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宝塚ビギナーにお勧めしたい作品―老若男女・観劇スタンス・タイプ別Best3

以前Eテレで放送された『俳優祭』で、歌舞伎役者による宝塚パロディの過去映像が映し出されました。

花道に勢揃いする花形役者たち。
『ベルサイユのばら』や『風と共に去りぬ』の登場人物に交じり、見覚えのある銀髪の御方が。
黄泉の帝王、トート閣下ではありませんか!

賑々しい一団に囲まれ、居心地の悪そうな閣下。
日頃の神秘性も何もあったもんじゃありません。
少々気の毒に思いながらも、妙な可笑しさが込み上げてきました。

2004年に行われた『滑稽俄安宅珍関(おどけにわかあたかのちんせき)』の一部です。
福助のオスカル、弥十郎のバトラー、扇雀のスカーレット。
そして、閣下を演じるのは高麗蔵。
今をときめく、獅童、勘太郎、七之助、松也、新悟は氣志團のパロディをやらされやってます。

いつも真摯に舞台を務めているからこそ、たまのイベントでおおいに弾ける
年に一度のお祭り騒ぎ『タカラヅカスペシャル』と一緒ですね。

↓なかなか強烈です(ページの一番下)。
公益社団法人 日本俳優協会│第三十三回 平成16年4月27日(火) 歌舞伎座

初心者ホイホイとしての『ベルサイユのばら』の威力


『俳優祭』を観て思いましたが、もしかして世間様の宝塚に対するイメージって、いまだに『ベルばら』『風共』なのでしょうか

たしかに「一回、宝塚を観てみたい」と言う方は、たいがい「ベルばらとか」と仰います。
(ベルばらかぁ… ←私の心の声)

『ベルばら』が悪いのではありませんが、もうちょっとこう…
宝塚ってもっとバラエティに富んだ演目をやっているのよ~~と言いたくなりますね。

もっとも私を含め、初宝塚が『ベルばら』という人は多いので、初心者ホイホイとしての『ベルばら』の威力は侮れませんね。
魅惑の男装の麗人、情熱の恋、ドラマティックなフランス革命、きらびやかな輪っかのドレス、夢々しいセット、一度聴いたら忘れられないメロディ…

コッテコテの非現実感は、まさに「ザ☆タカラヅカ!」。
全国ツアー公演で初めて『ベルサイユのばら』を観た友人もすっかりハマりましたので、その影響力は絶大です。

宝塚ビギナーにお勧めしたい作品:老若男女タイプ別Best3


世間様の宝塚に対するイメージをアップデートするべく、草の根活動を繰り広げる私。
『ベルばら』『風共』『エリザベート』以外で、初めての方にお勧めしたい演目を考えてみました。
(宝塚ファンは皆さま同じことをされてますよね?)

とはいえ、膨大な過去作品から選び出すのも至難の業。
観劇に対する相手のスタンスによって、おおまかに4タイプに分けてみました。
※作品名にリンクがあるものは関連記事に飛べます。

A)歌舞伎・文楽・落語などを好む70代男性(実父)
1. 心中・恋の大和路
2. 銀二貫
3. 阿弖流為

B)可愛い・綺麗・ロマンティックが大好きな40代男性(友人)
1. うたかたの恋
2. TOP HAT
3. BEAUTIFUL GARDEN―百花繚乱―

C)ディープな演劇マニアだけど宝塚未体験の40代女性(友人)
1. 蘭陵王
2. 不滅の棘
3. 20世紀号に乗って

D)観劇デビューの10代前半女子(友人の娘)
1. All for One
2. 月雲の皇子
3. ANOTHER WORLD

大切な方に紹介する宝塚、どんな作品を選びますか?


Aは歌舞伎や文楽でもおなじみのテーマで取っつきやすく。
Bは宝塚が醸す「美と愛と夢」の世界を満喫できるように。
Cは芝居らしい芝居と、宝塚の技術の高さを堪能できる作品を。
Dは単純に楽しめるエンタメと、演劇の力をダイレクトに味わえる物語を。

身近な人に当てはめながら考えると、より具体的に演目が浮かんで楽しいですね。
大切な方にご紹介する宝塚、皆さまならどんな作品を選ばれますか?

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2018年は傑作揃いの当たり年!宝塚歌劇「私の好きな作品」TOP3!

