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美弥るりかという「価値」―男役集大成の佐々木小次郎│夢現無双

正統派男役から異端の女役まで幅広い人物を演じてこられたみやさん(美弥るりか)。
宝塚集大成のお役は剣豪・佐々木小次郎。
劇中で本阿弥光悦(千海華蘭)が小次郎の剣を「まばゆい」と評しますが、それはみやさんその人への評価に他なりません。

併演のショー『クルンテープ 天使の都』。
シンプルな黒燕尾をまとったみやさんの、ダイヤモンドの粒子をまぶしたような煌めき。
照明や衣装の力ではなく、体の内側から発光するような輝き。
千穐楽が近づくにつれ、どこか、この世の者ではないような神々しさすら感じられます。

美弥るりかという「役者」


初めてみやさんのお芝居に注目したのは、2012年秋の『愛するには短すぎる』のアンソニー。
華奢で小柄な体から発せられた、思いがけず太い声が印象に残っています。

声色や台詞回しが星組の柚希礼音さんそっくりで、やはり育ってこられた組のトップさんに似るのかな?なんて思いながら観ていました。
しかしまもなく、誰でもないみやさん自身の魅力に気づかされたのです。

まさおさん(龍真咲)演じるフレッドとの息ぴったりの掛け合い。
軽妙洒脱な持ち味が合うのか、まさるりコンビは観ていて楽しい気持ちになりますね。

時は過ぎ、珠様(珠城りょう)がまさおさんの後を継いで、月組に新たな名作が次々に生まれました。
『グランドホテル』『All for One』『BADDY』…
作品の成功に大きく貢献したのは、みやさんです。

みやさんをひとことで表すなら、“フェアリータイプ”の男役さんでしょうか?
みやさんがお好きな涼風真世さんもこのタイプでした。

中性的な容姿に反して、芸風は骨太。
そんなところもよく似た二人であるように思います。

新生月組第一作は涼風さんの卒業公演となった『グランドホテル』。
みやさんのお役は涼風さんが演じられたオットー・クリンゲライン。

華やかで溢れんばかりの色気が魅力のみやさんが瀕死の簿記係?
初めはそう思いました。
しかし、蓋を開けてみれば、そこにいたのは限りある命を精一杯に燃やし、明日への希望を信じるひとりの人間でした。
愛を信じ、友を信じ、やがて生まれる新しい命を慈しむことができる男。

色気も美貌も封印して挑んだオットー役。
男役の垣根を超えた「人間」を演じたみやさんの芝居が心の奥深くに染み入りました。

「役」は「中の人」の写し鏡


オットーの真逆がスイートハートです。
宝塚ファンを熱狂の渦に巻き込んだ『BADDY』。
最大の立役者はみやさん演じるスイートハート。
初めて観た日の衝撃は忘れません。

色香も美貌もフルスロットル。
男役・美弥るりかの魅力、唯一無二の個性を最大限に活かしきった役と言えるでしょう。

スイートハートというキャクター無しで、果たして『BADDY』はあそこまでの狂乱を生み出し得たのか?

美しく妖艶でありながら骨太。
男性と女性の粋を集めたようなキャラクター。

オットーとスイートハート。
自由自在に色気を出し入れする変幻自在の役者、美弥るりか。
「役者」というより「人」ですね。

役は、それを演じる「中の人」以上の存在にはなれない
優れた役を演じるには、役者自身が優れた人間でなければならない。
そう思います。

観るのはひたすら舞台だけ。
スカイ・ステージはおろか、紙媒体もごくまれにしかチェックすることのない私ですので、みやさんの人となりは存じませんが、お人柄は演じる役に表れると感じます。
そういう意味で好きな役は『雨に唄えば』のコズモかな?

