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あなたはどっち派?―男役の持ち味「魔」と「堕」

Merry Christmas!
2020年最後の金曜日、いかがお過ごしでしょうか?

今日は年末進行の追い込みで特にクリスマスらしいことはありませんでしたが、ひとつサプライズが☆*。
友だちがプレゼントを送ってくれたんですけど、ちょうど欲しかったコスメだったんです!
明日にでも自分で買おうと思ってたタイミングだったので嬉しかった!
こんなことってあるんですねー
以心伝心?
私もこんな贈り物上手になりたいです。

男役とは「完全体の美」


以前、みりおさん(明日海りお)を“アンドロギュヌス系男役”と書きました。
アンドロギュヌスな男役、明日海りお―究極の男役は性を超越するのか│青い薔薇の精

古くより、芸術家たちの創作意欲を刺激してきた両性具有(アンドロギュヌス)モチーフ。
乳房が膨らんだ上半身、男性器を持つ下半身の姿で表されることが多いですが、もちろん宝塚の男役はこれに当てはまりません。

ファンの心を捉えるのは一目で分かる肉体の特徴ではなく、内面的な、男と女の優れた性質を併せ持った“完全体”としての「美」。
そして、そこから醸し出されるエロティシズムです。

みりおさんの卒業作となった『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』の妖精・エリュ(明日海)は、いわゆる「男役の色気」をフルに発揮する役ではありませんでした。
それは前作『CASANOVA』で演じた稀代の色事師ジャコモ・カサノヴァで存分に味わうことができましたので良しとすべきでしょう。

当代きっての人気スター、明日海りおのラストステージ。
最後の男役に「人外」を当てたのは、性を超越したアンドロギュヌス的魅力を引き出そうとしたからに他なりません。

しかし、“人間離れした”存在をみりおさんに当てるならば、正直なところ明日海りおの「魔性」に全振りした役も観てみたかったという思いもあります。

男役の持ち味「魔」と「堕」


男役さんの持ち味にある「魔」と「堕」。
抗いがたい魅力で人を惑わし、虜にしてゆく「魔」タイプ。
男に、女に、そして運命に翻弄されて、ぐずぐずになって堕ちていく「堕」タイプ。

持ち合わせている人、いない人、偏りのある人。
どちらかに振り切ったとき、ドラマが生まれます。

「魔」で思い出すのがOGの朝海ひかるさん。
『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』で、轟悠さん演じる薔薇収集家を惑わす薔薇の精・ROOSOは絶品でした。

「堕」は『激情』のドン・ホセ。
魅惑的な女・カルメンに誘惑され、人を殺め、職を失い、婚約者と別れ、母を失い…
面白いように転げ落ちていく男。
なのに女を求めることを止められない。
挙げ句に愛想尽かしされた女の命を奪い、自らも処刑される。

救いようのない人生ですが芝居としては面白いですね。
「人間」というものが愛おしく思えます。

私が好きなのは「魔」に引きずられる「堕」タイプがハマる男役さん。

魔から抜け出したいともがきつつ、ずるずると日陰の世界に馴染んでしまう。
己を制御できず、悩み、苦しみ、悶えながら、後戻りできないところまで堕ちていく姿が容易に想像できる方に惹かれますね。
(『痴人の愛』か『ヴェニスに死す』か『枯葉の寝床』を演って欲しい)
(ほぼスミレコードアウト)

クリスマスらしさゼロの記事になってしまいましたが 笑
引き続き、よい週末をお過ごしください!

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明日海りお、健在!綺麗!カッコいい!素敵!│2020 FNS歌謡祭 夏

みりおさん(明日海りお)綺麗ーーー!

昨夜の『2020 FNS歌謡祭 夏』で、ディズニー映画『ムーラン』の日本語版主題歌「リフレクション」を歌われたみりおさん。
一段と美しく、カッコよくなられてましたね!

明日海りお、健在!


潤んだ黒目がちな瞳、抜けるように白い肌に映える鮮やかな赤のドレス。
ムーランのイメージで素敵。
まろやかに透き通った声で歌う、このろうたけた美女が、ついこないだまで男役だったなんて信じがたいですね。

髪伸びたなー。
わー、ネイルしてるー。
とりとめのないことを考えながら、ぼんやり見てたら…

背中っっっ!!!