年の瀬が近づき、年内の観劇予定もあとわずか。
少し早いですが、今年の総括に入ります。
題して、宝塚歌劇「私の好きな作品」TOP3

2018年は大当たりの年。
私好みの作品が多く、嬉しかったですね。
とりわけ心に残ったタイトルを3本選びました。

今年観たのは以下の25作品(芝居:16作/ショー:9作)。
本公演は全組・全作品観劇済み。
その他公演は演目によりけり。

<宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演>
ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~/SUPER VOYAGER!(雪組)
ポーの一族(花組)
カンパニー ―努力、情熱、そして仲間たち/BADDY―悪党は月からやって来る―(月組)
天は赤い河のほとり/シトラスの風―Sunrise―(宙組)
ANOTHER WORLD/Killer Rouge(星組)
凱旋門/Gato Bonito!!(雪組)
MESSIAH―異聞・天草四郎―/BEAUTIFUL GARDEN―百花繚乱―(花組)
エリザベート―愛と死の輪舞―(月組)
白鷺の城/異人たちのルネサンス(宙組)

<その他劇場公演>
WEST SIDE STORY(宙組)
不滅の棘(宙組)
ドクトル・ジバゴ(専科/星組)
あかねさす紫の花/Santé!!(花組)
雨に唄えば(月組)
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀/Killer Rouge 星秀☆煌紅(星組)
蘭陵王―美しすぎる武将―(専科/花組)

* * *

2018年「私の好きな作品」TOP3は…
不滅の棘
ANOTHER WORLD
蘭陵王

木村信司先生、二冠獲得!(不滅の棘と蘭陵王により)

「TOP3」と書きましたが、いずれ劣らぬ秀作揃い。
順位をつけるのは、寿司とカレーとハンバーグ、どれが一番美味しいかを語るようなもの。
あえて絞る必要もありませんので、上演順に並べました。

不滅の棘(宙組)
望まずして不死となったエロール(愛月ひかる)。
生き長らえることに倦み疲れた彼が、かつて愛した者たちゆかりの人々と交わるうちに得たものとは?

無駄を削ぎ落とした白一色の世界。
相対的に際立つ鮮やかな生命の色。
儚く、どこか滑稽で、もの悲しい物語。
ラストシーンの透きとおるような美しさは忘れられません。

・関連記事↓
“永遠の命”がもたらすものとは?ふたつの不死の物語“ポーの一族VS不滅の棘”│不滅の棘感想
見よ!愛月ひかるの圧倒的「主役力」│不滅の棘

ANOTHER WORLD(星組)
舞台は「あの世」、主役は「死人」。
恋煩いが原因で「あの世」へやってきた康次郎(紅ゆずる)が繰り広げる、抱腹絶倒の純愛冒険譚。

死後の世界を描きながら、逆説的に浮かび上がるのは「命の尊さ」と「生の喜び」。
不完全でちっぽけな人間は、互いに思いやり、助け合わなければ生きてゆけない。
当たり前だけど忘れがちなメッセージが心に染みます。

・関連記事↓
限りなき愛の賛歌、谷正純先生の大傑作誕生!│ANOTHER WORLD
「人生は美しい」稀代のつっころばし、紅ゆずるが紡ぐ優しい世界│ANOTHER WORLD
『ANOTHER WORLD』は面白いか?面白くないか?-ハイコンテクスト化した「笑い」の是非

蘭陵王―美しすぎる武将―(専科/花組)
あまりの美しさゆえ、仮面をつけて戦地へ赴いたとされる蘭陵王(凪七瑠海)。
雅楽や京劇でおなじみの題材を、宝塚流に再構築した演目。

重いテーマを抱えつつ、エンターテイメントとしても絶品。
単なる歴史物語の焼き直しに留めず、現代にも通じる問題を織り交ぜ、2018年の「今」、この作品を上演する意味をはっきりと示したのは見事。

・関連記事↓
迷作?珍作?奇作?怪作?その正体は…「大傑作」キターーー!│蘭陵王
「生きること」「愛すること」人間の根源的欲求を描く『蘭陵王』―凪七瑠海と音くり寿のハマり役
「飛べない孔雀」―高緯(瀬戸かずや)と逍遥君(帆純まひろ)│蘭陵王

