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宝塚雪組『20世紀号に乗って』、本間憲一さん(振付)が「スタッフ賞」受賞!│第27回読売演劇大賞 中間選考会

「酢」じゃなかったで酢ね…
ヅカファン100人中99人が「おもさげながん酢」と予想していた雪組公演デザート名。

正解は「みーるっく れもんでしょ!」。
まさかのレヴュータイトル(Music Revolution!)からのダジャレでした!

宝塚歌劇団│東京宝塚劇場 雪組公演デザートのお知らせ

○みーるっく れもんでしょ!(税込410円)
ミルクプリンに、レモンピューレとホイップクリームを重ね、さらにレモンケーキ、ゼリーin瀬戸内レモンソースで甘酸っぱいデザートに仕上げました。
夏にさっぱり!爽やかなミルクとレモンのハーモニーをお楽しみください。[公式サイトより抜粋]


ゼリー&柑橘好きとしては「ゼリーin瀬戸内レモンソース」に惹かれます~~
なんなら、これがメインでもいい!

『20世紀号に乗って』本間憲一さん(振付)が、第27回読売演劇大賞中間選考会「スタッフ賞」受賞!


先日の『FNS うたの夏まつり』で大反響を集めた雪組さんに、さらに嬉しいニュースが舞い込みました!

本日発表の『第27回読売演劇大賞 中間選考会』。
2019年上半期(1~6月)の作品賞、男優賞、女優賞、演出家賞、スタッフ賞のベスト5が決まりました。

雪組シアターオーブ公演『20世紀号に乗って』の振付により、本間憲一さんがスタッフ賞を受賞されました。
評は「タップダンスが上品で華やか」。

明るくハッピーなミュージカルをいっそう盛り上げる軽快なタップ。
幕開きから一気に作品世界に引き込まれました。
素晴らしかったです!

本間さん、雪組選抜メンバーの皆さま、誠におめでとうございます!

『20世紀号に乗って』関連記事はこちら

宝塚OG(霧矢大夢・柚希礼音)の活躍


生徒さんのお名前はありませんでしたが、女優賞の候補に星組OG柚希礼音さん(『唐版 風の又三郎』により)。
また、作品賞に月組OG霧矢大夢さんご出演の『ピピン』が選ばれました。

卒業生の皆さまのご活躍、喜ばしい限りです。

○関連記事はこちら↓
快挙!第25回読売演劇大賞中間選考会に【礼真琴】の名前が!

下半期の目標は「もっと演劇を楽しむ」!


最近宝塚にかかりきりで、外部の舞台を観る機会が減ってしまいました。
今回の受賞作にも観たかった作品がいっぱい。

見逃して後悔したのは、認知症をテーマにした『Le Père 父』。
作品賞、男優賞(橋爪功)、女優賞(若村麻由美)を獲得しています。

舞台は一期一会。
「観たい」と思ったら、即行動に移さなければいけませんね。
下半期の目標は「もっと演劇を楽しむ」こと!

最後になりましたが、『壬生義士伝/Music Revolution!』初日おめでとうございます。
偶然とはいえ、「読売演劇大賞」の発表が初日に重なるとは幸先がいいですね。
上昇気流に乗ったまま、公演のご成功をお祈り申し上げます。

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今年も大当たり続出!2019年上半期観劇ランキング│作品賞は雪組と星組、観劇率7割超えは○組!
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早霧せいな×ルパン三世―「原作再現性」の高さと「宝塚的カッコよさ」の融和│ルパン三世 王妃の首飾りを追え!

『はいからさんが通る』『天は赤い河のほとり』『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』などのサブカル/MAG作品を巧みにタカラヅカナイズすることにかけては右に出る者がいない小柳奈穂子先生。
ただいま宝塚大劇場で絶賛上演中の『GOD OF STARS -食聖-』にかこつけて、先生の過去作品をレビューします。
[内容は2015年当時のもの]

対象作品は、2年前の本日(2017年7月23日)『幕末太陽傳/Dramatic“S”!』千秋楽をもって宝塚を卒業された元雪組トップコンビ、早霧せいなさんと咲妃みゆさんのお披露目公演『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―/ファンシー・ガイ!』。

あのルパン三世が生きて、動いてる!