一瞬映った背中にドキッとしました。
大胆なVカットから覗く無防備な素肌。
見てはいけないものを見てしまったような…
(と言いつつ鬼リピート)

現役時代に女装する機会が多かったみりおさんですが、宝塚は基本的に生の肌を出しませんからね。
露出度の高い衣装でも、ベージュの当て布がついていたり、ボディ用のファンデーションを塗ったり。

オフショットでも男役さんの背中を見ることはほとんどありませんのでドキドキしました。

それにしても、この華奢な背中に負っていたものの大きさを思うと…
つくづくタカラジェンヌは心身共に強靭ですね。

変わらぬ、明日海りおの目


ところどころ「あ、みりおさんだ」と懐かしくなる癖もありつつ。
ずっと聴いていたくなる心地よい歌声。

力みがなく柔らかいんですが、柔らかさの内に確固たる芯があるんですね。
共演の城南海さんのパワフルさとぶつからず、しかし、飲み込まれることなく、しっかり主張する声。

押せば引く、引けば押す。
絡み合い、高め合う、素敵なハーモニーを聞かせてくれました。

ところで、ふとした瞬間に城さんを見る目が…
“明日海りお”の目だーー!

相手の心の奥底まで深く分け入るような。
包み込むような慈しみに満ちた目。
目の表情はなかなか抜けにくいものなのでしょうか?
(「これが運命だとしても」の眉間の力の入り具合とか)

姿形は変わっても、みりおさんをみりおさんたらしめる瞳。
魅入られました。

『ムーラン』劇場公開の日を待つ


『ムーラン』は配信のみなんですね。
映画館で予告編のダイナミックな映像を観て、これは大画面で観たい作品だと思ったので残念です。

今回の措置は世界同時公開が難しいからではないか?と教えていただきましたが…
この状況が落ち着いたら、映画館で観られるでしょうか?
そんな日が一日も早く訪れることを願っています。

映画館いっぱいに響き渡る、みりおさんの凛々しく繊細な芝居声を聞けますように。

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夢の世界へいざなう華麗な衣装たち│日比谷シャンテ 宝塚歌劇 花組ステージ衣装コレクション(CASANOVA/恋スルARENA)

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花組アーカイブス│観劇記録 記事一覧 2012-2020

待ちに待った宝塚再開のニュース。
トップバッターは花組の『はいからさんが通る』。
ようやく新トップコンビがお披露目されます。

「座席は間引き」「演奏は録音」など、まだ制約は多いですが、とにもかくにも劇場の扉が開くのは何にも代えがたい喜びです。
この日を今か今かと待ちわびた生徒さん、劇団関係者、ファンの皆さま、おめでとうございます!

初日まで一ヶ月。
無事に幕が上がり、千秋楽まで滞りなく上演できることを心より願います。

しばらく宝塚離れしていた私の花組再デビューは2012年。
当時のトップコンビは、蘭寿とむさんと蘭乃はなさん。

その後、トップスターは明日海りおさん、トップ娘役は蘭乃はなさん、花乃まりあさん、仙名彩世さん、華優希さんに替わりました。
そして、宝塚筆頭組を背負って立つバトンは柚香光さんの手に。

時間がたっぷりある今、2012年から現在まで、実際に観劇した全公演の記録と感想をまとめました。
東宝組の私が『はいからさん』を観られるのは当分先になりそうですが、また感想をこちらに追加できたらいいなと思います。

花組アーカイブス│観劇記録 記事一覧 2012-2020


※作品名のリンクから関連記事に飛べます(リンクなしは記事なし)



復活/カノン


1.宝塚的ハッピーエンドではないけれど│花組:復活/カノン

愛と革命の詩/Mr. Swing!


1.蘭寿とむ×蘭乃はな×明日海りおの三角関係│愛と革命の詩

新源氏物語/Melodia


1.ザ・因果応報!源氏物語ダイジェスト│花組 新源氏物語

雪華抄/金色の砂漠


1.すごく面白かった!物語の厚みに圧倒される『金色の砂漠』
2.花咲くカトレア、仙名彩世│読売新聞掲載記事より
3.“項羽と虞美人”を思わせる“鳳月杏と仙名彩世”│金色の砂漠
4.『金色の砂漠』で気になった方々│天真みちる・芹香斗亜・和海しょう・水美舞斗・音くり寿

MY HERO


1.舞台と観客のコール&レスポンスが素晴らしい!MY HERO観劇記(1)
2.父と子の物語、芹香斗亜と綺城ひか理について│MY HERO観劇記(2)
3.詰め込みすぎが面白い!天真みちる・鳳月杏・朝月希和・音くり寿、他│MY HERO観劇記(3)

邪馬台国の風/Santé!!


