する”ってこういうことなんだなぁと胸に落ちました。

つい忘れがちになる「素直に宝塚を楽しむ心」を思い出させてくれた『DANCE OLYMPIA』。
柚香光さん、花組の皆さま、稲葉太地先生、素晴らしい舞台をありがとうございました!

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ニック(水美舞斗)とフローレンス(城妃美伶)のスピンオフが観たい!│青い薔薇の精

名実ともにトップオブトップとして、ここ数年の宝塚人気を牽引してきた花組トップスター・明日海りおさんのラストステージ『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』を観てきました。
ひとことで言えば「素晴らしかった!」。

設定はほぼ想像通りでしたが、展開は予想外。
(演目発表時から公演解説の内容がかなり変わったことに、いま気づきました)
(当初はハーヴィーやシャーロットの名前がなかった)
明日海りおはフェアリーか?―「青い薔薇の精」と「美少年(ヴェニスに死す)」│A Fairy Tale

好きなところ、お気に入りのところ、全部


タイトルの「A Fairy Tale」の意味が分かった瞬間、「あ、あ、あぁっーーー!」ってなりました。
残りわずかの公演回数ですが、これからご覧になる方は前情報を入れない方が楽しめると思います。

どなたもハマり役で、トップさんの卒業公演らしさも十分。

みりおさん(明日海)演じる青い薔薇の精・エリュと、れいちゃん(柚香光)ハーヴィーが交わす堅い握手。
「君なら美しい花を咲かせられる」
明日海りおから柚香光へ受け継がれる花園(花組)。
ふたりの姿に重なって、涙なしには観られません。
素敵な引き継ぎシーンでした。

松井るみさんの装置が美しくて眼福!
花盛りのウィールドンの庭は目が覚めるよう。
冒頭の荒れ果てた景色すら、禍々しい美にあふれ、するりと物語世界に引き込まれました。
書籍や薬品、植物と紅茶の香りが漂ってきそうなヴィカーズ商会のセットも私好み。

「シャーロック・ホームズ風の私立探偵」と紹介されたMr.ディケンズ(冴月瑠那)の登場シーン。
さりげない「BAKER STREET」の標識が嬉しいですね。

本作をもって星組に異動される、あかちゃん(綺城ひか理)。
花組での最後の舞台姿を見納めてまいりました。
堅実なお芝居、魅惑の低音がウリのあかちゃん。
星組でどんな花を咲かせてくださるか楽しみです!

ケヴィン(優波慧)とネリー(春妃うらら)のグリフィス夫妻。
何気ないやり取りに温かな家庭を想像できて心に残りました。
春妃さんは声が綺麗ですね。
艷やかな潤いのある台詞に聞き惚れました。

美声といえば和海しょうさん。
オリヴァーが言葉を発するたびに、あまりの声の良さにびっくりして思わず目を向けてしまいます。

Mysterious Old Lady(謎の老婆)の美花梨乃さん。
美花さんはいつも活き活きと役を楽しんでらしていいですね。
とっても好きな役者さんです。

ニックとフローレンスのスピンオフが観たい!


物語の起点となるエピソード、ヒロイン・シャーロット(華優希)の母フローレンス・ウィールドン夫人(城妃美伶)と、庭師ニック・ロックウッド(水美舞斗)のささやかな心の交流。

彼らがいなければ始まらない、大切な役どころ。
ふたりの関係が印象的でした。

深く温かな慈しみ。
互いの心は手に取るように通じ合っている。
ほとばしる想いを抑え、ふたりが歌う「Dear Friend」。
“大切な友”という言葉が彼らの愛をよく表しています。

ラストシーンは、舞台の端と端から、ただ見つめ合う視線だけで泣けました。

美しい庭を捧げることで愛を昇華したニック。
フローレンスを想い、妻を娶らなかった彼が、養子に迎えたのが物語のキーマン・植物学者のハーヴィー・ロックウッド(柚香光)。

フローレンス亡き後、荒れ果てた庭を蘇らせたハーヴィー。
ニックの息子ハーヴィーから、フローレンスの娘シャーロットへ。
想いの連鎖が見えて胸がいっぱいになりました。