昨年めでたく100周年の節目を迎えた宝塚歌劇。
記念すべき第2世紀1作目の作品は何?
期待に胸を弾ませていたところ「次回作はルパン三世」のニュースが飛び込み、耳を疑いました。

ルパンって、あのモンキー・パンチ原作のアレ!?
タカラジェンヌが「俺、ルパァ~ンさぁんせい」「ふぅ~じこちゃ~ん」とか言っちゃうわけ!?
期待と一抹の不安を抱きつつ観劇。

…言っちゃってた!
「俺、ルパァ~ンさぁんせい!」「あらららら~!?」「とっつぁ~ん!」「ふぅ~じこちゃ~ん!」
ルパンだ!ルパンがいる!!

ルパン三世を務めるのは本公演が主演お披露目のちぎさん(早霧)。
素顔はものすごい美女ですが…
独特の口調、棒のような身体つき、軽やかな身ごなし、すべてがアニメーションから飛び出して来たようなルパン三世

正直、生身の人間しかも女性がルパンを演じることに疑問を抱いてたのです。
しかし、舞台に現れた彼女は「ルパンそのもの」でした。

早霧せいな×ルパン三世―「原作再現性」の高さと「宝塚的カッコよさ」の融和


「宝塚歌劇」と「ルパン三世」という異色の組み合わせを、どう料理するか。
座付作家や役者の見識が問われるところですが、どちらのファンも満足させる作品として世に送り出した小柳先生と雪組生の腕前は見事

その功績は、役の人物と一体化するちぎさんの繊細にも大胆にも変幻自在の演技力によるところが大きいですね。
モノマネじみたアニメのコピーに終始するのではなく、きっちり宝塚の男役の格好良さもみせる。
「宝塚のルパン三世」という相反する人物像を自分のものにしたのです。

物語の舞台は現代。
ベルサイユ宮殿に展示中の「マリー・アントワネットの首飾り」を盗みに入ったルパン一味。
首飾りに手をかけた瞬間、革命前夜のフランスにタイムスリップし、マリー・アントワネット(咲妃)と出会い、そして…

「巧いな」と思ったのはココ。
マリー・アントワネットといえば『ベルサイユのばら』。
『ベルサイユのばら』といえば宝塚歌劇の看板演目。
宝塚の舞台に乗せるにはやや難しい素材を、自分たちの得意分野に引き寄せてしまう手腕はなかなかのもの。

怪しい錬金術を操る詐欺師カリオストロ伯爵(望海風斗)らの手を借りつつ、現代へ戻ろうと画策するルパンたち。
そんななか、マリーがたどる運命を知るルパンは、なんとか彼女を助けようと奮闘するが…

ルパン、次元、五エ門、不二子、そして銭形警部。
おなじみのメンバーが時空を超えて繰り広げるドタバタ喜劇。
しっかり宝塚らしいロマンスも織り交ぜて、大満足の90分でした。

そして、次の100年へ


もちろん、この面白さはルパン一人が生み出すものではありません。
コメディはひとつ崩れれば、すべてが台無しになる恐ろしさを秘めています。

終始速いテンポで進む物語、台詞の応酬。
誰かがタイミングを外せばガタガタになります。
そんな事態に陥らなかったのはメンバーの力の賜物。

私が観劇した回は思いきり台詞を飛ばした方がいらっしゃいましたが、それすら逆手に取って観客を沸かせていました。
アドリブも度を越せば客席は白けるばかりですが、いいバランス感覚を持った役者が揃っているのが何より。

サプライズ的に嬉しかったのは、物語終盤に歌われた「ルパン三世のテーマ」。
〽真っ赤な薔薇はあいつの唇~ で始まる、あまりに有名なあの曲です。
まさか生オケで聴けるとは!感激!!

新しい獲物へ向かうようにホリゾントへ消えるルパン。
「あばよ!」の声と共に、ビヨヨ~ンと跳び上がるちぎさん。
パーフェクトなルパンジャンプ!
幕が下り切る寸前まで100%ルパン三世。

劇場内は宝塚ファンだけでなく、原作のルパンファンとおぼしき男性客も多く見受けられました。

「ちぎみゆコンビ」として絶大な人気を誇ったふたり。
プレお披露目の『伯爵令嬢』を始め、『ルパン三世』『るろうに剣心』と多くの漫画原作公演を大成功に導き、着々と観客の裾野を広げてくださいました。

宝塚歌劇、次の100年へ向けて確かな足がかりを残してくださったちぎさん、ゆうみちゃん(咲妃)。
ご卒業記念日おめでとうございます!

