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乙女心がピンクに染まる!『エル・アルコン/Ray』ざっくり感想

乙女心をピンクに染めてきましたーーー!!!
星組梅芸公演『エル・アルコン/Ray』最高!!!

お芝居もショーもエネルギッシュ!
組子大活躍で目が足りない!
体感20分!?ってくらいスピード感あふれる充実した二本立て!
大満足!
めちゃめちゃ幸せでした!

乙女心がピンクに染まる!


2月末の大劇場以来、久々の遠征でしたが、やはり西はいいですね。
人も空気も温かく迎えてくれ、訪れるたびにホッとします。
大阪、大好き!

会いたかった方&初めましての方、色んな方に会って、観光を楽しんで、美味しいものを沢山食べて、大・大・大満足の三連休!
楽しかったーー
二泊三日なのに、一週間くらい滞在したような満足感!

なんと言っても、星組さんの舞台が最高!
頭の中がキラキラ!ピカピカ!ピンク色のミラーボールが回ってます☆*。

『エル・アルコン』初めて観ましたが、面白いですね!
原作のエピソードを活かしつつ、宝塚版ならではのアレンジを取り入れ、原作とは一味違う新しい『エル・アルコン』として楽しむことができました。

なにより、キャストがドンピシャ!
これまでのイメージを覆す琴ちゃん(礼真琴)、なこちゃん(舞空瞳)、愛ちゃん(愛月ひかる)のピラミッド。
配役発表のときは琴ちゃんと愛ちゃんが逆では?と思いましたが、いい意味で予想を裏切られました!

黒い琴ちゃん、白い愛ちゃん、強いなこちゃん。
三人の新鮮な顔を見られて満足!
予定調和でなく、ぐんぐん新境地を開拓していく琴×なこ×愛。
すっごくいいです!

彼らを取り巻くキャストもハマり役!
ティリアンの腹心の部下・ニコラスを演じたさんちゃん(咲城けい)や、少年ティリアンのにじょはなちゃん(二條華)。
見事に抜擢に応えました!

海戦シーンはディズニーシーのアトラクションみたいでワクワクしますね!
大砲を撃つたびにズズズーーンっと椅子から振動が伝わって迫力満点!
自分も戦艦に乗ってる気分に浸れました!

よりフレッシュに、よりロマンティックに生まれ変わった『Ray』。
デュエットダンスの「星に願いを」は反則!
琴なこがミッキー&ミニーみたいで、こちらもディズニー感満載!?

心臓が止まるかと思うほど嬉しいサプライズもあり、ピンクに染まった私の乙女心 笑
一日経った今も、ふわっふわ夢心地です☆*。

星組の皆さま、あふれんばかりの愛と幸せを、ありがとうございました!
もっともっと沢山の幸せを振りまきながら、千穐楽まで駆け抜けてください!

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『エル・アルコン』人物相関図できました!―この話って90分に収まるの?(不安)

『エル・アルコン』その他の配役が発表されました。
初演観てない&原作読んでない…なので、誰が誰だか??
ちょこっと情報収集した感想は「ティリアンの父親は何人いるの!?」っていう 笑
別箱の人物相関図は公式に出ませんので、予習がてら作ってみました。

宝塚歌劇団│星組 梅田芸術劇場メインホール公演『エル・アルコン-鷹-』その他の配役決定

エル・アルコン人物相関図


ところがやはり歯が立たない…
自力はあきらめて、ざっくり作ったところで皆さまにヘルプ!
次々に教えてくださる方が現れ、あっという間にすべて埋まりました。

宝塚ファンの方はいつも親切に助けてくださり、感謝!感謝です!
アドバイスくださった皆さま、誠にありがとうございました!
img-20201014_2.png
お気づきの点がありましたら、どしどしご指摘ください。

役が多くて楽しそうな作品ですね。
齋藤吉正先生は大勢の生徒さんに役をつけてくださるので好き。
ファンも嬉しいし、生徒さんも励みになりますよね。

この話って90分に収まるの?(不安)


それにしても情報が多い!
役名と一緒に細かい設定も教えていただきましたが…

これって90分に収まるの??