「MAKE 'EM LAUGH」の笑いを含んだいたずらっぽい目つきが忘れられません。
くりくり動く猫のような瞳、軽やかな身ごなし、豊かな表情。
前向きな心、抜群のひらめき、逆境にくじけぬ明るい強さ。
さりげなく誰かに手を差し伸べることができる優しさ。
観ていて自然に心がうきうき軽くなる、自然体で力みのない芸。

本名のみやさんもこんな感じの方かな?と想像してしまいます。

美弥るりかという「価値」


集大成の佐々木小次郎。
端的に言えば「美弥るりかだから成立した役」ですね。

より多くのエピソードを描くことに筆が割かれた分、中心となる人物たちの書き込み不足が否めない『夢現無双』。
しかしながら、わずかな点と点を結んで線と成し、主人公・武蔵の人生を遠隔的に支配する佐々木小次郎という男を強く印象づけたみやさんの手腕は見事です。

武蔵の憧れであり、友であり、好敵手であった小次郎。
主人公に「この頂まで上がって来い」と言えるだけの度量。

なにより、劇場中の空気を一気に「美弥るりか色」に染め上げる存在感。
姿、声色、佇まい…
出てくるだけで「只者ではない」「物語の芯となる人物であろう」と思わせる説得力。

言ってしまえば、小次郎は美弥るりかという特異なタカラジェンヌの在り方に、すべてが委ねられた役なのです。

ただそこに在るだけで多くのものを観客に与えることができる役者。
それこそが美弥るりかの「価値」です。
舞台を通して沢山の喜びと希望をくださったことに感謝の気持ちしかありません。

ご卒業までまもなく。
完全燃焼の晴れやかな千穐楽となりますように。
そして、その先も、より豊かな輝きに満ちた道を歩まれますように。
心より、ありがとうございました。

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「好き」がどんどん育っていく―月組と珠ちゃぴ

『エリザベート』大劇場公演千穐楽おめでとうございます。
月組生揃って、ご無事の楽日を迎えられたこと、心より嬉しく思います。

今日は月初の業務に終われヘトヘトでしたが、劇場やLVへ行かれた皆さまの喜びの声をTwitterで拝見し、疲れが吹き飛びました。
ちゃぴちゃん(愛希れいか)のサヨナラショーでは「Love Can't Happen」が使われたとか。
この情報が目に飛び込んできた瞬間、胸の奥からじわっと幸福が湧き上がってきました。

フェリックスとエリザヴェッタ。
瑞々しく輝く恋の始まり。
大好きなシーンです。

珠ちゃぴコンビが紡ぐ愛の物語。
ときに切なく、ときに激しく、ときに物狂わしく。
しかし最も似合うのはやはり、信頼に裏打ちされた温かな愛情の表現でしょう。

話は逸れますが、このブログに「ブログ内検索とタグクラウド」という項目があります。
(PC版→右カラム、スマホ版→プロフィールの下)
img-20181001_2.jpg
各タグから関連する記事に飛ぶ機能です(上にあるのは画像ですのでリンクされません)。
使用頻度の高いタグほど文字が大きくなる仕様。
オンカーソルで使用回数が出ます。

さて、どのタグが一番使われているのか。
結果は「月組」が断トツで226回。

次は「珠城りょう」で213回。
その次は「愛希れいか」の99回。

珠ちゃぴ!!

2年前、珠様トップ就任直前から始めたこのブログ。
最初は小さかったタグの文字が少しづつ大きくなっていくのと同時に、宝塚への、月組への、珠様への、ちゃぴちゃんへの愛もまた育っていったように思います。

ちなみに、以下「星組」51回、「美弥るりか」45回、「輝月ゆうま」43回、「グランドホテル」42回と続きます。
極めて妥当というか、好みが露骨に反映されすぎて、むしろ怖いくらいですね。

閑話休題。
作品としては『グランドホテル』や『激情』が好きですが、珠ちゃぴの関係に限って言えば『All for One』が一番好きです。

互いに見交わす優しい視線、どちらが先でもなく後でもなく、手を携え、並んで歩く。
ダルタニアンとルイーズ。
あの可愛い恋人たちの姿が、珠ちゃぴというコンビの真骨頂であったように思います。

