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礼真琴の捲殘雲、ここが好き!│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

まもなく『眩耀の谷/Ray』開幕。
公式サイトに公演特別メニューの案内が出ると、いよいよ…という気になります。
毎回楽しみなフェリエの公演ランチ、今回はめいっぱい中華風に寄せてきてますね。
ポークソテーの黒酢ソースが美味しそう!

初日が明けたら眩耀一色になりますので、今のうちにUPしそれびれてた『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の記事を上げておきます。
いまさら?って感じですが、タイミングを見計らってたら、あっという間にお披露目が来ちゃった 笑
ヅカ時間が流れるのは速い!

礼真琴の捲殘雲、ここが好き!


一番は可愛いところ。
男役さんの褒め言葉に「可愛い」はどうかな?と思いますが、今回は最大の賛辞になるでしょう。
琴ちゃんの愛嬌がフルに活かされた役ですね。

青く、身の程知らずな小僧っ子が、人生の苦さを知り、一人前の男として成長していくのが、この物語のキモ。
であれば、始まりは未熟で可愛らしいくらいが正解。

桂花園のシーンで、姿を見せずに次々と玄鬼宗を片付けていく狩雲霄に対しての言葉。
「あーあ、始まったよ」
「目立つことは嫌がるくせに、いつも美味しいところを持っていくんだから」

“やれやれ、まただよ”と言いたげな口ぶり。
師の腕前への絶大な信頼。

“俺の兄貴、凄いでしょ?”
部外者の殤不患(七海ひろき)にさりげなくアピールしつつ、自分を売り込むことも忘れません。
“そんな英雄を師と仰ぐ俺もカッコいいでしょ?強いんだよ?”

「虎の威を借る狐」と言っては気の毒ですね。
彼は心底、師を尊敬し、誇らしく思っているのでしょう。

紅あーもいいけど、琴あーもいい!


ロマンスの少ないストーリーに、甘さと笑いを添えるのも彼の役目。
ヒロイン丹翡(綺咲愛里)との出会いのシーン。

ベタなピンクライト、漫画チックなスローモーション。
「なんて可愛い子なんだ…まるで女神様じゃないか」
「この方の頭…とうもろこしみたい」
初々しく、爽やかな恋の始まり。

紅あーもいいけど、琴あーもいい!と再確認するシーンです。
見かねた殤不患の「芝居が長いんだよ」に、毎回温かな笑いが起こっていましたね。

ここの琴ちゃんのコケっぷりが凄い!
狩雲霄に目をやられたときの吹っ飛び方も凄かった!
コロコロとゴムまりのように弾む体。

琴ちゃんの柔軟性、身体能力の高さ、運動神経の良さがいかんなく発揮された役ですね。
武器の扱いもパーフェクト!
「槍の寒赫」を名乗るだけの説得力は十分でした。

くるくる変わる表情、ぴょんぴょん跳ね回り、ちょこまか動き回る捲殘雲。
どっしり構えた狩雲霄との対比も面白いですね。

凜雪鴉(紅ゆずる)から魔脊山攻略の説明を受けるときも、ひとときもじっとしていません。
背伸びしたり、座り込んだり…
ひとつめの関門を突破するのに狩雲霄の腕が必要だと知り、師を肘でつつく仕草も可愛い。

丹翡に見惚れる捲殘雲の背中を、狩雲霄が「さっさと歩け」と言いたげに軽く小突くような仕草が、とても好きでした。
師弟の関係性が垣間見えるようで。
だから尚更、最後の場面が心にしみるのですが…

師から弟に引き継がれた志


ラストシーンで妻の兄(丹衡)の剣を受け継ぐ捲殘雲。
原作には無いエピソードですが、素敵なアレンジです。

そしてもうひとつ、亡き人から受け継いだもの。
師と同じ、右目の眼帯。
ふたりの因縁、師から弟に引き継がれた志を物語るもの。

さらば、少年の日々―捲殘雲(礼真琴)と狩雲霄(輝咲玲央)│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀
英雄の夢は永遠に―捲殘雲(礼真琴)と狩雲霄(輝咲玲央)│Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

可愛い少年から、カッコいい青年へ。
『宝塚版サンファン』の大きな軸「捲殘雲の成長物語」がしっかり描かれ、物語の完成度の高さに貢献しました。

捲殘雲から一年ちょっと。
あれから、フロリアン、ジュリアン、ロンロン、ヴォルフガング…
さまざまな役を通じ、一回りも二回りも大きく、深く成長した琴ちゃん。
丹礼真でまた新しい礼真琴を見せてくれるだろうと、わくわくが止まりません!