* * *

3作品に共通するテーマは「生と愛の讃歌」。

喜びも怒りも哀しみも楽しみも、生きてこそ。
限りある命を燃やし、懸命に生きよ、愛せよ。

なんのてらいもなく描かれる普遍のメッセージ。
谷先生と木村先生が紡ぐ、真っ直ぐで力強い言葉に心打たれました。

そして、絶対的な当て書き感。
愛月ひかるの圧倒的スター性、紅ゆずるの真摯なぬくもり、凪七瑠海の強靭な気高さ。
各人の長所を最大限に引き出し、活かしたことが成功の要因でしょう。

生徒さん、スタッフの皆さま、素晴らしい作品で楽しませていただき、誠にありがとうございました。
新しい年も、今年をさらに上回る傑作を期待しております!

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『ANOTHER WORLD』は面白いか?面白くないか?-ハイコンテクスト化した「笑い」の是非

『ANOTHER WORLD』は面白いか?面白くないか?

初見の第一印象は「好みが真っ二つに分かれそう」でした。
好きな人はどっぷりハマるし、苦手な人は全く受け付けないだろうな、と。

私は過去最大級に気に入ってハードリピートしたクチですが、逆にマイナス評価を下される理由を考えてみました。

1.ストーリーがぶっ飛んでる
2.男役らしいカッコよさがない
3.さほど笑えない

1、2に関しては、甘く切ないロマンス、宝塚らしい夢々しさを求める方には不向きですね。

3の「笑えない」は、私が最も引っかかった部分です。
宝塚に馴染みのない方には通じるのか?
観客の知識への依存度が極めて高い演目なのではないか、と感じたのです。

宝塚歌劇に関するネタはざっと思いつくだけでも、ベルサイユのはす/植田紳爾/小林一三/阪急列車/阪急デパート/マルーンカラー/冥途歌劇団/宝塚我が心の故郷/赤いけしの花/貧乏神の貧ちゃん etc.

宝塚以外の芸能や一般常識に関するものとして、三途の川の渡し賃/真田六文銭/死装束の作法/明治大学/メイドカフェ/金色夜叉 etc.
人形浄瑠璃の手法や、歌舞伎調の台詞回し、映画『極道の妻たち』のパロディもありました。

一番のツボは「馬の脚まで團十郎」の「團十郎尽くしの忠臣蔵」。
5年前に亡くなった12代目までしっかりネタにされ、懐かしくも嬉しく思いました。

問題は「笑い」だけではありません。
そのモチーフについての知識の有無で、ストーリーの理解度に大きな差が出ることは否定できません。
『ANOTHER WORLD』はそれが顕著でした。

知らないと楽しめない。
知らないと置いてけぼり。

知識の多寡により、見える景色が違ってくれば、観客の間に不平等が生じます。
『ANOTHER WORLD』は「内輪受けと表裏一体」の危険をはらむ作品でもあるのです。

* * *

たとえば、「来年のことを言うと鬼が笑う」。

なぜ?どうして鬼が笑うの?
「来年」という言葉に反応して笑い転げる鬼の姿がどうして可笑しいの?

『天下分け目の大いくさ』のシーンで、私たちはこんなことを考えもせず条件反射で笑いましたね?
なぜでしょう?
「来年のことを言うと鬼が笑う」という諺が共通認識としてあるからです。

ロシア語通訳者の米原万里さんが書いた「文化の違いを飛び越え、世界中の人々を笑わせる一コマ漫画」についての一文をお読みください。

異なる文化圏の人々に笑いを通訳するほど難しいことはない。
駄洒落は論外としても、言葉から立ち上るイメージや連想は、文化によってかなり食い違うからだ。(略)
多くの笑いは、常識で凝り固まった脳味噌が、思いも寄らなかった新たな視点によってショックを受け、揉みほぐされる快感から生ずるものが多いのだが、この常識からして国によって異なる。
それに、笑いは、実にデリケートな代物だ。
「絞首刑になった者がいる家で縄の話をするな」
というように、同じテーマに立場によって笑える者と怒る者と悲しむ者がいる。
人種差別的なジョークなど、その最たる例だろう。
[米原万里著/ガセネッタ&シモネッタ/文春文庫より抜粋]