思えば『All for One』は、あの当時の月組と珠ちゃぴへの書き下ろしなのでした。
ぴったりなのは当然です。

東京公演も、互いへの信頼と敬愛に彩られた、いつもと同じ珠ちゃぴの姿を見せてくださることを楽しみにしております。

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愛希れいか率いる、可愛くってセクシーな月娘の魅力満載『S4妖艶』│カルーセル輪舞曲

まもなく月組トップ娘役ちゃぴちゃん(愛希れいか)の卒業公演が初日を迎えますね。
開幕までに、公開しそびれていた彼女の出演作の感想を上げていきたいと思います。
しばし、お付き合いくださいませ。

* * *

気づけば全てのシーンが大好きになっていた『カルーセル輪舞曲』。
観れば観るほど味わい深くて、観終わったばかりなのにまたすぐ観たくなる中毒性のあるショーですね。

そんな『カルーセル輪舞曲』ですが、MY初日に観た瞬間「これ好き!」と思ったのが、ちゃぴちゃん率いる娘役さんメインの『S4妖艶(アメリカ ニューヨーク)』。

前場面『船出(太平洋)』の銀橋で、「白馬の王子」珠様(珠城りょう)が水先案内人のみつるさん(華形ひかる)に「次はどこへ行くのか、意地悪しないで教えてよー」とじゃれつく姿はべらぼうに可愛かったですね!!
上級生男役に甘える珠様って尋常じゃない可愛さがあります。
みつるさんが大型犬にのしかかられてるみたい。

で、たどり着いたのが「レディマンハッタンS」のちゃぴちゃんを筆頭に、月組が誇る美女が勢揃いするクラブ。
コケティッシュに歌い踊るちゃぴちゃん、いいですねー!!
すーさん(憧花ゆりの)、なつこさん(夏月都)、くれあちゃん(玲実くれあ)、さちかちゃん(白雪さち花)。
月組の娘役さんはみんな大人っぽくてカッコいい持ち味の方が多いので、こういうシーンはぴったり!

そして、月組が誇るカッコいい系美女といえば、この人!
ちゅーちゃん(咲希あかね)!
見事なダンスで男役さんを乗りこなしていますね!

月娘の「かかあ天下」っぷり、好きです!
男役さんも尻に敷かれてると思わせて、決めるところはバシッと決める!

月組の良さってこういうところかなぁ?と思います。
強い娘役さんと対等に、むしろ更に逞しく包み込む男役さんの「器量」。
男女の力が拮抗し、互いが互いを支え、引き立て合うところに月組の舞台の良さがあるように思います。

大好きなからんちゃん(千海華蘭)は「ブラックホース」の歌手。
これは嬉しい!
本公演でも博多座でも、ひたすらからんちゃんに注目してました。
なんとも言えない洒脱な歌声。
ダンスも良し。
肩の使い方や視線の投げ方、目が離せません。

『Dance Romanesque』のフィナーレ、同じく当時のトップまりもちゃん(蒼乃夕妃)中心の娘役だけのナンバー『未来の記憶』で最下級生で入っていたちゃぴちゃん。
あのときの愛くるしい笑顔はそのままに、安心して一場面を任せられる堂々たる娘役トップとして花開かれましたね。
まもなく世代交代。
次へ、そしてまた次へと月娘の財産を受け継いでいって欲しいものです。

わかばちゃん(早乙女わかば)の「フロリダー!」の叫びも可愛い。
フラッパースタイルが本当によくお似合い。
わかばちゃんのデイジー(華麗なるギャツビー)を観てみたかったなぁ。
珠城りょう×早乙女わかばで『華麗なるギャツビー』が観たい!

