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歌舞伎と宝塚と、私が好きな二人のたま様

「四代目中村橋之助、宝塚に心奪われる」
嬉しいニュースがTwitterのTLを賑わしています。

月組の『エリザベート』をご覧になり、珠様(珠城りょう)と目が合った瞬間にバーーーン!!!と雷に打たれ、それからは「寝ても覚めても宝塚」って…

完全に私たちヅカファンと同じ道をたどってらっしゃる!!

分かります!分かりますわー!橋之助さん!
タカラジェンヌに落ちるプロセスはどなたも一緒なのね…と妙に親近感が湧きます。

歌舞伎も宝塚も好きな私にはひときわ嬉しいニュースでした。

* * *

せっかくなので、歌舞伎と宝塚について思いつくままに。

2年前の冬、歌舞伎座に『京鹿子娘五人道成寺』を観に行った私。
十二月大歌舞伎:第三部『二人椀久/京鹿子娘五人道成寺』を観て来ました!

元ネタは当時花組で公演中だった 『雪華抄』でも取り上げられた『安珍清姫伝説』。
ハンサムなお坊さん、安珍(明日海りお)に懸想した清姫(花乃まりあ)。
ところが安珍はこれを拒絶。
「想いを遂げられなかった清姫は激情のあまり蛇と化し、道成寺の鐘の中に隠れた安珍を鐘ごと焼き殺す」というなかなかのトンデモ話。

『娘道成寺』は『安珍清姫伝説』の後日談。
安珍もろとも焼けた鐘がようやく奉納され、供養を始めよう、というところに清姫の化身(実は蛇)の白拍子花子(坂東玉三郎ら)が現れます。

安珍清姫事件以来、女人禁制だった道成寺。
しかし、花子の美しさに惑わされた所化(お坊さん見習い)たちは「奉納の舞を舞うならば」と招き入れてしまうのです。

踊りを披露するうち、次第に本性を表す花子。
蛇体となって鐘に取り憑くところで、幕。

次々替わる衣装や、小道具を駆使したバラエティに富んだ踊りで飽きさせません。
途中、花子や所化が客席に向かってオリジナル手ぬぐい(役者の名前入り)を撒くパフォーマンスがあったり、楽しい!
難しいことはなーんにも考えず、ひたすら美しさと華やかさにどっぷり浸れる演目です。

* * *

それにしても過激なヒロインです。
もっとも、『激情』のミカエラや『風と共に去りぬ』のメラニーみたいな聖女タイプだとドラマ性に欠けます。

物語を大きく動かすのはカルメンやスカーレットのような発散型ヒロイン。
身近にいると困るけど、お芝居として観ると面白い女性像。
八百屋お七とかね、大迷惑ですよね。
彼氏恋しさに自宅に放火するとか…

歌舞伎も宝塚同様、生演奏なのが嬉しいですね。
お揃いのピンクの桜模様の裃が、いい景色。

私、三味線の速弾きが大好きなのです。
ワーッ!と盛り上がるのがね、ロックでカッコいいのですよね。
ついノッてしまいたくなります。

ところで、珠様は音楽学校時代、三味線の授業に力を入れられていたとか。
舞台で聴いてみたいですね。

みちこさん(北翔海莉)ら花組生は『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』で腕前を披露されてましたが、そんな演目があったらいいなぁ。
しどけなく三味線を爪弾く若旦那姿の珠様…観てみたい!
ちょっと遊び人風に粋な珠様、どうでしょう?

余談ですが、坂東「玉」三郎と「珠」城りょう。
私はお名前に「たま」がつく方が好きなのかしら?
りょうさんも玉三郎丈も「たま様」とお呼びしているのでちょっと混乱しますね。

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浮世絵と宝塚歌劇│『浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして…』展感想

町田市立国際版画美術館で開催中の『浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして…』を観てきました。
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江戸期に隆盛を極めた浮世絵版画。
しかし明治に入ると新聞や写真などに押され、衰退していきました。
そんな状況を救ったのが、オーストリア出身の版画家フリッツ・カペラリを始め、ヘレン・ハイドやエミール・オルリックら、ジャポニズムの影響を受けて来日していた外国人たち。
彼らと、「渡辺版画店(現:渡邊木版美術画舗)」を営んでいた渡辺庄三郎の協力により、浮世絵の近代化、復興が実現されたのです。