ティリアン(礼真琴)VSルミナス・レッド(愛月ひかる)の確執だけでもボリューミーなのに、ティリアンは女性関係もかなりお盛ん入り乱れてますよね?
やたら登場人物が多いし、あっちでもこっちでも色恋沙汰だし。

え?これにショーもつくの(嬉しい!)?
90分じゃ無理じゃない?
むしろ一本物じゃない?
原作はかなり長いらしいですが、宝塚版はひょっとしてものすごいダイジェストだったりします?

配役について


ティリアン(礼真琴)の実母イザベラは初演と同じく、万里柚美さん。
専科デビューおめでとうございます!
引き続き、星組の母としてご出演いただけるのが嬉しいです!

イザベラと訳ありらしいジェラード・ペルーは綺城ひか理さん。
ティリアンとも××だそうで楽しみ!
秘密を抱えた色っぽいあかちゃん(綺城)、大好物です!

ルミナス・レッド(愛月ひかる)に協力する海賊、キャプテン・ブラックは天飛華音くん。
愛ちゃんに並び立つ大きな役!
飛躍のチャンスですね、期待してます!
ところで、薔薇をくわえて登場って本当ですか…???
(野口、梅芸に死す)

友だちが「天飛ブラック・愛月レッド」って呼んでたんですけど、戦隊物っぽくて吉正先生感満載ですね 笑
ところで、ルミナスは学校の友だちを海賊に誘ったんですか?
「海賊やろうぜ!」って?
海賊ってそんな気軽になれるものなんでしょうか?

ルミナスの父、グレゴリーは輝咲玲央さん。
ティリアンに陥れられ、ルミナスが復讐を誓う、物語の発端となる人物。

星組内にオレキザキ様の子どもがどんどん増えてますね。
小桜ほのかさん、華形ひかるさん、瀬央ゆりあさん、礼真琴さん。
そして、今回の愛月ひかるさん \NEW/
(一番の驚きは轟悠様の「父」ですけど)
(玲央さんが息子じゃなくて父ってのが 笑)

ティリアンの義父の愛人で、ティリアンともただならぬ関係になるシグリットは音波みのりさん。
悪女はるこさん(音波)待ってました!
最高のキャスティングですね!
楽しみすぎてニヤニヤしちゃいます~~

同じく、ティリアンと関係するペネロープは有沙瞳さん。
とんだカサノヴァですね、ティリアン。
ちらりと知ったところでは、なかなか激しいエピソードがあるようで…
琴×みほで観られるなんてイヒヒですね。

ティリアンの友人でペネロープの婚約者、エドウィンは天華えまさん。
友だちにフィアンセを奪われるぴーちゃん(天華)、想像だけで辛い…

裏ヒロインと噂のニコラスは咲城けいさん。
のびのびしたダンスもさることながら、芝居心もあるさんちゃん(咲城)。
『ロックオペラ モーツァルト』の居眠り侍従は最高でした!
儲け役のニコラス、楽しみです。

大好きな二條華さんは、なんと男役(ティリアンの少年時代)!
娘役さんが演じる少年好き&にじょはなちゃん好きな私得すぎるキャスティング。
吉正先生、ありがとうございます!

相関図を作ったおかげで大体の人間関係がつかめました。
初日まで一ヶ月あまり。
健康に気をつけて、公演を楽しみに待ちましょう!

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Merry Christmas!
皆さま素敵なクリスマスを楽しんでらっしゃることと思います。

いくつになってもクリスマスは心浮き立つ特別な日。
外は寒くても心はぽかぽか、幸せいっぱいに過ごしています。

東京宝塚劇場のお隣、ミッドタウン日比谷の「スターライトツリー」も今夜で見納め。
星の光のツリー☆彡
色は星組カラーの青☆彡
なんてスペシャルなクリスマスツリー☆彡
img-20191130_6.jpg
ツリー内部に広がるスペーシーな空間。
『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』を思い出してワクワクします。
img-20191130_4.jpg

宝塚歌劇団からのクリスマスプレゼント!?