このシーンになると、いつも月組版『シカゴ(Chicago)』が観たくなります。
ロキシー・ハート→ちゃぴちゃん。
ヴェルマ・ケリー→美園さくらちゃん。
ママ・モートン→白雪さち花ちゃん。
次期トップ娘役となるさくらちゃんとちゃぴちゃんが舞台でがっぷり組む機会がなかったのは残念。
せめて妄想劇場で…
もし、また「娘役主演公演」があるならば、娘役さんの芸も魅力も存分に発揮できるこういう演目が観たいですね。

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月組東京初日おめでとうございます!+ブログ開設1年目の人気記事ランキングTOP10

待ちに待った『All for One』東京初日!
繁忙期につきMY初日はしばらくお預けですが、大好きな月組はすぐそこ!と思うだけで心弾みますね。
楽しみー!!!

さて、当ブログは本日で一周年を迎えました。
細々ながら続けて来られたのも、ひとえにお読みくださる皆さまのおかげと深く感謝しております。
また、メッセージをくださったり、ランキングや拍手ボタンを押してくださる方、いつもありがとうございます。
想いを同じくする歌劇ファンの方と交流させていただけることが、とても嬉しく、励みになっております。

一年の振り返りとして、皆さまの関心が高かった記事をまとめてみました。
(『人気記事ランキング』と大層なタイトルをつけておりますが、より多くの方にお読みいただいた(閲覧数が多い)記事ですね)

No.1 “項羽と虞美人”を思わせる“鳳月杏と仙名彩世”│金色の砂漠
No.2 衝撃の結末!珠城りょうの愛と、愛希れいかの凄み『アーサー王伝説』
No.3 北翔海莉『みちこのズンドコ』が面白い!みっちゃんっていいなぁ…
No.4 大劇場と東京は別物!?│グランドホテル台詞追加・演出変更点
No.5 「○○しちゃいなさいよ」不気味な存在感が光る宇月颯│グランドホテル
No.6 ちゃぴちゃん、やっぱりあなたは最高!│グルーシンスカヤのイノセンス
No.7 とびっきり可愛かった!クレヨンちゃん(蒼羽りく)の恋│王妃の館
No.8 2016年印象的だった舞台(宝塚・外部)│1位はやはり、あの作品!
No.9 『アーサー王伝説』成功要因のひとつは美弥るりかのモーガンに有り!
No.10 こんな輝月ゆうまが観たかった!悪の華咲くメリアグランス『アーサー王伝説』

やはり、皆さまのご興味は公演情報に集中するようです。
今後も少しでもお読みくださる方のお役に立てるような記事を上げていければ、と思います。

爽やかな風や虫の声に早くも秋の訪れを感じる今日この頃。
皆さまが元気に楽しいヅカライフをお過ごしになれますよう、心よりお祈り申し上げます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2017.9.1 レビュー記念日 noctiluca

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宝塚『男役』の魅力ってなんだろう?【case1.珠城りょう】

宝塚歌劇の最大の特徴、それは女性が男性を演じる“男役”。

その魅力については、既に語り尽くされた感がありますが、なぜ私たちが“男役”という存在に惹かれるのか。
考えてみました。

宝塚とは逆に、男性が女性役も務めるのは同じく日本の伝統芸能『歌舞伎』。
比較されることの多い両者に共通する魅力のひとつといえば、歌舞伎なら“女方”、宝塚なら“男役”。
それぞれ本来の性と異なる性を演じるところに面白さがあります。

芸の力で男以上の男、女以上の女を作り上げる。
男のいいところ、女のいいところのエッセンスを抽出した理想の人物像が生まれる。

俗に『男役10年』と言われますが、男役の型がようやく出来上がるのが10年目。
年齢的にも女性が成熟し、最も輝きを増していく時期とそのまま重なります。

彼女らの中に潜む女性性と、表面に表れる男性性との妖しいせめぎ合いこそが、男役の一番の魅力ではないかと考えます。

男役には様々なタイプがあります(例:フェアリータイプなど)。
いかにも男らしい方、中性的で時には女役もこなす方。
個々に魅力あるスターが揃っているからこそ、舞台に幅が出て面白くなりますね。