「新版画」と呼ばれるそれらの作品、前後期合わせて約300点を集めたのが今回の展示。
せっかくなので、宝塚歌劇や歌舞伎など舞台芸術に関わりのある作品を中心に取り上げます。
(一部作品撮影可)

まずはサブタイトルにもある「深水の美人」。
深水とは、宝塚歌劇団の娘役として活躍された朝丘雪路さんのお父様でいらっしゃる伊東深水画伯のこと。
深水の美人画の特徴は匂うような健康美。
湯上がりの上気した肌や襟足、乳房の柔らかさ。
触れれば体温を感じられそうなぬくもりは木版ならでは。

橋口五葉の『浴場の女』。
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同じ橋口の『夏衣の女』の顔が当代の坂東玉三郎そっくりで驚きました。
「絵に描いたような美しさ」という言葉がありますが、玉三郎をモデルに描いたかと思うほど。

玉三郎つながりで、山村耕花(豊成)の『梨園の華 十三世守田勘彌のジャン・バルジャン』。
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玉三郎の養父が十四世守田勘彌、十四世の養父が十三世ですので、玉三郎は十三世の孫にあたるのですね。
鬼気迫る表情、一瞬を見事に捉えた一枚です。

こちらも耕花(豊成)の『四世尾上松助の蝙蝠安』。
img-20180611_11.jpg
他にも、大橋月皎の『六世尾上梅幸(?) お富』のゾクッとするような色気。
役者の人格まで写し取るような役者絵の数々は見応え充分。

小早川清の『ダンサー(レヴュー)』。
1932年の作品です。
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関東大震災から復興を遂げた新東京で流行したレヴュー。
浅草松竹座や東京宝塚劇場のダンサーがモデルとされています。

同じく、小早川の『近代時世粧ノ内 六 口紅』。
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バラのかんざし、棒紅、指輪、腕時計…
「モガ」と呼びたくなるような風情。
襟元にパイナップルらしき模様が見えるのも面白いですね。
その時代の風俗を写すのが“浮世”絵の使命とすれば、この美人画はまさにその役割を果たしていると言えます。

* * *

サブタイトルのふたつめ「巴水の風景」。
実は私の第一目的はこちらでした。
川瀬巴水、大好きなのです。

『東京十二題 深川上の橋』。
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『旅みやげ第一集 十和田湖千丈幕』の深い湖水、『旅みやげ第二集 小千谷旭橋』の水面に映る月影、水をかく櫂の音すら聞こえそうな静けさ。
『東京二十景 神田明神境内』、同じく『桜田門』、『荒川の月(赤羽)』、『馬込の月』、いずれも深い青が印象的。
この馥郁とした青色は、印刷では決して再現できるものではありません。
是非、本物をご覧ください。

『日本風景集 東日本篇 平泉中尊寺金色堂』の冴え冴えした月明かりの表現も見事。
巴水は撮影不可の作品が殆どでしたので、よろしければこちらをどうぞ。
渡邊木版美術画舗│川瀬巴水
ため息が出るばかりです。

* * *

思いがけず嬉しかったのは、最後に大好きな橘小夢の作品を見られたこと。
淫靡で悪魔的な美しさをたたえた『唐人お吉』、『お蝶夫人』、『澤村田之助』の三作。
とどめは、突き抜けた妖しさが魅力の小村雪岱で幕を下ろします。

新版画誕生のキーマンとなったカペラリやハイド、全盛期を築いた深水や巴水、そして、小夢や雪岱。
新版画の成り立ちから発展までを辿った『浮世絵モダーン』展、おすすめです。

東京は今週末までですが、三重県のパラミタミュージアムで巡回展示が行われます。
12月6日(木)から2019年1月14日(月・祝)まで。
お近くの方、どうぞお運びくださいませ。

○浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして…
会期/2018年4月21日(土)~ 6月17日(日) ※月曜休館
開館時間/平日10:00~17:00(入場は16:30まで)、土日祝10:00~17:30(入場は17:00まで)
会場/町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)

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三月大歌舞伎初日を観て来ました│夜の部:於染久松色読販/神田祭/滝の白糸