先日、劇団から一足早いクリスマスプレゼントが届きました。
来年初夏の星組全国ツアーと、赤坂ACTシアター/シアター・ドラマシティの演目発表です。

>宝塚歌劇団│星組 2020年 公演ラインアップ【全国ツアー公演】<2020年6月~7月・星組『エル・アルコン-鷹-』『Ray -星の光線-』>
>宝塚歌劇団│2020年 公演ラインアップ【TBS赤坂ACTシアター公演/シアター・ドラマシティ公演】<2020年6月~7月・星組『シラノ・ド・ベルジュラック』>


礼真琴さん主演の『エル・アルコン-鷹-』は2007年に安蘭けいさんが初演。
轟悠さん主演の『シラノ・ド・ベルジュラック』は1995年に麻路さきさんが主演。

いずれも星組の歴代トップスターが演じてこられた作品。
2020年という節目の年に新たなスタートをきった星組にふさわしい演目ですね。

血湧き肉躍る冒険活劇!『エル・アルコン -鷹-』


琴ちゃん、ついこないだ全国を回ってませんでしたっけ?
二年連続全国ツアー主演の大役。
実力申し分なしの琴ひとコンビですから、また大勢の新規ファンを開拓してくださることと思います。

初演はヅカ離れしていた時期と重なり未見ですが、あらすじだけでもワクワク!

2007年、安蘭けいと遠野あすかを中心とした星組で上演された『エル・アルコン-鷹-』は、少女漫画界の重鎮・青池保子氏の代表作である二つの海洋活劇ロマン「エル・アルコン-鷹-」「七つの海七つの空」(秋田書店刊)をもとに構成された作品。イギリス海軍士官の名を捨て、スペインの無敵艦隊を率いて七つの海を制覇する夢を追うティリアン・パーシモンの野望に満ちた生き様を、彼に復讐を誓うイギリス海賊との対決やフランスの女海賊との愛憎を交えて描き上げた壮大な歴史ロマンです。寺嶋民哉氏によるドラマティックな名曲の数々が、ダーティーヒーローの活躍を鮮やかに彩るミュージカル作品の待望の再演に、どうぞご期待ください。[公式サイトより抜粋]


「スペインの無敵艦隊を率いて七つの海を制覇する夢を追うティリアン・パーシモン」
これが琴ちゃんですね!
キャー!血が湧き、肉が躍る~~

「寺嶋民哉氏によるドラマティックな名曲の数々」
聞いたことないけど、きっと素晴らしいに違いありません!

「ダーティーヒーロー」
ティリアンは宝塚の主役にしては珍しい黒い役と聞いたので、琴ちゃんがどう演じるか楽しみです。
ショーヴランが絶品だった琴ちゃんですから、きっと新たな魅力を開花させてくれるでしょう!

「フランスの女海賊との愛憎」
バッチバチに火花を散らす琴ひとが観られると思っていいのかしら?
お披露目早々ありがたや…なんまいだ…

「彼に復讐を誓うイギリス海賊との対決」
どなたがされるんでしょう!?
男役同士のガチンコ対決!
楽しみすぎて鼻血出そう!

問題はどこで観るか、ですね。
土日開催は神奈川・長野・愛知。
どこもアクセスがよくて迷います~~
全部行っちゃう??

第一候補は長野かな?
ちょうど先日ヅカ友さんのお母様(長野在住)とお食事したとき、遊びにいらっしゃいとお誘いを受けたばかりなのです。
早速一緒に観劇が叶いそうで嬉しい!

初対面から意気投合し、実の娘のように可愛がってくださるお母様。
宝塚が結んでくれたご縁に感謝です。

古典の名作をじっくり味わう『シラノ・ド・ベルジュラック』


一方の『シラノ・ド・ベルジュラック』。
こちらは古典の名作をじっくり味わえそうですね。

「シラノ・ド・ベルジュラック」は、17世紀のフランスに実在した剣豪詩人を主人公に、エドモン・ロスタンが描いた戯曲。1897年の初演から繰り返し上演され続け、宝塚歌劇でも1995年に『剣と恋と虹と』としてミュージカル化されるなど、様々なアレンジを加えた作品が世界各地で次々と生み出されてきました。
見返りを求めることなく純粋に人を愛するシラノの美しい心が、時代を超えて人々の心を打つ不朽の名作を、轟悠主演でお届け致します。[公式サイトより抜粋]


大野拓史先生とトド様のタッグ。
見応えばっちり、出演者のお芝居がしっかり鍛えられそう…

気になるのは、ロクサーヌはどなたか?
『ドクトル・ジバゴ』に続き、有沙瞳さん?
『ロックオペラ モーツァルト』で大活躍された小桜ほのかさん?
可憐な乙女からしっとりした大人の女性までお任せの音波みのりさん?
明るく華やかな歌上手、桜庭舞さん?