「来年のことを言うと鬼が笑う」
言葉通りに訳しても、元の諺を知らなければ笑いにはつながらないでしょう。
つまり、『ANOTHER WORLD』の「笑い」は共通する文化を前提とした「笑い」なのです。
少なくとも、グローバルな「笑い」ではありません。

* * *

「コンテクスト(context)」という言葉があります。
「文脈/背景」といった意味合いですが、ここではコミュニケーションの土台となる共通の「知識/体験/価値観」と定義します。

一般に、ハイコンテクストは「言葉<文脈・背景」、ローコンテクストは「言葉>文脈・背景」とされます。

ハイコンテクスト文化はコンテクスト共有率が高く、言葉に出さずとも“なんとなく”通じてしまう環境といえます。
日本社会はこの傾向が強いですね。
腹芸、忖度、察する、空気を読む、目と目で通じ合う、ツーカー、以心伝心、阿吽の呼吸…
「これぞハイコンテクスト」な言い回しの多いこと。

一方、ローコンテクスト文化は逆。
絶対的な「言葉」が優位に立ちます。

同じ文化を共有していることが前提の『ANOTHER WORLD』は、受け手の能力に依存するハイコンテクストな芝居といって良いでしょう。
もちろん諸々の知識がなくても大枠のテーマは掴め、それなりに楽しめる演目ではあります。
しかし、「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれるよ」で反射的に笑うには、相応の「知識/体験/価値観」が必要です。

「『ANOTHER WORLD』は面白いか?面白くないか?」の問いに対する答えは「面白い!」一択です。

とはいえ、狭く閉じた世界でのみ通用する作品ではないのか、との思いはあります。
否、本作品に関してはそれこそが面白さの源であると言えるでしょう。
ハイコンテクスト/ローコンテクストは、どちらがより優れているという性質のものではないのですから。

日本でもグローバル化の進行に伴い、社会がローコンテクスト化していくことは否定できません。
受け手である観客依存度の高い演劇作品は、今後淘汰されていく可能性もあります。
しかしながら、文化・芸術の分野において多様性の排除もしくは平均化は害悪でしかありません。

過剰な依存に傾けばガラパゴス化しますが、独自の味わいを守ることは必須。
両者がうまく釣り合うポイントを探っていくことが重要になるでしょう。
伝統に則った芸、観客の裾野を広げ得る新しい芸。
大勢の座付き作者がしのぎを削り、幅広い作品を生み出し続けてきた宝塚であれば、それは難しいことではありません。

さきほどの米原さんの文章は、「それでも人類には相違点より共通点が多いはずだ」「そういう楽観的な確信が根幹にあってこそ、世界中の人を同時に笑わせる一コマ漫画の傑作は生まれるのだろう」と結んでいます。

共通する文化がなくとも、等しく心を動かされる舞台。
ヒントはやはり『ANOTHER WORLD』にあるのです。
うっとりするようなロマンスこそありませんが、しかし、こけつまろびつ一所懸命に生きる康次郎(紅ゆずる)らの姿に胸を熱くしたのは私だけではないはずです。

人と触れ合い、愛を交わし、友情を育む。
これは誰しもが理解し、共感し得る心の動きでしょう。
物語の骨子が揺るがなければ、感動が薄れることはないというのも『ANOTHER WORLD』から得た真実です。

結論として、ハイコンテクストな芝居は受け手の能力に依存する面もあるが、マッチすれば濃密に面白い。
よって、『ANOTHER WORLD』は面白い!

* * *

ところで、「宝塚をご存じない方でも楽しめるのかしら?」という心配は杞憂に終わりました。

ある貸切公演にいらした、宝塚デビュー風のおじさま二人連れ。
始めのうちこそ戸惑ってらっしゃいましたが徐々にほぐれ…
三途の川を渡る徳三郎(礼真琴)らのナンバー『ありがたや、なんまいだ』では、「マツケン…」「マツケンサンバ…」の囁きが。
大団円ではノリノリで手拍子を打つほどに。
心底喜んでらっしゃる様子が間近に感じられ、嬉しく思いました。