年下の友人に「歌舞伎を観て来た」と話したら「高尚な趣味ですね」と返されました。
「そんなことない、気安い娯楽よ」と言いかけた私。
続く言葉で腑に落ちました。
「台詞とか難しくないですか?」と。

武家社会などを扱った時代物は難しい台詞も多いですが、江戸時代の庶民の日常を扱う世話物や、近年新たに書かれた新作歌舞伎ならぐっと親しみやすく、現代劇を観る感覚で楽しめます。

しかし、歌舞伎のハードルは決して高いものではありません。
『三月大歌舞伎』の『滝の白糸』は、「難しい」「とっつきにくい」といった歌舞伎に対するマイナスイメージを払拭するのに最適な演目と言えます。

* * *

泉鏡花原作(『義血侠血』)、坂東玉三郎演出『滝の白糸』。

明治初期。越中高岡から石動(いするぎ)に向かう馬車に乗った水芸一座の太夫滝の白糸は、文明開化の誉れ高い馬車が人力車に追い抜かれたので馬丁に文句を言います。すると、馬丁の村越欣弥という青年は白糸を抱いて馬に跨り、人力車を颯爽と追い抜いてみせるのでした。欣弥のことが忘れられない白糸は、金沢の卯辰橋(うたつばし)で再会を果たすと、法律を学びたいという欣弥の話を聞き、学費の仕送りを申し出ます。3年後、白糸は欣弥への仕送りのために太夫元で借りたお金を南京寅吉らに強奪され錯乱してしまい…。
滝の白糸を5度にわたり演じた坂東玉三郎が演出を勤める、歌舞伎座での上演は昭和56(1981)年以来となる泉鏡花の名作にご期待ください。[歌舞伎総合公式サイト:歌舞伎美人より抜粋]


玉三郎と鏡花は縁が深く、『天守物語』や『外科室』の映画化を自ら手がけています。
『外科室』の撮影場所となった小石川植物園を訪れると、つつじの花影の向こうから主演の吉永小百合がふと姿を見せるような、そんな幻想に囚われます。

滝の白糸を演じるのは今回初主演となる中村壱太郎。
彼女が愛する村越欣弥は尾上松也。

恋人のため殺人を犯した滝の白糸。
しかし、彼女は捕まりません。
その罪を、自分の金を奪った南京寅吉らにかぶせるのです。

殺人、そして冤罪。
サスペンス・ドラマを観ているようにハラハラドキドキ。

圧巻は、終盤に繰り広げられる法廷シーンの心理戦!
滝の白糸の援助により判事となった欣弥。
証人台に立つ滝の白糸こと、水島友(とも)。

判事席の片隅。
西日に照らされ、浮かび上がる欣弥の顔。
自らを裁く人々の群れに、愛しい人の姿を認め、思わずよろめく滝の白糸。
「具合が悪いなら椅子を用意させる」との裁判長の申し出に「光がまぶしくて…」と答える彼女。
この演出は見事でした。

愛する人のため、法廷を欺こうとする女。
いとしい男の前で、自らを偽り続けることができるのか?

傾きかけた陽の光。
温かなオレンジ色が、足元から崩折れそうな滝の白糸の絶望をしらじらと照らし出し、ひどく寂しい空間を作り上げていました。

愛と罪のはざまで揺れる心を、背中で語る壱太郎。
法廷シーンで観客に見せるのは後ろ姿のみ。
最もよく感情を表す視線と表情を封じられ、声色と背中だけで演じなくてはならない。
それにより、観客は滝の白糸と同じ視界を共有することができるのです。
すなわち欣弥の座る裁判員席。
自然と私たちの心はヒロインに同調します。

自分のために罪を犯した女を裁く、松也の張り詰めた声。
松也はやはり“舞台”の人ですね。
劇場の屋根にカーンと当たって跳ね返るような力強さ。
ハリのある豊かで明晰な声。
口跡も抜群で聞いていて気持ちいいです。