花も実もある娘役さんが揃う星組。
ヒロイン候補もよりどりみどりで楽しみが尽きません!

温故知新、星から星へ受け継ぐ2つのドラマ


静と動、まったくタイプの異なる演目同士。
がっつり芝居の『シラノ』、アグレッシブな『エル・アルコン/Ray』。
どちらも観たい!

振り分けって、いつぐらいに出るんでしたっけ?
今や劇団一の大所帯となった星組。
二分割でも多いくらいですが、どちらに出演でも間違いなく個々の生徒さんがパワーアップできそうなラインナップ。
楽しみですね~~

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似た者同士のふたり―月組の芝居巧者、祇園藤次(輝月ゆうま)とお甲(白雪さち花)│夢現無双

いつも魅力的なお芝居で作品を引き上げてくれる月組の芝居巧者、さち花さん(白雪さち花)と、まゆぽん(輝月ゆうま)。
今回も素晴らしい働きをみせてくれました。

機を見るに敏な男、祇園藤次(輝月ゆうま)


吉岡清十郎(暁千星)率いる吉岡道場の門弟、祇園藤次。
格別味わい深くて大好きな人物です。

日和見主義というか、変わり身が早いというか。
“機を見るに敏な男”というのが一番しっくりきます。

藤次らしさが最も表れた言葉がこれ。
「時代は江戸だ!もう京に用はねぇ」

沈みゆく舟に見切りをつけ、さっさと大船に乗り換える藤次。
朱実(叶羽時)には「薄情者」呼ばわりされますが、いつの時代にも通じる立派な処世術です。

脇目も振らず、ひたすらに剣の道を進む武蔵(珠城りょう)や小次郎(美弥るりか)とは180度異なる人生。
しかしながら、大事を成し遂げるヒーローばかりで世の中は成り立ちません。
市井に生きるリアリティあふれる人物がいてこそ、芝居は面白い。

とはいえ、彼もひとりの剣客。
決して剣の道をないがしろにしていたわけでは、もちろんありません。
彼の心が翻ったのは、吉岡一門74人斬りの現場だと思います。

「天下無双」の名のもとに次々倒れていく仲間たち。
剣とは何なのか?
命とは何なのか?

死屍累々を目の当たりにし、武蔵に先んじて剣の虚しさを感じ取ったのは藤次だったのかもしれない。
一瞬のためらいの後、きびすを返し、一目散に現場を離れる藤次の背中に、そんな思いを感じ取りました。

「生きるってのは大変なこった」とボヤきつつ、飄々としぶとく生き延びる藤次。
朱実に「おまえはどうする」とさりげなく問いかける優しさもある。

小物といえば小物ですが、世渡り上手で、カラッと明るく憎めない男。
まゆぽんの男役の愛嬌が存分に活かされた最高のお役、祇園藤次
「大根」どころではない、千両役者のまゆぽんです。

したたかに艷やかに生きる女、お甲(白雪さち花)


野武士の未亡人、お甲。
まゆぽん藤次に勝るとも劣らない、強い生命力が魅力です。

乱世をしたたかに生き延び、ヒモと養い子を食わせるバイタリティ。
宝塚の娘役の枠ギリギリの、熟れて崩れる寸前の果実のようなしどけなさの表現も見事。
原作を読んだときから「お甲はさち花さんで」と思ってましたが、実現して嬉しかったですね。

一見、男から男を渡り歩く毒婦にも思えますが、主導権を握っているのは常にお甲。
彼女にとって、男は都合よく利用し、生き延びるための手段。
または、独り寝の床を暖めるだけの愛玩動物でしかない。