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○過去の発掘観劇記はこちら↓
思い出をつなぐ架け橋「霧矢大夢」│月組『エドワード8世/Misty Station』感想
誰にも邪魔されない世界へ旅立った二人│壮一帆・愛加あゆの『心中・恋の大和路』観劇記録
今ひとたびの『アルジェの男/Dance Romanesque』
ザ・因果応報!源氏物語ダイジェスト│花組:新源氏物語
宝塚的ハッピーエンドではないけれど│花組:復活/カノン
柚希礼音、男役の歴史が詰まったスペシャル・ライブ│星組:REON!!Ⅱ

劇場に「幸せの魔法」をかけた人たち(京三紗/真地佑果/縣千/望月篤乃)│20世紀号に乗って

登場人物ひとりひとりが憎めなくって愛おしい『20世紀号に乗って』。
全体とトップコンビの感想に続き、特に気になった方々をピックアップします。

ブラボー望海風斗!ブラボー真彩希帆!ブラボー雪組!『20世紀号に乗って』で大満足!
望海風斗の当たり役!―愛すべき変人、オスカー・ジャフィ│20世紀号に乗って
熱狂を生む娘役、真彩希帆(リリー・ガーランド)│20世紀号に乗って

幸せを振りまく魔法使い、京三紗さん


オスカー(望海風斗)の救いの女神(?)、製薬会社会長のレティシア・プリムローズを演じた京三紗さん。
チャーミングな暴れっぷりが最高!
声も仕草も、やんちゃな目つきも可愛くって、目が離せない!

童女のようなあどけなさ。
軽やかなお茶目。
破天荒ないたずらっ気。

「悔い改めよステッカー」を貼りまくるレティシアの楽しそうなこと、楽しそうなこと。
甥っ子(真地佑果)が迎えに来たのを察した逃げ足の速さと言ったら!
おもちゃの汽車に乗って舞台を横切る姿に拍手喝采!
なんて自由でファンタスティックな演出!

京さんならではの天衣無縫な味わい。
花組の『蘭陵王』に続き、「京さんでなくては」というお役でしたね。

なんといっても、いつも笑いを含んだような愛らしいお声が大好き。
鈴を振るようなあのお声を聴くだけで、なんだかウキウキします。

2000万ドルはフイになってしまいましたが、それ以上の幸福をオスカーにもたらしたレティシア。
優しいぬくもりで20世紀号を包み込んでくださった京さん。
劇場に幸せな魔法をかけてくださり、ありがとうございます!

魅力再発見、真地佑果さん


レティシアの甥っ子ウィリアムの真地佑果さん。
品の良いハンサムで素敵。
幻想のシーンで娘役さんの脚を下から撫で上げる仕草がとてもセクシーで、気づけば目で追っていました。

『心中・恋の大和路』の可愛い丁稚が印象的だった真地さん。
立派な男役になられましたね。
次回は更に注目したいと思います。

圧倒的スター性、縣千さん


敏腕プロデューサー、マックス・ジェイコブスの縣千さん。
パッカーーーン!と明るい、前田美波里さん似のゴージャス美女。

男役としては、はちきれそうな胸板、パーンと張った太もも、ぎっしり身の詰まった体つきが最高の美丈夫タイプ。
いいですね~~

うるわしいお顔に似合わぬコメディエンヌっぷりを発揮。
文字通り、自分で操縦する飛行機で20世紀号に乗り込む演出には笑いました。

リリーにひっぱたかれるタイミングが良くて驚き!
本当にぶたれたのかと思うほどドンピシャなSE。
細かいことですがコメディの完成度が高まりますね。

圧巻はフィナーレの紳士。
トップハットとケーンを携えた縣さんを皮切りに、男役と娘役の群舞、そしてデュエットダンスへ。
『20世紀号に乗って』を「タカラヅカ」たらしめる重要なフィナーレナンバー。
バシッと空気を切り替え、大役を果たしました。

圧倒的な華が魅力の縣さん。
これからますます楽しみなスターさんですね。

将来性抜群、望月篤乃さん


「バベット」のリリー(真彩希帆)の取り巻き(?)のひとり、ナイジェル。
目力の強い、華やかな美形。
色男らしく、客席を舐めるように何度も視線をくださるので目のやり場に困りました。
このやる気満々な男役さんはどなた!?