マイティー(水美)、いいお役を書いてもらえて幸せですね!
ふたりのスピンオフが観たいくらい、素敵なエピソードでした。

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植田景子、表現者の気骨│青い薔薇の精

実のところ、植田景子先生の作風に苦手意識のあった私。
蛇足が多いというか、自作への思い入れの強さゆえの説明過多というか。

その印象を覆したのが『ハンナのお花屋さん —Hanna's Florist—』。
過剰な情報の枝葉を取り除いたときに表れる「物語の芯」に心を揺さぶられたのです。

そして、今回の『A Fairy Tale —青い薔薇の精—』で植田景子作品への抵抗感が完全に払拭されました。

植田景子先生―表現者の気骨


『ハンナのお花屋さん』と『青い薔薇の精』に共通するテーマは、平和への願い。

美しく豊かな未来を子どもたちへ。
争いのない愛に満ちた世界を次世代へ。

ややもすれば説教臭く、押しつけがましい理想主義です。
しかし、宝塚ならではの「大人のおとぎ話」を通して伝えられる熱いメッセージに、景子先生の表現者としての気骨を見たのです。

『青い薔薇の精』もツッコミどころは多々あれど、それを上回る感動がありました。

公演解説に「大人の為のほろ苦く温かなオリジナル・ミュージカル」とありますが、たしかに齢(よわい)を重ねたからこそ響く作品なのかもしれません。
かといって、観る人を選ぶわけではなく、家族みんなで安心して楽しめるミュージカルでもあり。
美しく、心温まる、素敵な物語でした。

景子先生の作品では、これが一番好きです。

奇しくも二作とも、みりおさん(明日海りお)主演作。
景子先生はみりおさんと相性がいいのかもしれません。

ふたりのタッグがもう観られないのは残念ですが…
素晴らしい世界を生み出してくださり、ありがとうございました!

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○『A Fairy Tale —青い薔薇の精—』関連記事はこちら↓
アンドロギュヌスな男役、明日海りお―究極の男役は性を超越するのか│青い薔薇の精
明日海りおはフェアリーか?―「青い薔薇の精」と「美少年(ヴェニスに死す)」│A Fairy Tale

アンドロギュヌスな男役、明日海りお―究極の男役は性を超越するのか│青い薔薇の精

まさか、みりおさん(明日海りお)の宝塚生活最後の役が「妖精」とは驚きました。
しかし、同時に妙に納得したことを覚えています。
明日海りおという稀有な男役が、何をもって自身の集大成とするのか?
ひとつの選択肢として、男でなく女でもない「フェアリー」が候補に挙がるのは分からなくもありません。

卒業すれば二度と男役として舞台に立つことはありませんから、ファンとしては「普通の男役」を観たいという気持ちもあります。
ですが、最後だからこそ「明日海りおにしか成し得ない役」を観たいという思いも、またあるのです。
明日海りおはフェアリーか?―「青い薔薇の精」と「美少年(ヴェニスに死す)」│A Fairy Tale

アンドロギュヌスな男役、明日海りお


みりおさん同様、いわゆる“フェアリー系”男役として語られることの多い朝海ひかるさん。
彼女の卒業公演も、男でなく女でもない「堕天使」でした。
(植田景子作『堕天使の涙』)

男でなく女でもなく、それ以前に「ヒト」でもない。
当然、相手役(トップ娘役)と「人間同士の恋愛」は描かれない。

肉欲を伴わない、精神の愛。
互いの魂を救い合う、高次の愛。
『青い薔薇の精』や『堕天使の涙』で描かれるのは、そんな愛です。

景子先生が“フェアリー系男役”に求めるものは何なのか?
「男役の魅力」について書いた記事の中に、そのヒントがあるように思います。
ちょっと長いですが、抜粋します。

宝塚歌劇の最大の特徴、それは女性が男性を演じる“男役”。

その魅力については、既に語り尽くされた感がありますが、なぜ私たちが“男役”という存在に惹かれるのか。
考えてみました。

宝塚とは逆に、男性が女性役も務めるのは、同じく日本の伝統芸能「歌舞伎」。
比較されることの多い両者に共通する魅力のひとつといえば、歌舞伎なら“女方”、宝塚なら“男役”。
それぞれ本来の性と異なる性を演じるところに面白さがあります。

芸の力で男以上の男、女以上の女を作り上げる。
男のいいところ、女のいいところのエッセンスを抽出した理想の人物像が生まれる。

俗に「男役10年」と言われますが、男役の型がようやく出来上がるのが10年目。
年齢的にも女性が成熟し、最も輝きを増していく時期とそのまま重なります。

彼女らの中に潜む女性性と、表面に表れる男性性との妖しいせめぎ合いこそが、男役の一番の魅力ではないかと考えます。
浪漫の騎士│宝塚「男役」の魅力ってなんだろう?【case1.珠城りょう】より抜粋]


男役の魅力を、「彼女の中に潜む女性性と、表面に表れる男性性との妖しいせめぎ合い」と定義するならば、必ずしも「男」の姿・かたち・性質を備えていなくても「男役」は完成すると言ってよいでしょう。

なかでも、みりおさんのように両性具有的魅力が濃厚な男役を何と呼ぶか?
“フェアリー系”ならぬ“アンドロギュヌス系”?