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“山岸尚美”として生きた朝月希和+キャスト別感想(高翔みず希/帆純まひろ/珀斗星来/青騎司)│マスカレード・ホテル

宝塚版『マスカレード・ホテル』の話をしていて「瀬戸かずやの新田浩介」と言おうとして「新田かずや」と言ってしまった私。
違和感なさすぎて、しばらく間違いに気づきませんでした。
「新田あきら」もしっくりきますね。

『マスカレード・ホテル』原作が半分ほど読み進みました。
お芝居では端折られた部分も細かく描写され、ますます面白いですね。

あの人物にはこんな背景があったのか。
あのエピソードはこんなに掘り下げられていたのか。
舞台の記憶と重ね合わせ、二倍にも三倍にも楽しんでいます。

“山岸尚美”として生きた朝月希和


朝月希和さん演じる、ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク、山岸尚美。
潜入捜査のためホテルに送り込まれた警視庁捜査一課の刑事、新田浩介(瀬戸かずや)とバディを組むうち、次第に彼と心を通わせていく役どころ。

仕事に誇りを持ち、常にお客様へ最上のサービスを提供しようと努める彼女。
たとえ、それが理不尽な要求であったとしても…

「お客様がルール」と主張する彼女に反発を覚える新田。
しかし、山岸の仕事ぶりを間近に見るうち、徐々にホテリエという仕事への理解を深めていく新田。

彼女のモチベーションはどこから湧いてくるのか?
山岸の言葉で強く印象に残ったのがこちら。
「受験のとき、ここに泊まり、ホテリエを志した」

いい台詞だな、と思いました。
脚本ではたった一行かもしれません。
しかし、この台詞には山岸尚美のすべてが詰まっているのです。

大学受験を控えた彼女がコルテシア東京に宿泊し、プレシャスな体験を得た。
ここで働きたいと憧れ、夢を叶えて、いまここに居る。
ひとことで彼女の人生が浮かび上がる言葉。

ひらめちゃん(朝月)が山岸尚美として生き、心からの言葉で語ったからこそ、私の心に彼女の想いが届いたのです。

原作では過去のエピソードが詳細に描かれ、ひらめちゃんのお芝居とオーバーラップして目頭が熱くなりました。
宝塚版には無い、藤木総支配人(汝鳥伶)との交流も味わい深いものがあります。

キャスト別感想(高翔みず希/帆純まひろ/珀斗星来/青騎司)


アリバイやトリックに関する複雑な説明も、小説ならすぐに読み返せますが、舞台はそういきません。
脳みそをフル回転させ、言葉を取り込んでは咀嚼し、理解しないと置いていかれます。
膨大な説明台詞もするする伝わり、迷子にならずにすんだのは花組の皆さんと汝鳥伶さんのおかげ。

いつもの宝塚観劇とはちょっと違う、心地よい疲労感と満足感を味あわせてくださったキャスト。
特に印象に残った方を中心に。

・栗原健治(高翔みず希)
そこらへんを歩いてるおじさんが舞台に紛れ込んだのかと思っちゃいました。
というくらい「あー、いるいる、こういう人」感あふれる、さおたさん(高翔)。
人生につまづきっぱなしの男の悲哀、やりきれなさを感じさせて秀逸でした。
ほろ苦さの奥にかすかなぬくもりが残る後味が、物語にさらなる奥行きを与えました。
いい役者さんです。

・杉下キャプテン(帆純まひろ)
ベルスタッフの責任者、杉下に扮したホッティー(帆純)。
姿の良さ、佇まいの美しさが際立ちました。
ゲストに「サービスを受けた」と感じさせない、さりげなく、流れるようなエスコート。
コルテシア東京を満たす空気のように自然でした。

フィナーレの男役群舞では一転、ギラついた男の色香を振りまいて美しかったです。

・龍崎(珀斗星来)
「(月組の白雪)さち花さんがいる!?」って思っちゃいました。 笑
谷正純さんの茶目っ気でしょうか?
宝塚ファンには嬉しいサプライズでした!