枝葉にこだわらずとも、物語の底に流れるテーマが的確に打ち出されてさえいれば、芝居は楽しめる。
それを強く感じた『ANOTHER WORLD』でした。

○ANOTHER WORLD関連記事はこちら↓
「縁起悪い」「不謹慎」を逆手に取って笑い飛ばす!ハッピーな落語ミュージカル│ANOTHER WORLD
今年のヅカ流行語大賞は「ブチ生かす」に決定!│ANOTHER WORLD個別感想男役編(汝鳥/華形/如月/漣/瀬央/紫藤)
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生きている喜び、鮮やかに命の証を舞い踊れ│Killer Rouge個別感想
星男はチョンマゲの下に凄いものを隠してる―『Killer Rouge』の「色」について
私は「あの世」に恋してる│ANOTHER WORLD
いい仕事してますねぇ!鉄壁の二番手、礼真琴について│ANOTHER WORLD
身は離れても絆は消えぬ―幸せな時間をありがとうございました!│ANOTHER WORLD
「人生は美しい」稀代のつっころばし、紅ゆずるが紡ぐ優しい世界│ANOTHER WORLD
“星組のブラックホール”輝咲玲央に吸い込まれる│Killer Rouge
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あの茶 和~るど―ありがたや うんまいだ―【ANOTHER WORLD公演デザートレビュー】
限りなき愛の賛歌、谷正純先生の大傑作誕生!│ANOTHER WORLD

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「縁起悪い」「不謹慎」を逆手に取って笑い飛ばす!ハッピーな落語ミュージカル│ANOTHER WORLD

すべての「縁起悪い」「不謹慎」を逆手に取って笑い飛ばし、人と人のつながりの温かさを描いた『ANOTHER WORLD』。
脚本・演出の良さもさることながら、衣装も装置も「あの世」の世界観にぴったり。

音楽も良いですね。
正統な美しさのなかに無常観漂う『春、名残の桜』。
トップさんがわくわくうきうきしちゃう『ANOTHER WORLD』。
始めこそ驚いたものの、すぐにお気に入りとなった『ありがたや、なんまいだ』。
とても耳馴染みがよく、つい口ずさみたくなる名曲(珍曲)揃い。

『あの世に咲いた恋の花』の「動かぬ心臓 ときめいて」の不意打ちには笑いました。
ベニーさん(紅ゆずる)が「嗚呼 恋の哀しみ十万億土」と歌いつつ最前列のお客様にググーッと迫っていくのも好き。

さすがに何度も観ていると「次はこう来る」と分かっているのですが、それでもやはり同じところで笑ってします。
あの世歌劇団のスター(美稀千種)が歌いながら腰をぐいっと落とすところはいつ観ても可笑しいですね。
背負い羽根が鯨幕を模しているのも、隅々まで神経が行き届いて素晴らしい。

お芝居とショーで2回もラインダンスを観られるのも嬉しいですね。
『宝塚我が心の故郷』に乗せた阪急電車のロケット。
これはもしかして『モン・パリ』の「汽車のラインダンス」のオマージュでしょうか?
お衣装のマルーン色は特注、車輪モチーフのレース飾り。
細かいところまで、谷先生の思い入れを感じます。

* * *

まだまだ私が見逃している仕掛けが沢山あると思います。
そんなところが何度観ても飽きない秘密でしょうか。

普段は「1回観れば満足」という連れ合いもすっかり気に入ったらしく、珍しくリピートしていました。
なんと人生初のダブル観劇まで。
恐るべし!ANOTHER WORLD!

おかげで私の観劇回数についてあれこれ言わなくなったので助かります。
それまでは「落語何回観たの?これから何回観るの?」とうるさかったのが、自分がリピートし始めてからはピタッと静かに…
「観るたびに新しい発見があって面白い」と複数観劇の楽しさに目覚めたようです。

この中毒性の高さ。
実はオープニングの天上界のシーンにサブリミナルが仕込まれてるんじゃないかと本気で疑ってます。
妖しく揺らめく五色の彩雲、宙に浮かぶ蓮華。
この世のものとも思えぬ透き通った天女の歌声に意識がふわふわ…トランス状態に陥りそう…
「もっと観たくなる~もっと観たくなる~」という暗示が聞こえてきそうでした。

トランス状態といえば、白妙なつさんの天女
極楽行きの亡者を誘導する歌声が美しすぎて…
〽スカーヴァティ スカーヴァティ 極楽浄土ーーー〽で本当に昇天しそうになります。
ほわぁっとα波が出て、脳みそがリラックスするんですよね。
眠るときに聴いたら快眠間違いなし。
「よう寝させてもろた、極楽、極楽」ってなれそうです。