戦士した兵から金目の物を奪い取り、金品に替える。
奪衣婆顔負けの所業ですが、自分と朱実、女二人で食いつなぐのに手段など選んではいられません。

「おまえもいつか分かるさ」
お甲の優しさ、寂しさ、諦め、やるせなさ。
もろもろの想いが込められた台詞をサラリと流して、深く印象づける手腕はさち花さんならでは。

そんな彼女にとって、藤次はどんな存在だったか。
機を読み、動く力に長けた男。
いわば似た者同士のふたり。
お甲が初めて出会った、頼りに足る、共に生き延びることができる同志だったのではないでしょうか。
彼女が行き着いたところが藤次だったのは必然と思います。

まゆぽん藤次+さち花お甲。
いいお芝居を観せていただきました。

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飢えが欲しい、渇きが欲しい│夢現無双

どうして、こうなってしまったのか?
モヤモヤと消化不良な後味が残る『夢現無双』。
複数回観ても、初めに感じた引っかかりが拭えません。

もちろん、生徒さんは素晴らしい働きをみせています。

剛勇無双を演じさせたら右に出るものはいない、無骨で不器用で、ひとすじな男っぷりを遺憾なく発揮した珠城りょう(宮本武蔵)。
原作のイメージそのまま、芯の強い一途な娘を好演した美園さくら(お通)。
武蔵の終生のライバルであり、心の拠りどころとして抜群の存在感を示した美弥るりか(佐々木小次郎)。
籠の鳥の悲哀と、一級の女の凄絶なまでの美を両立させた海乃美月(吉野太夫)。

他のキャストも申し分なく、どこをとっても安心して観ていられる舞台です。

飢えが欲しい、渇きが欲しい。


違和感の正体は、武蔵の描かれ方。
具体的には「千年杉」のエピソード。

お通が武蔵への愛を自覚し、武蔵が「けだもの」から「人間」に生まれ変わる大事な場面のはず。
なぜ、どうして、ああなってしまったのか?

千年杉に吊り下げられ、二日二晩。
ジリジリ焦げるような陽に焼かれ、吹き荒れる風に晒され、滝のような雨に打たれる。
命が尽きたら、木にぶら下がったまま鴉に目玉をえぐられる。

原作に描かれるのは、私刑にも似た沢庵(光月るう)の処罰。
「今日までの振舞は、無智から来ている生命知らずの蛮勇だ、人間の勇気ではない(略)怖いものの怖さをよく知っているのが人間の勇気であり、生命は惜しみいたわって珠とも抱き、そして、真の死所を得ることが、真の人間というものじゃ」

「くそ坊主!」「貴様を蹴殺してやる」
二丈(約6m)もの梢にぶら下げられてもなお、わめき、暴れ、牙をむく武蔵。
しかし、沢庵の真実の言葉が彼の心を揺さぶります。

「…沢庵坊、後生だ、助けてくれ」
沢庵への呼びかけが「くそ坊主」から「沢庵坊」へ変化していることにご注目ください。
武蔵の心にわずかながら他者を敬い慕う気持ちが芽生えているのです。

「俺は、今から生まれ直したい。……人間と生れたのは大きな使命をもって出て来たのだということがわかった。……そ、その生甲斐がわかったと思ったら、(略)……アア!取り返しのつかないことをした」