この学年にして「女装の男」に見えるのは凄いですね。
『蘭陵王』の頃から、どっしり安定したお芝居に注目しています。
どこにいてもパッと目を引く華があるのが何より。

・吉永(青騎司)
花組観劇のお楽しみ、青騎司くん。
相変わらず男前でした。
男役群舞はひときわ鋭い眼光で目立ちます。
私の周りでもファン急増中の青騎くん、これからますます楽しみです。

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愛すべき男、能勢金治郎(飛龍つかさ)―二次元(小説)を三次元(演劇)化する面白さ│マスカレード・ホテル
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愛すべき男、能勢金治郎(飛龍つかさ)―二次元(小説)を三次元(演劇)化する面白さ│マスカレード・ホテル

まだ心が「ホテル・コルテシア東京」にステイしたままな私。
いい作品でしたね。
ひとことで言うなら、上質な舞台。
東野圭吾ファンの友人にも観てもらいたい!と思う作品でした。

まるで当て書き?原作『マスカレード・ホテル』


ミステリの舞台化って結構難しいと思うんですけど(アリバイだのトリックだの説明台詞が多くなりがちだし)、上手くまとめてあり、なおかつ宝塚らしい華やかさもあって…

想像以上の出来栄えでした!

もっと深く知りたくなって、帰り道に本屋さんへ。
瀬戸かずやさんの表紙は残り一冊でした。
危なかった~~

東野作品を読むのは何年ぶりでしょう?
前職の上司が東野ファンでよくお借りしていたのですが、転職して以来すっかり遠ざかっていました。
餞別に戴いた『容疑者Xの献身』が最後かな?

懐かしい思い出に浸りながら、ひもといた『マスカレード・ホテル』。
ページをめくった瞬間、日本青年館の空気が甦ります。

冴月瑠那さん演じる久我は「整った顔」。
和海しょうさんの稲垣は「低いが、よく響く声」。
細かい描写のひとつひとつが当て書きのよう。

エピソードの取捨選択が巧みで、ベテラン谷正純先生の手練れを感じます。
原作そのままの台詞も多く、あきらさん(瀬戸)やひらめちゃん(朝月希和)のお芝居で再生されるのが楽しいですね。

愛すべき男、能勢金治郎(飛龍つかさ)


意外だったのが能勢金治郎(飛龍つかさ)。
あの人物が、ああ変わるのか!という新鮮な驚き。
飛龍くんの個性に合わせたアレンジがいいですね。

話している内容はほぼ同じなのに、台詞の緩急、それに伴うアクションでまったく別人に生まれ変わる。
二次元(小説)が三次元(演劇)化される面白さを感じました。

飛龍くんの暑苦可愛さ!

あの憎めなさは異常です。
暑苦しい…うるさい…邪魔くさい…
なのに、愛おしくってたまらなくなる。
ブンブンしっぽを振るワンコみたいな品川署の刑事が登場するたびに沸く客席。

絶妙なタイミングでの「もう来てます!!!」には大爆笑。
しばしショーストップするほどでした。

彼もまた、山岸尚美(朝月)同様、新田浩介(瀬戸)のバディなのですね。
こちらは正真正銘の相棒ながら、新田からは疎まれがち。
しかし、持ち前のへこたれなさと仕事に対する真摯さで、わだかまりを乗り越え、新田との間に確かなパートナーシップを結ぶのです。

パッカーーーン!と屈託のない笑顔。
独特のファッションセンス。
立て板に水のごとく繰り出される早台詞。

ただでさえ説明台詞が多い『マスカレード・ホテル』。
他キャストよりも更に早口でまくしたてるような剣幕ながら、言葉ひとつひとつが正確に伝わるのはさすが。

ラストのちゃっかりぶりには大笑いしました!
「お義兄さん」の破壊力!