心の底から楽しめて大満足の『ANOTHER WORLD』ですが、欲を言えば「ありがたや、なんまいだ」は客席参加が良かったなぁ。
劇場いっぱいに鳴り響く手拍子と、「なんまいだぁ」の大合唱。
さぞ盛り上がったことと思います(シュールすぎる光景ですが)。

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今年のヅカ流行語大賞は「ブチ生かす」に決定!│ANOTHER WORLD個別感想男役編(汝鳥/華形/如月/漣/瀬央/紫藤)

前回の娘役編に続き、男役編。

○閻魔大王(汝鳥伶)
さすがの貫禄、さすがの存在感。
地獄絵図に描かれる閻魔大王そのものの姿。
ただ怖いだけでなく、色好みで美食家という人間臭く(?)コミカルな一面も。

下界で於登勢さんにKOされた後、どうなったのか気になります。
まさか本当に誉田屋の丁稚として働いていた?
あの世からちゃんとお迎えが来てくれたか心配です。

○貧乏神(華形ひかる)
芝居巧者の誉れ高いみつるさん(華形)。
その巧さは、すぅーっと身体にしみとおる清水のよう。
観る側の負担にならない、ことさら「巧い」と感じさせない自然な技巧。
同じ谷先生の『銀二貫』でも素晴らしいお芝居をみせてくださいましたが、みつるさんの真価は「人物がそこに息づいている」ことですね。

福の神になる夢を失いかけ、突っ伏して泣く貧ちゃんには毎度もらい泣きしました。
大団円では念願の福の神スタイルで登場する貧ちゃん。
心温まるラストシーンでした。

専科のお二人は来年の宝塚版ベルサイユのばら45周年イベント『ベルサイユのばら45』に出演されるのですね。
構成・演出は谷先生。
『ベルサイユのはす』でないのは残念ですが…楽しみな催しですね。

出演者一覧に日向薫さんのお名前を見つけました。
私が宝塚を見始めた頃の星組トップさん。
今も変わらぬ華やかさで素敵ですね。
『アポロンの迷宮』の軽やかな味わいが大好きでした。

○阿修羅(如月蓮)
ヴィジュアルのインパクトでは一二を争う阿修羅さん。
三面六臂も忠実に再現され、見ているだけでも楽しいですね。
刑罰を言い渡すたび、カニ歩きで袖に引っ込む姿がツボでした。

○右大臣・光明(漣レイラ)/左大臣・善名(紫藤りゅう)
めちゃくちゃチャーミングな二人。
まさに落語の世界の住人そのもの、息の合ったコンビでコミカルな二面性をみせました。
浄玻璃の鏡の前で閻魔大王への本音を語る場面は抱腹絶倒!
「閻魔のバカ野郎ーーー」からの真面目くさった「何か申しましたか?」の落差は絶品ですね。

○赤鬼赤太郎(瀬央ゆりあ)
ちょっと間抜けで、情にもろくて、憎めない赤鬼のせおっち(瀬央)。
康次郎さんのお澄さんへの気持ちを聞くうちに金棒が段々下がっていくのが好き。
アドリブもやりすぎず、爽やか。
「ブチ生かす」は今年のヅカ流行語大賞ですね。

なにより好きなのはお顔!
本当にハンサムな鬼さん!
骨格のしっかりしたお顔立ちに似合う隈取。
生き生きした豊かな表情が際立ちますね。

せおっちの若竹のような伸びやかさ、涼やかなお声が大好きな私。
着々と力をつけ、バウ連続主演という快挙を手にした彼女。
存分にその魅力を開花させ、星組の大きな戦力となられることを期待しております。

* * *

お芝居では過激なメイクでお顔を隠していた男役さんたち。
ショーはその分を取り返すかのようにカッコよく弾けてらっしゃいますね。
心なしかいつにも増してギラギラ!オラオラ!していたような…

主だったキャストがほぼ死者という異色作、しかし、生者よりも生き生きと生(死?)を謳歌する彼らに励まされるお芝居。
きらびやかさに圧倒され、男役群舞に胸を撃ち抜かれ、一所懸命なロケットに涙し、デュエットダンスに酔いしれるショー。
星組の皆さまにブチ生かされる、素敵な夏でした。

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プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
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