1.面白そう!花組公演『邪馬台国の風/Santé!!』
2.まもなく邪馬台国初日!楽しみー!そして、ネタバレは突然に…
3.美味しそう!花組公演デザート『かんパイン!!』│邪馬台国の風
4.邪馬台国の風/Santé!!ざっくり感想&花組ステージ衣装コレクション
5.ツブラメ(水美舞斗)・フルドリ(柚香光)、若者たちの恋模様に注目│邪馬台国の風
6.目覚めた少女マナ(仙名彩世)―女王卑弥呼誕生秘話│邪馬台国の風

ハンナのお花屋さん


1.ニュータイプの主人公誕生!明日海りおは『草食系』ではなく『お花屋さん系』│ハンナのお花屋さん
2.“白い貴公子”芹香斗亜アベルが素晴らしい!│ハンナのお花屋さん
3.矢車菊の花言葉は“繊細”―たおやかに強く、繊細な仙名彩世ミア│ハンナのお花屋さん
4.夢が叶った!?大好きな宝塚歌劇とマリメッコのコラボが実現!│ハンナのお花屋さん
5.この生徒さんに注目!白姫・航琉・羽立・真鳳・優波・綺城・飛龍・音│ハンナのお花屋さん
6.どうしても気になる点をいくつか│ハンナのお花屋さん
7.ポーの一族/ハンナのお花屋さん│日比谷シャンテ 宝塚歌劇 花組ステージ衣装コレクション

ポーの一族


1.『ポーの一族』満を持して舞台化!みりおエドガーに高まる期待
2.ニュース続きの三連休/飛鳥裕さんご卒業/ポーの一族配役発表
3.“永遠の命”がもたらすものとは?ふたつの不死の物語“ポーの一族VS不滅の棘”│不滅の棘感想
4.この世ならざる“美”を極めた明日海エドガー│ポーの一族
5.【公演ドリンクレビュー】花組『ポーの一族』オリジナルカクテル/バラの花園☆☆☆☆☆
6.「エドガーがいる」―私の心のエドガーと明日海エドガーがひとつになった│ポーの一族
7.失われたポエジー、“小池流”最大公約数のための『ポーの一族』

あかねさす紫の花/Santé!!


1.みりゆきにぴったり!あかねさす紫の花+マイティー初主演おめでとうございます!
2.『あかねさす紫の花』ゆかりの地を訪ねて―万葉ロマンの里、奈良・明日香村漫遊記
3.いつ演るの?今でしょ!―神がかり的キャスティングのAパターン│博多座 あかねさす紫の花
4.珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-大海人皇子(明日海りお)編:「来てしまった」の破壊力
5.珠玉の台詞が光る『あかねさす紫の花』-中大兄皇子(鳳月杏)編:「こんなに私は震えている」の説得力
6.たおやかに、才長けて、うるわしく…仙名彩世の額田女王│博多座『あかねさす紫の花』
7.天比古(柚香光)の無垢、小月(乙羽映見)の慈愛、銀麻呂(天真みちる)の篤実│博多座『あかねさす紫の花』
8.明日海りお×仙名彩世、いいコンビです│花組博多座公演備忘録
9.美女たちの競艶、仙名彩世筆頭のエイト・シャルマン│博多座 Santé!!

MESSIAH/BEAUTIFUL GARDEN


1.「義」の人、鈴木重成(綺城ひか理)に称賛を惜しまず│MESSIAH −異聞・天草四郎−
2.ビューティフル寒天 -冷菓羊羹-│花組『MESSIAH』公演デザートレビュー
3.綺城ひか理ファンの皆さまへ、鈴木重成の伝記のご紹介│MESSIAH −異聞・天草四郎−
4.そこにあるのは、ただ「美」のみ│BEAUTIFUL GARDEN−百花繚乱−

蘭陵王


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CASANOVA


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A Fairy Tale ―青い薔薇の精―/シャルム!