気になってお名前を確認したところ、望月篤乃さんでした。
この方が望月さん!
初舞台のとき、素敵な芸名だなぁと思っていたのです。
ようやくお顔とお名前が一致しました。

あなたが望月さんね、しっかり覚えましたよ~~
雪組を観る楽しみがまたひとつ増えました。

影の主役、舞台装置


いつも素敵な装置に目を奪われる原田作品。
松井るみさんが手がけられたアール・デコ調のセット。
クラシカルで豪奢な『20世紀号』の世界観を盛り上げる影の主役。
これから始まる物語への期待が高まります。

いよいよ幕開き、目の前に勢いよく立ち上る煙柱!
何本も、何本も!
蒸気機関車を思わせる楽しい演出に、思わず声を上げてしまいました。
遊園地のアトラクションみたいでワクワク!
一気に物語世界に引き込まれます。

3つのコンパートメントで同時進行するお芝居。
目が足りなくて何度でも観たくなります。

大団円の汽車も凄かったですねー!
主役級の存在感でした 笑

再演希望!


あっちにもこっちにも素敵な生徒さんがいらして大忙しな『20世紀号に乗って』。
ボキャブラリーがすべて吹っ飛ぶ面白さ。
生で観ることができて本当に良かった!
誘ってくれた友人に感謝です。

こんなに素晴らしく、手の込んだ作品が「東京のみ」「たった2週間」だなんてもったいないですね。
映像化も難しいとか。
(ひょっとして、世界のアイドルMick○y Mouseの名前が出てくるから?)

願わくば、本拠地関西を含めた再演が叶いますように!
(10月のKAAT神奈川/梅田シアタードラマシティの演目って未定ですよね?)

なにはともあれ、宝塚ファンの皆さまと一緒に「雪組20世紀号」に乗車できて幸せでした!

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○『20世紀号に乗って』関連記事はこちら↓
熱狂を生む娘役、真彩希帆(リリー・ガーランド)│20世紀号に乗って
望海風斗の当たり役!―愛すべき変人、オスカー・ジャフィ│20世紀号に乗って
ブラボー望海風斗!ブラボー真彩希帆!ブラボー雪組!『20世紀号に乗って』で大満足!

熱狂を生む娘役、真彩希帆(リリー・ガーランド)│20世紀号に乗って

リリー・ガーランド役で金字塔を打ち立てた真彩希帆。
残念ながら記録には残りませんが、観た人の記憶には永遠に残るでしょう。

パワフルでヴィヴィッドで、この上なくチャーミング。
きぃちゃん(真彩)の娘役像そのものに思えるリリー。
この目で観、この耳で聴くことができて、幸せでした!

鮮やかな生命力、真彩希帆


宝塚作品のヒロインでは『凱旋門』のジョアン・マヅーが一番好きな私。
ジョアンだから好きなのか。
きぃちゃんだから好きなのか。
分からなくなるほどに、ふたりが溶け合った魅力的な女性。

きぃちゃんの武器のひとつに、非現実的なまでの美声が挙げられます。
鈴を転がすように軽やか、どこまでも透き通った声。

軽はずみで、浅はかで、男にだらしない。
しかし、無垢な女。
一歩間違えば観客から総スカンを食いそうな女性を可愛いファム・ファタールに仕上げたのは、彼女の声の力によるところが大きいですね。

『20世紀号に乗って』のヒロイン、リリーも同様です。
20セントを取り返すまではテコでも動かず、契約書は隅々まで舐めるように目を通す。
地に足の着いた素敵な女性ですが、「宝塚的」にはちょっと生々しい。

そこを上手く中和するのが、きぃちゃん本来の愛嬌と天性の声。
ウィークポイントをチャームポイントに転じ、とびっきり可愛い大女優として舞台に立つ。

パッと目を引く華。
観客の心まで明るく照らす“陽”の輝き。
これこそ、きぃちゃん最大の魅力。

押し出しの強さが嫌味にならず、むしろ生き生きと豊かな生命力を感じさせる。
エネルギッシュで逞しい健康美。
真夏のひまわりを思わせる、まばゆい笑顔。
観るだけで胸がスカッとする、大好きな娘役さんです。

オスカー×リリーは割れ鍋に綴じ蓋カップル?