しかし、法廷では苦しげに絞り出される声に変わります。
愛と正義の板挟みの煩悶が、腹の底から火を噴き、喉元を焼き焦がすよう。

仄暗い舞台に対峙する滝の白糸と欣弥。
それを俯瞰する私。
世界にたった三人だけ取り残されたような錯覚を覚えます。

結末は「これぞ、悲劇」。

緊迫した台詞の応酬。
幕切れのカタルシス。
芝居好きな方に是非観ていただきたい作品です。

* * *

ざっとこのような感想を友人に話したところ、興味を持ってくれたようです。
「そういえば、ワンピースとかもやってますもんね」と。
そうそう!そうなの!
歌舞伎って案外、間口が広いの。
ゴージャスで古典的な“ザ・歌舞伎”演目も良いけど、ビギナーには親しみやすさも大切。
『滝の白糸』は歌舞伎デビューにも最適な作品としてお薦めしたいですね。

他、素晴らしかった方々。
滝の白糸の一番弟子、桔梗を演じる中村米吉。
桔梗が口を開いた瞬間「歌舞伎はいつの間に女性が舞台に上がるようになったの?」と錯覚してしまうほど、自然な美しい声で驚きました。

そう言えば、『日本振袖始』の稲田姫でも「可愛いなぁー」と思ったのでした。
これから米吉さんの出演作をこまめにチェックしたいと思います。
あまりの可愛さに、すっかりファンになってしまいました。

○歌舞伎関連記事はこちら。
猿若祭二月大歌舞伎:昼の部『四千両小判梅葉/扇獅子』を観て来ました!
十二月大歌舞伎:第三部『二人椀久/京鹿子娘五人道成寺』を観て来ました!

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宝塚『男役』の魅力ってなんだろう?【case1.珠城りょう】

宝塚歌劇の最大の特徴、それは女性が男性を演じる“男役”。

その魅力については、既に語り尽くされた感がありますが、なぜ私たちが“男役”という存在に惹かれるのか。
考えてみました。

宝塚とは逆に、男性が女性役も務めるのは同じく日本の伝統芸能『歌舞伎』。
比較されることの多い両者に共通する魅力のひとつといえば、歌舞伎なら“女方”、宝塚なら“男役”。
それぞれ本来の性と異なる性を演じるところに面白さがあります。

芸の力で男以上の男、女以上の女を作り上げる。
男のいいところ、女のいいところのエッセンスを抽出した理想の人物像が生まれる。

俗に『男役10年』と言われますが、男役の型がようやく出来上がるのが10年目。
年齢的にも女性が成熟し、最も輝きを増していく時期とそのまま重なります。

彼女らの中に潜む女性性と、表面に表れる男性性との妖しいせめぎ合いこそが、男役の一番の魅力ではないかと考えます。

男役には様々なタイプがあります(例:フェアリータイプなど)。
いかにも男らしい方、中性的で時には女役もこなす方。
個々に魅力あるスターが揃っているからこそ、舞台に幅が出て面白くなりますね。

例えば、月組トップスター珠城りょうの場合。

・真面目、優等生、一途、明朗、健康的、力強い。
・分別がある、頼りがいがある、温かみがある、情緒が安定している。
・他人の幸せのために働くことをいとわない。
・頭脳明晰、質実剛健、文武両道。
・実務能力が高く、優秀。
・女性には紳士的に接し、男性にとっては頼れる兄貴分。
・堅い一方ではなく、上品なユーモアがあり、時折見せるやんちゃな顔も魅力。


反面、
・初心(うぶ)で翻弄されがち。
・愛には奥手だが、一度受け入れられると猪突猛進。
・ためらいなくインモラルに足を踏み入れる。
・ややウェット。


いかがでしょう?
いままで珠様が演じてこられたキャラクター(ご本人由来も少々)から受ける、主なイメージをまとめてみました。

健康的な逞しさと裏腹に、彼女が演じる男性は“死”と相性が良いのが不思議なところ。
それがもっともよく表れているのが『激情』のドン・ホセ。
浅黒い肌にウェーブのかかった黒髪。
ルックスからして非常にセクシュアルでしたが、それ以上に内側から匂い立つような性的魅力に溢れていました。

エロス(性愛、生きる力もしくは欲望)の対極はタナトス(死、または死の衝動)となりますが、カルメン(愛希れいか)の愛を欲するあまり、軍隊を出奔し、犯罪に手を染め、次々と人を殺めたドン・ホセは、愛(生)を渇望しながらも破滅への道をまっしぐらにひた走ったのです。

ホセにとってカルメンは“生きる喜び”。
生への渇望が死に転じる。
抜け出したくても抜け出せない矛盾の泥沼を這いずり回るドン・ホセ。
沼の底でホセの足を掴み、更なる深みに引きずり込もうとしたタナトスの化身はカルメン。