反省、そして命乞い。
それまで、他人の生命も己の生命も塵芥のごとく扱ってきた男の心に差す光。
それは、人間らしい「理性」であり、「愛」です。

「死にたくない。もう一ぺん生きてみたい。生きて、出直してみたいんだ」

もう武蔵はけだものではない。
「死」を恐れ、「意味ある生」を求める心が生まれた
人としての自我が芽生えたのです。

目覚めた武蔵の心は赤子のよう。
「WATER」という言葉を知ったヘレン・ケラーのように、武蔵の精神にパァッと輝く世界が広がったのではないかと思います。

人間らしく生きることへの渇望。
希望、夢、憧れ、幸福…
このシーンでは、そんな当たり前の欲を求める強い気持ち、ヒリヒリするような焦燥が欲しい。

もっと飢えが欲しい、もっと渇きが欲しいのです

お通の愛


しかし、劇中では沢庵に先んじてお通がやってきて、武蔵を木から下ろします。
「又八とお甲のことを聞かせて」とせがむお通に、「は?」と返す武蔵。

「は?」は、こっち(観客)の台詞です。

又八とお甲の関係を知りたいから武蔵を助ける。
これは断じて違います。

武蔵を愛したから救うのです。
なぜ、お通の台詞をこんなふうに改悪したのか。
このシーンで笑いが起きるたび、残念な気持ちになります。

みなしごのお通は決して愛に恵まれていたとはいえません。
又八の母・お杉に拾われ、食うには困らなくても、心は満たされていない。

誰かを欲する気持ちは寂しさと相性がいい。
村中から憎まれ、誰一人助ける者とてなく、千年杉にぶら下げられた武蔵。
武蔵の孤独に、お通の孤独が共鳴し、愛が生まれるのが「千年杉」のシーンなのです。

「武蔵の苦しみとともに自分も苦しみたい」
原作に描かれるお通の気持ちと、あまりにかけ離れた『夢現無双』。

「舞台と原作は別物」と言えば、そのとおりですが、いくらなんでもこれは酷い。
ヒロインがこんなふうに描かれて、観客の共感を呼べるでしょうか?
それでも、懸命に武蔵を慕うお通を形作ったさくらちゃんはよく演っていると思います。

※台詞はすべて新潮社・吉川英治著『宮本武蔵』より抜粋

珠城りょうの男役


木から下りた武蔵のもとに沢庵が現れます。
武蔵を諭し、首を落とすかと思いきや…
電光石火、もとどりを切り落とす。
ざんばら髪になった武蔵。

木の上下で問答を交わすより、演出としてのインパクトは大きいでしょう。

しかし、これではあまりに受け身に過ぎます。
「諭される」のと「自ら悟る」のでは雲泥の差。

殺される前に殺す。
無造作に無慈悲に生命を奪ってきた武蔵。
乱世では当たり前のこととは言え、あまりに容赦がない武蔵の剣。
追われながら、飛ぶ鳥を石つぶてで打ち落とし、引き裂いて、血のしたたるまま貪り食らう悪鬼のような男。

そんなけだものの心が、他者の言葉ひとつで動くでしょうか?
生まれ変わりたいという欲が湧いたのに、体は千年杉に縛りつけられたまま。
身じろぎもできず、飢えて渇いて、死を待つばかり。
「死にたくない」
「生きて、出直したい」
喉から手が出るほど生きたいと願い、今までの自分を反省したからこそ、原作では沢庵の言葉が効いたのです。

極限状態で腹の底まで落とし込まれた言葉。
だからこそ、武蔵の心は底からひっくり返ったのです。

体が自由な(命の心配がない)状態で「俺は強い!」と土を掻いたところで、木に縛りつけられていたときとは切羽詰まりようが違います。

深い谷底から、遥かな頂きへ。
武芸者・宮本武蔵の成長こそ、吉川英治が書いた『宮本武蔵』のテーマでしょう。

その落差が大きければ大きいほど、読者(観客)はカタルシスを得られる。
しかし、『夢現無双』は平坦な印象なのが残念です。

珠様(珠城)の形作る男役の味は、粘り気を伴った熱く暗く重く湿った情念にある、と考える私。
そこに独自の男役の色気が生まれる。
汗と垢と泥にまみれ、飢えた瞳をギラつかせる青年武蔵はまさに適役。

決して「宝塚的」なヒーロー像ではありませんが、武蔵の成長をより深く印象づけるのであれば、原作に沿った構成でも良かったのではないでしょうか?

天命を帯びて生まれ変わり、その道を邁進する愚直なまでの明るさ、真っ直ぐさもまた珠様の男役の魅力。
どん底から高みへと登る武蔵の姿は、きっと宝塚ファンの心を捉えたと思います。

中途半端に口当たり良く仕立てる必要はありません。
もっと生徒と観客を信じてください。

原作物が増え、宝塚の枠からはみ出すかと思われる作品が多く上演されるようになった昨今。
元の作品をいかにタカラヅカナイズし、観客を納得させうる舞台に仕上げていくか。
今後の課題です。
その難しさを感じた『夢現無双』でした。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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