きぃちゃんの持ち味がドンピシャはまったリリー・ガーランド。
元恋人オスカー(望海風斗)は彼女に輪をかけたバイタリティあふれる男。

リリーの情熱に対抗しうるのはオスカーであり、オスカーの情熱に対抗しうるのもリリーである。
絶妙なパワーバランス。
ふたりが再び結ばれるのは必然であった、と思わせるカップル。

リリーの契約書をもぎ取ったオスカー。
しかし、そのサインは…
それまでの比ではない、怒涛の展開で元の鞘に収まるふたり。

それを唐突と感じさせず、「だよね」と観客に納得させうるのは、だい×きほの「圧」と、オスカー×リリーの「愛」が等しく釣り合ったからに他なりません。
「お騒がせ男」オスカーを御せるのはリリーのみ。

最高にハッピーなラストシーン。
ぱぁっと心が晴れるような幸せいっぱいの大団円。
ハッピーエンドっていいですよね~~

とはいえ、結婚式が終わった途端、口喧嘩を始めそうなふたり。
「割れ鍋に綴じ蓋」という表現はいまいちですが、彼らはまさにそれ。
彼らが互いのベターハーフであることは間違いないでしょう。

物語の中でも現実世界でもベストコンビなだいきほ。
素晴らしい舞台をありがとうございました!

熱狂を生む娘役、真彩希帆


以前の記事にも書きましたが、この作品はヒロインのリリーが引っ込んでいては成り立ちません。

「ヴェロニク」や「バベット」などリリーが主役を張るシーンでは、チケット代に見合う価値を観客に与える義務があります。
その期待に完璧に、いえ、それ以上の結果をもって応えたきぃちゃん。

本名の自分を脱ぎ捨て、突如現れた女優リリー・ガーランド。
目が覚めるような総スパンの三色旗ドレス。

舞台狭しと歌い踊るきぃちゃんを目にして、なぜだか目頭が熱くなりました。
生き生き、伸び伸び、持てる力のすべてを出し切るようなパフォーマンスに心を揺さぶられたのです。

幕が上がってまもなくの全力投球。
ここが最高潮!?そんなはずはない。
芝居の定石として、見せ場はもっと後ろに作るはず。
こんなところにクライマックスを持ってくるはずがない。

すると、「ヴェロニク」はほんの小手調べ?
この先、もっと凄いパフォーマンスを見せてくれるの?
わくわくが止まらない観客の前に、次々繰り出される歌・歌・歌…

話すように歌い、歌うように話すリリー。
自由自在に声を操り、劇場の空気を動かす。
歌と踊りと芝居が一体となった、これこそミュージカル!

「バベット」の超絶技巧すら、そうと感じさせず、軽やかに歌いこなす力。
酩酊と幻想のはざまで混乱していくリリー。
酔いが回っても、歌声はぶれず、冴え渡るばかり。
客席のボルテージもぐんぐん上昇するのを感じます。
「いいぞ!もっとやれ!」と叫びたいくらい楽しい!嬉しい!気持ちいい!

観客を熱狂と興奮の坩堝に巻き込むことのできる娘役、舞台の神様に愛された真彩希帆のリリー・ガーランドを観ることができて幸せでした!

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○『20世紀号に乗って』関連記事はこちら↓
望海風斗の当たり役!―愛すべき変人、オスカー・ジャフィ│20世紀号に乗って
ブラボー望海風斗!ブラボー真彩希帆!ブラボー雪組!『20世紀号に乗って』で大満足!

望海風斗の当たり役!―愛すべき変人、オスカー・ジャフィ│20世紀号に乗って

『20世紀号に乗って』は一言で言えば「密度が高い」舞台。
歌も台詞も芝居もすべてが緊密に組み上げられ、どこかひとつ調子が狂ったら全体がガタガタになる。
演じる側にとっては極度の緊張を強いられる作品です。

畳み掛けるような笑い、観客の鼻先を持って引きずり回すようなスピード感あふれるコメディ。
いかに客席の心をつかみ、白けさせずにエンディングまで引っ張るか。

だいきほ率いる雪組は見事にそれをやってのけました。
猛スピードでひた走る20世紀号さながら、一瞬たりとも飽きさせず、観客をグランド・セントラル駅へ送り届けたのです。

○全体感想はこちら↓
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愛すべき変人、オスカー・ジャフィ(望海風斗)


はた迷惑なお騒がせ男。
側にいたら疲れそうなタイプですが、しかし、なんとも愛おしい。

どうにも放っておけない「男の可愛げ」があるのですね。
だいもんさん(望海)は、このあたりの表現が絶妙。

わーわーぎゃーぎゃーぴーぴー大騒ぎして、周りを引っ掻き回して、飛んだり跳ねたり泣いたり叫んだり大暴れ。
それでも愛おしくてたまらない気持ちにさせるのは、とことん「純」な男だからでしょう。