この図式は『グランドホテル』の“Death/Bolero”そのものですね。
エリザヴェッタ(愛希)との輝く未来を夢見ながら、儚くこの世に別れを告げたフェリックス(珠城)。
彼を迎えに来たのは、エリザヴェッタの姿を借りた「死の化身」。
しかし、エリザヴェッタが失いかけた“生きる喜び(Joie de vivre)”を、再び彼女に与えたのは他ならぬフェリックスだったのです。

互いに愛を与え合い、そして生を奪い合う。
相反する愛(生)と死のせめぎ合い。
彼(ホセまたはフェリックス)は“死”に負けたのか?

その答えは『激情』『グランドホテル』それぞれのラストシーンにあります。

“死”に打ち克ち、“愛(生)”を得たように思えませんか?
肉体の消滅と引き換えに、永遠を手に入れた男。
そんな物語が似合う男役。
私が珠城りょうの男役像に心惹かれるのは、そんな理由かもしれません。

とは言え、たまには生きているうちに愛と生を手中に収めて欲しいものですね。
『鳳凰伝』では、ちゃぴトゥーランドットが与える死をはねのけ、愛を手に入れる珠カラフの姿が見られるようで楽しみです。

上に挙げたイメージはあくまでも私個人の印象ですので、かなり(と言うか、ものすごく)偏ってますね。
珠城ファンの皆さまは、珠様の男役像にどのようなイメージを持たれてますでしょうか?
教えていただけたら嬉しいです。
(好きな作品によってだいぶイメージが変わりますよね)

関連記事はこちら。
若き獅子、駆けろ!-珠城りょうの魅力を探る-

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猿若祭二月大歌舞伎:昼の部『四千両小判梅葉/扇獅子』を観て来ました!

週末、家族の祝い事で銀座に集まりました。
食後の腹ごなしに銀ブラしましょうと中央通りをぶらぶらお散歩していたら、いつの間にか四丁目の交差点。
三越の角を曲がれば、すぐそこは歌舞伎座!
サクッと幕見してっちゃう!?と話は決まり、チケットを入手。
開演時刻ギリギリだったので、演目もろくに確認しないままだったのですが、これが大当たり!
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江戸歌舞伎三百九十年・猿若祭二月大歌舞伎と銘打たれた今公演。
夜の部の『門出二人桃太郎』では勘九郎のふたりの息子さん、三代目中村勘太郎と二代目中村長三郎の初舞台とのことで、密かにこちらを狙っていたのですが、当然完売!
万にひとつの可能性を期待して行ったのですが甘かったようです(当たり前ですよね)。

思いがけず観ることができたのは『四千両小判梅葉』と『扇獅子』。
何の予備知識もなく飛び込みましたが、ハードボイルド風味の白浪物と華やかな舞踊の二本立てで、とても楽しめました。

河竹黙阿弥作の『四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)―四谷見附より牢内言渡しまで』は、幕末に実際に起きた江戸城の御金蔵破り事件がモチーフ。
今で言うなら三億円事件みたいなものだそう(古い?)。
裏世界の男たちの姿をリアルに写し取ったこの作品。
いわゆるピカレスク物ですが、妻や子への情など人間臭い部分もしっかり描かれ、見応えがありました。

主人公、野州無宿富蔵は菊五郎。
どこか憎みきれない魅力的な悪人っぷり。
くっきりした口跡、素晴らしく良く通る声はさすがです。

護送中の富蔵が籠に入ったまま家族と別れを惜しむ『中仙道熊谷土手の場』。
富蔵の舅、うどん屋六兵衛を演じた東蔵の温もりある芝居が印象深かったです。

富蔵の娘お民(菊地慶/醍醐陽)のあどけなさ。
「悪いことをすればお仕置きを受けるのは私でも分かるのに、なぜ、とと様は悪いことをしたの?」
こう言われて、さしもの富蔵の意地もついえます。

始めは家族に塁が及ばないよう「縁切りをした」と言い張っていた富蔵ですが、やがて「おとっつぁんが死んだら線香の一本も立てておくれ」「父親が罪人と知れたらいじめられるから、おとっつぁんは三年前に死んだとお言い」など涙ながらに説くのです。