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DANCE OLYMPIA


1.「踊るトップスター」柚香光誕生!おめでとうございます!
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マスカレード・ホテル


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目覚めた少女マナ(仙名彩世)―女王卑弥呼誕生秘話│邪馬台国の風

なんだか色々もったいない話だな、というのが『邪馬台国の風』MY初日の印象でした。

テーマやキャラクターは美味しいのに、構成が消化不良。
きちんと整理されていれば、もっと旨みが増すのに。
…なんて思ってましたが、何度か観るうちにジワジワハマっていきました。

物語の軸を「“マナ(ヒミコ)”という一人の女性の成長譚」と捉えれば、新しい面白さが見えてきます。

目覚めた少女マナ(仙名彩世)―女王卑弥呼誕生秘話


構造としては『月雲の皇子』と同じですね。
神の依り代である聖なる女、巫(かんなぎ)に触れることは禁忌。
彼女に触れ、罰を受ける男。

『月雲』で衣通姫に触れた木梨軽皇子は流刑に処されますが、『邪馬台国』の主人公タケヒコ(明日海りお)は盟神探湯(くがたち)で身の潔白を証明します。

晴れて結ばれるかと思ったら…
タケヒコはマナ(仙名彩世)のもとを去ります。
「邪馬台国に風が吹くとき、それは私があなたを想っているときだ」の言葉を残して。

マナはヒミコと名乗り、自分の能力を活かして生きる道を選ぶ。
タケヒコはマナを尊重し、身を引く。
マナはタケヒコの想いを受け止め、己のなすべきことをなす。

使命に目覚めた女と、その決断を支える男。
清々しい結末です。

邪馬台国の“謎”


初回で『邪馬台国の風』がしっくりこなかったのは、タケヒコとクコチヒコ(芹香斗亜)の人間像がつかめなかったからでした。
トップスターと二番手が演じる役ですから当然比重が大きいはずですが、二人の関係が希薄なため、いまいち収まりが悪いのですよね。

タケヒコとクコチヒコの想いの差が開きすぎて「終生の敵」という感じがしないのです。
二人の確執って、そんなに深いのでしょうか?

タケヒコは狗奴国の兵士にお師匠さんを奪われましたが、クコチヒコが直接手を下したわけではありません。
また、クコチヒコはタケヒコに何かをされたわけではありません。
恨みが生まれない=執着しない。
つまり、敵対関係が生まれない。

クコチヒコは淡々と自国の正義のために働いているだけです。
もう一歩、二人の対立が踏み込んで描かれていれば、ストーリーの奥行きが増したように思います。

私どこか大事な場面を見落としたかな?と思うほど、タケヒコの行動原理が曖昧で、モヤッとしていたのです。

適材適所!『Santé!!』ざっくり感想


お気に入りシーンは、ジゴロ、ロケット、エイトシャルマン。

美穂圭子さん、羽立光来さん、和海しょうさん、音くり寿さんの歌が素晴らしい。
仙名彩世さんもいい、声がとてもいい。
5人中3人が94期。
花組94期すごい。

ジゴロの振り付けは安寿ミラさんの匂いがする。
今年の名場面No.1かも。
3組のデュエット、娘役さんの背中を撫でるキキちゃん(芹香)がセクシー。

柚香光さんのロケットボーイ、元気いっぱい。
場面をパッと明るくする華がある。

瀬戸かずやさんと水美舞斗さんのオリエンタルワインは肉弾戦。
和海しょうさんの歌が絶品。

デュエットダンス、最後に両手を広げてゆきちゃん(仙名)を待つみりおさん(明日海)がいい。

ショーのテーマ『Santé!!(乾杯』)に合わせた長渕剛さんの「乾杯」に乗せた黒燕尾。
お芝居のモヤモヤを帳消しにするほどカッコいい。

グランドパレードのみりおさん。
大羽根を背負ったままセリが上がり、ワインを飲み干す珍しいパターン。

このショーで印象に残ったのは、みりおさんの濃密な色香。
押しも押されもせぬ宝塚筆頭組トップスターの自信がみなぎる堂々たる姿。
月組時代のほわっとした少年ぽさは跡形もなく、完熟した男役の魅力を存分に見せてくれました。

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共に30年(ブランクあり)。全組観劇派。美丈夫タイプの生徒さんが好み。谷正純・酒井澄夫・木村信司・大野拓史作品が好き。観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。

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