歌上手な飛龍くん、本編では歌が聴けなくて残念…と思ったら、フィナーレの歌手で存分に美声を響かせてくれました。
お芝居の三枚目ぶりから一転、キリッと華やかな花男への変身も鮮やか。
歌えて踊れて、お芝居も◎
いい男役さんですね。
これからますます注目していきたいと思います!

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最高のバディ!男役・瀬戸かずや×娘役・朝月希和コンビに拍手喝采!│マスカレード・ホテル
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最高のバディ!男役・瀬戸かずや×娘役・朝月希和コンビに拍手喝采!│マスカレード・ホテル

『マスカレード・ホテル』千穐楽おめでとうございました!
ミステリとして面白く、宝塚として美しい。
期待を遥かに上回る素晴らしい作品でした。

ミステリとして面白く、宝塚として美しい


幕開き、瀬戸かずやさんが現れた瞬間「ポスターの人だー!」って興奮しちゃいました。
何十年宝塚観てるのよ、って感じですが 笑
毎回新鮮な感動があるんですよね。
本当にカッコよかったです、あきらさん(瀬戸)。

この作品の良さって、アリバイ崩しやトリック破りなどミステリを読み解く面白さとは別に、「宝塚を観る」満足感を存分に味わえるところにありますね。

シックなアール・デコスタイルの装置、華やかな衣装、登場人物の心を伝える音楽。
目に楽しく、耳に心地よく、するするっとミステリの世界に入り込むことができました。

なかでも一幕最後の“仮面舞踏会”は「宝塚ならでは」の綺羅びやかさ。
ホテルはさながら仮面舞踏会。
素顔を仮面に隠し、束の間の非日常を夢見る人々が集う“マスカレード・ホテル”。

犯人はどこだ?目的はなんだ?標的は誰だ?
仮面の群れに翻弄され、謎の迷宮をさまよう刑事・新田浩介(瀬戸)。
彼の心象風景と幻想の舞踏会をオーバラップさせる演出が見事でした。

最高のバディ!男役・瀬戸かずや×娘役・朝月希和コンビに拍手喝采!


最大の満足は「人間がきちんと描かれている」こと。

反発しあっていた新田と山岸(朝月希和)が、互いに助け合い、認め合い、成長してゆく。
刑事として、ホテリエとして。
そして、ひとりの人間として。

新田と山岸はあくまで対等。
宝塚では描かれることの少ない「男役と娘役のバディもの」が新鮮です。

立場も性格も違うふたり。
唯一の共通点は、自らの仕事への誇り

刑事として、ホテリエとして。
ふたりがぶつかり合うのも、互いの本分を全うしようとする真摯な思いゆえ。

相手に自分と同じ矜持を嗅ぎ取ったからこそ、ふたりは惹かれ合ったのでしょう。

新田がさりげなく放つ「あなたが言うなら間違いない」という台詞がとても好きです。
“私はあなたの仕事を信じます”
深い信頼がこもる言葉。
仕事を持つ人間として、これほどの喜びはありません。

ちょっと斜に構えた、しかし、心根は熱い刑事をサラリと自然に息づかせた瀬戸かずや。
生真面目な優等生の殻の奥に、熱い理想を燃やすホテリエに命を吹き込んだ朝月希和。

共に男役・娘役キャリア十分のふたりがタッグを組む。
信頼と尊敬に裏打ちされた新しいバディもの誕生に拍手喝采!
ラストシーンは宝塚らしい甘さにときめきました。

あきらさん、ひらめちゃん(朝月)、花組の皆さま、谷正純先生、素晴らしい舞台をありがとうございました!
大満足です!

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ここが好きだよ!エルハポン―大野拓史、ロマンの結実│El Japón

すっかり『El Japón -イスパニアのサムライ-』がお気に入りの私。
わーっと話が広がって、ガーッと(半ば強引に?)めでたし!めでたし!
誰も泣かず傷つかず、恋の花もひとつふたつ咲き…

肩肘張らずに観られる娯楽作品はいいですね!
きらびやかなショー『アクアヴィーテ!!』とのコンビネーションも◎
(酒場のシーンで「生命の水」って台詞もありましたね)
(一幕と二幕をつなぐ遊び心、好きです)
(『BADDY』の「月が綺麗なんてとんでもない」とか)