例えば、月組トップスター珠城りょうの場合。

・真面目、優等生、一途、明朗、健康的、力強い。
・分別がある、頼りがいがある、温かみがある、情緒が安定している。
・他人の幸せのために働くことをいとわない。
・頭脳明晰、質実剛健、文武両道。
・実務能力が高く、優秀。
・女性には紳士的に接し、男性にとっては頼れる兄貴分。
・堅い一方ではなく、上品なユーモアがあり、時折見せるやんちゃな顔も魅力。


反面、
・初心(うぶ)で翻弄されがち。
・愛には奥手だが、一度受け入れられると猪突猛進。
・ためらいなくインモラルに足を踏み入れる。
・ややウェット。


いかがでしょう?
いままで珠様が演じてこられたキャラクター(ご本人由来も少々)から受ける、主なイメージをまとめてみました。

健康的な逞しさと裏腹に、彼女が演じる男性は“死”と相性が良いのが不思議なところ。
それがもっともよく表れているのが『激情』のドン・ホセ。
浅黒い肌にウェーブのかかった黒髪。
ルックスからして非常にセクシュアルでしたが、それ以上に内側から匂い立つような性的魅力に溢れていました。

エロス(性愛、生きる力もしくは欲望)の対極はタナトス(死、または死の衝動)となりますが、カルメン(愛希れいか)の愛を欲するあまり、軍隊を出奔し、犯罪に手を染め、次々と人を殺めたドン・ホセは、愛(生)を渇望しながらも破滅への道をまっしぐらにひた走ったのです。

ホセにとってカルメンは“生きる喜び”。
生への渇望が死に転じる。
抜け出したくても抜け出せない矛盾の泥沼を這いずり回るドン・ホセ。
沼の底でホセの足を掴み、更なる深みに引きずり込もうとしたタナトスの化身はカルメン。

この図式は『グランドホテル』の“Death/Bolero”そのものですね。
エリザヴェッタ(愛希)との輝く未来を夢見ながら、儚くこの世に別れを告げたフェリックス(珠城)。
彼を迎えに来たのは、エリザヴェッタの姿を借りた「死の化身」。
しかし、エリザヴェッタが失いかけた“生きる喜び(Joie de vivre)”を、再び彼女に与えたのは他ならぬフェリックスだったのです。

互いに愛を与え合い、そして生を奪い合う。
相反する愛(生)と死のせめぎ合い。
彼(ホセまたはフェリックス)は“死”に負けたのか?

その答えは『激情』『グランドホテル』それぞれのラストシーンにあります。

“死”に打ち克ち、“愛(生)”を得たように思えませんか?
肉体の消滅と引き換えに、永遠を手に入れた男。
そんな物語が似合う男役。
私が珠城りょうの男役像に心惹かれるのは、そんな理由かもしれません。

とは言え、たまには生きているうちに愛と生を手中に収めて欲しいものですね。
『鳳凰伝』では、ちゃぴトゥーランドットが与える死をはねのけ、愛を手に入れる珠カラフの姿が見られるようで楽しみです。

上に挙げたイメージはあくまでも私個人の印象ですので、かなり(と言うか、ものすごく)偏ってますね。
珠城ファンの皆さまは、珠様の男役像にどのようなイメージを持たれてますでしょうか?
教えていただけたら嬉しいです。
(好きな作品によってだいぶイメージが変わりますよね)

関連記事はこちら。
若き獅子、駆けろ!-珠城りょうの魅力を探る-

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プロフィール

野口 留香 noctiluca

Author:野口 留香 noctiluca
宝塚歌劇と共にまもなく30年(ブランクあり)。
月組/星組比重高めの全組観劇派。
美丈夫タイプの生徒さんが好み。
宝塚歌劇観劇記録・考察・思い出話・備忘録などをまとめたブログ。
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