古来より、芸術家たちの創作意欲を刺激してきた“アンドロギュヌス”。
絵画や彫刻などで具現化されてきた彼ら。

なぜ、モチーフとしてのアンドロギュヌスは創造者の心を捉えて離さなかったのか?
「男」と「女」を兼ね備えた「完全体」であると考えられていたためと思われます。
その点、「宝塚の男役」はまさに“生きるアンドロギュヌス”と言えます。

アンドロギュヌスの中のアンドロギュヌス、明日海りお。
宝塚の座付き作家にとって、非常に刺激的な存在であることは明らかです。
よって、明日海りおのラストステージに性を超越した妖精役を当てたのは、当然の帰結でしょう。

究極の男役は性を超越する


卒業公演で「ヒト」でなかったのは、つい先日『GOD OF STARS-食聖-』で退団された星組トップスター・紅ゆずるさんもですね。
紅さんの役は天界の住人「紅孩児」。
人間の女性と恋をして下界に降りた彼は、ラストシーンで大勢の子どもに囲まれ、大団円を迎えます。

紅孩児にアンドロギュヌス的要素は見当たらず、女性との関係はシンプルなラブコメディとして描かれる。
紅さんの男役としての個性、コンビを組んだ綺咲愛里さんとの関係性、そして作者の小柳菜穂子先生の作風によるものでしょう。

異世界の住人との恋愛を「異類婚姻譚」として描いた『食聖』。
かたや、あくまで人間と交わることのない「堕天使」朝海ひかると、「妖精」明日海りお。
同じ人外が主役の宝塚作品で、こうも仕上がりに違いが出るのは面白いですね。

「性」にとらわれない「美」と「愛」を描いた妖精エリュを演じたみりおさん。
併演のショー『シャルム!』では、とびきりカッコよく、華やかな「ザ・男役」の魅力を振りまきます。

性を超越した様々な「タカラジェンヌの美」を堪能させてくれた明日海りお。
大千穐楽まで、さらに男役を極めていかれますように。
長い間たくさんの素晴らしい夢を見せてくださり、ありがとうございました。

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明日海りおはフェアリーか?―「青い薔薇の精」と「美少年(ヴェニスに死す)」│A Fairy Tale

「踊るトップスター」柚香光誕生!おめでとうございます!

おめでたいニュースが発表されました!
花組次期トップスターに柚香光さん!
宝塚歌劇団│花組 次期トップスターについて

「踊るトップスター」柚香光誕生!


れいちゃん(柚香)といえば、誰もがビート板を押す(by道明寺司)「魅せるダンス」!

大浦みずきさん時代に宝塚を知った私としては、安寿ミラさんや蘭寿とむさんと並び「ダンスの花組」を継ぐトップスターの誕生に胸を躍らせております。

『花より男子』で、めちゃくちゃ輝いていたれいちゃん。
絶好調の波に乗ったまま、ドドーーーン!と花組を引っ張っていってください

花組新トップコンビお披露目はオリンピックネタ!?


華優希さんとの新トップコンビお披露目は稲葉太地先生の『DANCE OLYMPIA -Welcome to 2020-』。
宝塚歌劇団│2020年 公演ラインアップ【東京国際フォーラム公演】<2020年1月・花組『DANCE OLYMPIA』>

一幕は「ギリシア神話の英雄が現代にタイムスリップして巻き起こす悲喜こもごもを描いたストーリー仕立てのショー」ですって!
なにそれ!?面白そう~~!!

2020年の「OLYMPIA」とくれば…オリンピック絡みなのかな?
オリンピックに縁のある英雄といったら、アキレス?ヘラクレス?

ギリシャ彫刻顔負けの美貌を誇るれいちゃんにピッタリ!
トーガをまとったれいちゃんの姿が目に浮かびますね~~

「ギリシア神話の英雄が現代にタイムスリップ」って『テルマエ・ロマエ』が浮かびますね。
どんなショーになるのか、期待が高まります!

二幕は「世界の多彩なパフォーマンスが繰り広げられるエンターテインメントショー」「フレッシュでパワフルなダンスの祭典」!
わくわくする~~!!

ショルダータイトルの「Grand Festival」からしてお祭り騒ぎ感が漂います。
若いトップさんのお披露目にふさわしい元気いっぱいの二本立てになりそう!

2020年、柚香“光”率いる新生花組の幕開けが、まばゆい“光”に満ちたものでありますように

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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