「楽しかったね」と言い合いながら劇場を後にできる。
お正月から、そんな作品に出会えて嬉しいです。

お芝居と旅する心


お芝居を観る楽しみって何でしょう?
私にとっては、旅に出たり、本を読んだりするのと一緒。
お芝居を通して、新しい世界を知り、新しい自分に出会うことなのです。

大野拓史先生は、学校で習う歴史を、別な側面から描いてくださるから好き。
慶長遣欧使節や伊達政宗、支倉常長…
「知識」として知っていた彼ら。

しかし、蒲田治道という人物を主人公に据えることにより、物語はグンと自由度を増し、活き活きと血の通った「芝居」として生まれ変わるのです。

恥ずかしながら、この作品で初めて蒲田治道の存在を知った私。
大野先生のインタビューにありますが、和賀の反乱で亡くなったとされる治道。
しかし、前後の状況から「生き延びていた可能性を創りだす余地がある」と考えられたそう。

宝塚歌劇団│宝塚ミュージカル・ロマン 『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』の見どころ<前編>

スペイン南部の町コリア・デル・リオに「サムライの末裔」を自認する「ハポン(日本)」姓の人々がいる。
なぜ遠い異国の地に日本の侍の伝説が残ったのか…。
[公式サイトより抜粋]

この不思議なエピソードが、作家のイマジネーションを大いに刺激したことは想像に難くありません。
なぜ、ハポン姓を名乗る人々が現れたのか?
もしも、生き残った治道がハポンの祖だったとしたら?

バルトロメ・ハポンって誰?


「バルトロメ・ハポンとして生きろ」
物語の最終章でアレハンドロ(芹香斗亜)が治道に告げます。

蒲田治道→バルトロメ・ハポン。
忘れられない過去を負った治道が同じ境遇にあったカタリナ(星風まどか)と出会い、文字通り「生まれ変わる」。
そう来たかーーー!!!という感じですね。

ところでバルトロメって誰?の疑問にはカタリナが答えます。
「亡くなった夫の名前よ」

ふーん、そうなんだーと、深く考えずにいた私。
帰宅後、なにげなく物語の舞台となったコリア・デル・リオを調べたら、驚きの記述が!
Wikipedia│コリア・デル・リオ

1647年の町の徴兵記録にはバルトロメ・ハポンの名があり、コリア・デル・リオにおけるハポン姓の現れはじめと見られるが、同時に彼は36歳とも書かれている。徴兵記録において年齢のかさ上げは常態化していたとされるが、記録に従えば使節団の日本出発以前に生まれていたことになる。


バルトロメ・ハポンがいた!?

ちなみに、町の教会の洗礼台帳に残る最古のハポン姓の人物の記録は1667年のものだそう。
慶長遣欧使節がコリア・デル・リオを訪れたのは1614年。
日本への帰路についたのは1617年。
計算が合わないですね。

ただし、「1604年から1665年までの洗礼記録は失われており、この間の手掛かりはない」とのこと。
失われた60年に何があったのか?
想像の翼を広げる余地はあります。

たとえば、1647年のバルトロメは“治道バルトロメJr.”だった可能性もある…かも?
(アレクサンドル・デュマやヨハン・シュトラウス的な同名父子だったと仮定)
歴史の空白を巧みに「治道=ハポンの祖」につなげたのが上手いですね!

大野拓史、ロマンの結実


二回目の観劇では「バルトロメ・ハポンとして生きろ」で、遥か昔、遠く離れた異国の地に根づいた慶長遣欧使節の人々の息遣いが身近に感じられ、わぁーっ!と鳥肌が立ちました。

過去と現在、現実と物語が一気に溶け合う感覚。
これぞ物語!
これぞフィクション!

どうやって治道を動かそうか?
アレハンドロやエリアス、ドン・フェルディナンドはどう絡める?
脚本を執筆中の先生の胸の内を想像すると、私までわくわくします。

歴史の空隙を埋め、物語に作り変えるのは夢や憧れ、そして想像力です。
それらを媒体にノンフィクションからフィクションに生まれ変わった「ハポン」の物語。
スペインと日本を結ぶ壮大な大野ロマンが時空を超えて結実したのです。
やっぱり大野先生の作品が好きだなぁとしみじみ感じた『エルハポン』でした。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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