本当になぜ人間はこんな結末を迎えると薄々知りながら悪事に手を染めるのでしょうね。
その弱さ、愚かしさこそがドラマの根源なのですが。

そして、ハイライトの『大牢(たいろう)の場』。
当時の牢獄の様子が克明に描かれ、非常に興味深い場面でした。
それもそのはず、初演の千歳座の興行師は前職が牢に勤める役人だったそうで、その知識や経験が牢内の演出に活かされているそう。

幕が開くと、板敷きの隅っこに縮こまる囚人たちと、積み上げた畳の上でふんぞり返る牢名主の姿が見えます。
牢名主松島奥五郎は左團次。
“牢名主”という言葉で浮かぶイメージ通りの牢名主でした。
熱烈な左團次ファンの友人に、もう観た?と訊いたらまだですって。
これは是非生で観て欲しい。

罪人の中にも身分制度があり、一番権力を握っている牢名主が「地獄の沙汰も金次第」と言って、新入りからお金を巻き上げたりするんですよ。
お気に入りには目をかけて、牢内で楽に過ごせるよう計らってやったり。
掏摸(すり)の寺島無宿長太郎(菊之助)のように垢抜けたルックスと世渡りの上手さがあれば、牢内でもうまい汁を吸える。
牢獄という場所はそのまま社会の縮図でもあるのですね。
当時の牢は囚人たちの自治制が敷かれ、役人たちでさえ手が及ばなかったとか。

外の世界(いわゆる娑婆)であれば自分の才覚でいかようにも生きられますが、不自由な牢内で心地よく過ごせるかそうでないかは大きな違いです。
窓がなく不衛生で栄養状態も悪く、ろくに体も伸ばせない生活。
そんな江戸の牢内の様子が克明に描かれた舞台。
歴史資料としても貴重な内容です。

面白かったのは、新入りが入牢する際の儀式。
着流しの裾をパッとまくった菊五郎(富蔵)。
牢の小さな入り口から、四つん這いで進んできた囚人はそのまま富蔵の股ぐらをくぐって牢内に入るのです。
間男をして牢に入れられた若い男は『すってん踊り』と呼ばれる恥ずかしい踊りを皆の前で披露させられます。
股くぐりといい、最初に屈辱的な目に遭わせるのは反抗心を削ぐ目的でしょうか?

最期は、市中引き回しのうえ磔の刑を言い渡される富蔵。
牢名主より仕立ておろしの唐桟の着物と博多帯、紙で作った数珠を与えられます。
死出の旅に、せめてもの仲間たちの心尽くしでしょうか。
悪事を働いたらジタバタせず潔く裁きを受けるのが、江戸の悪人の矜持だったのかもしれません。

刑場へ向かう前、大牢の仲間たちに向かって「お題目を頼むぜ」と叫ぶ富蔵。
応えて「日本一の大泥棒!」との声が掛かります。
仲間たちの餞を受け、お仕置きを受けに去る富蔵の背で、幕。

大金を奪った男たちの末路の描き方は、なんとなく高村薫の『黄金を抱いて翔べ』を彷彿させました。

10分の休憩を挟んで、舞踊劇『扇獅子(おうぎじし)』。
獅子舞に見立てた扇を手に舞う鳶頭(梅玉)と芸者(雀右衛門)。
短い中に四季折々の風情を楽しめる華やかな演目で大満足。
お芝居の結末のやるせなさを払拭してくれました。
雀右衛門の艶やかなこと!
目の保養です。

気まぐれで偶然観ることのできた演目ですが、思いがけず満喫できました。
たまにはこんな行き当たりばったりもいいものですね。

そうそう、中央通りでとっても可愛いものを目撃したんですよ!
松屋の前あたりだったかな?
道端に人だかりができているので何事かと覗き込んだら…
なんと、花壇にうさぎが!

なぜこんな町中にうさぎ?まさか野良!?
それにしては毛並みがつやつや。
くりくりおめめに、ふかふかのおしりとしっぽ!
可愛いーーー!!!
連れて帰りたい!と思いましたが、残念ながら近くに飼い主らしき紳士が。
どうやらお散歩だったようです。
歩行者天国のアイドルうさちゃんですね。
はからずも色々と面白いものに触れられた一日でした。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
◇更新情報はこちら◇
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