「舞台」にかける一途な愛。
夢に向かって猪突猛進なオスカー。
真っ直ぐでエネルギッシュで、なりふり構わぬ一所懸命さ。

彼は大真面目なのです。
対象は何であれ、真摯な態度は人の心を打ちます。
だからこそ、オリバー(真那春人)やオーエン(朝美絢)を始めとする周囲の人々も彼を見限れない。

大真面目なオスカーを大真面目に演じるだいもんさん。
彼女一流の素晴らしい歌声と技術と計算をもって。
これが面白くないはずはないでしょう。

優れた人が真摯に演じるコメディ。
小さな的のど真ん中に正確に的確に当ててくる笑い。
私たちは難しいことを考えず、だいもんさんが広げた翼に乗って飛べばいいのです。

なんの引っ掛かりもなく、ただ作品世界に没入できる。
ノーストレスの素晴らしい演劇体験。
チケット額面以上の価値がある舞台です。

ちゃんと伝わるから、ちゃんと笑える


アル・カポネのセルフパロディでの登場に拍手喝采。
リピーターの多い宝塚ならではの粋な計らい。
出だしは百点満点!

借金取りの手から逃れ、オスカーは一体どうやって20世紀号に乗り込むのかと思ったら…
なんと、走行中の電車の窓にしがみついて登場。
スカーフェイスの男とは一変、斜めに踏ん張りながらの必死の形相に腹筋が震えます。

帽子がピュ~~ンとすっ飛んだところでもう限界。
遠慮なく笑わせていただきました。
コントか!

ようよう20世紀号に潜り込んだオスカー。
まあ、喋ること喋ること。
異様なまでの早口と多弁。
「何事も過剰」なオスカーという男を象徴するような語り口です。
これを朝晩耳元でやられたらウンザリでしょうねぇ…

舌の回転が早いのはもちろん、もつれず突っかからず、すべての台詞がパーフェクトに観客の耳に届くのは素晴らしいこと。

まくし立てるようなコメディで何を言ってるのか分からないのはストレスです。
立て板に水のごとく繰り出される言葉が、ちゃんと伝わるから、ちゃんと笑える。

寝っ転がった体勢で、あれだけ安定して歌えるって凄いですよね。
とても死にかけの男とは思えません 笑

望海風斗の当たり役、オスカー・ジャフィ


なまじ渋いハンサムだけに皮と身が釣り合わず、可笑しみを呼ぶ。
彫刻のような顔したヒゲ男が、椅子の背もたれを抱きかかえるようにしゃがみこんで、めそめそいじいじ。

男性の内側に潜む幼児性を上手いこと引き出し、「キモ可愛い」「ウザ可愛い」オスカーの魅力に昇華させたのは、だいもんさんの手腕か?原田先生の慧眼か?
偶然の産物でないことは確かです。

実際にいたら近寄りがたいですが、虚構の世界の住人であるからこそ許されるカリカチュアされた男性像。
オスカーをチャーミングな男に仕上げたのは、やはりだいもんさんの力でしょう。
水を得た魚のように活き活きと、楽しそうに演じるだいもんさんが印象的でした。

とはいえ、「最後までずっと“変な男”のままなのか?」との不安はフィナーレで払拭されました。
きぃちゃん(真彩希帆)とのデュエットダンスで本領発揮。

宝塚ならではの「夢の男」となって現れただいもんさん。
本編では封印していた男役のダンディズムを、ここぞとばかり爆発させます。

いくら作品として面白くても、ファンとは欲張りなもので、やはりどこかに宝塚らしいカッコよさも求めてしまう。
フィナーレのだいもんさんの姿に溜飲が下がりました。

上質な舞台を届けつつ、ファンの欲求もきちんと満たす。
座付き作家・原田諒ならではの抜かりなさ、嬉しい心配りですね。

シックなお衣装に身を包み、きぃちゃん(真彩希帆)をリードするエレガントな男。
トップスターの名にふさわしい輝きです。
だいもんさんは横顔、とくに鼻筋が美しく、舞台映えしますね。
惚れ惚れしました。

なにはともあれ、愛すべき変人オスカー率いる『20世紀号』の大成功は、頼もしき大トップスターだいもんさんの技術と経験と、揺るぎない男役力あってこそ。

オスカー・ジャフィは望海風斗の当たり役と言ってよいでしょう。

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プロフィール

noctiluca(ノクチルカ)

Author:noctiluca(ノクチルカ)
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
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